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経済ニュースゼミバックナンバー(その4)


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「財政を考える」編

ナンバー 主要項目
経済ニュースゼミ(第46号、2005,3,25) (株の貸し借り)
経済ニュースゼミ(第47号、2005,3,28) 公債の発行残高 (日経JAPAN1000)
経済ニュースゼミ(第48号、2005,3,30) (ペイオフクイズ、量的緩和政策クイズ)
経済ニュースゼミ(第49号、2005,4,1) 財政赤字と家計、財政法4条 (預金保険と金利の自由化)
経済ニュースゼミ(第50号、2005,4,4) 均衡財政主義、昭和40年度の国債発行、建設公債 (入社式訓示 会社当てクイズ)
経済ニュースゼミ(第51号、2005,4,6) 投資的経費 (地方公共団体向け財政投融資の審査強化)
経済ニュースゼミ(第52号、2005,4,8) 赤字公債発行経緯(日銀当座預金目標値の引下げ理由)
経済ニュースゼミ(第53号、2005,4,11) 臨時特別公債、特例公債法
経済ニュースゼミ(第54号、2005,4,13) (経済ニュースミニテスト)
経済ニュースゼミ(第55号、2005,4,15) 国債発行の弊害 (カネボウの株主だったら)
経済ニュースゼミ(第56号、2005,4,18) 海外投資家の国債保有 (社外取締役)
経済ニュースゼミ(第57号、2005,4,20) (経済ニュースのみ)
経済ニュースゼミ(第58号、2005,4,22) 国債発行の利点
経済ニュースゼミ(第59号、2005,4,25) 需要創出効果
経済ニュースゼミ(第60号、2005,4,27) 公共事業の景気刺激効果
経済ニュースゼミ(第61号、2005,5,9) (連邦公開市場委員会の声明文)
経済ニュースゼミ(第62号、2005,5,11) プライマリーバランス、基礎的財政収支
経済ニュースゼミ(第63号、2005,5,13) プライマリーバランス
経済ニュースゼミ(第64号、2005,5,16) 歳出削減策
経済ニュースゼミ(第65号、2005,5,18) 所得税
経済ニュースゼミ(第66号、2005,5,20) 実質的平等
経済ニュースゼミ(第67号、2005,5,23) クロヨン、捕捉率
経済ニュースゼミ(第68号、2005,5,25) 日銀券の発行要因、政府紙幣
経済ニュースゼミ(第69号、2005,5,27) 発行益、中央銀行の設立
経済ニュースゼミ(第70号、2005,5,30) (対外純資産、株主資本利益率)
経済ニュースゼミ(第71号、2005,6,1) 政府紙幣、タックスヘイブン
経済ニュースゼミ(第72号、2005,6,3) 金融資産からの逃避、インフレターゲット





経済ニュースゼミ(第46号、2005,3,25)
みなさん、こんにちは、Seijiです。
 今日はサッカー、イラン戦ですね。
 今BSでは、北朝鮮と バーレーン戦が始まろうとしています。

 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.株の貸し借り
 3.編集後記
===========
気になる経済ニュース
===========

■米 0.25%追加利上げ(日経夕刊、3月23日)
 米連邦準備理事会は、22日、FOMCを開き、短期金利の指標であるフェデラルファンドレートの誘導目標を0.25%引き上げ、年2.75%とすることを全会一致で決めた。

■中堅証券、上場相次ぐ(日経夕刊、3月23日)
 中堅・中小証券会社の上場が相次ぐ。4月に予定している極東証券など2社に続き、中国株専門のインターネット証券であるユナイテッドワールド証券、楽天証券も早ければ年内の上場を目指す。

■外国人労働者 日本0.3% 主要国最低(日経夕刊、3月23日)
 OECDの「国際的移動の傾向」(2004年版)によると、日本の労働人口に占める外国人の割合は0.3%と主要国で最低という状況が明らかになった。G7ではカナダが最高の19.9%。日本で次いで低いイタリアは3.8%。

■新株予約権 高裁も認めず(日経新聞、3月24日)
 ニッポン放送の予約権発行を差し止めた東京高裁の決定は「企業価値の維持」を支えにしたニッポン放送側の主張を、東京地裁決定を上回る厳しさで退けた。敵対的買収の対抗策にも、釘を刺した。

■公示地価 大都市圏に底入れ感(日経新聞、3月24日)
 国土交通省が23日発表した1月1日時点の公示地価は大都市圏に底入れ感が出てきた。東京都心5区の全用途平均が前年比0.8%上昇と15年ぶりにプラスに転じ、名古屋、大阪圏でも上昇地点が広がっている。

■法人景気調査 景況先行き改善見込む(日経夕刊、3月24日)
 4日発表の1-3月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数は前期比1.5ポイント低下のプラス0.6だった。

■ソフトバンク系が筆頭株主 ニッポン放送保有株貸す(日経新聞、3月25日)
 フジテレビは24日、ソフトバンク系のソフトバンク・インベストメント(SBI)がフジの議決権の14.67%を握る筆頭株主になったと発表。ニッポン放送が保有するフジ株をSBIに貸すことで、同放送は実質的にフジの株主でなくなる。

■西武グループ買収を提案 米ゴールドマン総額9千億円(日経新聞、3月25日)
 ゴールドマン・サックスが西武鉄道グループに総額約9千億円で同グループを買収する提案をしたことが明らかに。ゴールドマンの提案は改革委の再建策への対抗案であり、西武の再生計画は新たな局面を迎える。
  

以上
☆☆☆☆☆☆☆
株の貸し借り
★★★★★★★

【研一】
 高裁の判断が示され、ニッポン放送の問題も治まりかけたかと思いましたが、そうでもないですね。
【佳子】
 日経新聞では、「買収劇 第3の役者」って書いてありましたけど。
【中洲先生】
 記者会見があっていたけど、ソフトバンク・インベストメントのCEOは、本当に役者みたいな人だね。


【佳子】
 ところで、今回の作戦は貸株を利用したとありますけど‥ どういうことなんですか?
【研一】
 それはね、ニッポン放送が保有していたフジテレビの株をソフトバンク・インベストメントに貸し付けたんだよ。
【佳子】
 貸したということは、また返すんでしょ?なのにどうして、ソフトバンク・インベストメントが株主になるのかな。


【中洲先生】
 そうだね、貸すとか借りるとかいうから誤解しやすいんだよね。
 貸すという場合でも、お金を貸すというのと本を貸すというのでは違うだろう?
【佳子】
 どういうことですか?
【中洲先生】
 お金を借りた場合、そのお金を所有者は誰になる?
【佳子】
 それは、借りた人ですよね。そうでないと使えないし。
【中洲先生】
 本を借りた場合は?
【研一】
 その場合には所有者は変わりませんね。


【佳子】
 本を借りたときは、その借りた本そのものを返すことになるけど、お金の場合は、一旦使ってしまうので、別のお金を返すことになりますね。
【中洲先生】
 株の貸し借りは、本の貸し借りではなく、お金の貸し借りと同じに考えればよいわけだよ。
【研一】
 お金を借りたら、将来同じ価値のお金を返す必要があるけど、そのお金そのものは借りた人のものになるということですか?
【佳子】
 だから、借りた株は、借りた人のものになるわけか。分かった、分かった。


【研一】
 だったら、株の貸し借りというのは、買い戻し条件付の売買ということと同じようなものですね。
【中洲先生】
 買い戻し条件付の売買は、売買の際に売買代金のやりとりがあるだろうし、また、貸し借りの場合には、賃借料が発生するという違いはあるけどね。


【佳子】
 先生、質問。
【中洲先生】
 はい、何かな?
【佳子】
 お金を借りるのは、お金がないからだし、また、お金を貸すのは、貸すと利子が儲かるからですよね。
 株を貸したり借りたりするのは、何のためなのですか?
【研一】
 そうだよね。株を借りて自分が株主になっても、それによるメリットというのは、配当をもらえること位ですよね。まあ、議決権の行使というのもあるけど。
【佳子】
 配当をもらいたいなら、単純にその株を買えばいいんじゃない?それに、配当といっても、他の株でも配当はもらえるわけだから、株を借りるほどのことをしなくても?


【中洲先生】
 株を空売りするために、株を借りることが多いんだよ。
【佳子】
 どういうことですか?
【中洲先生】
 株が下がりそうなときに、株を借りてそれを売りに出す。貸し借りの期間は例えば3ヶ月とする。3ヵ月後、案の上、株価が下がれば、その下がった値段で市場で株を買い、それで返す。そうすると下がった分だけ儲けとなる。勿論、賃借料も加味しての話だけど。
【研一】
 それだったら、自分の保有している株を売ってもいいんじゃないですか?
【中洲先生】
 自分の持っている株が値下がりしそうなときに、それを前もって売っておき、実際に値下がりすれば、それは、損失を回避しただけで、儲けにはならないよね。
【佳子】
 そうか。


【中洲先生】
 だから、わざわざ他人から株を借りて、それを市場で売却する。そうすることによって儲けることができる。
【佳子】
 株価が下がらなかったらどうなるんですか?
【中洲先生】
 それは予想が外れ損が出る。
【研一】
 そうですよね。空売りと言っても、予想が当れば利益が出、外れれば損をするのは変わりがないのですよね?


【佳子】
 じゃあ、どうして空売りなんかするのかな?
【中洲先生】
 初心者が考えるのは、値上がりする株を当てるということだよね。そうなると全般的に株価が下がるような局面では儲けることが難しくなる。しかし、空売りをする
と、株価が下がっても儲けが出るということさ。そこに意味がある。
【佳子】
 凄い!
【研一】
 それは便利ですね。


【佳子】
 株の貸し借りの意味は分かりましたが‥
【研一】
 でも、そうした行為は正当なものですか?
 飽くまでもライブドアの支配を防ぐというか、フジテレビの経営陣を守るためのものとしか見えない気もするのですが。


【中洲先生】
 ニッポン放送の取締役会が決定したことだが、その株を貸すに当って、正当な賃借料を取っているかどうか問題になるね。まとまった量の株であり、なかなかそれだけ集めるのが難しいとすれば、相当の対価が払われなければならない。配当金に相当する程度の賃料では話にならない。

 逆に、ソフトバンク・インベストメントからすれば、何故賃借料まで払って、5年間もその株を保有する必要があるかを株主に対し説明できなければならない。

 それ以外に、もっと本質的な問題がある。


【研一】
 今回の貸し株を差し止める仮処分を申請しても、認められない可能性が高いと言われているようですが。
【中洲先生】
 私は、今回の株の貸出は、貸出とは言っても、実質的には「重要な営業資産の譲渡」と看做すべきと考えるよ。
【佳子】
 高裁の決定が出たばかりなのに、フジ側もよく頑張りますね。
【中洲先生】
 高裁は、今回のフジ側の行為に相当感情を害していると思うよ。



以上
======
編集後記
======

 今、北朝鮮とバーレーン戦は後半の33分を過ぎたあたりです。
 しかし、こうやって平和にサッカーの試合を放映していますが、北朝鮮には、まだ拉致された人がどこかに隔離されている可能性が高いのですよね。
 そう考えるとちょっと複雑な気持ちになります。
 アメリカが日本の立場だったら、とんでもないことになっていますよね。

 拉致された人が、全て解放されたのであれば、もう過去の話として扱うこともあり得るかも知れませんが、未だに拉致された人が隔離されているとすると、相変わらず主権が侵害されている、或いは犯罪が行なわれていると言わざるをえません。

 日本の試合は夜ですか。
 そっちは応援しましょう。

 では、次回まで。





経済ニュースゼミ(第47号、2005,3,28)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 如何お過ごしでしょうか?
 先日のサッカーは残念でした。何が問題なんでしょうね。やっぱりチームワークなんでしょうか?

 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.日経JAPAN 1000
 3.「財政を考える」
 4.編集後記

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気になる経済ニュース
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■消費者物価 6年連続で下落(日経夕刊、3月25日)
 25日発表の04年度の東京都区部の消費者物価指数は、生鮮食品を除いたベースで前年に比べ、0.2%低下した。1999年度以来6年連続の下落で、パソコンや電気代などの下落が響いた。

■浮動株ベースに新指数 「日経JAPAN 1000」(日経新聞、3月26日)
 日経新聞社は、25日、浮動株に基づく新たな株式時価総額の株価指数「日経JAPAN」を4月1日から公表すると発表。持ち合い株など実際には市場で売買されない長期保有分を除いた株を浮動株とし、それをベースにした指数。

■フジ、株保有50社に要請(日経新聞、3月26日)
 フジテレビジョンが、ソニー、日立製作所、伊藤忠商事など約50社に同社の株式を新規または追加で保有するよう要請していることが25日、明らかに。

■株の最低購入額 平均45万円台(日経新聞、3月26日)
 株式の最低購入額が下がっている。各企業が個人でも買いやすいようにと売買単位の引下げなどを進めているためだ。東証1部に上場する株式の平均で約45万3千円と、過去最高だった1989年末(190万3千円)のおよそ1/4。



以上


=========
日経 JAPAN 1000
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【研一】
 先生、また新しい株価指数が考案されたんですか?
【中洲先生】
 そのようだね。
【佳子】
 どこがこれまでのものと違うのですか?
【中洲先生】
 これを説明すると、日経新聞社の宣伝みたいになってしまうのだが‥
【佳子】
 そう言わずに教えて下さい。


【研一】
 浮動株をベースにした指数と書いてありましたよね。
【佳子】
 何、その浮動株って?
【中洲先生】
 よく取引される株のことなんだけど‥
【佳子】
 へー、よく取引される株ね‥
【中洲先生】
 どんなに大きい会社であっても、その株の大部分が持ち合いなどの状態にあると、市場に出回るのが希になるだろう。だから、そうした持ち合い株などの固定株を除いて考える方が、市場の実勢を反映するんじゃないかと考えたんだ。


【研一】
 固定株と浮動株ですか?
結局長期保有の目的で投資された株は、除外するというのですか?
【佳子】
 個人が、投資した株はどうなるのかな?
【研一】
 個人が保有する分は、売ったり買ったりされる可能性が高いから浮動株ということなんじゃないかな。


【佳子】
 だけど、ある会社に魅力を感じて、ずーっと保有するつもりで買った株もそうなるの?
 変じゃない?
【中洲先生】
 厳密に考えると、固定株と浮動株の線引きは難しくなるので、結局外観で決めるしかなくなるね。


【佳子】
 で、その浮動株ベースの株価指数はどこが優れているんですか?
【中洲先生】
 仮に大きな会社があったとして、その株の殆どが少数株主により保有されていたり、持ち合い状態にあったりすると、なかなかマーケットには出てこないよね。
 どんなに買いたくても滅多に買うチャンスがないと。
 そういう会社の株式は、むしろ除外して考えた方が、市場の実勢を反映できると思わないかい?
【佳子】
 いまいち分かんない‥
【研一】
 浮動株のウエイトが少ないと、なかなか市場での売買が成立しにくいのですよね?
【中洲先生】
 そうそう。


【研一】
 そうなると、景気がよくなって、株価が上がるべきときでも、そうした株は余り株価が上がらず、また、その逆に、景気が悪くなっても、株価が下がりにくいということですか?
【中洲先生】
 厳密には、そういう考え方が適切かという問題があるのだけど、今研一君が言ったように考える人が多いのだよ。
 そうした考えからすれば、そうした株は、市場の実勢を反映しにくいからむしろ除外した方がいいということになる。
【佳子】
 すると、「日経 JAPAN 1000」は、市場実勢をより反映する特徴があるということですか?
【中洲先生】
 まあ、そういう理解でいいのだろうね。
☆☆☆☆☆☆☆☆
財政を考える
★★★★★★★

【佳子】
 ペイオフの話が終わったら、今度は財政の話ですか?
【研一】
 財政の話というと、国の借金が山のようにあり、財政の規律を取り戻さないといけないなんていう話ですか?
【佳子】
 結局、無駄遣いしちゃよくないという話?
 あれっ、先生は、消費税をもっと上げるべきだと考えているのですか。やだな。


【中洲先生】
 財政の話になると、そういうイメージがつきまとうよね。実際、近年財政当局が目指してきた方向もそういうものだったし‥
【佳子】
 先生、他のテーマにしたら。どうせ、読者の人も、財政の話を希望した訳ではないんでしょ。
【中洲先生】
 だけど、「税金のない社会」が実現できるかもしれない、と聞くとどうだい?
【研一】
 先生らしくないですね。
【佳子】
 そうそう、全然らしくない。モラルハザードだとかディシプリンだとか、まともなことしか言わないのかと思っていたら、「税金のない社会」なんて先生らしくない。


【研一】
 メルマガの読者数が伸び悩んでいるので、派手なタイトルで人目を引こうという作戦ですか?
【佳子】
 暗記しなくても英語が喋れるようになるとかそういう類の。


【中洲先生】
 「税金のない社会」というのは、理論的には十分可能なんだけど、そうした社会が実際望ましいか、或いは運営可能かということになるとまた別問題だ。だけど、そういうことを考えるのは楽しいことだと思ってね。


【佳子】
 まあ、いいや。とにかく先生にお任せしますから、なるだけ面白くやってね。
【中洲先生】
 それでは、二人の同意も得たようなので、今回から「財政を考える」をやろうね。
【佳子】
 で、どんな話から始るのかな?


【中洲先生】
 最初は、我が国がどの程度財政事情が悪化しているかということから。
 先ず、国の借金残高(公債の発行残高)はどの程度か?
 クイズと行きましょう。
 答え、(A)約480兆円、(B)約48兆円、(C)約4.8兆円


【佳子】
 国の予算が80兆円位なんでしょ。
 予算というのは、1年間に使うお金だから、(B)の48兆円位かな。
 だって、1年間に800万円の収入がある人が、400百万円借金していれば大変なことだもんね。
【研一】
 800万円の年収のサラリーマンが、数千万円の住宅ローンを負っているのは珍しくないよ。だから、(B)の48兆円というのは少し少ないんじゃないかな。
 それに、480兆円というのも少ないと思うのだけど。


【中洲先生】
どのくらいだと思うのかな?
【研一】
 確か、日本の公的債務残高は、GDPの140%とかもっとだと、聞いたような記憶があるんですが。
 GDPって、500兆円くらいでしょ。だから、700兆円を超えているんじゃないかな?
【中洲先生】
 よく知っているね。でも、質問は公債残高ということで、地方公共団体の借金は除いている。今研一君が言ったのは、国と地方を合わせた借金の状況だよ。
【研一】
 じゃあ、(A)の480兆円が正解ですか?
【中洲先生】
 卓球!
【佳子】
 久しぶりのピンポン、ピンポン。
 でも、先生。そうすると、国の借金は、予算規模の6倍ということ?やっぱり凄い額ですね。
 諸外国と比べても酷い状態なのかな。
【中洲先生】
 さっき、研一君がGDPとの対比をしたよね。国と地方の借金の合計額をその国のGDPと比べた数値だけど。
 2004年時点で、日本が163%、イタリアが117%、フランスが74%、カナダ73%、ドイツ67%、米国64%、イギリス52%というような状況だ。
【研一】
 日本はダントツなのですね。それと、アメリカは、思ったより低いんじゃないですか?
【佳子】
 どうして?
【研一】
 だって、双子の赤字とかいうじゃない。

以下次回に続く
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編集後記
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 3月も最後の週になりました。年度末ということで、特に経理のお仕事などに携わっている人はお忙しいことと思います。

 そろそろお花見のシーズンですが、さすがに今年は雪がよく振り開花が遅れているのでしょうね。

 シリーズ「財政を考える」を始めました。扱う素材は、目新しいものではないかも知れませんが、いろいろな視点で考えてみたいと思います。きっと、新しい発見のあるシリーズになると思います。
 その一つが、「税金のない社会」です。税金のない社会を具体的に論じるのは、シリーズの後半になってからだろうと思いますが、皆さんはどう思いますか?
 とっぴょうしもないことを言いやがってとお思いですか?
 いずれにしても、ご期待下さい。

 では、次回まで





経済ニュースゼミ(第48号、2005,3,30)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 4月1日からのペイオフの全面解禁のため、最近ペイオフ絡みの記事が多いですね。
それと、日銀の量的緩和政策に関する記事が目に付きます。

 そういうことで、本日は、ペイオフと量的緩和政策についてのクイズを出します。
 気楽に挑戦してみて下さい。

 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.ペイオフクイズ
 3.量的緩和政策クイズ
 4.編集後記
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気になる経済ニュース
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■地域金融再生 数値目標、夏までに(日経新聞、3月29日)
 金融審議会のリレーションシップバンキングに関する作業部会が28日、05年度から2年間の地域金融機関の再生のあり方を示した報告書を発表。
 具体的な数値目標については、事業再生や中小企業融資といった地域貢献度を示すものにするよう求めた。

■預金保険料率 決済用預金0.115% (日経新聞、3月29日)
 預金保険機構は05年度の預金保険料率を、決済用預金は前年度の平均残高の0.115%、一般預金は0.083%とする方針を固めた。

■失業率4.7%に悪化 (日経夕刊、3月29日)
 29日発表の2月の完全失業率は、4.7%となり、前月比で0.2ポイント上昇。悪化は7ヶ月ぶり。

■実質消費 2月は3.8%減 うるう年反動受け(日経夕刊、3月29日)
 29日発表の勤労者世帯の家計調査によると2月の1世帯辺りの消費支出は、30万1372円で、前年同月比3.8%減。うるう年の影響を受けない2年前の同月と比べると2.8%の増加。

■米金利高に市場動揺(日経新聞、3月30日)
 29日の東京市場では、株安・円安が進行し、日経平均株価は前日比192円安(1.6%)の1万1159円と今年に入って最大の下げ幅。円相場は約5ヶ月ぶりの円安・ドル高水準の1ドル=107円後半に下落。


以上
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ペイオフクイズ
★★★★★★★★★

 次の商品のうち、元本1000万円までとその利子が保護されるものはa、全額保護されるものはb、保護されないものはcを括弧に記入しなさい。

(1)決済用預金  (   )
(2)当座預金    (   )
(3)普通預金    (   )
(4)定期預金    (   )
(5)定期積金    (   )
(6)ビッグ・ワイド (   )
(7)金融債(保護預かり用)(   )
(8)金融債(それ以外)   (   )
(9)外貨預金   (   )
(10)ヒット      (   )



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
量的緩和政策クイズ
★★★★★★★★★★★

 日経新聞(3月30日)の経済教室で、須田政策委員会審議委員が量的緩和政策について分かりやすく解説しています。
 その文章をベースにしてクイズを作りました。

 括弧に入る適当な語句を下の候補から選んで下さい。

(A)日本銀行は01年3月、物価が持続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備する観点から、金融政策の操作目標を(1)から(2)に変更した。量的緩和政策への移行である。


(B)金融政策遂行のための現在の中心的な手段はオペレーションで、日銀が金融機関を相手に入札で手形や国債などを売買する取引である。金融機関側にニーズがない場合にはオペに応募する必要はなく、実際、資金供給オペに金融機関側が予定額まで応じない(3)がしばしば発生している。


(C)金利ゼロの日銀当座預金に、金融機関が資金を置くのは資金決済や現金引出しへの備え、(4)保有義務などのためである。


(D)1999年から2000年の(5)時代は、金融システムに不安があったが、所要準備プラス1兆円程度まで当座預金を増加させる資金供給で、コール市場のオーバーナイ金利はほぼゼロとなった。


(E)(6)移行当初の当座預金残高の目標は、当時の所要準備額に1兆円を加えた5兆円程度だった。現在は30-35兆円程度となっている。


(F)量的緩和政策に着手してから変化したことが3つある。1つは、日銀のバランスシートの拡大。資産規模は、GDPの約3割まで増加(欧米の中央銀行は、米国が7%、欧州は10%)。特に増加しているのは買入手形と国債。国債の増加は、当初月4千億円であった(7)の買入額が1兆2千億円まで増加したことが背景にある。


(G)2つ目は、(8)の縮小である。日銀が潤沢に資金を供給したため、コール市場から資金を取る必要がなくなっている。


(H)3つ目は、短期資金供給オペの期間の長期化である。量的緩和政策移行時には2ヶ月程度だったのが最近は平均5ヶ月程度まで長期化(欧米は1週間程度)。当座預金の残高の目標達成のために、オペの期間を長期化するしかなかったためだが、その結果、自然な(9)がゆがめられたように思う。


(I)以上の3点は、金融政策がこれまでの危機モードから脱出する過程で調整されるだろう。日銀のバランスシートは、いずれ流動性資産(当座預金、現金)の減少に見合って縮小する。調整後の姿として、流動性負債に比べ、長期の資産を保有しすぎると、流動性の吸収過程で当座預金を必要に応じて機動的に調整するコストが大きくなる。従って、これ以上長期国債の買入をこれ以上増やすことは適当でない。なお、(10)との誤解を招きかねない観点からも望ましくない。


(J)量の増加の主たる効果は、金融システムの安定化と流動性不安からの(11)阻止にあったと考えられる。従って、デフレスパイラル懸念がほぼ解消した今では、量を減らしても、それ自体が経済に影響を与えることにはならないと思われる。




<候補語句>
 長期金利、国債の利回り、無担保コールレート、日銀当座預金残高、インフレ率、札割れ、ベイルアウト、法定準備預金、キャッシュ、ゼロ金利、低金利、量的緩和政策、インフレターゲット、短期国債、個人国債、長期国債、コール市場、資本市場、金利形成、資産形成、財政赤字のファイナンス、インフレの誘発、デフレスパイラル、貸し渋り


答えは、編集後記の最後で。
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編集後記
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 本日もサッカーですね。でも、私が応援しましょうと言うと勝たないので、今日は言いません。
 
 昨日今日と、福岡地方はぽかぽかとした春らしい陽気です。桜の花ももう直ぐ咲きそうです。昨日開花宣言がなされていますが、まだ咲いたとは言いがたい状況です。

 ごく一部で咲き出したという程度です。

詳しくは、
http://www.columnist-seiji.com へ

 では、サッカーでも見ましょうか。


クイズの答え

ペイオフクイズ
(1) b (2)b (3)a (4)a (5)a (6)a (7)a (8)c
(9)c (10)c

量的緩和政策クイズ
(1)無担保コールレート
(2)日銀当座預金残高
(3)札割れ
(4)法定準備預金
(5)ゼロ金利
(6)量的緩和政策
(7)長期国債
(8)コール市場
(9)金利形成
(10)財政赤字のファイナンス
(11)デフレスパイラル


では、次回まで





経済ニュースゼミ(第49号、2005,4,1)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
4月1日を迎え新年度がスタートですね。テレビではソフトバンクの入社式が放映されていましたが。

 さて、福岡は「花子汗ばむ」と言いたくなるような陽気です。そろそろ桜も咲き出したかなと近所を散策してみましたが、まだ、咲き出したというほどではありません。3月になっても何度も雪が降りましたからね、その影響でしょうね。

 ところで、円相場予想コンテストの結果が出ました。3月31日の円相場は、1円=0.00935ドルでした。この結果、金沢のはやじ様が当選しました。


<はやじ様のコメント>
 「なぜ円安と予想したのでしょうか?
 外貨ドル預金しちゃったところだったので、
 円安になれば良いな、という自分の希望だったのです。
 相場観とか、明確な理由とかは無いのです。ごめんなさい。
 これからメルマガ(経済ニュースゼミ)で勉強を続けたいと思います。」




 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。



<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.預金保険と金利の自由化
 3.財政を考える
 4.編集後記
===========
気になる経済ニュース
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■株式持合い拡大へ 新日鉄・住金・神鋼(日経新聞、3月31日)
 新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所の3社は30日、株式の持ち合い拡大の検討に入ると発表。3社は2002年に30-50億円の株式を持ち合っている。

■米投資ファンド3社買収資金3.2兆円調達(日経新聞、3月31日)
 米大手投資会社が世界規模で企業買収を加速する。カーライル・グループなど大手3社は買収資金として年内にも約300億ドルを調達する見通しだ。同グループは来年にも日本企業の買収資金として1000億円強を集める。

■コンビニ出店過去最高 大手5社今期13%増(日経新聞、3月31日)
 コンビニエンスストア各社が06年2月期、新規出店を大幅に増やす。大手5社が計画する今期の出店数は過去最高だった前期と比べ13%増の2880店。閉店数を差し引いた純増数は38%増の1490店。7兆円産業に成長したコンビニは不採算店舗の整理が一巡、閉鎖店数が減少する。

■東京海上日動 民間初の貿易保険(日経新聞、3月31日)
 東京海上日動火災保険は、30日、4月にも貿易保険の引き受け業務に乗り出す方針を明らかにした。貿易保険は政府の規制緩和策で民間開放が決まっており、これに基づく参入第1号となる。欧州の大手保険会社と提携して輸出先企業の信用情報を充実させるほか、保険契約手続きを大幅に簡素化することで顧客拡大を目指している。

■みずほコーポ 要注意先債権を証券化(日経新聞、3月31日)
 みずほコーポレート銀行はモルガンスタンレー証券と組み、回収に注意を要する要注意債権を国内で初めて証券化する。第一弾として、約400億円の要注意債権を裏付けにしたローン担保証券を組成、複数の投資家に販売する。

■プレヴェチューリッヒ 中堅5証券買収を断念(日経新聞、3月31日)
 プレヴェチューリッヒ企業再生グループは30日、いちよし証券や丸三証券など中堅証券5社の買収交渉を中止すると発表。「友好的な買収は困難と判断した」ためという。

■欧州、国境越え銀行再編 イタリア銀標的に(日経新聞、3月31日)
 欧州で国境を越えた銀行再編が動き始めた。オランダ最大手ABNアムロは、30日、イタリアの準大手銀アントンベネタに対し、総額63億ユーロ(8800億円)での買収を提案した。

■再生機構 債権の買い取り終了(日経新聞、4月1日)
産業再生機構は31日、支援中の企業向け債権の買い取り決定を全て終えたと発表。今後はスポンサーの選定や事業再生に当たる。再生機構は時限組織として03年5月に業務を開始した。債権の買い取り決定の期限は今年3月末までと定められており、予定通りに終了した。

■今日から電力自由化拡大 値下げ圧力強まる(日経新聞、4月1日)
 4月1日から電力自由化が拡大する。小売自由化の対象が一般家庭などを除いて、全電力需要の6割強に増えるほか、電力会社は区域外の顧客に電気を供給しやすくなる。
 自由化のもう一つの目玉が、1日に発足する卸電力取引所だ。自家発電設備を持つ企業や電力会社の余剰電力を取引所が買い取り、発電能力の乏しい新規業者に購入を仲介、円滑な電力供給を支援するのが狙い。

■株売買代金最高に 04年度1日1兆2000億円(日経新聞、4月1日)
 東証1部の1日当たりの平均売買代金は1兆2060億円となり、16年ぶりに過去最高を更新。個人投資家の売買シェアは17年ぶりの高水準の33.1%

■野村も「貸し出し」参入(日経新聞、4月1日)
 野村證券は1月30支店の貸金業を登録し、登録支店数は58になった、貸出案件を地銀に紹介する融資仲介が始る。

■買収防衛へ株持ち合い新日石・コスモも発表(日経新聞、4月1日)
 新日本石油とコスモ石油は31日、相互に株式を持ち合うと発表した。


以上
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
預金保険と金利の自由化
★★★★★★★★★★★★

 本日4月1日を迎え、ペイオフの全面解禁が行なわれた。もっとも決済用預金は全額保護されるのであまり胸を張って「全面解禁」と言うことは出来ないかもしれないが。

 ただ、これまで何度かペイオフの解禁を巡って大騒ぎした経験を思い出すと隔世の感がある。ある時期、私は、日本ではペイオフが解禁される日は来ないかもしれないと思ったことがある。

 いずれにしても新しい時代に入った訳だが、今後の預金保険制度の方向を考えてみたい。

(1)決済用預金
 日本はアメリカなどと違い小切手での資金決済の比率が低いとの理由で、当座預金の他に無利子の普通預金まで作らせて、預金の全額保護を続けることになったが、これは、可能な限り早期に原則に戻し1千万円までの保護とすべきである。

 決済用預金を主に利用すると見られる地方公共団体やマンションの管理組合が、決済の安全性を求めて決済用預金をするわけではないことを見ても、決済用預金導入の大義名分は否定される。地方公共団体やマンションの管理組合は、ただ多額の預金が心配なだけである。

 なお、日本において仮に小切手で決済するようなシステムが一般的になっても、最終的には当座預金や普通預金の口座間でやりとりがなされるのであろうから、実質的には、日本とアメリカとで事情が違うというのは理由にならないと考える。

(2)預金保険の民間開放
 ただ、決済用預金を廃止しろと言っても、1千万円以上の預金も保護して欲しいと願う人が存在することは否定できない。だとすれば、そういう人たちは、自分で保険料を払い込んで1千万円以上の預金が保護されるよう、預金保険を民間の損害保険会社が扱えるようにすればよい。それなら誰からも文句を言われる筋合いはない。

(3)預金保険と金利の自由化
 決済用預金の全額保護が廃止されて日本が欧米並みになったらそれで終わりなのであろうか。実はそうではない。

 近年預金金利の自由が進み、民間金融機関は自由に預金金利を設定している。その一方で、1千万円までとはいえ、預金は保護される。
 そうなると、経営の先行きに不安のある金融機関の経営者は、預金金利を高めに設定して預金を集める暴挙に出る恐れがある。預金者側も、1千万円までならば完全に保護されるので、預け先の金融機関の経営内容など無関心になる。モラルハザードの発生だ。

 こうした弊害を除くため、先ず第一に、預金金利の自由化と預金保険が矛盾するものだという認識を関係者が持つことが必要だ。その上で、そうした弊害が発生しないように、預金金利を例外的に規制したり、或いは、経営内容の悪い金融機関は、相対的に高い保険料を支払うようなシステムに改めていくべきだと考える。



以上
☆☆☆☆☆☆☆☆
財政を考える
★★★★★★★★

【中洲先生】
 わが国の借金の規模が如何に大きいか分かったかな?
【佳子】
 480兆円でしょ。国家予算の約6年分。国民一人当たり400万円ということですか。
【研一】
 財務省のホームページで、少し勉強してみました。
 国の財政を家計に例える、というのがあり、それによると、例えば、年収650万円の家計で、月収54万円位を想定すると、ローンの元利払いに毎月21万円支払う状態だとありました。


【佳子】
 54万円の収入で、借金の支払いに21万円以上払うとなると使えるのは33万円程度ということ?
【研一】
 そういうこと。で、それだけ多額の借金を背負いながら、毎月43万円新たに借金しないと生活できない状態らしい。
【佳子】
 それはさすがに酷すぎるね。幾ら借金の支払い分があるからと言って、毎月43万円も借金をしてちゃ破綻だね。
【中洲先生】
 43万円借りて、21万円返す訳だから、ネットでは22万円の借り入れというわけだけど、それにしても多いね。


【研一】
 家を建てたとか、結婚式を挙げたとか、進学したとかという特別な理由があるわけではなく、毎月毎月そうした借り入れを繰り返している訳ですからね。
【佳子】
 借金の残高は幾らになるの?
【研一】
 6800万円の借金がある家計と同じ状態だと。


【佳子】
 6800万円の借金を返すには、子供を芸能人にするかプロ野球の選手にするか、ホリエモンみたいな実業家にしないと返せないんじゃないのかな。
【研一】
 だけど、先生、どうしてこんなに多額の借金になったのですか?
【佳子】
 やっぱり、バブル崩壊で、景気回復のために公共事業をガンガンやったからじゃないかな。


【中洲先生】
 じゃ、戦後の借金の歴史を見てみようか?
【佳子】
 借金のことなら大体分かってますよ。戦争中は、軍費調達のために国債を発行し、そのためにインフレになったという話でしょ。
【中洲先生】
 そのとおりだね。だから、戦後は、そうしたインフレの体験を踏まえ、国債に頼らない健全な財政基盤を築くことを最重要課題に掲げてきたんだ。
【佳子】
 均衡財政主義というやつでしょ?
【中洲先生】
 よくしっているね。


【研一】
 財政法で規定しているんですよね?
【中洲先生】
 研一君も詳しいね。財政法という法律が昭和22年に制定された。財政法第4条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以って、その財源としなければならない」とある。
【佳子】
 だけど、国は毎年何十兆円という国債を発行しているんでしょ。公債と国債は違うのですか?
 そんなことないよね。
【研一】
 国債も公債も同じものですよね。


【中洲先生】
 公債と言えば、国債の他地方公共団体が発行する県債や市債などが含まれるけど、簡単に言えば、同じものだね。
【佳子】
 じゃあ、毎年国債を発行しているのは、どうしてですか?
【中洲先生】
 その財政法4条には但し書きがあってね、「但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経えた範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」とあるんだよ。
【研一】
 知ってますよ。建設国債というやつでしょ。
【佳子】
 そう言えば、聞いたことあるね。但し書きがあるのか。
 There is no rule without an exception. ですね。

 例外のないルールはなしと。財政法第4条にも但し書きがあったと。
 あれっ、何か変よ。国は、公共事業をやること以外の理由でも借金しているんじゃないですか?
【研一】
 それは赤字国債だよ。
 赤字を補填するために国債を発行するんだよ。
【佳子】
 へー、だとすると、さらに但し書きがあるの?
【中洲先生】
 但し書きは他にはないよ。
【佳子】
 だったら、財政法違反にならないのかしら。
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編集後記
======
 
 4月になり、桜の開花が待たれますが、今年は本当に開花が遅いですね。
 でも、いざ咲くと寒さが戻ったりして、「花冷えですね」なんて言ってお花見でもするのでしょうか。

 新入生、新社員の人たちは、喜びすぎて一気呑みなどしないで下さい。また、先輩も一気呑みなど決して勧めず、大人のお酒のたしなみ方を教えてあげてください。

 
 では、また次回まで


 「花子汗ばむ」というのは、山田花子さんのことです。





経済ニュースゼミ(第50号、2005,4,4)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 やっと桜が咲き始めましたが、今年は本当に遅いですね。
 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.入社式訓示 会社当てクイズ
 3.財政を考える
 4.編集後記
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気になる経済ニュース
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■製造業2期連続悪化 日銀短観(日経夕刊、4月1日)
 日銀が1日発表した3月の日銀短観によると、業況判断指数は大企業製造業で前回の調査に比べ8ポイント悪化し、プラス14に。IT関連産業などの生産調整と原料不足が響いた。

■流通各社、減損会計前倒し(日経新聞、4月2日)
 大手スーパーや百貨店などの流通企業が、店舗など固定資産の含み損を計上する減損会計の前倒し適用に踏み切り始めた。適用義務付けとなる2007年2月期より2年早く導入する企業も多い。資産の含み損を早期に処理して財務を透明化し、攻めの経営に転じたいとの思惑がある。

■トヨタが新原価低減策 2007年から「最安値より10%安く」(日経新聞、4月2日)
 トヨタは約3万点ある自動車の部品を、制御系や駆動系など数十の機能単位に集約し、これら部品群ごとにコストを削減する新たな原価低減活動を始める。

■電力の市場取引開始 卸電力取引所開設(日経新聞、4月2日)
 国内初の電力の市場取引が1日、始った。電力会社や新規の電力事業者が作る日本卸電力取引所が開設され、27社が取引に参加した。1日は、次の営業日までの電力を売買するスポット市場で約77万キロワット時の取引があった。中小工場480棟が1日に消費する電力量に相当する。

■足元慎重、先行き堅調 日銀短観 製造業が悪化(日経新聞、4月2日)
 ・IT調整は最終局面
 ・強気の設備投資計画
 ・「浮揚は夏場」が多く。

■全新入社員に中国語研修 三菱商事、今年度から(日経新聞、4月2日)
 三菱商事は今年度から新入社員全員に中国語の研修を義務付ける。

■中国株で個人開拓 中堅証券も参入(日経夕刊、4月2日)
 中国株をめぐる金融サービスの裾野が広がってきた。大手証券による中国株を組み入れた投資信託の残高積み上げが目立つなか、中堅・中小証券も個人向けに取り扱いを強化。

■日本不動産ファンド 海外で初上場(日経夕刊、4月2日)
 オーストラリアの投資銀行が日本の不動産を対象にした資産総額470億円の投資ファンドを立ち上げ、4日に豪州証券取引所に上場する。日本の不動産に特化したファンドの海外上場は初めてで、不動産相場の回復を先取りした動き。

■景気緩やかに再浮揚(日経新聞、4月3日)
 昨年半ばから足踏みが続いていた日本経済が再浮揚を窺っている。生産調整は着実に進み、設備投資は堅調で、雇用情勢の改善から個人消費にも底堅さが見られる。原材料高の不安はあるが米国、中国経済の波乱がなければ、夏にかけ回復歩調を取り戻す公算が大きい。

■貿易保険 製品別に選択(日経新聞、4月4日)
 日本貿易保険は、業界団体と契約する「組合包括保険制度」を見直す。現在は業界団体の全ての加盟企業に同じ保険を掛けているが、企業ごとに保険をかける製品などを選べるようにする。


以上
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入社式訓示 会社当てクイズ
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 4月1日に入社式があった企業が殆どだと思いますが、訓示を示しますので、どこの企業のことか選択肢から選んで下さい。
 回答は、編集後記で。


(1)役員も社員も全社一丸となってこの(買収)問題に取り組んでいるので安心して
   欲しい。
(2)自分で起業したつもりで会社を如何に伸ばすかを考えて欲しい。
(3)3-5年前は大変な苦境にあった。5年に一度は大きな危機がある。
(4)気を抜けばあっという間に企業の存続すら危うくなる厳しい競争の中にいる。
   だからこそ、取り組み方によっては大きな成長のチャンスがある。果敢なチャ
   レンジが必要だ。
(5)経営に訴えたいことがあれば、私に電話や電子メールで直接伝えて欲しい。
   24時間受け付ける。
(6)宅建業違反容疑に動揺することなく、研修や業務に真摯に取り組んで欲しい。
(7)強い個人の集団が強い会社に。
(8)コンプライアンス無くして仕事無し、会社無し(排ガス浄化装置データ改ざん)
(9)プロ野球参入など変革の一年。志を高く持ち挑戦して欲しい。

<選択肢>
 キャノン、三井物産、楽天、ソニー、新日本製鉄、トヨタ自動車、ニッポン放送、
 JAL、三菱地所
☆☆☆☆☆☆☆☆
財政を考える
★★★★★★★★


【研一】
 そう言えばそうだね。
【中洲先生】
 国は、赤字を補填するための赤字国債を発行するために、毎年特別な法律を作っているのだよ。
【佳子】
 なんだ、そういうことですか。
【研一】
 ところで、先生、戦後はずーっと均衡財政主義で来たんでしょ。
【中洲先生】
 戦後20年近くは、均衡財政主義で頑張ったんだがね。東京オリンピックの後に不況が来たんだ。東京オリンピックが昭和39年だろ。
【佳子】
 そんな昔のこと知らないです。


【中洲先生】
 昭和39年にオリンピックが東京であり、建設ブームが起きたが、翌年には反動が来た。40年不況と呼ばれた。
【佳子】
 不況になって、どうなったのですか?
【研一】
 不況になって、税収が不足したのですよね。


【中洲先生】
 そのとおり。戦後初めて国債を発行しないと乗り切れない事態になってしまった。そして、昭和40年度限りの臨時措置ということで、法律を作り、国債を発行することにした。そこから少し流れが変わるんだね。
【研一】
 どういうことですか?
【中洲先生】
 昭和40年度の国債の発行は、戦後初めてのことで大騒ぎしたが、一度発行すると段々慣れてくる。昭和41年度以降は、財政法4条の但し書きにより、公共事業の範囲内で建設国債を発行する政策に転換していく訳だよ。


【佳子】
 国債には、建設国債と赤字国債があるんですよね?
【中洲先生】
 何か質問したいのかな?
【佳子】
 建設国債と赤字国債とは、券面のデザインが違うのですか?
【中洲先生】
 以前は、国債を発行するということは、実際に国債を印刷していたのだが、平成15年からは、ペーパーレス化され、券面が印刷されることはないんだよ。口座に記録されるだけ。
【研一】
 ペーパーレス化される前はどうだったのですか?
【中洲先生】
 券面が印刷されていた時代でも、建設国債とか赤字国債とかの表現がされていたわけではなく、外見は同じだったんだよ。
【佳子】
 そういうことだったのですか?
【中洲先生】
 質問したいことは他には?


【佳子】
 そうそう思い出した。なんで、財政法では、公共事業を行なう場合にはその範囲で、国債を発行してもよいと決めたのですか?
【中洲先生】
 研一君は分かるかな?
【研一】
 それは、公共事業は、結果として道路が出来たり、橋が出来たりという風に、国民にとって役に立つ資産が残るから、おお目に見てもいいということじゃないのですか?
【佳子】
 確かに、個人の生活に当てはめても、住宅を建てるためにローンを借りるのと、ブランド物を買うためとか海外旅行するために借金するのとでは、他人の見る目が違うもんね。
【中洲先生】
 そうだね。
【佳子】
 じゃ、研一君が言うように、資産が残るから借金を認めましょうということですか?
 でも、何か変な気もするのですが‥。
【研一】
 また、質問かい?
【中洲先生】
 遠慮なくどうぞ。


【佳子】
 財政法は、戦前戦中のインフレの体験を踏まえて出来たんでしょ。
【中洲先生】
 そうだけど。
【佳子】
 だとしたらね、資産が残ろうと、インフレを起こすような結果を避けることが重要じゃないのかな。
【研一】
 だから?
【佳子】
 だからね、幾ら道路を作ろうと、市営美術館を作ろうと、供給能力が十分かそうでないかということを踏まえて判断すべきなのよ。
【中洲先生】
 面白いことを言うね。
【佳子】
 だって、戦時中にインフレになったというのは、戦争のために供給能力が衰えてしまったけれども、その供給能力を上回る武器等を生産する必要があったからでしょ。
ところが、少々公共事業を拡大しても、バブル経済崩壊以降のように供給能力に余剰がある場合には、インフレなんかにはならないのよ。

次回へ続く
======
編集後記
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 今週からNHKラジオの英語講座も随分模様替えです。
 でも、思うのは昔(30年以上前)に比べ格段にレベルが高くなっていますよね。基礎英語といっても講師によっては、私たちが高校生以上になって知ったような単語が出てきますし、何よりも発音がナチュラルで聞き取りが難しいです。基礎英語といっても決して侮れないと思います。

 3年ぶりに英会話入門が復活しました。実は遠山先生は、半年前に英語リスニング入門の講師として復活していましたが‥。

 午後には、英会話中級と英会話上級というのがあり、また夜にはスピーキング入門とビジネス英語があり、夜の部はこれまでどおりのようです。

 何か番組が多すぎるような気もしますが‥。
 これこそ、Thanks but no thanks ですか。

 では、また次回まで


<クイズの答え>
(1) ニッポン放送
(2) ソニー
(3) 新日本製鉄
(4) トヨタ自動車
(5) JAL
(6) 三菱地所
(7) キャノン
(8) 三井物産
(9) 楽天

 
 沢口靖子さまのタンスにゴンの宣伝は面白いですね。プラス今回はセクシー編で、グー!

 ゴンゴン、増量中





経済ニュースゼミ(第51号、2005,4,6)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 桜がやっと咲き出したと思ったら、もう満開宣言が出されたそうです。
 お花見の予定はありますか?お酒やご馳走抜きのただ見て歩くだけのお花見もいいものです。
 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.地方公共団体向け財政投融資の審査強化
 3.財政を考える
 4.編集後記
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気になる経済ニュース
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■シェブロン ユノカルを買収 1兆9千億円(日経新聞、4月5日)
  米石油2位のシェブロン・テキサコは、4日同9位のユノカルを総額約180億ドルで買収することで合意沙汰と発表。
  イタリアの炭化水素公社(ENI)や中国海洋石油(CNOOC)に競り勝った。

■ダイエーが「ミニ店舗」 再建策(日経新聞、4月5日)
  産業再生機構の下で再建を目指すダイエーは4日、具体的な再生計画をまとめた。
  柱となる食品スーパーは、コンビニエンスストア3店舗分の広さに相当する売り場面積で4百平米弱のミニ店舗を導入する。

■「鋼板」休止先送り 住金やJFE(日経新聞、4月5日)
  住友金属工業は和歌山製鉄所で3月末に一部を休止予定だった自動車など向けの薄鋼板の生産ラインの操業を当面続けることを決めた。
  不況だった2002年に需要低迷を見越して休止を決めたが、中国向けの輸出の急拡大などで方針を転換した。

■米企業 増・復配鮮明に 7年ぶり高水準(日経新聞、4月6日)
  米企業が株式配当を増やす姿勢を鮮明にしている。1-3月期に増配または復配を発表した企業は603社と前年同期比17%増。4半期としては7年ぶりの高水準。

■GW 海外ラッシュ 日並びよく最高の60万人(日経新聞、4月6日)
  今年のゴールデンウィーク期間中の海外旅行者が過去最高になる見通しだ。曜日の配列に恵まれ、長い休みが取りやすいためで、特に欧州や米国などの遠距離方面のツアーに人気が集まっている。

■失業500万人 悩むドイツ (朝日新聞、4月6日)
  ドイツでの失業者増加が止まらない。今年に入り戦後最悪の500万人を突破し、ヒトラーが台頭した1930年代初頭の世界恐慌直後の水準に並んだ。とりわけ深刻なのは、若者に働き口がなく、長期の失業者が多いことだ。


以上
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地方公共団体向け財政投融資の審査強化
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 マイナーなトピックで恐縮だが、財政投融資関連の話題を取り上げたい。

 4月6日付日経新聞によれば、「財務省は財政投融資の審査を強化するため、公認会計士や銀行実務経験者ら民間人を登用する」とある。

 「市町村など地方公共団体向け財投を審査する専門職員を今月から5人ほど採用し、全国の財務局に配置する」らしい。既に昨年4月に8人採用されており、「今年度は13人に増やす」計画ということらしい。

 こういった話を聞かされても、圧倒的多数の人は何のことか分からないであろう。
また、地方公共団体で借り入れの仕事に携わっている人は、これまた、極めて冷めた感想を抱いていることだろうと思う。

 当該記事は、「財務省は夏までに、市町村や公営企業の財政状況をチェックする新しい審査基準を作る予定。登用した民間人は審査基準作りにかかわるほか実際の審査業務にあたる地方財務局や財務事務所の職員を指導する」と紹介しているが、額面どおり受け取ることはできない。

 そもそも市町村の財政状況の良し悪しに応じて、融資をしたりしなかったりすることができるのだろうか?或いはそうすることが適当なのであろうか?

 そういうことなら、財政投融資も民間の融資と極めて似通ってくる。
 財政投融資が重宝がられるのは、採算性が合わない事業でも行なう必要があったり、財政状態が悪くても、事業を続ける必要がある場合もあるからではないか。

 そうなると、財務省が審査基準を作ると言ってはいるが、極めて抽象的なものに止まり、実際に活用される基準が作れるとは思われない。

 貸付機関としては、借り入れ側(地方公共団体)の財政事情をよく把握する必要があると反論するかもしれないが、わざわざ外部から人材を採用してまで行なう必要があるとも思えない。

 また、参考までに言っておくと、現在の地方公共団体向けの財政投融資の審査業務は、極めて形式的な書類審査となっており、個々の事業の是非について口を挟むシステムにはなっておらず、審査を強化すると言っても、実態は変わらないということだ。

 結局、財務省が言う「地方向け財政投融資の審査強化」は、そもそもの目的がはっきりせず、財務省の説明責任が強く求められる。

 法的根拠が明確でない新規業務の追加を、どのような理由で正当化できるというのだろうか?
☆☆☆☆☆☆☆☆
財政を考える
★★★★★★★★

【中洲先生】
 佳子ちゃんの言うとおりかもしれないが、借金の使い道がどうであれ、財政規律が失われ、借金が多くなるとインフレになりやすくなるだろうという考えから、財政法の規定ができているんじゃないかな。
【研一】
 借金をする理由が、公共事業をするためという理由の場合と、公務員に対する給与を支給するためのケースでは、インフレになる可能性に違いがあるんですかね?
【中洲先生】
 問題の設定がアバウト過ぎて答えづらいのだけど‥
 ただ、「インフレになる可能性」ということを「景気に対して刺激的」という言葉に置き換えていいのだとすれば、歴代の政府は、投資的経費、つまり公共事業の方が、義務的経費、つまり人件費などよりも景気に対し刺激的と考えていたよね。
【佳子】
 へー、そんなものですか。


【中洲先生】
 だってね、第一次オイルショック以降、不況対策のための予算を組んだことが何度もあるけど、そういう時、必ず義務的経費はぎりぎりまで絞込み、逆に、投資的経費は思い切って伸ばしてきたからね。そういうのを景気に対し配慮した予算と考えていた。
【佳子】
 じゃあ、インフレになりやすいということと景気に対し刺激的というのは同じような意味なのですね。
 にもかかわらず、財政法は、インフレの反省を踏まえて作ったという割には、インフレになりやすい公共事業のための借金は但し書きで認めて、インフレになりにくい義務的経費のための借金は認めないのですね。
【研一】
 佳子ちゃんも変わったことを言うよね。でも非常に面白い。そんな考え初めて聞いた。
 ただ、いずれにしても、そういうことからすると、財政法は、インフレとの関係だけに着目しているわけではないということじゃないのかな?


【中洲先生】
 戦後、日本は焼け野原から立ち上がる必要があったからね。そのためには社会インフラを急速に拡充する必要があった。
【佳子】
 社会インフラの拡充の必要性というのは分かるんですよ。でも、財政法の話をするとき、必ずと言ってインフレの体験が引き合いに出されるから引っかかるの。
【研一】
 確かにそうだね。国が多額の借金をするとインフレになると。それが最大の弊害というように習ってきたよね。


【佳子】
 それとね、ちょっと細かい話になるかもしれないけど‥。公共事業のための借金とか人件費支給のための借金とか言ったって、それは観念的なものに過ぎないでしょ?
【研一】
 どういうことかな?
【佳子】
 例えば、国の支出予算が80兆円で、うち公共事業が仮に10兆円、それ以外が70兆円という場合を想定してみて。
 で、税収が70兆円しかなく、歳入不足を賄うために10兆円国債を発行するとするよ。でも、その国債の10兆円が公共事業に使われるか、それ以外に使われるか、区別することが実際できるかということよ。
【研一】
 仮に、実際、国債を発行したお金を公共事業に回しても、税収を回すとしても、お
金には変わりがないから、佳子ちゃんの言うように、単なる自己満足にすぎないかもね。
【中洲先生】
 いいことに気が付いたね。だから、欧米では日本のように建設国債と赤字国債を区別することはしてないんだよ。
【佳子】
 なーんだ、そうだったのですか。


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編集後記
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 昨日街に出ると、ゴールデンウィーク中に行なわれるドンタクの宣伝があっていました。博多はもう春満開という感じです。

 話は全然変わりますが、まぐまぐが新システムに移行しました。
 で、メルマガのことについて再発見がありました。

 メルマガの部数を伸ばすには、相当の工夫や努力が必要ですが、減らさない方法は、それほど難しいものではありません、と言うと、皆さんどう思われますか?

 「そんなこと言ったって、メルマガの内容が気に入られないと、すぐ解約されるんでしょう?」という反応が予想されます。

 でも、ある程度の発行部数を確保したら、発行しなかったらいいのです。発行するから内容が気に入らなくなったとの反応も起こりますが、発行しなかったら、解約することもありません。

 よっぽど律儀な人は解約の手続きをとるでしょうが、圧倒的多数の人は、来なくなったメールマガジンのことなど気にする人はいません。

 で、結果として、読者数は減らず現状維持ができるのです。こうしてランキング上位に居続けるようなマガジンも少数ではありますが、存在するようです。

 大げさに言うと、メルマガの矛盾点でしょうか。

 では、次回まで





経済ニュースゼミ(第52号、2005,4,8)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 昼間に散歩をしましたが、桜が満開になりました。桜の木の下にブルーのシートが敷かれており、場所取りがされていました。有人の場所取りだけでなく、会社の名前を紙に書いただけの無人の場所取りも多く見られました。
 今夜は、花見で賑合うでしょう。
 

 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2. 日銀当座預金目標値の引下げ理由
 3.財政を考える
 4.編集後記
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気になる経済ニュース
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■フォード1000人削減(日経夕刊、4月6日)
  米フォード・モーターは5日、米国で最大の約千人のホワイトカラー社員を6月までに削減する計画を明らかにした。同社は一時の財務危機は脱したものの、新車販売が低迷し、一段のコスト削減を迫れた。業績が低迷するゼネラル・モーターズも年内に7-8千人の人員削減を予定しており、米自動車業界で合理化の動きが加速している。

■GM格下げ フォードも検討 ムーディーズ(日経夕刊、4月6日)
  ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、GMの長期信用格付けを、投資不適格の一つ上の段階に引き下げた。新車販売の不振や固定費負担の増加によって競争力が低下しているため。

■「春以降、再浮揚」変えず 日銀総裁、景気回復に自信(日経新聞、4月7日)
  日銀は6日、政策委員会・金融政策決定会合を開き、政策の現状維持を決めた。会合後記者会見した総裁は、量的緩和策の修正論議があったと説明。そのうえで修正の是非は「まだ即断を許さない」とし、時間をかけて検討する考えを示した。

■今年の世界経済 3.1%成長に減速(日経新聞、4月7日)
  世界銀行は6日、最新の経済見通しを発表。原油価格の高騰や米国の金融引き締めなどを背景に「世界経済の回復力はピークを超えた」と指摘。05年の世界の実質経済成長率は前年の3.8%から3.1%に減速すると予測。日本は、0.8%にとどまり、前年の2.6%を大幅に下回る見通し。米国は、3.9%に低下するが、潜在成長力といわれる3.2%−3.5%を上回る底堅い成長を維持する。

■ガソリン10年ぶり122円 店頭全国平均(日経新聞、4月7日)
  6日発表のレギュラーガソリンの店頭価格は、前週比4円上がり、1リットル122円となった。

■ネット証券178万口座 1年で56%増(日経新聞、4月8日)
  インターネット専業証券を利用する個人投資家が増えている。ネット証券の口座数は3月末で約56%増加した。

■原油、2030年まで高値圏 IMF予測(日経新聞、4月8日)
  IMFは、7日世界経済報告書を発表し、「今後数年間にわたって原油の需給が逼迫し、原油価格の上昇が世界経済の深刻なリスクになる」との懸念を表明。
  消費量の急増と生産余力の低下という原油高の要因は中長期的にも解消せず、2030年までは1バレル当たり39ドル−56ドルの高値圏で推移すると予測した。

■日銀当座預金引下げ 「引き締めでない」(日経新聞、4月8日)
  日銀総裁は7日の参院財政金融委員会で、量的金融緩和策の誘導目標である日銀当座預金残高の引下げについて「仮に目標を調整する場合も引き締めということではなく、技術的調整であると理解されなければならない」と語った。
  また、「(目標引下げの)措置をとる場合は明確な説明をしなければならない」と語った。



以上
★★★★★★★★★★★★★★★★★
日銀当座預金残高目標値の引下げ理由
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 
 日銀当座預金残高目標値の引下げが決まったわけではない。それに、目標値の引下げのためには、「消費者物価指数が安定的にゼロ以上になる」必要がある。

 しかし、日銀総裁が、7日参院財政金融委員会で「仮に目標を調整する場合も引き締めということではなく、技術的調整であると理解されなければならない」と語ったとあ
り、目標値の引下げが現実味を帯びてきた。

 目標値を維持するためにオペをやっても札割れが発生することも珍しくなく、他方で、金融機関の不良債権問題も目処が立ち、ペイオフ全面解禁もどうにか乗り切り、日銀には、もう一度政策を考え直してみる余裕が出てきたように窺えるからだ。

 かねがね日銀総裁は、「両手を縛られてボクシングをするようなものだ」とも言っていた。

 ただ、目標値の引き下げ実施には、総裁自身も語っているように明確な説明が必要だが、如何に説明するのかに苦労することが予想される。

 何故ならば、日銀は、「量的緩和政策」をとる理由として3つ挙げていた(金利引き下げ効果、ポートフォリオのリバランス効果、期待効果)が、最大の論拠ともいうべき「ポートフォリオのリバランス効果」について、その効果があったと言う者など皆無であるからだ。効果があったとしたら、この3つにはない「金融不安を鎮静化させる効果」だけであったであろう。


 そこで、提案がある。次のような理屈を付けたらどうであろう。
 「日銀当座預金の中には、義務的な意味合いを持つ法定準備預金がある。これは、本来、金融引き締めの意味を持つものであり、今後は、法定準備預金分は、目標値から差し引いて考えることとしたい」

 以上のような理屈付けで、目標値の引下げを行なったらどうであろうか。(もっとも、では、今までそうした法定準備預金をなぜ含めていたのかと質問される恐れがあるが‥)一度引下げをスムーズに行なえば、後は誰も日銀当座預金など注目しなくなるだろう。こうすることが、「量的緩和政策」を強く主張した人たちの顔を潰さず、収拾を図る最善の手段だと考える。

 ただ、学者或いは委員としての良心に忠実であろうとして、論理の整合性を追及しようとすると、これまでの「量的緩和政策」の非合理性にも言及せざるを得なくなり、大いに苦しむことになるであろう。


☆☆☆☆☆☆☆☆
財政を考える
★★★★★★★★


【研一】
  ところで先生、東京オリンピック後の不況を乗り切るために建設国債を発行するようになったということでしたが、その後は?
【中洲先生】
  そうだね、じゃ、私がキーワードを示すから、そのキーワードで時代を説明する文章を作ってみてくれるかな。
  昭和46年に「ニクソンショック」があったね。それから田中角栄総理の誕生で、「日本列島改造論」、そして昭和48年10月、「第一次オイルショック」。
  さあ、どうかな?


【佳子】
  また、昔のことか。難しいですね、ヒントは?
【中洲先生】
  ヒントは、景気とどう関係があったかと考えると案外簡単だよ。
【佳子】
  簡単と言われても、簡単とは思えないけど‥
  研一君、ニクソンショックってなんだっけ?
【研一】
  ニクソンはアメリカの大統領。
【佳子】
  それくらい知っているよ。
  ニクソン大統領が何したの?
【研一】
  何か重大なことを発表したんじゃなかったかな。
  確かそれまで1ドル360円だったのが、1ドル308円になったんじゃなかったかな。
【佳子】
  円高になったんだ。


【中洲先生】
  戦後ブレトンウッズ体制の下で、金・ドル本位制が採用されていた。要するに固定相場だった。金1オンスが35ドル。1ドルは360円という時代が長く続いていた。
  しかし、アメリカはベトナム戦争などのため、支出が嵩み財政が悪化。1オンス35ドルというドルの価値を維持することができなくなった。
  そこで、1971年8月、ニクソン大統領は、金とドルの交換停止を発表した。これをニクソンショックと呼んでいるんだよ。


【佳子】
  金とドルの交換が停止されてどうなったんですか?
【中洲先生】
  その後、主要先進国が集まり通貨制度の破綻を回避する制度を模索したんだ。結局ドルの切り下げと為替変動幅の拡大が決定された。
  1オンスは38ドルとなり、また、1ドルは308円となったわけだ。これをスミソニアン体制という。さらに1973年3月からは変動相場制に移行することになる。


【佳子】
  要するに、それまでの固定相場が揺らぎだしたのがニクソンショック。
  360円が308円でしょ。そうなると輸出に打撃が出たのですか?
【研一】
  となると、景気刺激策がとられたのですか?
【中洲先生】
  そうだよ。公共事業の追加に減税。景気刺激策に出る。
  そして、その後田中角栄が総理に就任し、「日本列島改造論」だ。
【研一】
  日本国中開発ブームになり、景気回復どころか景気が過熱気味になるのですね。
【中洲先生】
  そうこうしていると第一次オイルショック。
  原油価格が1バレル2.5ドルから10ドルへと4倍にも値上がった。


【佳子】
  今度はまた、引き締めですか?
【中洲先生】
  インフレが凄い勢いで進み、一気に景気引き締めとなる。
  強力な総需要抑制政策。公共事業の執行抑制、執行繰り延べを行い、49年度の公共事業の伸び率はゼロになった。
  結果として、49年は戦後初のマイナス成長になる。


【研一】
  インフレが収まればそれでよかったんでしょうが‥ 今度は一転不景気ですか。
 巧く行かないものですね。
【中洲先生】
  経済成長がマイナスになって、税収は伸び悩み、税収不足になるんだよ。
【佳子】
  それで、また借金する必要になるわけですか。
【中洲先生】
  そうなんだ。税収不足が大きくなり、公共事業の範囲内に収まらなくなる。
【研一】
  建設国債の発行だけでは税収不足が賄えないということですか?
【中洲先生】
  そのとおり。
【佳子】
  で、赤字国債を発行するはめになるんですか?
【中洲先生】
  昭和50年度、「昭和50年度の公債の発行の特例に関する法律」を制定し、赤字公債を発行することになる。
  昭和51年度以降もなかなか税収が伸びず、平成元年度まで赤字国債を発行するはめになる。




以下次回に続く
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編集後記
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 先日、行きつけのラーメン屋さんに行ったら、「外人」がラーメンを食べていました。ビールを飲みながら。

 そばに座り、時折その「外人」を観察させて頂きましたが、暫くすると「替え玉、それとビール」と注文していました。

 替え玉をたのむところなど、私より地元の人間みたいと感心しました。

 では、次回まで





経済ニュースゼミ(第53号、2005,4,11)
みなさん、こんにちは、Seijiです。

桜が満開になったと思ったら、もう銀杏が芽吹いています。
 なんかミスマッチな感じもしますが、これも開花が遅れたことのせいでしょうか。
寒かった冬のせいで開花は遅れましたが、銀杏が芽吹くのにはそれほど影響を与えな
かったということが分かったのは一つの発見です。

 
 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.気になる経済ニュース
 2.財政を考える
 3.編集後記

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気になる経済ニュース
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■街角景気 3ヶ月連続改善(日経新聞、4月9日)
 内閣府が8日発表した3月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は49.5となり、前月に比べ、3.9ポイント上昇。旅行や小売など消費関連が好調だった。

■金融庁 検査を簡素化 (日経新聞、4月9日)
 金融庁は銀行などへの検査を見直す。大企業向けの融資を重点的に調べる特別検査を打ち切るほか、立ち入り検査を減らすなど手続きも簡素化する。

■IMF出資 アジアへの比率高める 日本提案へ(日経新聞、4月9日)
 日本政府は16日にワシントンで開く国際通貨基金(IMF)の会議で、アジア各国のIMFに対する出資比率を引き上げるよう提案する。アジアの発言権を高め、欧米が主導権を握るIMFの運営体制を変えるのが狙いだ。

■機械受注 2月4.9%増 (日経新聞、4月9日)
 内閣府が8日発表した2月の機械受注統計によると、国内の設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は1月に比べ、4.9%増の1兆92億円だった。

■広がる「毒薬」解除 「過剰防衛」株主が圧力(日経新聞、4月9日)
 「毒薬を導入・更新する企業には株主総会で取締役に信任票を投じるな」。米議決権行使助言サービス会社ISSの呼びかけが、経営者に波紋を広げている。

■船舶用重油 14%値上げ合意(日経新聞、4月9日)
 新日本石油と日本郵船は8日、船舶用C重油の3月出荷価格を2月価格より14.4%引き上げることで合意した。

■英ローバー経営破綻 リストラ遅れ収益悪化(日経新聞、4月9日)
 欧州の名門自動車メーカーである英MGローバーが7日、経営破たんした。過去30年間近く、ホンダや独BMWの支援を受けてきたが、業績不振が続き、欧州で最近2年間に激化した値引き競争などに追い込まれた。

■「治安悪化」が首位 内閣府世論調査 (日経新聞、4月10日)
 内閣府が9日発表した「社会意識に関する世論調査」によると、現在の日本で悪い方向に向かっている分野として「治安」を挙げた人が最も多く、47.9%に達した。同様の形式で質問を始めた1998年以降、初めて「景気」を抜いてトップになった。

■自己資本比率規制 信組、BISに1本化(日経新聞、4月11日)
 金融庁は信用組合に対する、協同組合金融法に基づく自己資本比率規制を2006年春までに廃止することを決めた。信用組合には同規制と国際決済銀行(BIS)基準の2つの自己資本比率規制が適用されている。自己資本比率が2種類あると預金者を混乱させる恐れもあり、BIS規制に一本化する。


以上
次は、シリーズものの「財政を考える」です。


★★★★★★★
財政を考える
★★★★★★★

【研一】
 先生、このパンフレットには建設国債でもなく赤字国債でもないものが図示されているようなのですが‥
【佳子】
 青の部分が建設国債で、赤の部分が赤字国債でしょ?
 ピンクの部分があるね。
【中洲先生】
 いつ発行されている国債かな?
【研一】
 平成2年度に発行されていますが‥


【中洲先生】
 建設国債でもなく赤字国債でもないもの‥、それは、湾岸戦争の時のものだ。我が国がアメリカからの求めに応じ、90億ドルの資金協力を行なった際、資金を捻出するため臨時特別公債を発行したんだよ。そういう性格のものだから、建設公債でもなく赤字公債でもないという性格付けがなされているんだ。


【佳子】
 先生は、さっき平成元年度まで赤字公債の発行が続いたといいましたが、その後は?
【中洲先生】
 その後は、平成5年度までは赤字公債の発行はせずに済むのだけど、平成6年度から再度赤字公債の発行を余儀なくされたんだよ。
【研一】
 平成2年度から5年度まで赤字国債を出さずに済んだのはどうしてですか?
【中洲先生】
 それは、税収が増加し、財政事情が改善したからだよ。


【佳子】
 何故、税収が増えたのかな?
【中洲先生】
 それはね、バブル経済と関係があるんだけど‥
【佳子】
 平成2年から5年頃ですよね‥ バブル経済が弾け、不況に入った頃ですよね?
【研一】
 バブル経済の影響で、企業が大儲けし、税収が上がったということですか?
【中洲先生】
 税収にはタイムラグがあるからね。バブルの影響が遅れて表れるのだけど、資産価格が上がったことで税収が増加したんだよ。ただ、その恩恵も長くは続かず、平成6年度からはまた赤字公債を出すことになる。


【研一】
 確かに、そのようですね。で、赤字公債の発行額も平成10年度以降はべらぼうな額になっていますね。
【中洲先生】
 そうだね。バブル経済崩壊の影響が思いのほか長引き、また、金融不安も収まらず、政府は景気回復のために公共事業を拡大し続けたからね。
【研一】
 そういう状況が、小泉政権誕生まで続いたんですよね。
【中洲先生】
 そうだね。


【佳子】
 先生。赤字公債発行のためには、特別に法律を作る必要があるのですよね?今もそうしているのですか。
【中洲先生】
 そうだよ。
「平成17年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」というのを国会に提出している。
【佳子】
 昭和50年から、一時期を除き毎年赤字公債を発行している状態が続いているのに、「特例」と言うのは違和感がないですか?
【研一】
 そうだね。むしろ赤字公債を発行しないのが珍しいくらいになってしまった。
【佳子】
 研一君もそう思うでしょ。だったら、毎年法律を作るようなことをしないで、財政法第4条を改正してしまえばいいのに。


【研一】
 先生、どうして政府は、毎年特例法を作るようなことをしているのですか?佳子ちゃんが言うように、財政法を改正してしまったら、簡単だと思わないのですか?
【中洲先生】
 手間ひまから考えたら、二人の言うとおりかもしれないけど、赤字公債の発行は飽くまでも例外だと考えているということだろうね。だから、毎年、中身は同じような法律を作って、特例だと宣言しているんだと思うよ。
【佳子】
 なんかむなしい気もしませんか?


以下次回に続く
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編集後記
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 いよいよ新年度も本格的に始動し、皆さんお忙しいことと思いますが、如何でしょうか?

 ところで、中国における反日運動は、嫌なものですね。
 王毅駐日大使を町村外務大臣が呼びつけていましたが、王大使は憮然とした表情のままでした。日本に対して申し訳ないというそぶりはなく、呼びつけられプライドを傷つけられたことを悔しがっているという感じでした。

 日本政府は、中国側が遺憾だというようなことを一言も言っていないのに、勝手に解釈して、遺憾の意を示したというような説明をしています。

 一方、中国政府は、政府には責任がないなどと述べています。これが本当の無責任というものです。

 言いたいことがあれば言えばいいのです。しかし、暴力的な行為に出るのは許されることではありません。しかも、笑いながら建物に投石をしている姿が放映されていました。その姿からは、正義のためとか、止むに止まれぬ抵抗とかというものは感じられません。

 日本政府は、中国や北朝鮮からとんでもないことを言われると、「発言の真意を確認すべきだ」というような対応をし、問題をうやむやにする癖があります。確かに、そういう対応で済ませれば、両国が真正面から衝突することはないですが、他方、大切なものも同時に失っているような気がします。

 投石をした中国人の中には、顔がはっきりと映された者も多くいます。そうした者に対しては、逮捕、起訴などの適切な対応が必要ではないでしょうか。

 ただ、いずれにしても、中国もああいう状況では、将来が思いやられるような気がします。

 漫画家のちばてつや氏が、戦時中、中国で現地の人から助けられたという話をしていたのを聞いたことがあります。いい人や常識的な人も多いと思うのですが。

 

では、次回まで




P.S. ウィークリーまぐまぐをお読みになり、「経済ニュースゼミ」を読もうと思われた方へ

 連載モノの話の流れがよく分からないとお感じのときは、バックナンバーをお読みいただければあり難いです。





経済ニュースゼミ(第54号、2005,4,13)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 昨日、衆院福岡2区の補欠選がスタートしました。民主党の候補者の応援のために、岡田代表、鳩山元代表の他、菅原文太氏が福岡を訪れ、街頭で応援演説をしていました。

 ああいう応援演説を間近で見る機会も今までなかったので、興味深くもありました。

 一言で感想を言うならば、政治家は、人気商売なのだなということです。演説の後、いろいろな人と握手したり、写真をとったりしていました。応援演説を見ようと人だかりができ、そのため商売が上がったりの宝くじ売り場のおばさんにも、鳩山さんはお詫びというか愛想を振りまいていました。

 演説の感想は

 鳩山代表の演説は、割と常識的で、気負ったところがない。全般的に好印象。
 岡田代表の演説は、固い。面白みがない。年金改革の話が中心で、聞いている人の反応もいまいち。
 平田候補者の演説は、情熱的で、アッピール力もあるが、どうやって理想の政治を実現するかについては不明確。
 菅原文太さんの演説というか話は、分かりやすく、聴衆の人気は抜群。選挙に行って下さいということを再三強調していた。

 私も、写真をとってきました。

 
 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 


<本日のメニュー>
 1.経済ニュースこれだけは
 2.ミニテスト
 3.編集後記


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経済ニュースこれだけは
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■企業年金 利回り2年連続プラス (日経新聞、4月12日)
 企業年金の運用成績が堅調だ。2004年度の運用利回りは5.0%と2年連続プラスを確保したようだ。外貨建て資産の運用が寄与した。

■「さらなる措置」否定に躍起 [金融取材メモ] (日経新聞、4月12日)
  ペイオフ制度をめぐって、「さらなる措置」がとられるのではないか。そんな観測を打ち消そうと金融庁が躍起だ。「決済用預金」が、いずれ廃止されるとの見方が根強いためだ。

■デモ、市場にも「さざ波」 海運・鉄鋼など株価下落(日経新聞、4月12日)
 11日の株式市場では、日経平均が反落するなか、中国経済の拡大を追い風に業績を伸ばしてきた海運や機械・鉄鋼などの株価反落が目立った。この日業種別日経平均(36業種)で下落率トップは海運の2.8%。鉄鋼と機械の下落率はともに1.6%で日経平均の下落率(1.1%)を上回った。

■ODA 日本、4年連続減 G7で唯一 (日経新聞、4月12日)
 OECDが11日発表した2004年度の政府開発援助(ODA)実績によると、日本は前年比0.2%減の88億59百万ドルとなり、4年連続でマイナスになった。金額は米国に次ぐ2位を維持したが、国民総所得(GNI)比で見ると、0.19%と国連目標の0.7%を大きく下回った。

■松下が毒薬条項 大手初、6月の総会で導入(日経新聞、4月12日)
 松下電器産業は、敵対的買収の防衛策として、新株予約権を活用したポイズンピル(毒薬条項)を挿入する方針を固めた。6月末に開く株主総会で正式に決める見通し。配当の引き上げも検討する。

■みちのく銀 会長・頭取引責辞任へ(日経夕刊、4月12日)
 みちのく銀行は、12日、05年3月期連結決算が92億円の最終赤字となる業績修正を発表。従来予想は16億円の最終黒字だった。このほど終了した金融庁の検査を受けて融資先の査定を見直した結果、貸倒引当金を105億円積みます必要が生じた。

■炭素繊維を増産へ 航空機向け需要増(日経新聞、4月13日)
 東レと三菱レイヨンは相次いで炭素繊維を増産する。東レは250億円を投じて愛媛工場の生産設備を増強、産業用や航空機向けに供給する。三菱レイヨンも主力の大竹事業所に新ラインを建設し、米国などと合わせて4年後に生産量を現在の1.7倍に増やす。

■完全超電導モーター 容積1/10で軽量(日経新聞、4月13日)
 石川島播磨重工業を中心とした産学研究グループは小型・軽量の完全超電導モーターを開発した。既存のモーターと比べると容積は1/10で、エネルギーの損失が小さいため、二酸化炭素の排出量を1割程度削減できる。

■ライブドア株最安値 ニッポン放送株100億円近い含み損(朝日新聞、4月13日)
 ニッポン放送株の過半数を取得したライブドアの株価が12日、昨年の株式分割以降の最安値をつけた。

■歩ける踊れる家庭用ロボ (朝日新聞、4月13日)
 ロボット開発のベンチャー「ZMP」は、12日、二足歩行ロボット「nubo」(ヌーボー)を一般向けにインターネットを通じて販売した。

■カネボウ 粉飾2000億円 99-03年度 過去最大規模に(日経新聞、4月13日)
 カネボウ旧経営陣の粉飾決算問題で、不適正な会計処理による粉飾の総額が2004年3月期までの5年間で約2千億円に上っていたことが、同社と監査法人の内部経理調査で明らかになった。

■米貿易赤字 610億ドル 2月過去最大(日経新聞、4月13日)
  米商務省が12日発表した2月の米貿易収支は前月比4.3%増の610億36百万ドルと単月で過去最大になった。内需拡大で輸入が増えたのに加え、原油の輸入が価格上昇で膨らんだのが主因。

■株価「割安」企業減る (日経新聞、4月13日)
 保有する資産に比べて株価が割安に放置されている企業の数が減少している。ライブドアが買収を狙ってニッポン放送の株を大量取得したことをきっかけに、株式市場で注目され、株価上昇を見込んだ買いが入っている。東証1部と2部で、株価純資産倍率(PBR)が1倍未満にとどまっているのは12日時点で617銘柄。昨年末の781銘柄と比べて、164銘柄、21%減少。

■米、対中貿易赤字が最大 繊維摩擦に拍車(日経新聞、4月13日)
 今年1-2月期の中国に対する貿易赤字は291億26百万ドルで、前年同期を47.4%上回った。繊維・衣料品などの輸入急増が原因で、1-2月期の対中赤字としては過去最大。

■液晶パネル 中小型に活路 日立25%増産、東芝は新工場(日経新聞、4月13日)
 液晶パネル各社が携帯電話やデジタルカメラに使う10インチ未満の中小型パネルを増産する。日立製作所とセイコーエプソンは2005年度に2割強生産能力を増産。東芝は新工場の建設に踏み切る。

■「第3のビール」55%増(日経新聞、4月13日)
  ビール酒造組合などが12日発表した3月のビールや発泡酒と「第三のビール」と呼ばれるビール風アルコール飲料の出荷量は、前年同月比8.1%減の3784万2千ケースだった。ビールは6.6%減、発泡酒は17.9%減、第3のビールは55.1%増。


★★★★★★★★★★★★★
経済ニュース ミニテスト
★★★★★★★★★★★★★


 昨日今日の経済ニュースからミニテストを作成してみました。チャレンジしてみて下さい。

 マルかバツかでお答え下さい。回答は、編集後記で


(問1)ODAの国連の目標は、国民総所得(GNI)の0.5%である。

(問2)敵対的買収を防ぐために配当の引き上げを検討する会社が増加している。

(問3)比重は鉄の1/5、強度は10倍と、軽くて強い繊維は、窒素繊維と呼ばれている。

(問4)超電導とは、物質を零下200度前後に冷却すると電気抵抗がゼロに近づく現象
    のこと。

(問5)粉飾決算は、売り上げの水増し計上や経費の過剰計上で行なうのが一般的。

(問6)最近の米国の貿易赤字は、中国からの輸入増加によるところが主因。

(問7)株価の割安感を見分けるPBRとは、株価収益率と呼ばれる。

(問8)第3のビールとは、発泡酒のこと。

(問9)ニッポン放送の株価の下落とライブドアの株価の下落は関係がないと見る向き
    が多い。

(問10)金融庁は、これまで「ペイオフの全面解禁」という言葉はあまり使用せず、
     「ペイオフの解禁拡大」をいう言葉を使ってきたが、最近では「ペイオフの
     本格実施」という言葉を使っている。


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編集後記
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 先ほどテレビに突然小泉首相が現れたと思ったら、政府広報でした。景気がよくなったと言っていましたが、現職と言うのは、税金で自らの宣伝ができるのでやっぱり有利な面がありますよね。

 昨日、補欠選挙の応援演説をしていた岡田代表、固い人といわれていましたが、本当に演説の内容が固く、人気商売の政治家向きではないという気もしますが‥ 最近では珍しい存在ですよね。
 それに比べ菅原文太さん。70歳とか言っていましたが、人気がありますね。

 鳩山さんは、お坊ちゃまで、理科系にしては、意外と庶民的なで親しみやすいような要素も持っているような気がしましたが‥

 小泉さんのお友達は、健闘しているのでしょうか?

 では、次回まで



<ミニテストの答え>


(1)×     目標値は、 0.7%である。我が国は、0.19%と目標値を下回ってい
         る。

(2)○     配当を高くすると、株価が上昇し、その結果買収に要する資金が
         増大することを期待してしる。

(3)×     炭素繊維と呼ばれている。

(4)○     そのとおり。

(5)×     経費を過少計上し、その結果利益を膨らませるようなことをする
         のが一般的。

(6)○     そのとおり。集中豪雨的な中国からの輸入増加と呼ばれている。

(7)×     株価純資産倍率と呼ばれている。Pは、株価(price)のP、Bは、資
         産価値(book-value)のB、 Rは、比率(ratio)のR。

(8)×     「第3のビール」は、「ビール風アルコール飲料」と呼ばれてい
         る。麦芽・麦を使用せずにエンドウたんぱくを使用して醸造され
         たもので、酒税上の種類は「雑酒」というものに分類されるため
         価格が抑えられている。

(9)×     ニッポン放送の株価下落で、ライブドアは100億円近い含み損を抱
         えたと見られ、関係がある。

(10)     そのとおり。金融庁のホームページを参照。





経済ニュースゼミ(第55号、2005,4,15)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 本日、経済ニュースゼミ第55号の発行です。
 55といえば、ヤンキースの松井選手。好調ですね。大リーガーの4番の大役を果たしており凄いです。


 
 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.経済ニュースこれだけは
 2.カネボウの株主だったら
 3.シリーズ「財政を考える」
 4.編集後記
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経済ニュースこれだけは
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■企業物価7年ぶりプラス 2004年度1.5%上昇 (日経夕刊、4月13日)
 日銀が13日発表した04年度の国内企業物価指数は96.4と前年度に比べて1.5%上昇し、年度ベースでは1997年度ぶりのプラスになった。原油や鉄鋼などの市況高騰を受けて、素材を中心に値上がりの動きが広がった。

[ここがミソ]→ 7年前の97年度は消費財の引き上げが影響。これを除くと91年度以
          来の上昇。

 日銀、物価と言えば
 ↓

■物価予想外の下振れ 日銀、2005年度見通し下方修正へ(日経新聞、4月15日)
 日銀は今月末に公表する「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で2005年度の
消費者物価指数の見通しを下方修正する方向。物価の予想外の下振れは量的緩和策の解除時期に影響を与えそうだ。

[ここがミソ]→「金融調節の札割れが続くなか、現行30兆-35兆円の当座預金残高 
         が、25兆-30兆円になると何か支障を来たすのだろうか」。総裁自
         身が審議委員らと意見交換を開始。

 札割れ、資金余剰と言えば
 ↓

■政府短期証券落札金利0% 12月に続き2度目(朝日新聞、4月14日)
 財務省が13日実施した政府短期証券(FB)3ヶ月物の入札で、平均落札金利がゼロになった。

[ここがミソ]→ 4月1日のペイオフ全面解禁を乗り切り、資金余剰感が増大。



■家庭用光回線 東電・関電契約倍増へ(日経新聞、4月14日)
 東京電力と関西電力は今年度、家庭用光ファイバー通信回線に両者合わせて約1千億円を投じ、加入件数をそれぞれ現在の2倍に引き上げる。同じく倍増計画を打ち出しているNTTグループに対抗してシェア2割程度を確保する見通し。

[おまけ]→ 東電、関電が力を入れるのは「ラスト・ワンマイル」の回線の強化。

[ここがミソ]→光ファイバーの新規契約数は今年度にもADSLを抜く可能性が強い。

 ADSLと言えば
 ↓

■光回線・ADSL 性能引出し速度最大10倍(日経新聞、4月14日)
 大阪大学とNECは、光ファイバーやADSLの伝送能力を極力引き出し、家庭などの回線速度を加速させる技術を開発した。新技術は、回線の混雑具合を監視するソフトウエアを活用し、回線が空いているわずか数秒間に通信速度を急激に上げて大量の情報を送る。



■三菱商事 石油代替燃料を量産 シェルと組みカタールで(日経新聞、4月15日)
 三菱商事はペルシャ湾のカタールで石油代替となる次世代燃料の生産事業に参加する。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと組み、天然ガスを原料とする環境負荷の小さい
液体燃料を2009年にも世界最大規模で量産開始する。

[要チェック]→ 新燃料の名前は、GTL(ガス・ツー・リキッド)。燃焼効率に優
         れ、燃費がよく、硫黄分を殆ど含まないメリット。他方、割高。

[ここがミソ]→ 原油価格が高くなると、GTLの優位性が増大する。

 石油と言えば
 ↓

■合成樹脂値上げ 石化各社原油高で 昨年初めから5回目(日経新聞、4月15日)
 三井化学グループなど石油化学各社は原油高を受け、代表的な合成樹脂のポリエチレン、ポリプロピレンを値上げする。昨年初めから5回目という異例の頻度での値上げが続いている。



■倒産、13年ぶり低水準 昨年度の件数14千割る(日経新聞、4月15日)
 帝国データバンクが14日発表した全国企業倒産によると、倒産件数は13276件で、前年度より15.9%減少。減少は3年連続で、14千件を下回るのは、1991年度以来の13年ぶり。負債総額も前年度より34.1%減の7兆428億円。

[ポイント]→倒産は、バブル処理型から本業不振による構造問題型へ移行。

 景気と言えば
 ↓

■基調判断据え置き 4月の月例経済報告 消費は上方修正(日経新聞、4月14日)
  13日、4月の月例経済報告を提出。4ヶ月連続で基調判断を据え置いた。

[ポイント]→ 基調判断は変わらず

 さらに、景気と言えば
 ↓

■日本、0.8%成長に減速 IMF経済見通し(日経新聞、4月14日)
 IMFは、13日、最新の世界経済の見通しを発表。日本の05年の実質経済成長率は0.8%で、先進国ではドイツと並ぶ最低水準にとどまると予想。
 米国は、3.6%、中国は8.0%、世界全体では4.4%

[驚き!]→IMFは「日本と欧州の低成長に失望している」と指摘、米国と日欧の成長
       率格差が米経常赤字の削減を遅らせるとの懸念を表明。

 世界経済と言えば
 ↓

■世界貿易25年ぶり高い伸び WTO昨年統計(日経新聞、4月15日)
 WTOが14日発表した04年の世界貿易統計によると、世界全体のモノの貿易額(輸出
額)は、前年比21%増の8兆88百億ドル。世界的な景気回復と原油などの商品価格の急騰を背景に貿易拡大が加速

[ポイント]→ 中国、輸出も日本抜き3位

[ここがミソ]→ 中国の輸出総額の50-60%は外資企業が占める。輸出3位も外資頼
          みが現実。

 輸出2位、輸入はダントツ1位のアメリカは
 ↓

■自動車 米欧勢苦境 激変は5年前始った(日経新聞、4月15日)
 GMなど、自動車産業をリードしてきた欧米大手が業績不振にあえいでいる。トヨタ
や韓国などアジア勢の販売攻勢を受け、財務力、技術開発力でも差をつけられつつあ
る。欧米勢は1990年代後半にM&Aで経営規模を拡大。この絶頂期に現在の苦境の種がまかれていた。

[ポイント]→ 米国は大型車へ経営資源を集中する戦略をとり、当初は成功した 
        が、01年以降の景気後退局面で裏目に。ガソリン価格上昇で、低燃
        費車やハイブリッド車を消費者は支持。


 最後に、日本のウィークポイント
 ↓

■腐敗脱却 道のり多難 カネボウ 巨額粉飾公表(日本経済新聞、4月14日)
 カネボウは旧経営陣による巨額粉飾決算を自ら公表、過去の腐敗経営と決別する姿
勢を全面に打ち出した。

[驚き!]→再生機構の片山執行役員「上場廃止になったら正直者がばかを見る」

[ポイント]→虚偽を自ら認めたのは西武も同じ。しかも、西武は債務超過でさえな
       かった。



以上
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カネボウの株主だったら
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 カネボウの粉飾決算が明らかになった。9期連続で債務超過であったらしい。

 東京証券取引所の規定によれば、上場廃止の基準として、「有価証券報告書に虚偽の記載を行なった場合」というのと、「3期連続の債務超過」というのがあるらしい。

 このため、カネボウは上場廃止になるところだが、カネボウを支援中の産業再生機構が上場を継続して欲しいと強く要望している。

 産業再生機構は、「上場廃止になったら正直者がバカを見る」と言っているが、これだけ大々的な粉飾決算を続けてきた会社が、いくら経営陣が替わったからといって言える台詞であろうか。

 同じく虚偽を認めて訂正しようとした西武の場合には、例外は認められなかった。

 ところで、仮にカネボウの株主だったらどのように考えるのであろうか?

 今まで、粉飾決算という手段で騙された挙句、上場廃止になるというのであれば、株の処分もできず、踏んだりけったりだと憤慨するのであろうか?

 株主として、粉飾を見逃した監査法人や銀行を責めるのは理解できる。ただ、個々の株主にも、旧経営陣を適切に監督する責任が、観念的とはいえあったはずだ。

 産業再生機構が主張するのは、上場廃止になったら再生計画が狂ってくるので、なんとか見逃して欲しい、という理屈にならない理屈を言っているだけではないのか。

 そもそも産業再生機構の存在そのものが問われるべきなのであるが、それは妥協的産物として認めよう。ただ、だからと言って、産業再生のために何でもかんでも例外が認められるべきだというのは適当ではない。

 特に、今回の事件は、粉飾の程度が度を越えており、しかも、関係した監査法人と銀行は意図的に見逃してきた疑いがある。

 粉飾決算を見逃した監査法人の存在とは一体何であろうか。そういう監査法人であるのであれば、むしろ存在しない方がましである。

 監査法人の監査を受けていないのであれば、株主とても、もっと自ら会社の経理内容をチェックしようというインセンティブが働くからである。

 組織ぐるみで株主や資本市場の信頼を裏切ってきた企業を再生させることに何の意味があるのだろうか。





以上
★★★★★★★
財政を考える
★★★★★★★

【中洲先生】
 国債の発行残高が莫大になると、どんな弊害があるか考えてみよう。
【佳子】
 インフレになる恐れがあるということなんでしょう。
【中洲先生】
 一番恐ろしいのがインフレになり、通貨に対する信任が喪失すること。
 しかし、それ以外にも弊害があるんだよ。
【研一】
 どんな弊害があるのでしょうか?


【佳子】
 弊害だけですか?何かいいことはないのですか?
【中洲先生】
 もちろんいい面もあるだろうけど‥
 取敢えず、弊害について考えてみてよ。
【研一】
 安易に借金に頼ると、お金を借りることに抵抗感がなくなり、どんどん借金を重ねるようになることじゃないですか。


【佳子】
 借金を重ねることは悪いことなの?
【研一】
 佳子ちゃんも、嫌な性格だね。
 借金を重ね、借金が莫大になると利息を返すのも大変になる。そして、その利息を返すためにまた借金を重ねるということになるんじゃないのかな。

 サラ金からお金を借りた人の話を聞くと、例えば、最初借りたのは100万円にも満たなかったけど、借金の返済のための借金をし、結局何千万円もの借金になったというようなことがよくあるみたいだし‥


【中洲先生】
 研一君が言っているのは、財政の硬直化という話だ。借金の利払い費用や元本償還費用が増え、それ以外の重要な国の施策に使えるお金が限られてしまうという問題がある。


【研一】
 平成16年度末時点で、約480兆円の国債の発行残高があるんですよね。仮に、5%の利息を支払うとしたら、24兆円にもなりますよね。
【佳子】
 そんなに利子が高いの? 長期国債の利子は確か1%台だと聞いた気がするけど‥
【研一】
 仮の話だよ。


【中洲先生】
 国債の利払い費用は、16年度は、約8.7兆円台だった。佳子ちゃんの言うように長期国債の利子が1%台で推移しているので、なんとかなっている状態だよ。ただ、元本償還費用を含めた国債費で見ると、歳出予算の約2割を占めているので、自由に使えるお金が限られてしまう。

【研一】
 先生、昔金利が高かった時代には、利払い費の負担は随分高かったのでしょう?
【中洲先生】
 そうだね。さっき言ったように、平成16年度は、利払い費用は8.7兆円で一般会計歳出予算に占める割合は、10.6%だけど、昭和61年度には、19.1%も占めていた。当時の国債の発行残高は期中平均で140兆円程度だったから、平均金利は7.1%程度だったことが分かる。
【研一】
 今平均金利が7.1%なら、利払い費用は、逆算で34兆円にもなってしまいますね。とんでもないことだ!


【佳子】
 単純計算をすると、そのとおりだけど‥  金利がそんなに高いということは、景気が過熱して、GDPの成長率も高い筈だから‥
【研一】
 だから?
【佳子】
 だから、悪い要素ばかりでもないんじゃない?きっと、税収は今よりも格段に多いはずよ。

 先生、財政が硬直化する以外には、何か弊害がありますか?

【中洲先生】
 他の弊害としては、世代間の不公平が発生するということがよく言われているね。
【佳子】
 世代間の不公平?
【中洲先生】
 子や孫が借金のつけを払わなければならないということだ。
【研一】
 年金の問題と似ていますね。
【中洲先生】
 そうだね。



以下次回に続く


=======
編集後記
=======

 カネボウの粉飾決算が明るみになりました。化粧品の会社だけにお化粧というか粉飾もお手のものだったのでしょうか。

 カネボウと言えば、葛根湯とかの風邪薬も作っていましたよね。工場の見学もさせてもらった記憶があります。それに中国とも取引があったかと記憶していますが、その中国も、もう少し日本が中国に協力してきた事実も直視して欲しいと思います。

 あまり注目されていませんが、いろんな分野で日本は中国に協力しています。何も経済だけの分野ではありません。

 カネボウと監査法人の関係ですが、監査法人の報酬が、監査する対象の企業から得られるという構図が見直されなければなりません。その問題にメスを入れない限り、真の解決は得られないと思います。


では、次回まで





経済ニュースゼミ(第56号、2005,4,18)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 日中会談が行なわれましたが、会談に向かう町村外相の顔色は、冴えない様子でした。

 政治家は、一般的に外遊が好きだと思いますが、こういう難問が控えた出張は嫌なものでしょうね。

 でも、だからこそ、問題解決に少しでも貢献するとか、日本国民の意見を率直に述べることができれば、国民の支持も一気に上がるというものです。


 
 では、早速経済ニュースゼミを始めましょう。
 

<本日のメニュー>
 1.経済ニュースこれだけは
 2.社外取締役
 3.シリーズ「財政を考える」
 4.編集後記
=============
経済ニュースこれだけは
=============

■人民元切り上げ論再燃 (日経新聞、4月16日)
 15、16日のG7の開催を前に、ドルに事実上固定している中国人民元の相場制度を改革すべきだとの声が米政府から強まってきた。ブッシュ大統領、スノー米財務長官らが相次いで、中国は早期に人民元を切り上げるべきだと表明。

[何故?]→ 中国からの輸入が急増。議会や産業界の不満増大。米国の貿易赤字
         は、2004年に6170億ドル。

[ここがポイント]→ 貿易赤字の1/4が対中赤字。

 G7の本番では
 ↓

■人民元改革 米、国内にらみ強硬(日経新聞、4月17日)
 16日開幕したG7では、中国の人民元改革で米国が強硬姿勢に転じた。対中貿易赤字が急速に膨らみ、産業界や議会の厳しい突き上げに直面しているためだ。日本の主張などを取り入れ、最終的には従来の共同声明を踏襲することで妥協。

[何故?]→ ドル相場が2002年から約3割下がっても、年6千億ドルを超す米貿易赤
         字が縮小する兆しなし。

[ここがポイント]→ 米国の姿勢が、「太陽政策」から「北風政策」へ変更。
 ↓
[何故?]→ 6ヶ国協議における中国の役割重視と世界第2位の米国国債保有国とい
        う事情を考慮してきたが、中国からの集中豪雨的な輸入増大に対し、
        産業界の不満が増大したから。


■NY株 今年最大の下げ 1万ドル迫る 5ヵ月半ぶりの安値(日経新聞、4月16日)
 15日のNY市場でダウ工業株30種平均が大幅続落。前日比191ドル24セント安の1万87ドル51セントで取引終了。

[何故?]→ 投資家心理が急速に弱気に。

 米国の景気と言えば
 ↓

■米景気 踊り場の兆し 一時的減速「ソフトパッチ」の見方(日経新聞、4月16日)
 米市場で景気が一時的な景気停滞減少である「ソフトパッチ」を迎えたとの見方が浮上。消費関連の指標や企業業績で市場予測を下回る例が相次いだため。

[ここがミソ]→ ソフトパッチ。soft patch
        「雨で地面がぬかるんだところ」を指す言葉。米連邦準備制度のグ
        リーンスパンが昨年この言葉を使い始めたと日経新聞に書いてあっ
        たが、正確ではない。
        FRBのホームページで確認したところ、グリーンスパン議長は、以前
        からこの単語を使っている。例、1996年7月18日の議会証言、2002年
        12月19日のニューヨーク経済クラブでの講演など。

 米国の株価が下がって、日本の株価は?
 ↓

■株価に3つの重し 日経平均、1万1500円割れ(日経新聞、4月16日)
 15日の日経平均株価が急落、心理的な節目である1万1500円をほぼ2ヶ月ぶりに割り込んだ。ハイテクの収益減速、中国の反日でも拡大観測、投資を見送り始めた外国人投資家。

[ポイント]→ 株式の需給関係の悪化の最大の要因は、外国人の買い先細り。

 外国人投資家と言えば
 ↓

■米投資マネー 安全志向に 国債などにシフト(日経新聞、4月17日)
 米国の投資家がリスク回避の傾向を強めている。企業業績が減速するとの見方が急浮上する一方、社債の信用懸念が株式市場に飛び火し、投資資金を米国債など安全資産にシフトする動きが加速している。

[ポイント]→ GMの業績悪化を機に、社債の米国債に対する上乗せ金利が拡大。上
         乗せ金利は年初に1.8%のレベルだったのが、3月には1.5%程度まで下
         がっていたが、最近では再び1.8%台まで上昇。(Baaへの上乗せ金
         利)


■上場企業 社外取締役義務付けへ 金融庁、東証に要請(日経新聞、4月16日)
 金融庁は、取引所に上場する全ての企業に対し、経営陣から独立した社外取締役の
起用を義務付けるルールを採用するよう、東証などに要請する。上場の条件などを定
めた「取引所規則」の改正を求める。

[ポイント]→ NY証券取引所には社外取締役やその要件を定めたルールがあり、同
         じような仕組みの導入を目指す。商法の規定では、社外取締役の設
         置について、委員会等設置会社の形態をとる企業にのみ義務付けて
         いる。

[反応]→ 外部人材登用の実効性を疑問視する声もあり、産業界に波紋を広げそ
      う。

 社外取締役と言えば、野中ともよさん
 ↓

■三洋「野中CEO」の驚き 透けて見える悲願の世襲(日経新聞、4月18日)
 三洋が仰天人事。「なにわのフィオリーナ誕生」 「本家」の米ヒューレッドパッカード元会長兼CEO、カーリー・フィオリーナ氏と同じ50歳。
 「野中CEO」という派手な話題を振付けながら、悲願とする長男の社長昇格を果たした会長。だが、驚きはいずれ冷める。「実力ある世襲が一番いい」という持論が正しかったかどうか。

 会社再建と言えば
 ↓

■開示不信 カネボウの粉飾(日経新聞、4月15、16日)
 東京証券取引所は、上場を適格と認めるのか。

[驚き!]→ 金融庁からも「粉飾発覚は自浄作用の効果。東証は大人の対応をすべ
        き」との声があがった。

[ポイント]→ 東証では、事業再生という意義に配慮。通常なら2期連続債務超過で
         上場廃止のところ、3期連続にしている。 →→→上場継続を認めれ
         ば、特例の特例に。

[驚き!]→ カネボウは再生機構に支援を仰げば、過去は不問にされると思ってい
        た節がある。「決して刑事事件にはなりませんよね」

[真相]→  カネボウは合成繊維事業の不振で、1994年3月期に、初の営業赤字に転
        落。95年末には主力銀行が再建計画を作成し、幹部を派遣。しかし、
        業績建て直しはできず、決算のやりくりの手法だけが巧妙化。粉飾に
        は高度な専門知識を持つ「指導者」が必要。その役割を担ったのが銀
        行出身の経営幹部とみられる。



■対豪 FTA見送り 国内農業の影響懸念(日経新聞、4月16日)
 政府は15日、オーストラリアとの自由貿易協定(FTA)締結交渉を当面見送る方針を固めた。

 [何故?]→ 国内農業への影響を懸念する農水省などが強く反対したため。


■ヨーカ堂 スーパーに銀行店舗(日経新聞、4月18日)
 イトーヨーカ堂が店内にグループのアイワイバンク銀行の有人店舗や保険代理店などを設置し、複合金融サービスに進出する。

[ポイント]→ 金融のワンストップ化。 一つの店舗でいろいろな金融商品を購入
         したり、金融や証券関連のサービスを申し込むことができるように
         すること。


■年金一時金、3.4%増加。 賃上げ率は1.52%に低下(日経新聞、4月18日)
 日経新聞社が17日にまとめた2005年賃金動向調査によると、主要企業の平均賃上げ
率は、1.52%となり、前年実績から0.10ポイント低下。年間一時金(ボーナス)の平均
支給額は3.43%増で、3年連続で増える見通し。

[ポイント]→ 業績連動鮮明に

[ここがミソ]→ 今回の調査で賃上げ率が下回ったのは、造船の業績が鋼材の高騰
          の影響で低迷、賃上げ率が低かったことも一因。造船は従業員数
          が多く加重平均による全産業平均値への影響度が大きい。

以上

★★★★★★★★
社外取締役
★★★★★★★★

 金融庁が、上場企業に社外取締役を義務付けるよう東証などに要請するとある。

 しかし、これは二つの意味で問題である。

 第一は、社外取締役が有効性の問題である。

 社外取締役の利点は、社長を中心とする本家の経営陣とのしがらみがないことから、客観的に事態を評価できるというものであろうと思うが、それは理想論に過ぎない。

 他人の会社の経営にずけずけモノをいう人物がいないというわけではない。実際に村上ファンドの村上氏などは、自ら株を沢山取得し、ずけずけ言いたいことを言っている。しかし、社外取締役を実質的に選ぶのは、社長や会長などの会社のトップであって、株主なのではない。そうなると、本当にずけずけモノを言う人が選ばれるはずがない。

 百歩譲って、仮にそうした人物が社外取締役として選出されたとしても、日本的な風土の下では、現経営陣に対する遠慮などがあって、率直に意見を言うことはないであろう。

 社外の者ならしがらみがないから客観的な評価が下せるはずだというのであれば、監査法人による粉飾決算の見逃し行為など起こるはずがない。しかし、現実は違う。
 組織として活動する監査法人でも、経営陣に対しては遠慮が生まれるのである。ましてや、一個人の社外取締役が自由に意見を言うことを期待するのは、どだい無理な話である。

 第二の問題は、社外取締役の義務付けのやり方である。

 これは法律ではない。形は東京証券取引所の規則の改正という形をとる。しかし、決して、東京証券取引所が自らの意思でそうしようというではない。金融庁が事実上要請するのである。昔の行政指導だ。

 コーポレートガバナンスの強化にどうしても必要だというのであれば、商法を改正すべきである。
 そうしたオーソドックスな手法によらず、事実上東証にやらせようとするのは、透明性に欠けるし、金融庁は、アカウンタビリティーの責任も果たさないことになる。

 いずれにしても、産業界の反発が予想される中、そうした社外取締役を義務付けようとする真の狙いが知りたい。




以上


★★★★★★★★
財政を考える
★★★★★★★★

【佳子】
 先生、この前国債の発行は、世代間の不公平をもたらすという話をしましたよね。
【中洲先生】
 佳子ちゃん、何か言いたそうだね。
【佳子】
 先生から話を聞いて、少し本を読んで調べてみたのですが、必ずしも将来の負担にはならないという説があるのを知ったのですが‥
【研一】
 僕も、アメリカの財務省のホームページなんかをチェックしてみたけど、そこには将来の世代の負担になると書いてあったけど‥


【佳子】
 子や孫は、借金を払う債務を承継するけど、国債の保有者であるという立場をも承継するので、利息や元本の償還を受けるのも、子や孫だから、プラスマイナスゼロだという考えがあるんですよ。
【研一】
 なるほどね。言われてみたらそうですね。凄い!
 先生、世代間の不公平なんて起こらないのですか?
【中洲先生】
 私は、世代間の不公平が発生すると断言したわけじゃないんだよ。そういう意見が一般的だと紹介したまでだ。
【佳子】
 先生、男らしくないような‥


【中洲先生】
 じゃあ、私もその点について考えていたという証を見せるね。
 国債の消化が、国内だけでなされるのではなく、海外の投資家によってなされている場合はどうだい?
【佳子】
 設問を単純化するために、100%海外の投資家に国債を引き受けてもらったと考えますね。
 そうなると、国債の保有者の立場は、子や孫には引継がれないから、借金の返済の債務だけが引継がれますよね。そうなると、やっぱり世代間の不公平ということになり‥、逆に、国内だけで国債が消化されると、世代間の不公平はなくなるということですか?
【中洲先生】
 そう、そう、面白いだろ。


【研一】
 因みに、実際、外国の投資家が保有している国債の割合はどの程度なのですか?
【中洲先生】
 日本の場合には、殆どが国内の投資家によって保有されている状況にあるけど、アメリカの場合には、約4割が外国人の投資家が保有していると言われている。
【佳子】
 先生、日本は純資産保有国、アメリカは純債務国ということでしょ?
【中洲先生】
 そのとおり。

【研一】
 国債発行の弊害には、クラウディングアウトの議論もありますよね。
【佳子】
 クラウディングアウトって何?
【研一】
 政府が、赤字を穴埋めするために資本市場からお金を吸収してしようとすると、民間部門が締め出されてしまうという考えだよ。だって、政府が国債を発行すれば、お金を借りたいと思う者が増えることになるから、金利が上がるでしょ。
【佳子】
 それでも、お金を借りようとすると高い金利を払わなくてはいけなくなるということか‥


【中洲先生】
 国が国債をむやみに発行すると、金利の上昇を引き起こし、本来資金を必要とする民間企業等の資金調達を阻害する面があるという主張がなされることがある。
 昭和50年から赤字国債の発行が始ったと言ったけど、あの頃、いろんな議論があったんだよ。
【佳子】
 どんな議論ですか?
【中洲先生】
 君たちは頭がいいから想像つくと思うけど‥
 国債発行に積極的な立場からは、景気が停滞しているときにこそ、政府が公共投資等によって景気回復のきっかけを作るべきだという主張が聞かれた。政府がそうした目的のために借金をするのは是認されるべきだと。


【研一】
 マスコミなんかは、どんな考え方だったのですか?
【中洲先生】
 大蔵省の役人は、単なる金庫番で、ケインズ経済学を勉強したことがないのか、などと批判していたよ。
【佳子】
 不景気だから、単に税収不足を穴埋めするという目的以外に、景気を浮揚するために国債を発行し、公共事業をやれと言ったのですか?
【中洲先生】
 そうだね。
【研一】
 公共事業を増大することによって、景気を回復することについては、異論はなかったのですか?
【中洲先生】
 その点は、異論は殆どなかったよ。ただ、そうして国債を発行することは、インフレになったり、クラウディングアウトを引き起こすというのが批判の主な考えであった。
【佳子】
 そうした批判は当たっていたのかな?483兆円も国債発行残高がありながら、長期金利が1%台だと、クラウディングアウトの議論も、色あせて見えますね。


【中洲先生】
 赤字公債、特例公債とも言うけど、それを発行して30年になるけど、クラウディングアウトの影響が出たとは、思えないよね。少なくとも、民間企業がお金を借りにくくなるから政府は借金を減らせという批判は、日本ではなかったね。
【研一】
 インフレにもなっていないんですよね。
【佳子】
 インフレどころか、デフレで困っているんですよね。
【中洲先生】
 こうして考えてみると、30年ほど前に、国債を発行するとこういう困った事態になるということが、全く逆の方向を向いているね。誰が想像できただろう。
【研一】
 だけど、弊害が少ないと、国債を発行し続けてもいいではないかとなっちゃうのですよね。


次回に続く


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編集後記
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 株式市場が軟調ですね。
 軟調と言えば、ソフトパッチです。soft patch. もう覚えましたか?
 覚えにくいと思う人に、覚えやすくなるお手伝いをしましょう。

 キャベツ畑人形というのがありましたが、あれは、cabbage patch kids (dolls)
 それとの連想で覚えてください。


 本日午前中、電話がありました。
 どうせまた間違い電話かと思いながら電話に出ましたが、間違い電話ではなく、放送局の衆議院補欠選挙の調査のようでした。あいにく、私が50歳未満の女性ではなく、調査対象ではないことから、調査には協力できませんでした。

 連日、大物の福岡入りが続いています。でも、選挙の応援なので、新聞などでは、大きくは扱われません。とても地味な記事になっています。

 

 先日、第3のビールについてのクイズを出しましたが、私も含め、ちゃんと理解している人は少なそうですね。
 さっき、行きつけのラーメン屋に行き、「やわ麺」で頼みました。その際壁のメニューを見ていると、缶ビール200円というのを目にしました。そして、発泡酒とも書いてありました。しかし、写真に写っている缶ビール(発泡酒)を見ると、第3のビールでした。


 その後、本屋さんに行って、週刊ダイヤモンドを買いました。「経済ニュース」の特集号だったもので。

 でも、どうでもいいですけど、税込み670円の雑誌をどうして669円で売るのでしょうね、紀伊国屋さん。コンピュータシステムがそういう風になっているのだと勝手に想像していましたが、敢えて「670円ではないのですか?」と聞いたら、「切捨てですから」との答えでした。

 コンピュータのシステムを世間の常識に合わせるのにお金がかかるのでしょうか?

 では、次回まで





経済ニュースゼミ(第57号、2005,4,20)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 福岡に大地震が起きて1ヶ月がたつなと思っていたら、今朝、また揺れました。

 来たなと思い緊張しましたが、直ぐ止みました。
 また本棚が倒れたかと布団から跳び起きましたが、今回は大丈夫でした。しかし、これまでに入っていた壁のヒビが酷くなっているようです。

 6時11分の今朝の地震の後、結構大きな余震が続いており、ニュースを伝える女性アナウンサーも、また揺れていますと恐がっていました。


では、経済ニュースゼミです。
 

<本日のメニュー>
 1.経済ニュースこれだけは
 2.編集後記
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経済ニュースこれだけは
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■妥協の和解 両者に代償 (日経新聞、4月19日)
  フジテレビとライブドアの争いが和解で決着。フジはニッポン放送の完全子会社化
にこぎつけたが、当初見込みより900億円近くも負担が増える。金銭面では約440億円
の資金を得たライブドアの判定勝ちと言えそう。

[ポイントその1:   ニッポン放送株の買い取り価格]

       ライブドアのニッポン放送株取得価格: 6,286円(総額1,030億円)
                     フジの買取価格: 6,300円(総額1,033億円)
                                            ↓
                                 ライブドア 3億円の儲け
                   
       フジテレビは、5,950円でTOBを行なったため、TOBに応じてくれた株主
       との関係から、5,950円超の買取には応じがたかった。しかし、最低限
       ライブドアの取得価格程度は払わないと和解は成立しないことは明ら
       かだった。ただし、これだけではライブドアが納得するはずがない。


[ポイントその2:   ライブドアへの出資]

       ライブドアを満足させるための措置が、ライブドアへの出資440億円。
       出資は、第三者割当増資という形で、5月23日に実施。440億円の増資
       に応じることで、フジはライブドアの株を12.75%取得する。フジは取
       得した株を2007年9月まで保有する義務がある。

       ライブドアに出資すること自体は、表面的には「得でも損でもない」
       ということができるが、ライブドアからすれば、440億円という巨額の
       資金を自由に使うことができるようになる上、ライブドアの株価が下
       がると、フジ自身も株主として損をするので、ライブドアの業績が上
       がるように協力するようになる。

[ここがミソ]→    フジテレビを買収しようと目論んだライブドアが、結果と
             してフジテレビに一部買収(12.75%)される結果となっ
             た。但し、そうすることによって、ライブドアはフジテレ
             ビとの業務提携を実現することが可能になったので、完全
             勝利ではないが、実質的に実は取った。  

[おまけ]→→→→   ライブドアに株の買収資金を提供したリーマンブラザーズ
               証券が100億円の利益を上げ、目論見どおり成功。
               手法は、ライブドア株の空売りとCBの株式の転換(時価よ
               り安く転換可能)。


■水面下の応酬3週間 フジ、ライブドアと和解(日経新聞、4月19日)
  3月中旬: 「楽天が単独でフジの大株主になり、将来的にフジと経営統合した
       い」三木谷社長
       ↓
      日枝会長 躊躇

      SBI北尾氏が「貸株」提案

   3月23日: 東京高裁がニッポン放送による新株予約権の発行差し止めを決定。
            ↓
           ホリエモン得意顔

   3月24日: ニッポン放送が持つフジテレビ株をSBIに貸株すると発表。
            ↓
           ホリエモン ショック

   3月30日: ホリエモン休戦を提案。

   4月初め:      フジ側から和解案浮上(フジとライブドアで「持ち合い」)
   4月6日:      フジによるライブドア保有のニッポン放送株買取の提案。
   4月12日:     ライブドア株300円割れ。
   4月14,15日:   マラソン交渉
   4月18日未明:  決着


企業買収といえば
  ↓

■「超お買い得企業」が7社 保有株価値ランキング(日経新聞、4月20日)
  会社を買収すれば、買収額以上の価値の保有株を入手できる‥。こんな「超お買い得企業」が全上場企業で7社あることが分かった。保有株の合計の価値が自社の時価総額の半分を超える企業は60社に達した。
 錢高組の04年3月末の保有株時価合計は、388億円。しかし、同社自身の株式時価総額は191億円にすぎない。仮に錢高組を買収すると、2倍以上の価値の保有株が付いている。

・ 錢高組
・ 栗林船
・ 浜丸魚
・ 岡谷鋼機
・ 山洋工
・ 昭栄
・ 証券代

[ここがミソ]→   単純な理屈から言えば、上記の7社はお買い得な株なのです
            ね。でも、そうした会社の株の価格が安いのは、それなりの
            理由があるということを忘れずに。例えば、不良資産を抱え
            ているとか‥

[おまけ]→     割安の株を買うのは合理的。だけど、割安ということは、実
            力に比し株価が安いということ、結局人気がないことを意味
            します。人気がないと株価は上がりません。



■GM、赤字11億ドル 1-3月北米不振(日経新聞、4月20日)
 米