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経済ニュースゼミバックナンバー(その7)




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試験に出ない経済学

 

ナンバー 主要項目
経済ニュースゼミ(第124号) 2005年11月7日 IS-LMモデル 株高と円安の関係
経済ニュースゼミ(第125号) 2005年11月9日 IS-LMモデル マネーの動き
経済ニュースゼミ(第126号) 2005年11月11日 IS-LMモデル オイルマネーと米国
経済ニュースゼミ(第127号) 2005年11月14日 IS-LMモデル GDPの成長率と量的緩和政策
経済ニュースゼミ(第128号) 2005年11月16日 IS-LMモデル 政府と日銀の大人の関係
経済ニュースゼミ(第129号) 2005年11月18日 IS-LMモデル
経済ニュースゼミ(第130号) 2005年11月21日 IS-LMモデル FRBとバーナンキ次期議長
経済ニュースゼミ(第131号) 2005年11月25日 IS-LMモデル 金余りなのか
経済ニュースゼミ(第132号) 2005年11月28日 IS-LMモデル 景気の判断
経済ニュースゼミ(第133号) 2005年11月30日 IS-LMモデル
経済ニュースゼミ(第134号) 2005年12月2日 マンデル・フレミング・モデル 株価回復
経済ニュースゼミ(第135号) 2005年12月5日 マンデル・フレミング・モデル G7会合での話し合い
経済ニュースゼミ(第136号) 2005年12月7日 マンデル・フレミング・モデル 景気の動向
経済ニュースゼミ(第137号) 2005年12月9日 マンデル・フレミング・モデル 証券発注ミス
経済ニュースゼミ(第138号) 2005年12月12日 マンデル・フレミング・モデル 証券発注ミス
経済ニュースゼミ(第139号) 2005年12月14日 マネタリスト 耐震強度偽造問題
経済ニュースゼミ(第140号) 2005年12月16日 ケインズ経済学 米国の金利引き上げ
経済ニュースゼミ(第141号) 2005年12月29日 AD-AS分析
経済ニュースゼミ(第142号) 2005年12月21日 AD-AS分析 来年度予算
経済ニュースゼミ(第143号) 2005年12月26日 2005年経済ニュースセレクション
経済ニュースゼミ(第144号) 2006年1月11日 AD-AS分析 日米の金融政策
経済ニュースゼミ(第145号) 2006年1月13日 AD-AS分析 量的緩和政策の解除
経済ニュースゼミ(第146号) 2006年1月16日 AD-AS分析 GM危機
経済ニュースゼミ(第147号) 2006年1月18日 AD-AS分析 葉物野菜
経済ニュースゼミ(第148号) 2006年1月20日 AD-AS分析 ライブドアの企業買収
経済ニュースゼミ(第149号) 2006年1月23日 自然失業率仮説 ライブドアの企業買収
経済ニュースゼミ(第150号) 2006年1月25日 自然失業率仮説 ライブドアの株価
経済ニュースゼミ(第151号) 2006年1月27日 量的緩和政策の解除
経済ニュースゼミ(第152号) 2006年1月30日 マネーサプライが増えない理由
経済ニュースゼミ(第153号) 2006年2月1日 k%ルール 有効求人倍率、マネーサプライ
経済ニュースゼミ(第154号) 2006年2月3日 経済成長の理論 バーナンキ議長
経済ニュースゼミ(第155号) 2006年2月6日 経済成長の理論
経済ニュースゼミ(第156号) 2006年2月8日 経済成長の理論 所得差の拡大
経済ニュースゼミ(第157号) 2006年2月10日 為替介入
経済ニュースゼミ(第158号) 2006年2月13日 経済成長の理論 米貿易赤字が過去最大
経済ニュースゼミ(第159号) 2006年2月15日 経済成長の理論 所得収支の黒字
経済ニュースゼミ(第160号) 2006年2月17日 経済成長の理論
経済ニュースゼミ(第161号) 2006年2月20日 経済成長の理論 GDP成長率5.5%




経済ニュースゼミ(第124号) 2005年11月7日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 トヨタの今期の世界自動車販売台数は、803万台となる見通しだとか。富士重工業1
社分に相当する62万台の増加ということです。景気のいい話が続きますね。

 一方、今年2度目の処分となる明治安田生命ですが、経営陣の刷新を決めました。
 日経の11月5日付け社説では、保険金の不払いの背景には、業界全体で26万人いる外
務員の半数が毎年入れ替わるという、旧態以前の販売体制が背景にあるとしていま
す。

 どういうことを意味しているか分かりますか。
 保険会社は、外務員(分かりやすくいえば、生保レディです)を雇うことの目的が、
単に本来の役割を果たす外務員の確保にあるだけではないのです。仮に採用した外務
員が短期間で辞めるとしても、彼女たちが、親戚や知り合いに対し保険商品を売りつ
けることが出来れば、それで外務員採用の目的の半分は果たせたと考えているという
ことです。

 会社にとっては、契約をどんどんとってくる優秀な外務員が採用できればそれに越し
たことはないに違いありませんが、仮にそれができなくても、採用した新人の外務員
を通じ、その親戚や知人に保険契約に入ってもらうだけでも結構だということです。

 そして、そうした親戚や知人への保険の売り込みに対しては、契約内容の説明が不十
分になりがちな面があるということです。


 では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
 1.経済ニュース解説
 2.試験にでない経済学(IS-LMモデル)
 3.編集後記
★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★

■株高と円安の関係

 日経平均が14千円台を回復しています。 4年半ぶりの出来事です。日経は、「景
気・改革買い加速」としています。(11月5日)

 景気の回復と現政権への期待から株価が上昇しているということです。ところで、買
いの主役ですが、外国人が原動力になっていて、4ヶ月連続で1兆円買い越しとなって
いるとのことです。これは1982年の集計以来最長記録だとか。

 ところで、これだけ急速に株価が上昇すると、通常であれば、円高になるものです。
何故ならば、4ヶ月連続で1兆円の株の買い越しがあるということは、それだけ株式投
資のために必要な円が購入されているとみなすことができるからです。

 しかし、為替は、4日のニューヨーク市場で118円35銭と2年2ヶ月ぶりの円安ドル高
水準になっています。

 先ほどの株の買い越し効果を打ち消す要因が働いているということです。

 円安ドル高の背景にあるのは、内外金利差の拡大です。
 11月1日に、米国はFF金利(フェデラルファンドレート)を0.25%引き上げ4%とし
ました。
 一方の我が国のFF金利と比較可能な無担保コール翌日物は、相変わらず0.001%のま
まです。つまり短期金利の日米間の差が4%にまで拡大しているということです。昨年
6月までの一時期は、米国のFF金利も1%という低い水準にありましたが、それが1年半
程度の間に4%にまで上がってきました。

 そういうことで、我が国は、現在円安の局面にあるといってよく、その結果、冒頭
のトヨタのように輸出企業は大いに潤っているということです。

 では、どうしてアメリカは金利を引上げているのに、我が国は金利を引上げずに済
んでいるのでしょうか。

 それは、我が国の消費者物価が前年と比べ低下するという状況が続いているからで
す。物価が下がっているということは、景気がよくないということであり、金融緩和
を続けるべきだという考えが強いためです。。

 ところで、ここに注意すべきことがあります。
 それは、物価の下落をどのようにみるかということです。

 インフレ目標論者などは、物価下落を忌み嫌うものとして扱います。物価が下落す
ると、債務者の実質的な負担が増大し景気の足を引っ張る効果があり、また、商品の
購入を先延ばしする効果もある。これも景気の足を引っ張る。従って、物価の下落を
なんとしてでも食い止め、物価がマイルドに上昇することが望ましいと考えます。そ
のためには、中央銀行が国債の引受など積極的に行なうことが必要であるというので
す。

 しかし、我が国の経済は、物価こそマイナス状態から脱していませんが、経済のフ
ァンダメンタルズ全般で考えると、相当に回復しているといえます。ですから、物価
上昇率がマイナスの状態から脱していないとしても、それほど深刻に考える必要もな
いということです。

 それに、仮に今インフレ目標論者が望むように、物価が上昇に転じたとしたらどう
なるのでしょうか。そうなると、短期金利をゼロとするような政策はもはや採用でき
ません。当然ながら金利が上昇します。我が国の金利が上昇すると、内外金利差が縮
まり、円が強くなって、輸出にはマイナスに働きます。或いは、米国が財政赤字をフ
ァイナンスするために内外金利差を縮小させたくないと考えるとすれば、米国の金利
は益々上昇し、米国の景気に水を差すような結果になります。

 以上のようなことを考えると、我が国において、物価が上昇しないような状態が続
いているということは、忌み嫌うべきものであるどころか、施しものと考えた方がい
いくらいのものであることが分かります。

 物価情勢をどのように捉えるか、発想の転換が必要な時期に来ています。



以上
=================
試験にでない経済学(IS-LMモデル)
=================

【佳子】
 経済成長率が上昇するためには皆が沢山消費することも必要だけど、消費の拡大に
応じて生産も同時に拡大しないといけないのよね。つまり皆がそれまで以上に働くこ
と。
【研一】
 失業者が沢山存在していたり、稼動していない生産設備が沢山ある場合には、働く
ことはラッキーなことだけど、失業者が殆どいなかったり、生産設備がフル稼働のと
きにさらに働けということは、苦痛になるということか。
【中洲先生】
 ケインズの経済学は1930年代の社会経済状況を踏まえたものだから、どうしたら需
給ギャップを埋めることができるかを考えている。
 だから、短期の均衡ということを考えていても、経済の成長力という観点からの考
察には適しない。


【佳子】
 そのケインズの経済学なのですが、IS-LMモデルというのがあるんでしょ。どういう
もの?
【中洲先生】
 研一君は知っているかい?
【研一】
 ISというのは、投資と貯蓄の関係のことなんですよね。で、LMというのは、流動性
選好のこと。
【佳子】
 なんか全然わかんないよ。
【研一】
 ケインズは、投資は利子率に依存すると考えたんだ。
【佳子】
 利子率が低いと設備投資を積極的にするようになり、逆に利子率が高いと設備投資
に消極的になるということ?
【中洲先生】
 そうそう。
【佳子】
 でも、景気が悪いと、少々金利が下がっても設備投資は増えないような気が‥
【中洲先生】
 それはそのとおり。だけど、一般的に考えると、他の条件が等しければ、金利が高
いより低いときの方が設備投資は積極的になると考えるのはおかしなことではないよ
ね。
【佳子】
 まあ、そういうものかな。
【中洲先生】
 だから、設備投資が増えGDPが拡大するためには、金利が低い方が都合がいいと言え
る。
 IS曲線というのは、縦軸が利子率、横軸が所得・生産を表すグラフで、利子率が高
いと所得が下がり、利子率が低いと所得が増えるという関係を示している。


【研一】
 利子率が低いと投資が誘発され所得拡大につながるのは理解できそうですが、逆に
所得が拡大すると利子率は下がると言えるのですか?
【中洲先生】
 それはいいポイントだね。
 所得が拡大すると利子率低下につながるか?
【佳子】
 GDPが拡大する、要するに所得が拡大すると社会全体の取引量が増えるから、それに
ともなって現金需要が増える、そうなると金利が上がる傾向にあるんじゃなかったの
かな?
【中洲先生】
 それは、LM曲線の話だね。
 所得と貯蓄の関係を考えてごらん。
【研一】
 Y=C+I+G で、貯蓄は、S=Y−C−Gですよね。
【佳子】
 でも、だからどうなの?
【中洲先生】
 Yが増えるとSはどうなる?
 Gは一定だと考えて。
【佳子】
 Yが増えてもCも増えるかもしれないし‥
【中洲先生】
 だけど消費性向というのがあっただろう。
【佳子】
 消費性向?
【研一】
 そうか。分かりました。
 消費性向は、所得のうち消費に回す割合のこと。で、通常消費性向が100%になるこ
とはなく、ある程度は貯蓄する。
 だから‥
【佳子】
 だから?
【研一】
 所得が増えれば、消費も増えるけど、消費の増え方は、所得の増加幅の一定割合し
かない。そうすると、Yの拡大に伴いSも拡大するということですね。
【中洲先生】
 GDPが増大すると、貯蓄が増大する。つまり、投資に対して貯蓄が増大する訳だか
ら、貸付資金市場では、利子率が低下するということになるのさ。




次回に続く
=====
編集後記
=====
 グリーンスパン議長は、11月3日、上下両院の委員会で米国の財政赤字拡大に懸念を
表明しています。要するに、政府の財政政策に注文を付けている訳です。
 中央銀行の独立性が尊重されるだけでなく、中央銀行の方が政府に注文を付けてい
るのです。

 カリスマ性故に許されることなのでしょうか。でも、グリーンスパン議長の発言
は、一方的に相手方を批判するのではなく、相手の立場も尊重しつつ、誰でも納得せ
ざるを得ないアドバイスをするというように極めて計算されつくした発言です。



では、次回まで






経済ニュースゼミ(第125号) 2005年11月9日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 お昼のテレビで小野田さんが出ていました。1974年ですか、ジャングルから帰還し
たあの小野田さんです。非常にしっかりした人で、聡明さを感じました。

 小野田さんは、当時日本に戻ってから100万円支給されたそうですが、そのお金をそ
のまま靖国神社に奉納したとか。そうしたら、そのことについて批判されたとのこと
でした。小野田さんとしては、一旦貰ったものをどう使おうと自分の勝手ではないか
と言っていました。

 靖国神社と言えば、小野田さんも祭られていたとか。戦死者扱いされていたからで
すね。
 ところで、小野田さんの話によると、当時の若者は、死んだら靖国神社で会おうと
誓い合って戦地に向かったと言っていました。
 ですから、戦争が済んだ後になって、どうのこうのと言われてもそれこそ約束違反
だと言っていました。
 少なくとも、小野田さんやその友人たちはそういう気持ちで戦地に赴いたのかと再
認識しました。

 もう一つ、印象に残ったのは、ジャングルの中で屋根がない生活をするということ
は大変なことだという話です。雨が降ってきたとき、次第に体温が下がりエネルギー
が奪われるということでした。熱帯地域でもそうなのですね。

 言われてみたら当然ですが、そういうことを普段はすっかり忘れてしまっていま
す。


では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
 1.経済ニュース解説
 2.試験にでない経済学(IS-LMモデル)
 3.編集後記
★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★

■マネーの動き

 マネーの動きが勢いを得ているようです。
 先ずは国内からですが、東証の1部の売買高が、な、な、なんと45億株を突破しまし
た。(「売買高 最高の45億株 ネット投資家けん引」日経、11月9日)

 11月2日に37億株という記録を作ったばかりですが、それを8億株も上回ってしまい
ました。

 この水準は、株数(出来高)で見て、バブル期の5倍だといいます。売買金額でみる
場合には、最近は株式の分割が進んでいることなどもあり、1株当たりの単価が下がっ
ていることを考慮に入れなければいけませんが、売買金額でみても、3兆26百億円とな
っています。

 バブル経済崩壊後しばらくは、出来高が1日に3億株、売買金額でみても3000億円程
度しかないことが当たり前の時期がありました。その頃と比べれば10倍ほどの取引が
あるということです。

 そして、この活況を支えているのが、個人投資家と外人投資家のようです。バブル
期の1989年と今年10月の投資家別のシェアを比べると、個人の投資家が、1989年当時
は約30%、10月は37%と増大しています。また、外人投資家は、約11%から47%とこ
れも増大しています。

 さて、直接金融の活況さに対し、間接金融の方は如何でしょう。
 10月末の全国銀行の貸出残高が前年同月比0.2%となっています。

 0.2%増加したことが何かニュースなのか、とお思いの方も多いかもしれませんが、
実は貸出残高がプラスに転じたのは6年7ヶ月振りのことです。

 バブル経済崩壊以降、銀行はせっせと不良債権の償却に努め、他方で、企業側は有
利子負債の削減に努めてきました。その結果、不良債権の処理も大手銀行を中心に峠
を越し、また、上場企業の有利子負債は過去10年で初めて100兆円を割り込む水準にま
で達しました。

 そろそろ、新しい時代に移行する時期にさしかかっているのでしょうか。

 さて、海外では何が起こっているのでしょうか。
 2002年の初頭にはバレル20ドル程度だった原油(WTI先物)価格がほぼ一貫して上が
り続け、現在は60ドル程度です。約3倍になった原油価格のお陰で、産油国は潤い、そ
れが世界中に流れ出しているようです。(「原油高と世界 膨らむオイルマネー」日
経、11月9日)

 なんと、中東産油国の石油収入は、2005年は4千億ドルと3年間で2倍強に拡大する見
通しだとか。

 このオイルマネー、ロンドンを経て米国債の投資に回っているらしく、英国からの
米国債の投資残高は8月末で1742億ドルと1年間で2.6倍に急増しているといいます。
(日経、11月9日)

 米国の長期金利は、短期金利の引き上げにもかかわらず低位安定しているようです
が、こうしたオイルマネーのせいなのでしょうか。


以上
=================
試験にでない経済学(IS-LMモデル)
=================

【佳子】
 じゃあ、LM曲線というのは?
【中洲先生】
 流動性選好の理論というのがあるんだけど。
【佳子】
 流動性というとキャッシュのこと。
【中洲先生】
 そうそう。
 世の中の人々がお金をどれだけ好きか、言葉を換えれば、保有したいと考えている
かを説明するものだよ。
【研一】
 お金なら皆好きじゃないのですか?
【佳子】
 研一君、黙って。


【中洲先生】
 だけど、研一君は、お金のことを好きだと言ったけど、それでは働いて得たお給料
を全部身近なところにおいているかい?
【研一】
 自分で、所有するお金をみんな持っていると、なくしたり盗られたりする恐れがあ
ります。ですので、大部分は大切に貯金しています。
【中洲先生】
 お金のことを大好きといいながら、誰かに預けるのかね?
 それじゃ、お金のことを本当に好きとは言えない。
【佳子】
 かわいい子には旅をさせろというけど‥
【研一】
 ありがとう、佳子ちゃん。


【中洲先生】
 かわいい子には旅をさせろか、まあ、いい。
 研一君は、なくしたりするといけないのでお金を預けるといったけど、それ以外の
理由はないのかな。
【研一】
 本当だったら、利息を稼げたらありがたいのですけど‥
【佳子】
 最近の金利は、すずめの涙どころか、ミジンコの涙みたいなものだから‥
【中洲先生】
 その金利が大切なんだ。
 金利、言い換えると利子率。利子率こそがもっとも流動性が高い資産である貨幣の
需要と供給を均衡させるものだ。
【佳子】
 それが流動性選好の理論?


【中洲先生】
 研一君は、お金を大好きで、身近なところにおいておきたいと思うけど、そうする
と利息が得られない。しかし、旅に出すと、利息を稼ぐことができる。だけど、旅に
出すことは、お金から遠ざかることになり寂しい。さあ、どうする。
 結局、お金が稼ぐ利子率の水準によることになるよね。
【佳子】
 研一君は、かわいい子には旅をさせるといいながら、我が子を働かせて、それをピ
ンはねしているんだ。
【研一】
 かわいい子に旅をさせるといったのは佳子ちゃんだよ。
 お金を借りる立場から言えば、利子率が低い方がいいし、貸す方から言えば、高い
方がいい。
【佳子】
 お金を持っていない人からすれば、大好きなお金と一緒にいるためには利息を払う
必要があるということね。
 で、利息が安ければお金を沢山集めることができ、高いとお金を集めるのを諦める
のね。
【研一】
 お金を持っている人がお金を貯金するのは、利息を稼ぐためだよね。
 じゃあ、利息を払ってまでお金を集めたいと思うのは、本当にお金を愛しているの
かな?
【佳子】
 バカね。そのお金を働かせて、支払う利息以上に稼がせれば、利益が得られるから
でしょ。
【研一】
 そして、そのお金に対する需要と供給が利子率によって調整されるということか。


【佳子】
 そのこととLM曲線は、どう関係してくるの?
【中洲先生】
 IS曲線の場合には、財市場が均衡するような利子率と所得水準の組み合わせを表し
たものだったろう。
 LM曲線は、貨幣市場が均衡するような利子率と所得水準の組み合わせを表したもの
だよ。


【研一】
 縦軸は利子率で、横軸は所得を表すグラフですか?
【中洲先生】
 それはそうだよ。
 そのグラフに右下がりのIS曲線と右上がりのLM曲線を描く。そうするとどこかで交
わる。
【佳子】
 IS曲線は、利子率が低いと所得が多くなる関係ですよね。
【中洲先生】
 そうそう。右下がりの線だよね。
【佳子】
 で、LM曲線は右上がりなの?
【研一】
 右上がりということは、利子率が高いと所得が多くなり、利子率が低いと所得が少
ないという関係ですか?
【中洲先生】
 所得が多いということはGDPが増大したということだから、そうした状態では、取引
に必要な貨幣が増加する必要があるね。
 そうなるとキャッシュに対する需要が増えるから利子率は上がる。
【研一】
 GDPが減少すると、取引量も少なくなるので必要とするお金も減少するということ
か。


【佳子】
 だけど、GDPの増大に応じて、中央銀行が貨幣の供給量を増やしたら?
【中洲先生】
 そしたら、利子率は上がらずに済むけど‥
 貨幣の供給量が変わらないと仮定してだね。
【佳子】
 そうなると、GDPの増大に応じて利子率が上がるのか。


【研一】
 IS曲線とLM曲線が交わる交点で、所得水準が決まるのですか?
【中洲先生】
 そうだね。その交点が、IS曲線とLM曲線の双方の利子率と所得水準の組み合わせを
満たすからね。



 次回に続く
=====
編集後記
=====

 北海道は雪のようですね。でも2週間ほど遅いとか。
 段々布団から出たくなくなりますね。




 では次回まで






経済ニュースゼミ(第126号) 2005年11月11日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 今日は全国的に雨のところが多いようですが、皆さんのところは如何ですか。

 さて、このマガジンを創刊しほぼ1年になります。皆様のお陰で1年間続けることが
できたのだと思います。

 ただ、最近少し新鮮味がないかなと感じています。書いているときにはそれなりの
充実感があるのですが‥

 私の書いている内容で疑問や質問がございましたら、メールを頂ければ幸いです。


 では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
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 2.試験にでない経済学(IS-LMモデル)
 3.編集後記
★★★★★★★★
経済ニュース解説
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■オイルマネーと米国

 11月9日から日経で「原油高と世界」と題してオイルマネーの特集が組まれていま
す。

 「あふれる資金争奪戦 中東、爆発的投資ブーム」(11月10日)、「米サウジ再接近
促す 外交力学に変化」(11月11日)という見出しで推察できるように、今中東はオ
イルマネーがあふれているようです。

 その理由は、先日紹介しましたが、原油価格の高騰です。2002年の初頭に20ドル程
度だった原油価格が現在は60ドル(WTI先物)にもなっているからです。

 ところで、「外交力学に変化」とあるように、原油価格の変化がアメリカの外交に
も大きな影響を与えています。

 そもそも米同時多発テロの犯人グループの大半がサウジ人だったことが両国に隙間
風を吹かせていたとありますが(日経、11月11日)、原油価格の高騰の恩恵を受け、
サウジは、外国証券投資を9月までの1年間で440億ドル(約5兆2千億円)増やし、その
殆どが米国の国債だとみられています。

 ご存知のとおり、米国は双子の赤字に悩まされています。貿易赤字(或いは経常赤
字)と財政赤字です。その貿易赤字の額は減少するどころか、この10年間でどんどん
悪化しています。「米貿易赤字最大の661億ドル」(日経、11月11日)とあるように、
9月の貿易赤字は単月で過去最高になっています。また、1年間の貿易赤字も、1995年
には1千億ドル程度だったのが増え続け、今年は過去最高の7千億ドルに迫る勢いにな
っています。

 そういう訳ですから、米国政府にとって、海外からの資金流入に支障を来たさない
ようにすることが極めて重要な課題になっているのです。その意味で、サウジが1年間
で440億ドルも米国の国債を購入してくれたことは、米国にとってとてもありがたい行
為となるわけです。

 ところで、サウジと米国の距離感が縮まろうとするなか、米国とロシアの距離はむ
しろ遠ざかろうとしています。何故ならば、ロシアはそもそも産油国であって、今回
の原油価格の高騰で大きな恩恵を受けているからです。ロシアは、IMFからの債務を完
済し、他の公的債務も前倒しで返済しているとあります。

 ロシアといえば、かつてソ連と呼ばれていたときは、アメリカに対抗する共産圏の
リーダーでした。そのソ連が崩壊した背景には、米国がサウジと協議し原油の生産を
増産させ、原油価格の下落でソ連の対外債務が急増したことがあります。
 
 しかし、その米国は、1990年の冬ソ連を支援するために日本に対してもソ連に援助
を行なうように圧力をかけてきました。米国の外交も、前述のサウジとの関係にも表
れているように、高邁な外交哲学に沿って運営されているというより、現実の出来事
に大きく左右されているようです。

 さて、12月2、3日にはロンドンでG7が開かれます。先進国の蔵相、中央銀行総裁会
議です。日経は、財務官が「世界的な金利上昇についての議論が必要になった」と述
べたと紹介していますが、これについてはどのように解釈したらいいのでしょうか。

 米国は、昨年の6月以来金利を引上げており、FFレートは1%から4%へと上昇し、今
後も引上げると見られています。これは、 米国内にインフレ懸念があるからでが、
それとともに重要なのは、米国の赤字をファイナンスするため(海外からの資金流入
を滞らせないため)にある程度の内外金利差を維持することが必要であるからです。

 米国は、内外金利差が縮小することによって海外からの資金流入がストップするこ
とを極端に恐れているのです。でも、そのことは余り大きな声では言えません。大き
な声で言うとパニックを引き起こす恐れがあるからです。しかし、全く言及しない訳
にも行きません。何も言わないと、益々双子の赤字が悪化するからです。ですから、
グリーンスパン議長は、アメリカのこのような状態はいつまでも続くものではないと
一貫して警告を発し続けると同時に、海外からの資金を流入させるために、短期金利
を緩やかに引上げているのです。

 グリーンスパン議長は、自分では謎と呼んでいますが、こうした短期金利の引き上
げにもかかわらず、長期金利がそれほど上がらないことによるメリットも受けている
のです。長期金利が上昇しないのは、余剰気味のオイルマネーが米国債を購入するこ
とや、人民元が切りあがらないように中国政府が巨額の為替介入を行なって、その結
果多額の米国債の購入を行なっていることが理由であるからかもしれません。いずれ
にしても、短期金利は上がっても長期金利が上がらないので、景気に対し急ブレーキ
を掛ける結果にはならないからです。

 そうしたアメリカの状況をみるとき、財務官が世界的な金利上昇を議論するという
のは、分かりにくい話です。額面どおり受け止めるよりも、財務省としては、世界的
にも低金利が望まれるのだという論調を形成し、日銀の量的緩和政策解除の姿勢をけ
ん制しているのではないか、と受け止める方が自然ですね。



以上
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試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
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【佳子】
 そのIS-LM曲線は、ケインズさんが考案したの?
【研一】
 ケインズじゃなかったような気が‥
【中洲先生】
 ケインズ自身ではなくヒックスという経済学者が導入した。
 IS-LMモデルは、物価が一定である状態で国民所得、つまりGDPを決定するものは何
かを示すことにあると言われる。
 
 
【研一】
 物価は一定という前提ですか?
【中洲先生】
 そうだよね。IS-LMモデルというのは、古典派の考え方とは違って、物価が変動しな
いことを前提としている。


【佳子】
 国民所得の分析ができる道具ということだけど‥
 具体的に言うと?
【中洲先生】
 研一君、どうだい?
【研一】
 IS曲線またはLM曲線をシフトさせることによって交点がどのように移動するか、つ
まり所得水準がどう変化するかを探るんじゃないですか。
【中洲先生】
 そうだね。
 ところで、ケインズの交差図の分析との違いといったら分かるかな?
【佳子】
 交差図というのは、あの45度線が描かれたグラフ?
 45度線は、原点から右上方の伸びた傾き45度の直線で、生産と支出が等しいことを
表しているんでしょ。
【研一】
 その45度線は現実支出と呼ばれ、それに対し計画支出と呼ばれる線があって、現実
支出と計画支出が交差するんですよね。

 計画支出は、E=C(Y−T)+I+G


【中洲先生】
 Tは税金、Iは投資、Gは政府支出で、それらは一定と仮定されていたね。Cは限界消
費性向。
 で、現実支出の45度線と計画支出線がどこかで交わる。そこが均衡所得水準という
ことになる。
【佳子】
 均衡所得を上げてやるためには、その計画支出線を上にシフトさせるのよね。
【研一】
 その計画支出線の上方シフトが、簡単に言えば、需給ギャップを埋めるということ
ですか?
【中洲先生】
 そのとおり。
 上にシフトさせる幅が公共投資の量で、シフトの結果交点が右側に移動するね。
 その移動した分が、GDPの増加額だよ。


 ところで、政府支出を1単位増加させるとどれだけ所得が増大するか分かるかな?
 限界消費性向は0.6として計算してごらん。
【研一】
 今計算するんですか?
 前は覚えていたんですけど‥
【佳子】
 えーと、政府が1だけ支出するんでしょ。そうするとその分は、国民所得が直接増
大するわけね。で、その増えた分の0.6掛けだけ消費するから、その分所得が増える。
で、所得がまた増えたので、それに0.6を掛けた分所得が増える。
【研一】
 それが無限に続くんでしたね。
【佳子】
 じゃあ、研一君、計算して。
【研一】
 無限に続くけど、段々増える分が小さくなっていくので、ある一定の数値に収束す
るんでしたよね。

 所得増加額 Z=1+X+X(2乗)+X(3条)‥
となるんですよね。
【佳子】
 計算できた?
【中洲先生】
 ZにXを掛けてごらん。
【研一】
XZ=X+X(2乗)+X(3条)‥
となりますね。

【佳子】
 思い出したわ。それから引き算するのよね。
【研一】
 そうか。
 (1−X)Z=1になるんでしたよね。
 何故なら、Xは1より小さいから、それを無限回も掛け合わせると0 になると考え
るのですよね。

 ということは、求めるべきZ=1/ (1−X)
ということですか。
【中洲先生】
 正解。で、具体的数値を当てはめると?
【佳子】
 X は、0.6だったから、1÷(1−0.6)で、2.5ということになりますね。
【中洲先生】
 はい、そのとおり。
 

次回に続く


=====
編集後記
=====

 面倒な計算にお付き合いさせて済みません。でも、こういう計算って、解けるとす
っきりしますよね。

 では、算数の問題。
 1から30まで全部足すと幾らですか?

 答え直ぐ出ます?
 愚直に、一つずつ足し合わせます? それとも‥

 そう、いい方法があるんですよね。

 1から30まで並べてください。
 1,2,3‥ 30となります。

 今度はそれを逆に並べてください。
 30,29,28,‥1となります。

 それらを足すと、1+30=31、2+29=31 というように、31が30個出来上がります。
 そうすると31×30=930ですね。それを2で割ると465ということになります。

 知っている人にとっては何でもないことですが‥
 
 
 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第127号) 2005年11月14日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 前回ご紹介したように、このマガジンを創刊しほぼ1年になります。そこで、疑問や
質問がございましたら、メールを頂ければ幸いですと申しましたところ、大阪の矢澤
さんという方からメールを頂きました。

 ご紹介させて頂きます。


拝啓
 はじめまして。いつも、経済ニュースゼミを読ませていただいております。大阪在
住の矢澤と申します。メールマガジン発刊1年、おめでとうございます。

 今回は、メールマガジンに「疑問や質問が御座いましたらメールを頂ければ」とい
う一文がございましたので、質問というわけではないのですが、日ごろメールマガジ
ンを読ませていただいている、感想と申しますか、お礼をしたくメール致しました。

 私は、来春、銀行に就職を控えている学生なのですが、どうにかして入行前に経済
の基本は抑えておきたいと思い、このメールマガジンに出会いました。

 法学部の私にとって、この分野は未知に近いものでしたが、このメールマガジンで
かなり見通しがたったように思います。日本経済新聞も、今までは相当な部分、疑問
な点が多かったのですが、前半の「経済ニュース解説」で、少しづつ内容が理解でき
てきたように思えます。

 後半の経済学の分野は、気を抜くとすぐにわからなくなりますが、GDPの基本的
な構成など、得る部分は多く、できる限り理解しようと勤めています。やはり、経済
のニュースを読み解くには必須の知識であるようなので、参考書等で本格的に勉強し
ようかとも考えています。
 
 いつもこういった質の高い、メールマガジンを提供いただいて、本当にありがとう
ございます。誌内で「新鮮味がない」とおっしゃられていましたが、私、個人の意見
としましては、しばらくこのままの構成で続けていっていただければなと思っていま
す(構成の問題ではなく中身の問題でしたら検討はずれです、もうしわけございませ
ん)。

 お忙しいとは思いますが、これからもすばらしいメールマガジンを期待しておりま
す。それでは失礼致します。

敬具




 丁寧な内容のメールを頂き感動いたしました。ありがとうございます。ご期待に沿
えるよう今までのスタイルで続けていきたいと思います。


 では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
 1.経済ニュース解説
 2.試験にでない経済学(IS-LMモデル)
 3.編集後記
★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★

■GDPの成長率と量的緩和政策
 7−9月期のGDP実質成長率が11日発表になりました。前期比で、年率換算で1.7%の
成長率です。(「GDP実質1.7%成長」日経、11月11日夕刊)

 では名目成長率はどの程度でしょうか。
 答えを先に言いますと、0.7%の成長率です。

 何でこんな質問をするかと言うと、名目成長率と実質成長率の差に、最近の経済の
特徴が凝縮されているように思うからです。

 私のような中年は、名目成長率の方が実質成長率よりも高いというように習いまし
た。
 例えば、名目成長率が12%で経済が成長しているとします。しかし、物価も上がっ
ているではないかと。仮に物価が7%も上昇しているとすれば、実質的な経済成長率は
5%になるわけです。

 ところが、近年の日本は従来想定しなかったような事態が起きています。一つは、
異常な低金利です。そしてもう一つは、物価の下落という現象です。

 今の金利水準が如何に低いかは、かつてロクイチ国債という言葉があったことから
も容易に想像できます。10年ものの国債の金利なのですが、ロクイチ、即ち6.1%のレ
ートが非常に低いレートとして受け止められた時代がありました。その当時、世界で
一番金利が低い国は、世界の富豪がお金を預けるスイスで、それでも長期金利は4%台
程度でした。翻って今の日本、返せないほどの莫大な国債を発行しつつも、10年物の
国債のクーポンレートは1%台です。

 今ひとつの異常現象は、物価の下落です。かつて選挙民に「何が問題か」と問うと
「物価の上昇」という答えが返ってきた時代がありました。特に第一次オイルショッ
ク直後は凄いインフレでした。

 しかし、今や物価は下落し続けています。
 実質成長率が1.7%で名目成長率が0.7%ですから、物価が1%ほど下がっているとい
うことを意味します。昔は、実質成長率の値の方が名目成長率よりも低いのが当然で
したが、今は逆ということです。

 そういうことですので、かつては経済成長率を見るときには、名目値ではなく実質
値でみることが必要でした。最近でも名目値ではなく実質値でみることが大切なので
すが、一つの問題提起がなされました。それは名目値の重要性です。

 仮に、実質値でプラスの成長を示したとしても、例えば、我々一般の社会人は、名
目値で判断する傾向があるのではないかということです。手取りのボーナスが僅かで
も減少すれば、それが、物価下落分を調整した実質ベースで仮に増加していたとして
も、不景気だなと感じるのではないかと。デパートの売上にしても、実質で比較する
ことはなく、それ故、経済成長率も名目でプラスにならない限り、回復が実感されな
いのではないかということです。

 そのようなこともあり、近年の我が国の金融政策はデフレ脱却を最大の目標にして
いるのです。具体的には、2001年3月からゼロ金利政策を超えた量的緩和政策を採用し
てきています。

 ところが、今回のGDP成長率の発表からも分かるように物価の下落はまだストップし
ていませんが、GDPは、名目ベースでもプラスの成長が続いており、物価も来年にはプ
ラスに反転するだろうと見られています。

 そして、ここに量的緩和政策解除を巡る摩擦が発生しています。

 「量的緩和解除 日銀総裁、強い意欲」(日経、11月12日)とあります。日銀総裁
が11日都内で講演していますが、「非常手段であり、こんな異常な政策をいつまでも
続けられない」とあります。

 しかし、これに対して自民党の中川政調会長は反発しています。13日、京都市内で
「政策目標について日銀に独立性なんてない。それが分からないようであれば、日銀
法を視野に入れる」とまで述べ、日銀を強くけん制しています。

 皆さんは、どちらの意見に賛成ですか。
 量的緩和政策解除には慎重に対処すべきであるという意見が根強いことも承知して
いますが、仮にそれが当たっていたとしても、「日銀に独立性なんてない」とまで言
い切るのはどんなものでしょうか。

 なぜなら、中央銀行に独立性を与えるべきだという考えは、世界の各国が歴史から
学んだ教訓であるからです。強大な権限が賦与されているアメリカの大統領でさえ、
FEDの政策に口を挟むことはできません、愚痴ることはあっても。

 それに金融政策は、日銀の職員がどう運営すべきかを考えているのではなく、各界
から選ばれた政策委員が自らの良心の下で判断しているのです。皆日本のことを良か
れと思い考えた結果であり、政治家に比べたらはるかに特定の利益から中立であると
思います。


以上


=================
試験にでない経済学(IS-LMモデル)
=================

【佳子】
 1単位だけ公共投資を追加すると2.5倍国民所得が増大するわけか。
【中洲先生】
 それを乗数とか、政府購入乗数と呼ぶんだけど‥
【佳子】
 公共投資を10兆円追加すると、25兆円GDPが増えるわけね。
【研一】
 GDPの規模が大体500兆円でしょ。それに対して25兆円ということはGDPが5%伸びる
ということか。これはいいですね。


【佳子】
 先生、限界消費性向が8割程度に上昇したらどうなるのかな?
【中洲先生】
 そんなの簡単な計算だよね。
【研一】
 1÷(1−0.8)でいいから、5ですか。5倍か。公共投資を10兆円追加して、GDPが50
兆円も増えるのか。
【中洲先生】
 だから追加的な公共投資を実施したことによる所得がどれほど消費に回されるかが
決定的に重要になる。国民の多くが貧乏で限界消費性向が高いと乗数効果は高くな
り‥
【佳子】
 じゃあ、将来の不安があるため、所得の増加分の大部分を貯蓄に回すようだったら
乗数効果は小さくなるということね。
【中洲先生】
 そうそう。そこのところを抑える必要が先ず大事だね。


【佳子】
 他にも何か?
【中洲先生】
 クラウディングアウトというのがあっただろう?
 その効果を考慮に入れないといけない。
【佳子】
 クラウディングアウトというと‥
【研一】
 政府支出が追加的に増大することになると、実質貨幣残高が増大しなければ利子率
の上昇が起こり、それによって、民間企業の投資が減少してしまうことをいうのです
よね。
【佳子】
 だけど、ケインズの45度線のグラフには利子率は出てこないけど‥
【中洲先生】
 IS-LMモデルでは、縦軸が利子率だろう?
【佳子】
 いずれにしてもさっき計算したばかりの乗数効果が実際に発生する訳ではないん
だ。
【中洲先生】
 いろんな前提条件の下では、そういうことになる。


【佳子】
 IS-LMモデルで、そのクラウディングアウトが確認できるのですか?
【中洲先生】
 右下がりのIS曲線と右上がりのLM曲線があるよね。で、追加的な政府支出があると
いうのは、一定の利子率の下での支出が増大することだから、利子率一定で所得が増
えることを意味し、IS曲線が右側シフトすることになる。

    
利子率
┃             LM
┃          /
┃\  \     /
┃  \  \ /
┃    \ /\
┃    /\  \
┃   /    \  \
┃ /     IS \  \ IS(シフト後)
┗━━━━━━━━━━━━━━
                所得・生産



 IS曲線が右側にシフトし、そのとき交点が右側に移動するだけならば、利子率も上
昇せず、計算した乗数効果が100%発揮されることになる。しかし、交点は右側に動く
だけではなく、上方にも動く。

 当初のIS曲線とLM曲線の交点が一旦右側にした後利子率の上昇によって上に引っ張
られることにより右側から左側へと引き戻される。これがクラウディングアウトの影
響だよ。

【佳子】
 そのIS曲線とLM曲線の傾きは同じなのかな?
【中洲先生】
 その時々の情勢次第だね。
【研一】
 傾きがどうかした?
【佳子】
 クラウディングアウトが起きるといっても、結局、そのLM曲線の傾き次第だという
ような‥
【中洲先生】
 いいところに気が付いたね。
【研一】
 どういうこと?
【佳子】
 だって、LM曲線が水平に近いと想像したら?
【研一】
 そのときは、IS曲線をどれだけ右側にシフトさせても利子率の上昇はそれほど起き
ないわけか。
 反対にLM曲線の傾きが急だと、直ぐ利子率が上昇してしまい、所得増大には結びつ
かなくなる。
【中洲先生】
 そういうことだね。
【佳子】
 でも、先生。ケインズさんが研究していた1930年代は大恐慌で需要が極端に落ち込
み失業者があふれていたんでしょ。そんなときに政府支出を増大したからと言って、
利子率が急に上昇するものなのかな?
【中洲先生】
 それは佳子ちゃんのいうとおり。相当にLM曲線の傾きは緩やかだろうね。ただ、そ
うであっても理論的にはクラウディングアウトは起こるということ。その程度が大き
いか小さいかは別問題。




次回に続く
======
編集後記
======

 矢澤様、メールをありがとうございました。

 最近、タミフルという言葉をよく耳にするようになりましたね。
 だけど、タミフルには変な副作用があるかもしれないとテレビで報じています。
 タミフルが、脳の中枢神経に入っていくそうです。


 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第128号) 2005年11月16日 
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 前回126号として配信しましたが、127号の間違いでした。失礼しました。時々間違
えますが、緊張感の欠如のせいでしょうか。

 アメリカの大統領が来ていますが、マスコミはそれほど反応していないみたいです
ね。松井選手の契約更改の方が注目されているちょうです。

 さて、英語ネタが最近途絶えていましたが、
 Kate had egg on her face when the reporter pointed out her errors.

 この文章で間違いがあったら指摘して下さい。
 ヒントは、冠詞です、というと、ヒントというよりもひっかけになるでしょうか。
 (答えは、最後に)

 では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
 1.経済ニュース解説(政府と日銀の大人の関係)
 2.試験にでない経済学(IS-LMモデル)
 3.編集後記
★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★

■政府と日銀の大人の関係

 経済ニュースにしては、ちょっとかわったテーマだなと思っている方もいると思い
ます。

 最近の金融政策を巡る日銀と政府の摩擦について、日経新聞が意見を述べていま
す。タイトルは「政府と日銀は大人の関係を築け」(11月16日)です。

 大人の関係を築けということは、現状では、政府も日銀も、子供っぽい対応をして
いるということでしょうか。

 実は、先日このマガジンで紹介したように、11月11日に日銀総裁が「非常手段であ
り、こんな異常な手段をいつまでも続けられない」と発言したことに対し、自民党の
政調会長が「日銀に独立性なんてない」と強く批判しました。

 この手のやりとりはこれまでも見られているので、それ以上は気にもとめませんで
したが、実は11月15日、小泉首相は、「解除、まだ早い」と異例の言及をしたとあり
ます。(日経、11月15日)

 首相までが発言したかと思いましたが、発言内容をよく読むと、「まだ早いのでは
ないか。物価がゼロ以上ないと。まだデフレ状況だ」というものであり、小泉首相の
発言は、文字通り解釈すると、日銀のこれまで考え方と一致しているのです。

 しかし、小泉首相が、金融政策について言及するのは極めて異例なことです。しか
も、政調会長が、日銀法の改正に言及した直後だけに、やはりなんらかの意図がある
ものと思われます。

 では、何故小泉首相は、解除はまだ早いと発言したのでしょうか。小泉首相の右腕
である竹中大臣から頼まれたのでしょうか。
 でも、それは不自然ですね。竹中大臣は、ことある度ごとに量的緩和策解除に反対
の発言をしていますが、小泉首相がそれをサポートするような発言はこれまで一度も
なかったように思いますので。

 それでは、小泉首相独自の考えによるものでしょうか。
 それもなさそうです。小泉首相は、この手の話にそれほど興味を持っているように
は見えないからです。

 では、誰が?
 「首相、国債30兆円指示」とあります。(日経、11月16日)これがヒントです。

 国債の発行を30兆円に抑えるというのは、小泉首相の首相就任時の公約でした。覚
えている方も多いと思います。
 それが、現在の05年度予算では、国債の発行は、34.4兆円になっています。最近景
気が回復し、税収の増加も見込まれるだけに、小泉首相はなんとか、当初の公約を実
現したい、そして改革が進んでいることを印象付けたいと思っているのではないでし
ょうか。

 14日には、財務大臣を始め財務省関係者を呼んで説明を受けたとあります。しか
し、現在34.4兆円の国債を30兆円台に抑えるには、4兆円も歳出を削減するか税収が増
えるかしないと計算が合いません。それでなくても、年金や医療費などは毎年1兆円増
えると言われます。それに景気が回復し税収が増加するのは結構なことですが、景気
がよくなると、当然金利も上昇することでしょう。そうなると、国債の利払い費用が
増大してしまいます。

 財務省幹部は、30兆円台に国債を抑えるためには、金利が上がらないように現在の
量的緩和策を継続する必要があると首相に強く訴えた可能性があります。

 首相が、いつも言及しないことに言及すれば、その真意はどこにあるか周囲が勝手
に解釈してくれるでしょう。そこで、首相の件の発言になったのではないでしょう
か。

以上

=================
試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
=================

【研一】
 復習ですけど、IS-LMモデルでは、追加的な公共投資を実施した際の乗数効果がより
正確に把握できるということですね。
【佳子】
 45度線の分析では、追加的な支出にともなう利子率の上昇の副作用が考慮されてい
ない。でも、IS-LMモデルでは、利子率の上昇という副作用が考慮に入っている。
【中洲先生】
 そうだね。
【佳子】
 で、どの程度利子率が上がるかは、LM曲線の傾きに依存するということね。
【中洲先生】
 そうだよね。
 傾きが水平に近い状態だったら、利子率は殆ど上がったり下がったりはしない。し
かし、傾きが急だったら、追加的な需要の変化に応じて、利子率が敏感に反応すると
いうことだったね。


【研一】
 結局、IS-LMモデルということは、財の市場と貨幣市場という二つの世界を同時に見
ているということですか。
【中洲先生】
 まあ、そういうことだね。
【佳子】
 先生、政府の公共投資が大きすぎてインフレになることや、金融を緩和しすぎてイ
ンフレになるようなことの副作用は考慮しないの?
【中洲先生】
 ケインズ経済学は、物価は一定である短期の分析を前提にしているから、物価は変
動しないこととしているのだよ。
 物価の変動を考慮に入れる場合には他のモデルを使うことになるんだけど。


【研一】
 じゃあ、先生、このIS-LMモデルを使ってどんなシミュレーションができるかやって
みましょう。
【中洲先生】
 じゃあ、先ず基本から。
 世の中が不況で、需給ギャップがあるときには、どんな政策が考えられるかな。
【佳子】
 それは財政政策と金融政策があって‥
【中洲先生】
 財政政策としては、具体的には?
【研一】
 公共投資を追加したり、減税を行なったり‥
【中洲先生】
 そのとき、IS-LM曲線はどんなふうになる?
【佳子】
 GDPを増やすためにやっているんだから、交点が右にシフトするのよね。だから、IS
曲線が右側にシフトするのかな。
【中洲先生】
 LM曲線は?
【佳子】
 LMも動くのかな?


【中洲先生】
 じゃあ、復習。
 IS曲線は、財市場の需要と供給を均衡させる国民所得の水準と利子率の組み合わせ
を示した線分、いいかな?
【研一】
 財市場は、実物経済のことですよね。その際、供給は、生産のことで、需要は、消
費や投資、政府支出のことですよね。
【中洲先生】
 IS曲線は、通常は右下がり、それとも右上がり、どっち?
【研一】
 えー、右下がり。
【中洲先生】
 どうして?
【研一】
 えーっと。
【中洲先生】
 あるとき、利子率が上がるとどんなことが起きる?
 実物経済の世界でのことに限るけど。
【佳子】
 利子率が上がると、設備投資が抑えられ、逆に利子率が下がると設備投資が増える
んでしたよね。
【中洲先生】
 そうだよね。で、利子率が下がり投資が増えると、国民所得は?
【佳子】
 それは、増えます。


【中洲先生】
 前提条件があるけど、増えるよね。 需給ギャップがあればという条件だけど。
 じゃあ、利子率が下がったら消費は?
【研一】
 利子率が下がったら、消費者ローンの金利が下がるので、消費が増えるのかな。
【佳子】
 だけど、銀行預金の利息が減るので、消費意欲が落ちるような気も‥
【中洲先生】
 実際には、そういう効果もあるだろうけど、IS-LMモデルでは、消費には影響を与え
ないことになっているね。消費は所得水準、或いは可処分所得水準に依存するという
ことになっている。
 利子率は、投資に影響を与え、それが所得水準に影響を与えるので、実物経済の世
界では、利子率と国民所得の水準は負の関係にある。利子率が高ければ、国民所得の
水準は低く、利子率が低ければ、国民所得の水準は高いという関係にある。



次回に続く


======
編集後記
======

 投資の黒字が貿易の黒字を超したとあります。
 今年度の上期の計数ですが、貿易収支は4兆9271億円なのに対し、所得収支は、5兆
7224億円とあります。
 所得収支というのは、海外の債券や株式に投資した結果、そこから得られた利子や
配当収入の合計です。日本が支払った分は差し引かれたネットの額です。

 資産家の老人が、働かなくても所有する不動産から家賃を稼ぐことができるような
ものです。
 日本も成熟した国家になったといえるのでしょうか。

 

 英語のクイズの答え

 Eggは数えられる名詞だから、an egg が正しいと答えた人は、センスがあります
が、正解ではありません。

 She had an egg on her face だと顔に卵が一個くっついているような状態です。

 「顔に卵がついているよ」といっても、卵の黄身が付いているよというような状況
です。くずれた卵の一部が顔についているというような意味ですので、もはや数えら
れません。

 従って、そのままの文章で正解です。意味は「彼女は、記者が間違いを指摘したの
で、大恥をかいた」ということです。

では、次回まで






経済ニュースゼミ(第129号) 2005年11月18日
みなさん、こんにちは、Seijiです。

 株価が小泉政権発足以来の高値をつけています。日経平均は、14600円台だとか。

 そこで、英語を。

 The man boasted that they were making money hand over fist on the stock
 market.

 訳は、最後に

 では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
 1.試験にでない経済学(IS-LMモデル)
 2.編集後記


================
試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
=================

【佳子】
 ところで、先生、突然ですが、なんでIS曲線という名前なの?
【中洲先生】
 なんでだろうね。
 Y=C+Iという単純な経済を想定した場合、需要とは何のこと?
【研一】
 政府や貿易が出てこない単純な経済の姿ですね。CとIしかないみたいですが、需要
は、CとI、つまり消費と投資です。
【中洲先生】
 供給は?
【研一】
 供給はYでしょ。
【中洲先生】
 じゃあ、貯蓄は?
【研一】
 貯蓄は、S=Y−Cでしょ。生産したものから消費したものを除いたもの。
【中洲先生】
 そうだよね。消費と貯蓄は、コインの裏表みたいな関係だからね。
 作ったうち消費されなかった部分が貯蓄だし、貯蓄に回すもの以外は消費すること
が可能と言える‥
 となると、仮にSとIが等しければ、需要と供給は均衡することになり、SとIが一致
しないとギャップが生じていることになる。
 SがIよりも多いのがデフレギャップだし、IがSよりも多いのがインフレギャップとい
うことになる。
 だから、財市場の需要と供給が均衡するということは、この貯蓄と投資、つまりSと
Iが均衡するということを意味している。
 だから、IS曲線というんだね。
【佳子】
 そういうこと。
 C、消費のことは考えなくていいんだ。


【中洲先生】
 IS曲線は通常、右下がりだけど、その線分は、IとSが等しい状態を示している。
 だけど、その右下がりの線分より上の部分は、Sの方がIよりも大きい状態を示して
いる。何故なら、その地帯は利子率が高いから投資が抑えられるからね。

【佳子】
 先生、じゃあ、LM曲線は、なんでLMなの?
【中洲先生】
 Lは何のLだと思う?
【佳子】
 ヒントは?
【中洲先生】
 以前なんとかの選好理論とかいうのを話しただろう。
【佳子】
 流動性?
【中洲先生】
 流動性選好理論。Liquidity Preference
【佳子】
 お金をどれだけ好きかという理論?
【中洲先生】
 お金は、もっとも流動性の高い資産だからね。
【佳子】
 Mは、やっぱり、お金のこと。
【中洲先生】
 そうだね。マネー。
【佳子】
 そうだとすると、LM曲線は、お金とお金の曲線ということになっちゃうの?
【中洲先生】
 Lの方は、貨幣に対する需要。Mは、マネーサプライで、貨幣の供給。この貨幣の需
要と供給を均衡させる国民所得と利子率の組み合わせがLM曲線だね。
 このLM曲線は右上がり、それとも?
【佳子】
 右上がりでしたよね。
【中洲先生】
 どうして右上がり?
【佳子】
 だって、IS曲線が右下がりでしょ。LM曲線も右下がりだったら交わらないじゃな
い。
【中洲先生】
 そりゃそうだけど‥
 じゃあ、国民所得が増えると、貨幣に対する需要はどうなる?
【佳子】
 GDPが大きくなると、取引に必要なキャッシュも増えるでしょうから、貨幣需要は大
きくなりますよね。そうすると、日銀が、経済の実態に合わせてマネーを供給するん
でしょ。そうして、金利が上がって経済が逼迫することがないようにすると。
【中洲先生】
 じゃあ、利子率は?
【佳子】
 利子率は変化しないから、右上がりにはならないわね。


【中洲先生】
 佳子ちゃんは現実の経済をよく理解しているようだけど‥
【佳子】
 だけど何?
【中洲先生】
 IS-LMモデルの前提条件を忘れているみたい。
【佳子】
 ケインズさんは物価が一定だと考えたのでしょ。
【中洲先生】
 それは正解。
 それともうひとつあるんだけど。
【中洲先生】
 LM曲線は、貨幣市場の需要と供給が等しくなるような‥と言っているよね。その場
合の貨幣市場の貨幣供給量は、名目貨幣供給量ではなく実質貨幣供給量のことを指す
んだよ。
 そして、実質貨幣供給量も一定という前提を置いている。
【佳子】
 実質貨幣供給量というのは、名目貨幣供給量を物価水準で割ったもののこと?
【中洲先生】
 そう。抽象的な概念のこと。
 で、実質貨幣供給量が変わらないとき、名目貨幣供給量は?
【佳子】
 だって物価が変わらないんだから、名目貨幣供給量も変わらないのかな。
【中洲先生】
 このモデルではそういう前提で考えているということだ。実質貨幣供給量は変わら
ないと。
 で、そういう前提で考えると、さっきに戻るけど、国民所得が増大するとどうなる?
【佳子】
 GDPが増大し、取引量が増えるからお金の需要が増えるわけでしょ。だけど何故かし
らないけど、このモデルのお約束ごとで、中央銀行がマネーサプライを増やさないと
いうのでしょ。
 じゃあ、金利は急騰ね。
【中洲先生】
 はい、正解。GDPの増大とともに利子率は上がる関係にある。従って、右上がりだ
ね。


【佳子】
 そういう条件でLM曲線は右上がりになるということは理解できたけど‥
 その中央銀行が、マネーサプライを増やさないという条件は現実的ではないんじゃ
ないですか?
【研一】
 あっ、佳子ちゃんもそこで困ったみたいだな。

次回に続く


=====
編集後記
=====
 株価が上がっています。どこまで上がるのでしょうか。
 市場関係者によれば、オイルマネーも関係しているみたいなことを言っているみた
いです。

 英語の問題ですが、hand over fist は、hand over hand と置き換えてみたら、ど
うでしょう。それでもぴんとこない?
 では、rake in money ということで。そう、熊手で落ち葉をかき集めるように、お
金を儲けていると。株式市場でがんがんお金儲けしていると自慢した、という意味で
す。


 では、次回まで。






経済ニュースゼミ(第130号) 2005年11月21日
みなさん、こんにちは、Seijiです。

 昨日の東京国際女子マラソンは、見ました?
 タイムは、凄いというほどではなかったかもしれませんが、試合展開は感動的でし
た。それに高橋選手のインタビューの内容も、見ている人を勇気付けるものでした。
 どんな人も、目標を持って努力すれば、毎日が充実した日になると。

 Qちゃん、おめでとう。

 Qちゃんの運の強さが証明されました。走るために生まれてきたのでしょうね。Q
は、9で、そしてnine.

 運が強いといえば、
  have nice lives

  I think Q-chan has nine lives, don’t you?

 もっとも、have nine lives の本来の意味は、事故などにあっても助かる強運の人
の意味ですが‥

  A cat has nine lives. とよく言いますね。


 では、経済ニュースゼミを始めましょう。

<本日のメニュー>
1.経済ニュース解説
2.試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
3.編集後記


★★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★★

■FRBとバーナンキ次期議長
 21日の日経の経済教室で、アラン・ブラインダー元FRB副議長が、バーナンキ次期議
長が遭遇するであろう様々なリスクについて解説しています。如何にそのポイントを
紹介します。

1.現行の利上げサイクルについて、いつ、どのような形で終止符を打つか。

  昨年の6月、それまで1%だったFFレートの誘導目標が、引上げに転じられまし
た。毎回0.25%ずつ引上げられ、既に4%の水準に達しています。

 皆さんは、どのように考えますか? FFレートは、既に4%に達しており、これ以上
上げる必要性は少ないと考えますか?

2.市場とのコミュニケーションを巧くとることができるか。

 ブラインダー教授によれば、「グリーンスパンは、18年間英語を話すことを一貫し
て拒否し、FRB語の奇妙な方言であるグリーンスパン語を話してきた」とあります。勿
論比喩ですが。

 このため、市場はそうしたグリーンスパン語に慣れてきたため、通常の英語で話を
するバーナンキ氏の言葉が理解できないかもしれないというものです。

 常識から言えば、普通の英語の方が理解しやすいのは当然ですが、18年間も難解な
グリーンスパン語に慣らされると、普通の英語に却って戸惑いを感じるかもしれませ
んね。

 根拠なき熱狂、irrational exuberance という表現もその一つかもしれません。

 カタカナですと、「イラッショナル イグジューブランス」 となります。

 因みに、職場などでさりげなくこの言葉に言及すると、凄いと思われますが、頻繁
に引用すると嫌われます。

3.インフレ目標導入について、FRBの中で合意を形成できるか。

 ご承知のように、バーナンキ氏は、インフレ目標導入論者です。一方、グリーンス
パン議長を含め、それ以外のメンバーの中にもインフレ目標を導入することに反対の
委員がいます。バーナンキ氏が、インフレ目標値に関して、合意を形成できるかどう
かが、その後の理事会運営上極めて重要だということです。

 この点、皆さんはどのようにお考えでしょうか。
 この論点は、実は我々にとって、少し理解しにくい面があります。というのは、バ
ーナンキ氏がデフレファイターとして有名であるからです。

 デフレファイターとして有名であるということは、通常であれば、インフレが起き
るリスクよりも経済成長を優先させるということです。従って、仮にインフレが起き
るかもしれないと予想されても、経済の成長を阻害しないように金利引上げに消極的
になるのではないかと想像されます。しかし、インフレ目標を設定するということ
は、その目標値にインフレ率が収まりそうがないときには、自動的に金利の引き上げ
を行なうものです。

 しかし、現実には物価の安定に最大の関心を寄せていると考えられるグリーンスパ
ン議長の方が、インフレ目標値の導入に反対で、逆にデフレファイターといわれてい
るバーナンキ氏の方が賛成しているのです。

 結局、両者の考え方の違いは、ルールによる政策と裁量による政策のどちらが有効
かという問題に帰着するようです。

4.「住宅バブルに」ついて、どのように考えるか。実際住宅バブルがはじけたら、
 どのように対処するか。

 米国では、住宅価格の上昇が顕著で、住宅バブルが発生しているとの意見も多いで
すが、仮にそういった見方が正しく、住宅バブルがはじけた場合にどのように対処す
るかということです。

5.貿易の不均衡問題を解決するために、ドル安にどのように取り組むか。

 現在の貿易赤字の規模の大きさに鑑みると、大半の者は、貿易赤字の縮小のために
相当のドルの下方修正が必要であると考えるが、では、いつ如何にしてそれが実現す
るかということです。しかも、対応を誤れば、ハードランディングになってしまう危
険があるということです。

 皆さん、どのように考えますか。



以上


=================
試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
=================

【佳子】
 なによ、研一君、うれしそうに。
【研一君】
 実は、僕もそのことが疑問で、LMが右上がりになるのがイマイチ‥
【中洲先生】
 何も中央銀行がマネーサプライを増やすことを想定してはいけないということを言
っているんじゃないよ。
 このIS-LMモデルは、財政政策や、マネーサプライを増やす金融政策の結果がどうな
るかを評価するのが目的だからね。


【佳子】
 だって、貨幣供給量は一定だと‥
【中洲先生】
 LM曲線そのものは、貨幣に対する需要と供給が均衡するような状態を表すものだけ
ど、その際は、名目貨幣の供給量を一定にしないと、形が決まらないからね。
 さっき、佳子ちゃんが言ったように中央銀行が貨幣供給を増やせば金利は上がらな
いし、増やさなければ上がると‥

 それじゃ困るんで、供給量は一定にしましょうということにしてある。

 だけど、金融政策として当然貨幣供給量を増やしたり減らしたりするから、その
ときは、そのLM曲線がシフトすることを考える。
 もちろんそのシフトさせられたLM曲線も、その後は、貨幣供給量は不変という前提
だよ。そしてまた通貨供給量が変われば、またシフトするということさ。
【佳子】
 そういうことか。


【中洲先生】
 復習の時間が長くなっちゃったけど‥
 不況のときどのような対策を採るかだったね。
 追加的な公共投資とすると、IS曲線は、右側にシフトし、そしてLM曲線は?
【佳子】
 LM曲線は、動かないんですよね。
【中洲先生】
 だけど、財政政策だけじゃ足りないと政府が感じたとして、その場合の金融政策
は?
【佳子】
 じゃあ、金融緩和政策を実行しよう。
【中洲先生】
 具体的には?
【佳子】
 やっぱりマネーサプライを増やすのかな。
【中洲先生】
 どうしてマネーサプライを増やすと景気が刺激されるのかな?
【佳子】
 それは、お金の量が増えると利子率が下がって、それで投資意欲が湧くからでし
ょ。
【中洲先生】
 よく理解しているね。
 では、LM曲線はどっちにシフトする?
【佳子】
 えーと、利子率が下がる方だから、右側に移動するんですね。

【中洲先生】
 そうだね、デフレギャップがあるようなときに、財政政策と金融政策とで景気を回
復させることができるんだね。

 ここで問題。
 財政政策を実施したけど、殆ど効果がないことがある。その場合には、IS曲線とLM
曲線はどうなっている?

【佳子】
 それは、結局、クラウディングアウトの効果がある場合ですよね。
 追加的な政府の公共投資がなされることによって、利子率が上がり、その副作用の
ために全体としての需要が殆ど増えないと‥
【研一】
 だけど、通常の不況の想定すると、そういう場合には、需給ギャップが大きく、
少々政府が追加の公共投資を実施しても利子率が上がることはあまりないと考えてい
いんですよね。
【佳子】
 いずれにしても、仮に利子率が上がるというのであれば、IS曲線が右側にシフトし
た場合、ISとLMの新しい交点が上に移動するということだから、ISとLMの双方の傾き
が影響するんですよね。


【中洲先生】
 いいことに気が付いたね。
 じゃあ、まずIS曲線は?
【佳子】
 IS曲線の傾きが急なほど、シフトしたときの交点は上に行きそうだけど。
【研一】
 だけど、LM曲線が水平だったら、IS曲線がいくらシフトしても、交点が上に移動す
ることはないよ。
【佳子】
 そう言われればそうね。
【中洲先生】
 じゃあ、LM曲線は、右上がりで傾き45度と想定してみたら?
【佳子】
 LM曲線が傾き45度だったら、そのときは、やっぱりISの傾きが急な方が交点は上の
方に移動するわ。ISが水平だったら上には全く移動しないけど。
【研一】
 だけど、仮にIS直線が垂直とすると、交点は上の方に移動するけど、IS曲線を右に
シフトした分、そのまま国民所得の増大になっているんじゃないのかな?
【佳子】
 だけど、金利は上がっているんだよ。
【研一】
 だから、金利は上がるけど、金利が上がることによって民間の投資が阻害されるこ
とはなかった状態だと考えるべき‥


【中洲先生】
 じゃあ、IS曲線が垂直というのはどういうことなのかな?
【研一】
 IS曲線がシフトしたことによって、金利が上がるのは、LM曲線のせいだというこ
と。貨幣市場の需給関係が影響しているのであって、実態経済のせいじゃないと。

 実体経済、つまり財の市場は、金利の上昇にもかかわらず民間の投資が阻害されな
いのだから、民間の投資需要が強いのかな‥
【佳子】
 だけど、それ変じゃ?
【中洲先生】
 確かに利子率が上昇しても、民間投資は影響受けなかったけど‥


【佳子】
 けど、何ですか?
【中洲先生】
 IS曲線の傾きが垂直だというのは、利子率が上昇しても財の需要と供給、即ち貯蓄
と投資が一致しているということだけど、それは、利子率が低下しても、投資が増え
ないことでもあるんだよ。
【佳子】
 じゃあ、利子率が上昇しても低下しても、民間の投資が不変だということは、利子
率に応じて変動するような民間の投資が存在しないということですね。
【中洲先生】
 そうなんだ。相当に投資マインドが冷え込んでいて利子率が低下してもさっぱり投
資が出てこないような状態だ。逆に言えば、利子率が高くてもそれによって、阻害さ
れる投資もないと。

次回に続く

=====
編集後記
=====

 ビルの手抜き工事が明らかになっています。震度5でも倒壊する可能性があるとか。
 倒壊する前に明らかになったのがせめてもの救いでしょうが‥

 マンションを買った人は泣きたいでしょうね。
 
 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第131号) 2005年11月25日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 手抜き工事が問題になっています。大金をはたいて購入するマンションですから、
購入した人は、ショックが大きいと思います。

 昔から、少しくらい手を抜くことがあると言われていましたが、それにしても鉄筋
を抜きすぎですね。
 建設の途中で地震が起こったらどうするつもりだったのでしょうね。


 手抜き工事、英語でなんと言うでしょう。

  アルクで検索すると、“cut corners” とあります。
 They cut corners in house construction. です。

 手抜きは許すことはできませんが、こういうことが起こるというのは、少しくらい
の手抜きは日常行なわれているということではないでしょうか。役所も神経が麻痺を
していると思います。



 では、経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
1.経済ニュース解説
2.試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
3.編集後記


★★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★★

■金余りなのか

 株価が15000円に迫ろうとしています。
 「大手銀の最終利益が21倍」とか「冬のボーナス5.3%増」という記事(日経、11月
25日)をみれば、株価が少し位上昇するのも当然なのかなという気もしますが。

 因みに、全産業の一人当たり支給額は昨年比5.3%の過去最高で、15年ぶりに5%を
超すということですから、勤労者も久しぶりに懐が暖かいことだと思います。
 また、銀行の決算については、「最終利益が21倍」というのをそのまま受け止める
のはミスリーディングだとしても、07年3月期の最終利益の見通しも、前年度比2.5倍
ということですから、確実に回復していると思います。

 株価が回復しているのは日本だけではなく、米国も年初来高値を付けています。
(「NY株 一時年初来高値」日経、11月24日)

 しかし、米国では国を代表するようなGMが北米9工場を閉鎖するとあります。GMの米
国における販売シェアは10年ほど前には32%程度だったのが、現在では25-26%程度に
まで減少しています。最近時点だけでみると、落ち込みはさらに酷く、11月前半だけ
に限るとシェアは20%を切ったとあります。そのため、会長の辞任を求める声が出て
いるほどです。

 それでは、米国で株価が回復しているのはどういうことでしょうか。
 米国の株高は、投資マネーが回帰していることが原因だとあります。それに原油高
一服に加え、昨年6月からの利上げがそろそろ終息するのではないかとの期待が拡がっ
たためだともあります。

 そういう事情を考えると、米国の株高は、実体経済の回復以上にマネーの回帰によ
るところが大きいと思った方がよさそうです。

 世界的な資金余剰の背景には、原油高でオイルマネーが増大したことがあります
が、そのことを象徴するように、中東初の商品先物取引所が開設されたとあります。
(日経、11月23日)

 アラブ首長国連邦のドバイが中東の金融センターを目指し、新たな市場を整備し始
めたとそうです。22日に商品先物取引所を設け、金の先物取引を開始し、来年初めに
は石油先物取引所を開く予定になっています。

 ところで、金の取引といえば、「金500ドル目前」(日経、11月25日)とあり、金価
格が上昇し続けています。
 金の価格は5-6年前には1トロイオンス300ドル程度だったのが、その後、ほぼ一貫し
て上昇し、23日には、495.3ドルの水準に達したそうです。
(因みに、1トロイオンスは、31.1グラムです)

 金の価格が上昇するのは、通常ドル安のときや、有事の際などですが、今回は事情
が違うようです。
 ここでも、世界的な金余りを背景に投資マネーが流入しているようです。

 現在の世界的な金余りが好ましいものであるか、そうでないのか容易には判断でき
ませんが、ただ、あまりに実体経済に対して余剰マネーが大きくなり過ぎると、マネ
ーが流出したときにハードランディングを起こす危険性が出てきます。そのことに関
係当局は留意して政策運営を行なうことも肝要だと考えます。

 簡単に言うと、日本の現在の量的緩和政策ですが、世界的な金余りの状況のなか
で、日本が異例の金融緩和策をとり続けると、将来仮に過剰流動性によってインフレ
が起きたり、資金フローの急激な変化によって経済が麻痺したときに、日本が非難さ
れる恐れが十分にあるということです。




以上


=================
試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
=================


【研一】
 IS曲線が垂直というのは、典型的な不況の状態なのですね。
 だから、利子率が上昇するという副作用が生じても、悪い意味で、それによって阻
害される投資はないという訳か。
 なるほどね。
【佳子】
 IS曲線が垂直だったら、LM曲線をどれだけシフトさせても交点が上下するだけで左
右には動かないから、国民所得は不変という訳ね。
【中洲先生】
 投資マインドが極端に冷え込んでいるんで、金融政策が効かないのだね。だから、
そういうときには、財政政策しかないと。


【研一】
 そんなに不況なのに、どうして利子率が上昇するんですか?
【中洲先生】
 それは、その際のLM曲線の傾き次第だけど‥
【佳子】
 LM曲線の傾きが急なほど、利子率は上がるみたい。
【中洲先生】
 じゃあ、そのような場合とは?
【佳子】
 LM曲線は、貨幣市場の需要と供給が均衡している状態を示した曲線でしょ。それ
が、仮に垂直であるということは、ある国民所得水準のもとで、利子率の如何にかか
わらず、貨幣の需要と供給が一致しているということだから‥
 で、貨幣需要というのは、国民所得の大きさに依存する取引需要と利子率に依存す
る投機的需要から構成される訳だから‥


【研一】
 で、どういう状態?
【佳子】
 えー‥
【中洲先生】
 普通の状態だと、金利が上がれば、現金を手放し預金や債券投資を増やそうとする
だろうし、逆に金利が下がれば、現金で持っておこうと考えるね。
【佳子】
 それが、金利に対して反応しない‥?
【研一】
 貨幣需要の利子弾力性がゼロに近くなるということ?


【中洲先生】
 普通の状態では、国民所得の上昇とともに取引需要は増大し、それに伴って、投機
的需要が減少する必要があったよね。
【佳子】
 どうしてでしたっけ?
【中洲先生】
 だって、貨幣の供給は一定という前提で、貨幣の需要と供給が一致しているのがLM
曲線だから‥
 需要全体の大きさが変わらないとしたら、その構成要素である取引需要が増えたと
したら、その増えた分だけ投機的需要が減る必要があった‥
【研一】
 だから利子率が上昇するんだったですね。
【中洲先生】
 ところが、その投機的需要が利子率に鈍感になったとしたら、さらなる利子率の引
き上げが必要になる。

 それほど利子率を急騰させないと衰えない貨幣の需要とはどんなものかな?
【佳子】
 利子率をどんなに上げても預金や債券投資が増えないし、どんなに下げても預金や
債券投資は減らないような状態?
【中洲先生】
 それは、貨幣の量が潤沢な場合、それとも逼迫している場合?
【佳子】
 よっぽど資金が逼迫しているんですよね。だって、貨幣市場で供給過剰気味だと、
どれだけ国民所得が上昇したとしても、少し金利を上げれば預金や債券投資は、直ぐ
に増大しそうだけど‥
【研一】
 そうか、そうか。
 貨幣市場が逼迫していると、少々金利を引上げても預金や債券投資が増えることは
ないということか。
【中洲先生】
 不況とはいえ、貨幣供給が極端に少ない状態で政府が需要を増大させると、それに
応じ国民所得が増大し、さらにそれに応じて貨幣の取引需要が増大する‥ しかし、
貨幣需要の全体量は、一定である必要があるので、その分貨幣の投機的需要が減少す
る必要があり、そのために、利子率が急上昇してしまうということだね。
 少し位の金利の上昇では、貨幣の投機的需要を減少させることができないような状
態になっているんだ。


【佳子】
 でも、もともと投資マインドは冷え切っているから、利子率が上がっても、副作用
は出ないということでしたね。
【研一】
 もっとも、実際不況だったら相当に金融が緩んでいるはずだから、LM曲線が垂直だ
なんていう状態は想定しがたいのですよね。
【中洲先生】
 実際はそうだろうね。

次回に続く


=====
編集後記
=====

 手抜き工事という訳ではありませんが、地震に弱い建物がどの位存在するのか、神
戸大震災以降調査が実施されました。

 その結果、大きな地震が起きると危険な状態になる建物が判明しています。

 で、その結果、ちゃんとした対策がなされたか?

 答えは、大部分はノーです。
 理由は財源がないからだと。
 では、せめてそういった対策のための予算を要求したのか?

 これも大部分はノーでしょう。
 なぜ?

 要求しても予算がつくとは思えないから。

 そういう現実の中で、役所の担当者の地震に対する感覚が麻痺していきます。


 皆さんも地震の対策には注意して下さい。
 高い買い物をするときには、よく考えてからにして下さいね。



 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第132号) 2005年11月28日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 マンションの手抜き工事が引き続き注目されていますが、少しずつ事実が明らかに
なろうとしています。

 建築士に責任があるのは明らかでしょうが、事実は、少し圧力を掛けるといいなり
になる建築士がいることと、実質的な検査を行なうことのない検査機関が存在してい
ることをマンション販売業者が利用したということではないでしょうか。

 それにしても電気製品を買う際にも、5年間の保障を勧められるのに、何千万円もす
るマンションに保証がついていないのもおかしなものですね。
 損害保険会社でもいいですし、マンション販売業界でもいいのですが、マンション
保険でも販売したらどうでしょうか。
 マンションを購入する人は、任意でマンション保険に加入し、仮に手抜き工事が後
日明らかになったら、保険会社が損害を保証するというものです。

 現在のような役所による検査や民間による検査は、制度として不完全なものであ
り、十分機能するとは到底考えられません。

 むしろ、ビジネスベースの話として、マーケットメカニズムに任せるシステムの方
が巧く機能すると思います。



 では、「経済ニュースゼミ」を始めましょう。

 


では、経済ニュースゼミを始めましょう。

<本日のメニュー>
1.経済ニュース解説(景気の判断)
2.試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
3.編集後記


★★★★★★★★★
経済ニュース解説
★★★★★★★★★

■景気の判断
 10月の消費者物価が前年同月比でゼロとなり、マイナスを脱したことで、また、日
銀と政府の間で量的緩和策解除をにらみ、火花が散っている。(「消費者物価マイナ
スを脱す」日経、11月25日夕刊)

 竹中大臣が、「エネルギーと食品を除く10月のCPIは、0.3%のマイナスだった」と
日銀を牽制すれば、一方、日銀の福井総裁は、「デフレという言葉は多義的に使わ
れ、デフレが終わったとか終わらないということを論じること自体、どれほどの意味
があるのだろうか」とこれまた反論している。

 ところで、皆さんはどのようにお思いだろうか。景気の判断に必要なファクトを拾
い出してみたい。

・設備投資加速 15%増(日経、11月28日)
 05年度の民間の設備投資が、当初計画の3.4%から15.2%に上方修正されたとある。
 製造業は18.6%、非製造業は10.3%、全産業で15.2%である。非製造業が二桁の伸
びになるのは、14年ぶりのことだそうだ。
 自動車業界の好調が全体に投資の好循環を引き起こしているらしく、トヨタは、3割
弱増の1兆4千億円、ホンダは4割強増の4850億円とある。

 因みに、企業が持つ生産設備などの有形固定資産は5年間に7%減ったとされてい
る。

・家計の物価見通し
 内閣府が10月に実施した家計の物価見通し(1年後に物価は上がると答えた家計の割
合)は、1月の調査と比べ、11ポイントも上昇し、54%となっている。

・アルバイト賃金
 雇用の改善も進んでいる。10月の関東地区の平均時給は1007円となり、13ヶ月連続
でプラスになっている。

・上場企業 今期配当過去最高に(日経、11月27日)
 上場企業の2006年3月期の配当総額が、前期より17%増え、3兆7738億円になる見通
しとある。

 以上のようなデータにも拘わらず、地方においては景気の回復は実感されていない
との声も多いと承知しているが、それでも、これだけの材料が集まると、デフレとい
う言葉が相応しくないような気がしてくる。

 最近の政府側の発言の眺めていると、どうも好戦的な発言が目立ち、冷静に意思疎
通に努めようとのいう姿勢は感じられない。

 政府と日銀の間にぬぐいきれないような不信感が芽生えてしまったのであろうか。
仮にそうだとすればその原因は何であろうか。

 経済の現状を冷静に判断して、適切な政策を展開することが望まれる。


以上


=================
試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
=================

【佳子】
 これで先生の質問に答えたことになるのかな?
【中洲先生】
 私の質問は、財政政策の効果がないときとは、というものだったんだけど。
【研一】
 そうそう。佳子ちゃんが、IS曲線の傾きが急な場合と言ったんだった。
【佳子】
 じゃあ、正解は、IS曲線の傾きが急な場合ではなくて、水平の場合?


【研一】
 だけど、水平なIS曲線を右側に引っ張るといっても、イメージが湧かないですね。
【中洲先生】
 では、最初は垂直なIS曲線をイメージし、徐々に傾きを緩やかにしてみたら?
【研一】
 じゃあ、傾きを少しずつ緩やかにと‥
【中洲先生】
 IS曲線の傾きもLM曲線と同じように45度にしてみたら?
【研一】
 傾きを緩やかにするにつれ、IS曲線をシフトさせても交点があまり移動しないよう
になりますね。
 IS曲線の右側へのシフトの効果が半減されてしまうやつですね。クラウディングアウ
トの効果によって利子率が上昇し、それによって交点が左側に引き戻されちゃいま
す。
【中洲先生】
 そうそう。傾きがさらに緩やかになると、一旦右側に移動した交点が左に引き戻さ
れる率が高くなるというわけだよ。
【佳子】
 じゃあ、水平なIS曲線だと、完全に左側に引き戻される訳ね。


【研一】
 水平なIS曲線の状態のときには、財政政策は効果を持たないんですね。
【中洲先生】
 IS曲線が水平なときって、具体的にはどんなときかな?
【研一】
 IS曲線が水平だということは、どんな国民所得水準の場合にも、財の需要と供給が
一致しているという状態‥
【佳子】
 だから?
【研一】
 だから、えーっと‥
 国民所得が増えれば貯蓄も増えるのですよね。その増える貯蓄と同じようなペース
で投資も増えると‥
 だけど、水平だということは、利子率は変化しないから‥
 何か難しいですね。
【中洲先生】
 利子率が上がると投資は?
【研一】
 減ります。
【中洲先生】
 利子率が下がると投資は?
【研一】
 増えます。
【中洲先生】
 国民所得の水準に対応して、貯蓄も変動しているはずで、そして、その貯蓄と投資
が等しいわけだから、投資も国民貯蓄の水準に対応して変動していると。
【佳子】
 IS曲線が水平だということは、利子率は一定なのでしょ。
 なのに何故投資の水準が変動するの?
【中洲先生】
 利子率が僅かに動いただけで、投資が無限大に増加している状態だよ。
【佳子】
 というと?
【中洲先生】
 利子率が0.001%上昇しただけでも、投資が抑制されるような状態とでも考えたら。

【佳子】
 そういうことか。
【研一】
 だけど、不況の時には少々の利率の変化に対しても投資は動かないですよね。それ
が、0.001%の利子率の変動にも敏感に反応するなんて‥
【中洲先生】
 そうだね、実際には想定しにくいね。
【佳子】
 現実にはありえないような想定なの?
【中洲先生】
 現実には想定しづらいけど‥
 一応教科書に書いてあるのでね。その際、どのような対策が効果的かということだ
けど‥
【佳子】
 だって、財政政策が効果ないから、金融政策しかないのじゃ‥
【中洲先生】
 それで正解。投資の利子弾力性が無限大、つまり、IS曲線が水平のときには、LM曲
線を右側にシフトさせるんだ。マネーサプライを増大させることにより、交点が右側
に移動し、国民所得が増大するだろう。
【研一】
 交点は下のほうには移動しないんですね。
【佳子】
 だって、IS曲線が水平だから、下にはいけないよね。
【中洲先生】
 LM曲線を右側にシフトさせるというのは、マネーサプライを増大させることだよ
ね。それによって、普通なら利子率の低下が起こるのだけど、さっき言ったように、
少しでも利子率が低下しそうになると、それによって投資需要が惹起されて、利子率
は結局上がらずに終わってしまう。だけど、投資需要がどんどん惹起されるので国民
所得は増大するというわけだ。だから交点は右側に移動している。

【佳子】
 財政政策が効果を持たないのは、IS曲線が水平の場合ということね。その場合には
投資の利子弾力性が無限大で‥
 しかし、現実にはそういうケースは想定しがたいということだけど。これでいいわ
けね。


 次回に続く


=====
編集後記
=====
 株価が15000円に迫っています。
 銀行の融資姿勢も極めて積極的になっているようです。
 日銀と政府の景気判断を巡る論戦、今後どうなるのでしょう。

 ちなみに、私は株式投資はしないので、気楽なものです。

 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第133号) 2005年11月30日
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 マンションの手抜き工事に関し昨日、国会で参考人質疑がありました。みんな好き
勝手なことを言っていましたが、各人の答弁振りから、事実が推測できそうです。

 建築士は、自ら偽造を認めており、責任があるのは明らかですが、ただ、どうして
この建築士は、手抜きの設計を行なったのでしょうか。

 確かに、鉄筋の使用量が少なければ、単価が抑えられるので、設計の注文が多くなる
のは分かるのですが‥

 あまり有名でない建築士の場合には、仕事を確保するのに苦労するのでしょうか。

 最初は、法律の範囲内でぎりぎりの強度にしていたのが、「もう少し何とかならない
か、もう少しだけ削ることによって、5千万円台の売値が4千万円台にまで下げること
が可能になり、そうすると問題なく物件が捌ける。今回協力をしてくれたら、また仕
事をお願いするから」などと言われたのでしょうか。あるいは、「他の建築士でも似
たようなことをやっているのだから、あなただけ馬鹿正直に規則を守っても意味ない
よ」とでも言われたのでしょうか。
 そうして、少しだけ手抜きに応じたが、売上を伸ばそうとする建設業者等は、その後
さらに手抜きを要請するようになり、建築士は今更断れなくなったのでしょうか。

 建設業者の責任はどうでしょうか。
 いくら資格を持った建築士が設計し、検査にも通ったからといっても、今回の手抜
きは、ちょっとした手抜きという訳ではないわけです。ですから、実際に建築をする
現場の人たちには、手抜きだと分かる筈です。その意味でも建設業者の責任は否定で
きないと思います。

 次に、販売業者ですが、同じような品質で、広さも同じマンションであって、他よ
りも安く売ることができれば、売上がどんどん伸びるでしょう。しかし、販売業者に
は瑕疵担保責任があり、万一手抜きが明らかになれば、自らに責任が及び、結局莫大
な損失を被るおそれがあります。販売業者は、そういうリスクをどうして考えなかっ
たのでしょうか。

 仮にそうしたリスクがあるにしても、検査機関が検査をしているので、販売業者に
故意や過失はないから、手抜きの工事を行なったことによる損失は、建築士や検査機
関、或いは建設業者に請求することが可能だと考えたのでしょうか。

 いずれにしても仮に建設業者や販売業者が実質的に手抜き工事を主導したものだと
すれば、現行の検査システムが機能していないことが逆手に取られたと言わざるを得
ないでしょう。

 現在の検査システムは、役所と民間の検査機関によるものですが、役所による検査
によっても偽造を見つけることができなかったわけですから、民営化したことだけが
悪いとも言えず、結局、これまでの検査が如何に表面的なものだったかを物語ってい
ます。

 この際、検査システムの抜本的な見直しが必要なのではないでしょうか。

 最後に、欠陥マンションを購入した住人の1人がテレビに出ていましたが、「自分た
ちは施工主を信じ、購入に当たって強度の確認をするために図面をコピーさせて欲し
いとお願いしたが、断られた。仮にコピーをとることができたら、強度の確認ができ
たかもしれない」と述べていました。

 他よりも相当安いマンションを購入するのだから、購入する人もやや注意が足りな
かったのではないかと勝手に想像していたのですが、購入者も可能な確認努力は行な
っていたのだと知り、少し意外でした。

 いずれにしても建設業界といえば談合を連想してしまうように、表の世界と裏の世
界がはっきりしているところですから、関係者のコンプライアンスの意識が希薄にな
る土壌があると言えそうです。


 
<本日のメニュー>
1.試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
2.編集後記
=================
試験に出ない経済学(IS-LMモデル)
=================


【中洲先生】
 財政政策が効果がないケースは、他にもあるよ。
【佳子】
 他にもある?
【研一】
 じゃあ、今度はIS曲線の傾きではなくLM曲線の傾きのせいかな?
【中洲先生】
 そうだよ。
【佳子】
 じゃあ、IS曲線は45度の右下がりとして‥
 で、LM曲線との交点が右側に移動しないのはと。
 ということは、LM曲線が垂直の場合?
【研一】
 LM曲線が垂直の場合か。
 LM曲線が垂直なのは、投機的需要の利子弾力性がゼロの場合でしたよね。どれだけ
利子率を上げても、投機的需要が減少しないような‥
【佳子】
 だから、国民所得は一定ということになるのね。
【中洲先生】
 そういう状態では、IS曲線を幾ら右側にシフトさせても交点は左右には移動しな
い。単に、LM曲線の上で、上下に移動するだけだね。
【佳子】
 じゃあ、そういう場合に国民所得を増大させるためには‥
 LM曲線をシフトさせるの?
【研一】
 LM曲線を右側にシフトさせると、交点は、今度はIS曲線上で右上方に移動します
ね。
【佳子】
 そういうことか。
 ところで、LM曲線が垂直だというのは、投機的需要が利子率に対し反応しない状態
だということだけど、そんな状態が現実に存在するのかな。
【研一】
 普通ならば、家計は、利子率が高ければ預金したり、債券を買ったりし、利子率が
低ければ現金で保有しとこうと考えるでしょうけど‥
【佳子】
 そういう行動が全く認められない状態だから‥
【研一】
 よっぽど貨幣の供給量が少ない状態なんだな。
【中洲先生】
 そういう状態は、現実には想定できないね。
 ただ、教科書にだけ出てくるケースだと考えた方がよいかも‥
【佳子】
 やっぱり、そういうことか。

【中洲先生】
 じゃあ、次は金融政策が効果がないような状態は?
【佳子】
 それは、前にも出てきたんじゃないかな‥
 不況でIS曲線が垂直な場合。
【中洲先生】
 そうだったね。
【研一】
 IS曲線が垂直ということは、投資の利子弾力性がゼロになっているときで、投資マ
インドが著しく萎縮しているような‥
【中洲先生】
 他にもあるんだけど。
【佳子】
 じゃあ、今度はIS曲線のせいではなくLM曲線のせいね。
 仮にIS曲線が45度として‥
 分かったわ。LM曲線が水平の場合ね。
【中洲先生】
 そうだね。LM曲線が水平だと、LM曲線を幾ら右側にシフトさせても交点は、移動し
ないね。
【佳子】
 LM曲線が水平に近づくということは‥
【研一】
 投機的需要が、利子率の変動に対して敏感になっていくということだから‥
【佳子】
 あれね、先生が言っていたように、0.001%利子率が変動しただけでも、投機的需要
が急増したり、急減したりする状態ね。
 で、水平になると、その反応が無限大になると。
【研一】
 あれだよ、流動性のわなという状態。
 利子率が極端に低くなると、持っているお金を預金したり、債券の購入に回したり
しないで、現金で保有しとこうとする。そうなると、それ以上はどうしても利子率が
下がらなくなる。
【佳子】
 そういうのが流動性のわなというの?
【中洲先生】
 そう。それが流動性のわなの状態。
 だから、マネーサプライを増やすことによって利子率を下げLM曲線をシフトさせよ
うとしても、それができない。
 だから金融政策は効かない。
【研一】
 そのときは、IS曲線を右側にシフトさせるのですね。
【佳子】
 財政政策の発動ね。


【中洲先生】
 では、おさらい。
 財政政策が効かないのは?
【佳子】
 IS曲線が水平の場合でしたね。
【中洲先生】
 それと?
【佳子】
 LM曲線が垂直の場合だったかな。
【中洲先生】
 そうそう。
 では、金融政策が効かないのは?
【研一】
 LM曲線が水平の場合。
 それとIS曲線が垂直な場合。


【中洲先生】
 なんとなく分かったかな?
【佳子】
 財政政策は、IS曲線をシフトさせることであり、金融政策はLM曲線をシフトさせることですよね。
 だけど、自らの線分が水平だとシフトしても変化はないからなのね。
【研一】
 あと、自らの線分は水平でなくても、相手方の線分が垂直だと、そのときもまた交
点は左右には移動せず、政策の効果がでないということですね。
 IS曲線が水平でない通常の状態であっても、相手方のLM曲線が垂直だと交点は、左
右には移動しないので財政政策の効果が出ないし‥
【佳子】
 LM曲線が通常の状態であっても、相手方のIS曲線が垂直だと、金融政策の効果が出
ないということね。
【中洲先生】
 IS-LM分析は大体理解したね。




次回に続く
======
編集後記
======

 株価は一時15千円を超えたとか。この分だと、年度末までには18千円くらい行くと
考える人も多くなるのではないでしょうか。
 金の価格も上昇して来ています。

 そうなるとやっぱり、インフレでしょうか。
 今後の金融政策はどのように進むのでしょう。

 もう11月も今日までですね。早いものです。


 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第134号) 2005年12月2日
 こんにちは、Seijiです。
 早いものでもう師走です。ワシントンでクリスマスツリーに点火している光景がテ
レビで報道されています。

 ところで、株価が15千円台を回復し、今日も好調のようですね。一方で、為替の方
は、120円台ということで円安となっています。

 円安は、日米の金利差を反映したものと言われていますが、暫くはこの金利差は縮ま
りそうもないことから、円安も当分続くのではないかとも見られます。

 貴方はどう思いますか。ご意見があったらメールを下さい。

 では、経済ニュースゼミを始めましょう。
★★★★★★★★★★★★★★
経済ニュース解説(株価回復)
★★★★★★★★★★★★★★

 株価、日経平均株価が15千円台を回復しました。(「日経平均1万5000円回復」日
経、12月2日)
 終値では、ほぼ5年ぶりの15千円台だということです。

 ところで、これまでのボトムは、2003年4月28日の7607円です。
 そういえば、そういう時もあったなと、今となっては遠い昔のように思い出す人も
いるかと思います。でも冷静に考えたらまだ3年も経ってはいないのです。

 では、これまでのピークの株価はいくらでしょうか。
 3万8915円と即座に解答できる人は、年配の方でしょうか。1989年12月29日にピーク
を付けました。

 15千円台という水準は、ボトムの7607円と比べれば2倍の水準ですから、相当回復し
てきたなという感じがします。しかし、ピークと比べるとまだ、半分の水準にも達し
ていないことになります。
 しかし、株価水準だけではなく、他の指標も比較してみることが必要です。

 先ず、東証1部の時価総額を比べてみましょう。
 バブル時には、時価総額は591兆円あったとされています。では今は?
 総額は株価がピーク時の半分にも回復していないから、せいぜい300兆円程度とお考
えですか?
 答えはノーです。時価総額は491兆円にまで回復しています。バブル時の8割強のレベ
ルまで回復しているということです。
 そう聞くと、少しは自信が出てきそうですか?

 次は、予想株価収益率です。
 株価収益率って?という人がいるかも知れませんが、1株当たり利益に対する株価の
割合のことです。この値が高ければ、利益以上に高い株価が付いているということ
で、人気の高い株だと判断することもできますし、また、割高な株だとも言えます。
逆に、低い値だと、人気のない株、あるいは割安の株と考えることができます。

 バブル時の予想株価収益率は、62倍という水準でした。それが、現在は22倍です。
バブル時と比べると、まだ割安感があることが分かります。

 最近では、ネット取引が盛んになっているといわれますが、東証1部の売買代金を比
べてみましょう。

 バブル時は、1日当たり1兆4105円あったとされています。これが、最近では1日当た
り2兆7808億円になっています。これは凄いデータですね。株の取引は、手数料が自由
化され、ネット取引が盛んになったとはいえ、バブル期の2倍もの活発な取引がされて
いるということです。

 では、個人の取引シェアはどうなっているでしょうか。売買代金のシェアでみる
と、バブル時は30.3%であるのに対し、最近では36.7%であるとされています。やっ
ぱり、個人の株投資が盛んになっているのですね。

 最後に個別の銘柄を見てみましょう。
 トヨタ、NTT、新日鉄の株価は、バブル期と比べてどのような水準にあるでしょうか。

 バブル期(1987年-89年)に対し、トヨタは約2倍の水準、NTTは約2割の水準、新日
鉄は約半値の水準にあります。



以上
=========================
試験に出ない経済学(マンデル・フレミング・モデル)
=========================

【佳子】
 IS-LM分析はもう大丈夫かな?
【中洲先生】
 なんか嬉しそうな顔をしているね。
【研一】
 随分勉強したみたいな気がしますね。
【佳子】
 だけど、どうしてIS-LM分析なんか勉強することになったのかな?
【研一】
 その前はケインズの経済学の話をしてたのだと思うけど。
【佳子】
 そうそう、不況の時には、公共投資など需要を拡大することによって経済を均衡さ
せることができるということね。
【研一】
 だけど、公共投資を行なうと、それによって利子率の上昇が起こり、民間の投資が
阻害される‥、所謂クラウディングアウトが起こるので、期待したほどGDPは拡大しな
いことがあると。
 それで、財の市場と貨幣市場を‥
【中洲先生】
 財の市場と貨幣市場を同時に考察するということは、政府が行なう財政政策の効果
と金融政策の効果を考えてみようということだったね。それを行なう道具がIS-LM分析
だったわけだね。


【佳子】
 その結果何が分かったのだっけ?
【研一】
 あれっ、佳子ちゃん、分かんないの?
【佳子】
 ちょっと待って。 えー、確かにIS曲線とLM曲線が水平でも垂直でもない通常の状
態を想定すると、クラウディング効果が確認されたような‥
【中洲先生】
 そのとおりだけど。
【佳子】
 だけど?
【中洲先生】
 こういう場合には、財政政策の方がより効果があり、こういう場合には金融政策が
効果があるということが分かったんじゃなかったのかな?
【佳子】
 そうでしたっけ。


【中洲先生】
 じゃあ、財政政策の方が効果があるのは?
【佳子】
 あっ、思い出した。
【中洲先生】
 じゃあ、どうぞ、佳子様。
【佳子】
 線分が水平に近いと、右側にシフトさせようとしても効果がなかった‥
【研一】
 流動性のわなに陥っているような、LM曲線が水平な場合には、LM曲線を右側にシフ
トさせることが出来ないと。そのためIS曲線をシフトさせることが有効だと。つま
り、財政政策が有効でした。
【佳子】
 あと、IS曲線が垂直のときには、その相手方のLM曲線をシフトさせてもその効果は
なく、IS曲線が自らシフトしないといけなかったのよね。
【研一】
 不況で、民間の投資需要が金利に全く反応しないような状態のときだよね。


【中洲先生】
 そうそう。そうだったよね。
 じゃあ、少し話しを進めようね。
 IS曲線も、LM曲線も45度程度傾いていると想定して、その時はどうなりますか?と
いう質問。
【佳子】
 その場合には、財政政策でも金融政策でもどちらでも効果があるんじゃ?
【中洲先生】
 IS-LM分析では、それで結構。
 ところで、IS-LM分析では、閉鎖経済を前提としていたね。
【佳子】
 閉鎖経済って、貿易をしない状態?
【中洲先生】
 そう。海外との取引を想定しない経済システム。
 だけど、海外と取引があると想定したら、財政政策の効果や金融政策の効果に何か
変化が表れるかという質問なんだけど。
【佳子】
 海外と取引があると何か変化があるのかな?
【研一】
 海外との取引とは輸出や輸入のことですよね。
【中洲先生】
 それと、資本取引というのがある。
【佳子】
 資本取引って?
【中洲先生】
 最近日米の金利差が拡大しているけど、それによって米国の国債を購入する動きが
拡大しているだろう。
【佳子】
 海外の債券などを購入することね。


【中洲先生】
 じゃあ、質問。
 不況で需給ギャップがあると判断し、政府が公共投資を追加しました。そのときの効果は?
【佳子】
 ISもLMも45度の傾きなら、クラウディング効果があって、公共投資の効果が少しは
削減されるけど、でも有効需要の原理が働いて、国民所得は増大する筈‥
【中洲】
 筈というのが、IS-LM分析。だけど、海外の取引がある。
【研一】
 公共投資を追加すると輸出が増えたり輸入が増えるのかな?
【佳子】
 だけど、輸出が増加するには、通常為替が減価した場合でしょ?
【研一】
 輸入はどうかな。公共投資の結果、GDPが増えると少しは輸入が増えるのかな。


【中洲先生】
 そうだね。輸入は、国民所得の大きさと相関関係があると仮定されているよね。だ
から、この場合輸入は増えるよね。
 だけど、それ以外の要素もあるのだけど。
 公共投資が追加されると利子率はどうなる?
【佳子】
 クラウディング効果があるのだったら、利子率が上がったということでしょ。
【中洲先生】
 利子率が上がると、海外との関係で何か変化は?
【研一】
 利子率が上がると、その高い利子を目当てに海外から資本が流入してくるというのですか?
【中洲先生】
 そうそう、そうなんだよ。


次回に続く
======
編集後記
======

 株価が回復して、2006年3月末には幾らくらいになっているかに焦点が移っていま
す。
 今のところ、17000円程度を予想する向きが多いようですが、あっという間に18000
円程度になる可能性もあると思います。

 ただ、株価収益率からみると、15000円程度が適当なところであって、それ以上株価
が上昇すると割高感があると指摘する人もいます。

 確かにそういわれれば、そうなのですが。



 では、次回まで






経済ニュースゼミ(第135号) 2005年12月5日
 こんにちは、Seijiです。
 全国的に雪が降るなど、急に寒くなりました。
 風邪など引かないようにして下さい。

  ところで、週末にかけG7会合が開かれましたが、新聞の報道がどうも事実を反映
していないようです。今日はそれを解説します。

 では、経済ニュースゼミを始めましょう。


<本日のメニュー>
1.経済ニュース解説(G7会合での話し合い)
2.試験に出ない経済学(マンデル・フレミング・モデル)
3.編集後記
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
経済ニュース解説(G7会合での話し合い)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 G7というのは、先進7カ国の財務相・中央銀行総裁の会議です。年に数回、世界の主
要先進国が、直面している経済問題を議論する場ですが、そのG7が2日夜(日本時間で
は3日未明)ロンドンで開かれました。

 ところが、その会議で何が討論されたかについて、どうも釈然としない点があるの
です。

 まず、12月3日の日経夕刊は、「G7、金利を注視 新興国への悪影響など 上昇リス
ク警戒」という見出しを掲げています。そして、12月4日の日経も、「金利上昇の悪影
響警戒」という見出しを掲げています。

 インフレ圧力が強まり金利が上がり続ければ、アジアなど新興市場国の資金繰りが
苦しくなって世界経済を冷やしたり、国際的なお金の流れが変わって、金融市場が混
乱しかねないという懸念があるというものです。

 そんなに世界中が金利上昇の影響について心配しているのかと思い、共同声明の要
旨を読んでみました。しかし、おかしなことに共同声明の中には、「金利上昇」とい
う言葉は出てこないのです。一体何なのでしょうか。

 共同声明に出てくる問題は次のとおりです。

 原油価格の高騰、保護主義圧力、インフレ圧力、為替レート、中国の為替システ
ム、ドーハ・ラウンド、石油価格とエネルギー見通し、IMFの出資比率、鳥インフルエ
ンザ。

 実は、G7の会議が始る前から、今回の会議では「金利上昇の影響」が議論されるで
あろうと報道されていました。そして、今回の報道をみても、「金利上昇」という言
葉で埋め尽くされています。

 しかし、実際のG7の共同声明には、「金利上昇」という言葉は出てきません。これ
が例えば、秘密を要する事柄であれば、実際に議論されたことでも声明文に盛り込ま
れないことがあることも理解できますが、金利上昇の影響というような問題は何も秘
密にしておくようなことではありません。

 新聞報道では、「会議では出席者から(中略)警戒する発言が相次いだ」とありま
す。しかし、金利上昇の悪影響をそれほど心配する声が出たのであれば、何故、声明
には盛り込まれなかったのでしょう。

 どうも納得がいかないので、米国のスノー財務長官の声明文を確認してみました。
 ここでも金利上昇という言葉は出てきません。スノー長官が挙げているのは、共同
声明文とほぼ同じような内容でした。

 そもそも昨年6月以降短期金利を継続的に引上げているのは、あのマエストロとも呼
ばれるグリーンスパン議長であって、その議長が来年1月に辞任することをみんな惜し
んでいるのです。つまり、グリーンスパン議長の利上げの正当性を認めているわけで
す。それなのに金利上昇の悪影響を今回の会議で議論したということがぴんとこない
のです。

 ここからは推測の域に入るわけですが、今回の報道は、新聞記者が、政府の戦略に
まんまとひっかかっただけなのではないでしょうか。

 我が国では承知のとおり、量的緩和政策の解除を巡って政府と日銀がつばぜり合い
を演じています。その政府が、日銀をけん制するために、あのG7でさえ、金利引上げ
には慎重であるべきだとの意見が出たということを記者に必要以上に吹聴しているの
ではないでしょうか。

 従って、警戒する意見が出たといっても、それは我が国がそのような意見を言った
ということではないでしょうか。

 仮にそうではなく、他の先進国が言ったとしても、それは、米国の双子の赤字に対
する警鐘の意味で言ったものであり、今後も経常収支の赤字が放置されれば、米国へ
の資金の流れが逆流する恐れもあり、そうなれば、米国は資金を引き寄せるために金
利を引上げざるを得なくなるが、そうなると、新興国への資金の流れが阻害された
り、金利上昇によって借入負担が急増し、かつての中南米の金融危機の再現になって
しまうという意味で言ったものではないでしょうか。

 日経新聞が、今回の報道に関して後日解説してくれることを期待しております。

 以上
=========================
試験に出ない経済学(マンデル・フレミング・モデル)
=========================

【研一】
 海外から資金が流入すると、どんな影響があるのかな?
【中洲先生】
 為替市場にはどんな影響があるかな。
【佳子】
 そうか。高金利の魅かれて海外から資金が流入するのね。
【中洲先生】
 海外の通貨は、その国の通貨と交換されることになる訳だよね。そうなるとその国
の為替が増価することになる。要するに、それが日本だったら、円が強くなることだ
よ。
 で、円が強くなったら?
【佳子】
 円が強くなったら、輸出が減ることになる?
【研一】
 ある国が、公共投資を追加的に行なうと、需要が拡大し、それによって金利が上昇
すると。金利が上昇すると、その国の為替が増価し、輸出が減少すると。そして、輸
出が減少すると国民所得も増大しない。
 じゃあ、財政政策の効果はなくなってしまうというのですか?


【中洲先生】
 そうだね。そのときどの程度海外からの資金流入が起こり、為替が切り上がるかに
よるけど、その国が小さな国であって、世界の市場に与える影響が極めて小さく、か
つ、金利の上昇に海外の投資家が敏感に反応するとすれば、金利の上昇圧力が為替の
上昇に変化し、結局輸出が減少してしまうことになっているんだよ。
【佳子】
 折角IS-LMモデルというのを勉強したのに、財政政策の効果はなかったということ?
【中洲先生】
 だから、それは前提条件によるんだね。小国開放経済のように、資金の移動が即座
に無限に起こるという前提では、為替の上昇が起こってしまい輸出が減少するので、
結局、国民所得は増大しない。
 だけど、資本の移動が即座に完全に起こるというのは、教科書の中の想定に過ぎ
ず、現実には、それほど資金移動が起きず、為替の増価も僅かかもしれない。
【佳子】
 そうなると?
【中洲先生】
 そうなると、財政政策の効果はある程度削減されるが、有効だということだね。
【佳子】
 海外との取引を前提にすると、利子率の上昇ということではなく、利子率の上昇に
よって引き起こされる為替の増価の副作用が出るということ?
【中洲先生】
 そうだね。
【研一】
 で、その為替の増価という副作用が出るかどうかは、海外からの資本の流入が即座
にどれだけでも起こるかにかかっているということですね。


【佳子】
 じゃあ、金融政策の効果にも影響があるのかな。
【中洲先生】
 中央銀行が、貨幣の供給量を増やすと?
【佳子】
 貨幣の供給が増えると、利子率は下がるのでしょ。
【中洲先生】
 利子率が下がると、どうなる?
【佳子】
 利子率が下がると、民間の投資が誘発されるんでしょ。
【中洲先生】
 それもあるけど、海外との関係では?
【研一】
 あっ、今度はそれまでその国に流れてきていた海外の資金が逆流することにな
る‥、それと、国内の資金が海外の相対的に高い金利を求めて‥
【佳子】
 そうなると為替の減価が発生する訳か。今度はそれによって輸出が増大し、国民所
得は増大。
【研一】
 めでたし、めでたし。
 でも、この場合にも、資金の移動が即座にスムーズに起こるかどうかが、ポイント
ですよね。
【佳子】
 いくら金利を引き下げても資金が海外に出て行かないかもしれないし‥
【中洲先生】
 そうなると、為替の減価はそれほど起こらないかもしれないね。

次回に続く
=====
編集後記
=====

 日本は、昨年3月16日を最後に、それまで大量に行なっていた為替介入をぱったりと
止めています。しかし、ご存知のとおり、円は、1ドル120円台の円安状況となってい
ます。
 これでは、益々トヨタが潤い、GMは苦しむことになります。

 しかし、こうした円安が起こっても、我が国が為替介入を行なっていないことを承
知している米国政府は我が国を非難することは出来ない状態になっています。

 では、どうして我が国は、そうした低金利というか、ゼロ金利政策を続けることが
できるのでしょう。それは、物価が下落するという状態が続いているからです。悪く
いうとデフレです。

 日本の経済を活性化させるためには、デフレを食い止めることが先決だという意見
をよく聞きます。
 しかし、デフレが収まり物価が上昇する事態になったらどうなることでしょう。そ
うなったら、インフレにならないように金利を上げるしかありません。金利が上がる
と、当然為替も増価します。そうなると、輸出は減り、経済成長もままならないかも
しれません。

 そういうことを考えれば、現在のデフレも、悪いことばかりではなく、海外から見
たら羨ましくみえる要素もあるのです。

 我が国政府が、昨年3月以降ぱったり為替介入を止めたというのも不自然な動きです
が、為替介入をやめても、量的緩和政策を続けることで、円安状態を出現させていま
す。

 政府は、日銀の量的緩和政策解除の姿勢をけん制していますが、それには、国債の
利払い費用増大を回避したいという理由とともに円安状態を継続を望んでいるからか
もしれません。

 但し、好事魔多し。
 米国の産業界が、量的緩和政策によって我が国が直接の為替介入以上の効果を挙げ
ていると知れば、日本バッシングが再び起きるかもしれません。

では、次回まで






経済ニュースゼミ(第136号) 2005年12月7日
 こんにちは、Seijiです。
 耐震強度偽造問題について、再度国会で参考人質疑がなされています。
 人間外見で判断してはいけないといいますが、今回の関係者の顔ぶれをみている
と、何となく顔つきとやっていることに相関関係がありそうな気がします。

 偽造に最初に気が付いた渡辺さんという人が参考人で登場していますが、この人だ
けは、真面目で誠実な感じがします。
  

 では、経済ニュースゼミを始めましょう。


<本日のメニュー>
1.経済ニュース解説(景気の動向)
2.試験に出ない経済学(マンデル・フレミング・モデル)
3.編集後記
★★★★★★★★★★★★★★★
経済ニュース解説(景気の動向)
★★★★★★★★★★★★★★★

■景気の動向
 財務省が5日、法人企業統計を発表しました。それによると7-9月期の設備投資は、
10・四半期連続で前年同期を上回り、伸び率で見ると、前年同期9.6%となっていま
す。
 設備