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経済ニュースゼミバックナンバー(その3)

「ペイオフ全面解禁」編
| ナンバー | 主要項目 |
| 経済ニュースゼミ(第30号、2005,2,9) | ペイオフの全面解禁、pay off |
| 経済ニュースゼミ(第31号、2005,2,14) | ペイオフの発動、保険上限、ペイオフの実施延期、決済用預金、(ニッポン放送株買収) |
| 経済ニュースゼミ(第32号、2005,2,16) | 決済用預金の全額保護、決済用預金の3条件、(国際収支の発展段階) |
| 経済ニュースゼミ(第33号、2005,2,18) | 決済用預金に対する反応、(グリーンスパン議長の証言) |
| 経済ニュースゼミ(第34号、2005,2,21) | 保険料率 |
| 経済ニュースゼミ(第35号、2005,2,23) | money in the bank、預金保険制度、(敵対的買収の防衛策) |
| 経済ニュースゼミ(第36号、2005,2,25) | 保険料の格差、(ニッポン放送株争奪戦) |
| 経済ニュースゼミ(第37号、2005,2,28) | ニッポン放送株争奪戦特集号 |
| 経済ニュースゼミ(第38号、2005,3,2) | 預金保険の恩恵者、モラルハザード |
| 経済ニュースゼミ(第39号、2005,3,7) | 預金保険と地方公共団体、(株式大幅分割と新株予約権付転換社債) |
| 経済ニュースゼミ(第40号、2005,3,9) | 地方公共団体と預金保険、(景気ウォッチャー調査) |
| 経済ニュースゼミ(第41号、2005,3,11) | 決済用預金、経済同友会のリポート、(雇用情勢の格差) |
| 経済ニュースゼミ(第42号、2005,3,14) | (ニッポン放送株争奪戦の中間総括) |
| 経済ニュースゼミ(第43号、2005,3,16) | 経済同友会のリポートに対するコメント、(増配と株価) |
| 経済ニュースゼミ(第44号、2005,3,18) | モラルハザード、S&L、ガーン・サンジェルマン法、(地域金融機関の中間計画) |
| 経済ニュースゼミ(第45号、2005,3,23) | グリーンスパンの証言、TBTF、(ペイオフ等に関する新聞社の認識) |
| 経済ニュースゼミ(第30号、2005,2,9) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 寒さが少し和らいでいますが、如何お過ごしでしょうか。 本日は、サッカーファンならずとも落ち着かないと思いますが、北朝鮮との一戦、応援しましょう。 では、その前に「経済ニュースゼミ」をお届けします。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.シリーズ「銀行の不良債権」 3.編集後記 |
| <気になる経済ニュース> ■UFJ銀 ICカード無料発行(日経新聞、2月8日) UFJ銀行は3月から従来型カードを無料でICカードに切り替える。 (その他の銀行の導入状況) 東京三菱銀行 4月 無料(クレジット昨日が付かない場合には2100円) みずほ銀行 3月 未定 三井住友銀行 2月下旬 1050円 ■米、予算1%削減 (日経新聞、2月8日) 2006年度(05年10月―06年9月)の予算教書を議会に提出。国防費と国土安全保障費を除く政策的経費を前年度に比べ約1%削減。 ■今冬ボーナス 民間に改善の兆し(日経新聞、2月8日) 内閣府が今冬の民間企業の正社員へのボーナス支給額に改善の兆しが見え始めたとするリポートを発表。パートを除くと2.1%増。 ■春節商戦 中国活況 5年で1.5倍、5兆円市場(日経新聞、2月8日) 中国で最も消費が盛り上がる春節(旧正月)商戦がピークを迎えた。今年の春節商戦の消費は前年より18%程度伸びる見込み。 ■りそな銀、海外で劣後債(日経新聞、2月8日) りそな銀行は7日、海外の市場でユーロ建ての劣後債を発行すると発表。発行額は数百億円の見通し。 ■三井住友FG優先株 普通株転換、焦点に(日経新聞、2月8日) 三井住友FGがゴールドマン・サックス・グループを引き受け先として2003年2月に発行した優先株(1503億円)が9日以降、普通株への転換請求が可能になる。その後の株価の上昇で3200億円に価値が膨らんだ計算。含み益は1700億円へ。 ■地域金融に「自主目標」(日経新聞、2月8日) 金融審議会部会座長が7日、「幅広い目標値のようなものを、業界に自主的に出してもらう可能性はある」と述べた。 ■ニッポン放送株 ライブドア、35%取得(日経夕刊、2月8日) ライブドアは7日までに市場で買い増し、出資比率を5.4%としていた。8日早朝には立会い外取引で機関投資家などから29.6%の株を追加取得。合計で35%の株を手中に。投資総額は概算で700億円。 ■ソニー・東芝・IBMが次世代MPU(日経新聞、2月9日) 米IBM、ソニー、東芝は一個のチップで複数作業を同時処理する次世代MPU「セル」を初公開。ソニーなどは年内に生産を開始。4半世紀にわたって同市場をほぼ独占してきたインテルも同様の新製品を6月までに量産する。 ■金利差に注目、円安局面に(日経新聞、2月9日) NYで一時1ドル=106円に迫るなど3ヶ月ぶりの安値圏に入った。米国の「双子の赤字」を材料に思惑先行のドル売りを進めてきた投機筋に代わり、日米金利差に注目する機関投資家や個人マネーがを買い支える構図が見えてきた。 ■経済版国勢調査 2009年度から(日経新聞、2月9日) 内閣府は、2009年度から日本の全産業分野の経済活動を同一時点で網羅する新統計「経済センサス」(仮称)を集計、公表する方向で検討に入った。 ■街角景気が改善(日経新聞、2月9日) 内閣府が8日発表した1月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は45.0で前月を0.8ポイント上回った。 ■地銀、劣後債を相次ぎ発行(日経新聞、2月9日) 地方銀行の劣後債発行が相次いでいる。1月に東和銀行が発行したのに続き、ほくほくフィナンシャルグループが3月上旬に発行すると発表。他にも池田銀行など複数の地銀が準備を進めているとの観測が市場で出ている。 ■鉱工業生産9.1%増(日経新聞、2月9日) 九州経済産業局が8日発表した九州地区の2004年の鉱工業生産指数は前年より9.1%高い109.0となり、2年連続で上昇した。 【佳子】 先生、鉱工業生産が9.1%も伸びたと言うのは間違いじゃないの? 【中洲先生】 それは、全国の分じゃなく、九州の鉱工業生産指数だから。 【佳子】 なんだ、そうなんだ。 ところで、街角の景況感が改善しているというのは本当ですか? 【研一】 そうだね。タクシーの運転手さんも「厳しい」と言っているもんね。 【佳子】 研一君、そうじゃなくてね、指数が45.0で改善と言っているのが分かんないのよ。 【研一】 だけど、0.8ポイント上昇したんでしょ。 【佳子】 そうなんだけど、その指数は「良くなっている」から「悪くなっている」というの を差し引いたものなんでしょ。 【研一】 だから? 【佳子】 だから、50を切っているということは、「悪くなっている」と答えた人の方が多いんだよ。 【中洲先生】 佳子ちゃんの言うとおりだね。 【研一】 だったら、どうして新聞の記事の見出しには、「改善」となっているのかな? 【中洲先生】 理論的に考えると、佳子ちゃんの言うとおりなのだけど、調査を取りまとめる役所が、50を切っていても、50に近づくと、改善していると考える性癖があるんだよ。 【佳子】 納得いきませんね。 【研一】 若干円安になっているみたいですけど。 【佳子】 円安ということは、ドル高? ドル高になるのは、財政赤字の削減に目処が立ってきたということ? 【中洲先生】 米国の予算が発表されたね。だけど、財政赤字の削減に目処が立ったとは誰も考えていないようだけど。 【研一】 でも、ドル安も一服なんですよね。 【中洲先生】 これまで、「双子の赤字」を材料にドル売りを進めてきた投機筋に代わって、日米の金利差に注目する機関投資家や個人マネーがドルを買い支えているらしいね。 ドル高「3ヶ月の法則」があると言われている。 【佳子】 何ですか、それ? 【中洲先生】 最近はドル安基調で、ドル高局面は3ヶ月しか続かない「経験則」があるらしい。 以上 |
| シリーズ「銀行の不良債権」です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆ 銀行の不良債権 ★★★★★★★★ 【研一】 4月からペイオフの全面解禁になるんですよね? 【中洲先生】 一応ね。 【佳子】 一応って、どういうことですか。 【中洲先生】 一応は、一応ということ。 では、逆に質問。ペイオフの全面解禁とはどういうことかな。というか、ペイオフということから質問しようかな。ペイオフってなんだ? 【佳子】 ペイオフは、預金を1千万円までしか保護しないことですよ。 【中洲先生】 「しか」保護しないと言ったよね。元々 pay off ってどんな意味なんだろうね。 We have to pay off a big debt. これはどんな意味だ? 【佳子】 「我々は、莫大な借金の一部は返す必要がある」という意味かな? 【研一】 何か不自然だね。やっぱり、「我々は、莫大な借金を完済する必要がある」というのが自然な訳みたいだけど? 【佳子】 うーん。 【中洲先生】 研一君の訳が正しい。 【佳子】 完済なんですか、ペイオフが? 【中洲先生】 では、これは? The effort has paid off. 【研一】 努力が完済した。ヘンかな? 【佳子】 努力したことが、その効果を生んだということかな、そう、努力が報われた。これ正解でしょ? 【中洲先生】 卓球! 【研一】 ピンポンだって。 【佳子】 えっへん! だけど、ペイオフって、否定的な響きを持つと思っていたら、プラスのイメージなのですね。 【中洲先生】 事故が起きた場合でも、「ちゃんとお支払いしますよ」といういい意味で「ペイオフ」という言葉を使っている。ただ、お支払いの額は約定どおりということなんだ。 【研一】 で、約定額というのが1千万円ということなのですか? 【中洲先生】 そのとおり。 【佳子】 先生、ペイオフの解禁が「一応」というのはどういうことなんですか? 【中洲先生】 じゃあ、その前にペイオフの最近の流れを振り返ってみようか。 預金保険制度というのはいつからある? 【佳子】 昔から。 【中洲先生】 正解! 【研一】 えーっ、そんなんで正解ですか? 【中洲先生】 で、研一君、どの位前かな? 【研一】 どうせまたアメリカの制度をまねしたんでしょ。 【佳子】 じゃあ、アメリカはいつ預金保険の制度を開始したのかな? 【研一】 えーと。 【中洲先生】 佳子君、意地悪だね。 【研一】 あっ、そうだ。大恐慌の後のことかな。 【中洲先生】 正解! 【佳子】 すごい! 【研一】 じゃあ、日本もその頃かな、待てよ、やっぱり戦後のことかな。戦後昭和20年代ですか? 【中洲先生】 残念。実は昭和46年。 【佳子】 そんなに大昔という訳ではないけど、結構前からあるということですね。 【中洲先生】 でも、ペイオフを実施したということはないんだ。 以下、次回へ続く |
| ===== 編集後記 ===== みなさん、今夜は、ワールドカップ予選、北朝鮮との一戦です。 ということで、この編集後記も早く書き上げて、気分を盛り上げたいですね。 テレビの再放送は、「真珠夫人」に加えて、「恋を何年休んでいますか」をやっていますが、小泉今日子と飯島直子と黒木瞳が、サウナ風呂に入っているシーンがありました。別にどーということはないのですが。 では、サッカー応援しましょう。 振り込め詐欺には注意しましょう。 金曜日は、祝日で休刊です。 |
| 経済ニュースゼミ(第31号、2005,2,14) |
| こんにちは、みなさん、Seijiです。 先週の北朝鮮とのサッカーの試合も、相当前の出来事のように思えてきます。それに代わって、ライブドアの「ニッポン放送株買収」が世間の注目の的です。ホリエモンさまも毎日テレビに出演しています。皆さんはどのような感想を持っていますか。 早速、「経済ニュースゼミ」を開始しましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.ニッポン放送株買収 3.シリーズ「銀行の不良債権」 4.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■金融調節見直し論浮上 日銀、当座預金目標割れに備え(日経新聞、2月10日) 金融調節に新方式を導入する案が日銀内で浮上。量的緩和策の誘導目標である当座預金残高の維持が難しくなったためだ。 須田美代子委員:「目標レンジ割れを認める技術的対応が必要になるかも知れない」 福間年勝委員:「市場の資金の余剰度合いに応じて徐々に当座預金を減額していくことも考えられる」 ■三井住友・大和証券 統合へ(日経新聞、2月10日) 三井住友フィナンシャルグループと大和証券が経営統合に向けて本格交渉に入ることが9日、明らかになった。銀行と証券の連合は、欧米並みの金融コングロマリット時代の先駆けとなる。 ■パソコン出荷額1.9%減 昨年の国内(朝日新聞、2月10日) 04年の国内パソコン市場は出荷台数で1249万台前年より4.2%増えたが、出荷額は、1兆7360億円で前年を1.9%下回った。 ■上場企業 経常益19%増(日経新聞、2月11日) 上場企業の05年3月期の連結経常利益が前期比19%増と2期連続で過去最高となる見通し。素材価格の上昇の追い風を受ける素材産業が牽引する。 ■高卒の就職内定率 昨年末時点 4年ぶり70%超す(日経新聞、2月11日) 昨年12月末の内定率は73.4%と前年同期の68.0%を5.4ポイント上回った。文部科学省:「企業業績の回復などを反映し、改善傾向が明確になっている」 ■米貿易赤字 最大6177億ドル(日経新聞、2月11日) 04年の米貿易赤字は、6177億ドルとなり、前年に比べ24.4%増えた。3年連続で過去最大を更新し、対中国赤字も3年連続で最大を記録。米国では中国人民元の早急な改革や保護主義的な措置を求める声が強まっている。 ■機械受注6%増(日経新聞、2月11日) 設備投資の先行指標である機械受注は、前期比6.0%増加。電気機械、自動車工業、化学工業などの伸びが目立った。 1−3月期も9.9%の増の見通し。 ■外銀、コール市場で調達(日経新聞、2月11日) 外国銀行が、コール市場で資金調達量を増やしている。為替スワップ市場で利息を受け取りながら円を調達する「マイナス金利」の取引が成立しにくくなっているため、しぶしぶコール市場で資金調達している。 マイナス金利の後退は、当座預金残高の下支え要因を剥落させてしまう。 ■生保破綻、安全網の財源 公的資金を継続(日経新聞、2月12日) 政府は、破綻した生命保険の契約者を保護する安全網の財源の一部に公的資金を充てる仕組みを、期限となっている来年3月以降も継続させる方針を固めた。3年延長する。 ■証券外務員の求人急増(朝日新聞、2月12日) 銀行参入で一気に不足。派遣会社、育成急ぐ。 ■4大銀海外融資 3年半ぶり増加(日経新聞、2月12日) 大手銀行は減少が続いていた海外向け貸出を増やし始めた。4大銀の海外支店の貸出金は昨年9月末で計13兆8千億円。同3月末から約7千億円増加。不良債権処理が峠を越え、各行とも収益力強化のため貸出増が課題に。 ■情けは誰のためのものか 「アフリカを助けよう」の危うさ(日経新聞、2月13日) 先月スイスのダボスでの「世界経済フォーラム」では、窮乏するアフリカへの支援が熱っぽく語られた。 アフリカを助けるのは当然にしても、その方法論はもっと冷静な検討が必要だ。 【佳子】 先生、また、日銀の金融政策の話が注目を集めているようですが? 【中洲先生】 そうだね、須田委員や、福間委員が独自の見解を述べているよね。須田委員は、現在の30兆円ー35兆円の目標レンジに厳格にこだわる必要はないと考えているようにみえるけど。 【研一】 福間委員などは、目標値を引き下げてもいいようなことを言っているように見えます。景気が回復しているので、それに応じて、金融政策も超緩和策を転換すべきだということなのですか? 【中洲先生】 景気が回復しているので、金融政策も少しは軌道修正をしようというのであれば、皆ハッピーなのでしょうけど‥。 【佳子】 そうじゃないんですか? 【中洲先生】 今、日銀当座預金の目標値を引き下げるべきがどうかの議論が出ているのは、目標値を維持するのが技術的に難しくなったという事実が先ず先にあり、それに対してどのように対応するかに苦心しているということだよ。 【研一】 そういえば、外国銀行なども、これまでの為替スワップ市場での円調達から、コール市場での円調達にシフトしてきているとのニュースがありましたね。 【佳子】 なんか難しい話ね。それが、日銀当座預金残高の目標維持が困難なこととどのように関係があるの? 【研一】 為替スワップ市場では、これまで邦銀のドル調達需要が強かったので、外銀はマイナス金利での円調達が可能だったのが、今は、ドル需要が弱くなり、マイナス金利が発生しなくなってきていると言っていたような気がするけど。 【佳子】 どうして、邦銀のドル需要が弱くなっているのかな。 【中洲先生】 不良債権の処理がようやく一服し、邦銀の格付けも上がってきている。そういうことを背景に、ドルの調達が容易になったことがあるんだよ。 邦銀の海外支店の融資額が増えたというニュースもあったでしょ。 【佳子】 4大銀行の海外に対する貸出残高が3年半ぶりに増加したというやつですか? 【中洲先生】 そうそう。 【佳子】 で、外銀がマイナス金利の取引の恩恵が受けれなくなると、どうして日銀の当座預金の目標維持が困難になるのかしら? 【中洲先生】 もともと日銀の当座預金にお金を預けておいても金利は付かないよね。 【佳子】 それは分かります。先生にさんざん教えてもらったから。 【中洲先生】 で、金利の付かない日銀当座預金にお金を預けるのは、マイナス金利の取引とセットになっているんだよ。全体で見ると、それでも利益が出ると言うわけだ。ところが、マイナス金利の取引は成立しなくなると、日銀当座預金を利用することに意味がなくなる。だから、その分外国銀行の日銀当座預金の残高が減るわけだね。 【研一】 外国銀行の事情は分かりましたけど、国内の銀行はどうなのですか。 【中洲先生】 もともと国内の銀行であっても、必要以上の資金を日銀当座預金に寝かせておくのは無策と言える。しかし、過去何年か金融不安が叫ばれていて、特に年度末の資金繰りに支障を来たすことが懸念されていたので、厚めに日銀当座預金を持っていたんだね。ところが、不良債権の処理に目処がついてきたんで、その必要がなくなったんだよ。 【佳子】 じゃ、なんで、当座預金目標を引き下げないんですか、日銀は? 【中洲先生】 目標値を下げると、金融を引き締めたと受け止められる懸念がある、というのが理由だ。 何年か前、消費税を引き上げた結果景気回復の目を摘んでしまった。 【佳子】 でも、日銀当座預金残高の目標値を下げても誰も困らないんでしょ。 【中洲先生】 そう思うんだが。ゼロ金利政策を速水総裁が止めたときも、相当なバッシングが起きたからね。何かに恐がっているという感じだよ。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ニッポン放送株式の買収 ★★★★★★★★★★★★ 今回は、ライブドアによるニッポン放送の株式買収を理解するための基礎知識をまとめてみます。 ■ライブドアのスタンス(2月8日、記者発表) 35%を取得したニッポン放送株をさらに買い増す意向。フジサンケイグループに事業提携を申し入れた。 ■フジサンケイグループ <ニッポン放送の出資比率、04年9月期> フジテレビ:22.5% 横浜ベイスターズ:30.8% 扶桑社:37.5% ポニーキャニオン:56% <フジテレビの出資比率、04年9月期> ニッポン放送:12.4% 扶桑社:46.9% ポニーキャニオン:27% (注)フジテレビは、TOBでニッポン放送の株式を50%以上にする計画(当初)だった。 ■ニッポン放送株を巡る動き 03年4月:株価2300円の安値。 03年7月:村上ファンドが第二位の株主に 03年10月:村上ファンド筆頭株主に 04年9月:フジテレビが第二位株主に 05年1月:鹿内一族が売却し、大和SMBCが取得 05年1月:フジテレビがTOBを発表 05年2月8日:ライブドア記者発表 05年2月10日:TOBで目指す株数の下限を50%超から25%超へ引下げ ■村上ファンドとは 元通産官僚村上世彰氏が率いる企業買収ファンド「M&Aコンサルティング」 ■商法241条3項 A社がB社の議決権の1/4以上を保有した場合は、B社が持つA社の議決権は行使できない。 従って、フジテレビがニッポン放送の株式を1/4以上保有すると、ニッポン放送は、フジテレビに対し議決権を行使できない。 ■少数特定者持株比率 東京証券取引所の規則で、上場株式の流動性を高めるため、保有比率上位10株主の 合計持株比率が90%を超えたときは、上場廃止。75%超では、1年間の猶予期間を設け、廃止手続きをとる。 以上 |
| ★★★★★★★★ 銀行の不良債権 ☆☆☆☆☆☆☆☆ 【佳子】 ペイオフの実績がないのはどうしてなのかな? 【中洲先生】 どうしてなんでしょうね。 【研一】 ペイオフ制度が出来た当初は、銀行が破綻することは殆どなかったからじゃないですか? 【佳子】 その答えおかしくない? 【研一】 どうして? 銀行が破綻しないんだから、ペイオフも発動する必要がないじゃないの。 【佳子】 でも、全く破綻がなかったわけじゃないんでしょ。 研一君も、「殆どなかったからじゃないですか」と言ったよ。 【中洲先生】 そうだね、殆ど破綻がなかったからペイオフが意識されなかったというのは理解できるけどね。 【研一】 そうだ、昔は、破綻しそうな金融機関が出ると、どっかの銀行が吸収合併してしまい、破綻が表面化しなかったんだ。 【中洲先生】 そうだね、昔は、金融機関が破綻するということは滅多になかった。それに仮に破綻しても、昔は銀行の店舗を沢山持ちたいというインセンティブが働いていたから、すぐ吸収したいと名乗りを上げるところがあったんだよ。 【佳子】 あっ、その話思い出した。 【研一】 そうだったですよね。特に規制金利の時代は、お金を集めれば幾らでも借り手がいた時代だったですよね。 【佳子】 だけど先生、バブル経済崩壊以降はどうなんですか?銀行の破綻も増えたし、銀行の相対的地位だって低下して、吸収したいなどと思う銀行も少なくなったんでしょ? 【中洲先生】 そのとおりなんだよね。実際、銀行、信用金庫、信用組合の経営破たんが珍しくなくなった。 【研一】 だけど、未だペイオフが発動されてはいないんですよね。 【中洲先生】 実は、1971年に発足した預金保険制度の保険上限は、当初は元本100万円だったのが、3年後の1974年には元本300万円までになり、1986年に元本1000万円まで引き上げられているが、ペイオフの発動実績はない。 で、金融不安が表面化し始めた1995年6月、武村蔵相の時代だけど、5年間のペイオフ実施延期を打ち出した。 【佳子】 預金を全額保護するということですか? 【中洲先生】 そのとおりだよ。 【研一】 預金保険法の改正を行なったのですか? 【中洲先生】 いや、そうじゃなく、最初はそういう方針を政府として表明したまでだ。 正式に法律を改正したのは、翌年の96年のことだ。 で、2001年3月いっぱいまで、ペイオフを凍結すると法律改正した。 【佳子】 だけど、2001年4月からのペイオフ解禁は実施されなかったんですよね。 【中洲先生】 経済情勢が芳しくなく、ペイオフ解禁は延期された。結局、定期預金のペイオフ解禁は1年延期され、普通預金については、その後もすったもんだがあり、結局2005年4月の解禁となった。しかも、決済用預金は、全額保護するというおまけまでついた。 【佳子】 おまけと聞くと何か得した気がしますね。 次回へ続く |
| ===== 編集後記 ===== ほりえもん様が毎日テレビに出演しています。まあ、やっていることはマネーゲームみたいなものなので、私にとっては、尊敬とかの対象にはなりませんが、積極性があるなあと思ってしまいます。アグレッシブとでもいうのでしょうか。 日経新聞に、「「アフリカを助けよう」の危うさ」という記事がありました。私も勉強不足で、どうしてここにきて欧米が、アフリカ支援を声高に叫んでいるか良く分かりませんが、やや唐突な感じが否めません。 かつてサッチャー首相の時代には、お金をあげることが援助ではない、自活する方法を教えることが大切だと、冷ややかな態度をとっていたのに、どうして急変したのでしょうか? 地球温暖化問題もそうです。近年、地球温暖化問題を逸早く取り上げ、世界に警鐘をならしたのはアメリカの科学者たちでした。しかし、そのアメリカは京都議定書に反対しています。 ところで、本日はバレンタインデーですね。高級チョコが売れているそうですが、高級ブランドのお店は売れ行きが鈍っているとのニュースもありましたね。 では、次回まで。 |
| 経済ニュースゼミ(第32号、2005,2,16) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 世の中とんでもない事件ばかり起きています。憤慨してもしようがありませんが、皆さんも注意して下さい。 早速、「経済ニュースゼミ」を開始しましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.国際収支の発展段階 3.シリーズ「銀行の不良債権」 4.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■経常黒字2年連続最高 昨年18兆5900億円(日経夕刊、2月14日) 14日発表の国際収支速報。経常収支の黒字は前年比17.9%増。2年連続で過去最高を更新。 ■「成熟国化」に歯止め?(日経新聞、2月15日) 中国向け輸出などをけん引役に貿易・サービス収支の黒字が10年前の水準まで復調する一方、対外資産からの配当などを示す所得収支の黒字が倍増したためだ。 ■景気4−6月「上向き」 民間平均予測(日経新聞、2月15日) 経済企画協会が14日公表した主要民間エコノミストの2月時点の景気予測集計で、4−6月期の総合景気判断指数が51.5となった。1−3月期は34.8で「踊り場」にとどまっている状況を映した。 ■米MCI ベライゾンが買収(日経新聞、2月15日) 米地域通信最大手ベライゾン・コミュニケーションズは14日、長距離通信2位のMCI(旧ワールドコム)を買収することで合意したと発表した。米通信、2強時代に。 ■野村證券 ロスチャイルドと提携(日経新聞、2月15日) 野村證券は英仏系の大手金融グループ、ロスチャイルドと提携することで最終調整していることが14日明らかになった。 ■国債償還の分散策急ぐ(朝日新聞、2月15日) 景気対策のため、90年代後半に大量発行した国債の償還が集中する「08年問題」について、長期金利の上昇を回避するため、財務相があの手この手の対策を繰り出している。 (1)08年に償還期を迎える国債を事前に買い入れ消却し、発行増を減額する (2)借換債を前倒し発行し、発行の増加ペースをなだらかにする。 (3)償還期限が1年の短期国債を減らし、15、20年の長期国債を増やすことで、償還期限を先に延ばす。 ■都心も二極化 マンション発売高水準だが(日経新聞、2月16日) 分譲マンション市場で売れる物件と売れない物件の二極化が加速してきた。これまで堅調だった都心部でも好不調物件の明暗が鮮明に。 ■ウォルマート流修正 西友 前期赤字123億円(日経新聞、2月16日) 「常時安売り」機能不全、日本流「日替わり特売」復活 ■海外も注目「瀬戸内船主」(日経新聞、2月16日) 今治市など瀬戸内海地区を中心とした国内船主が、海外の海運会社からも注目を集めている。国内海運大手が債務圧縮を狙って国内船主に外航船を建造・保有してもらい、長期契約で調達する手法を1990年代末に導入したのが始まり。超低金利がもたらす割安な用船料と海上輸送需要の拡大で引き合いは強まるばかり。 【佳子】 先生、気になったのは? 【中洲先生】 やっぱり企業再編のニュースかな。 【研一】 どこの会社ですか? 【中洲先生】 MCIをベライゾンが買収すると言うやつだよ。 【研一】 そう言えば、先日AT&Tの買収のニュースが報道されたばかりですよね。 【佳子】 MCIとか、あまり聞かない名前ですね。 【中洲先生】 ワールドコムといったら聞いたことないかい? 【佳子】 何か聞いたことありますけど。 【研一】 粉飾決算で、経営破たんしたんでしたっけ? 【中洲先生】 そうそう、MCIの前身がワールドコム。ベライゾンはアメリカの地域通信最大手だよ。 【研一】 そうやって、企業再編の結果、アメリカは2強時代に突入するんですよね。 【研一】 国債償還の分散策を急ぐというのは、どういう理由からですか? 【中洲先生】 08年に沢山の国債の償還が予想されるらしい。ところが、国債を償還すると、その代わりに借換債を発行しないといけないけど、そうなると国債の発行高が急増する。急増すると金利が高騰することが懸念されるという訳だ。特に長期金利がね。 【研一】 なるほど。で、いろいろと国債の発行高が急増しないように方策を練っているんですね。 【佳子】 借換債というのは何なんですか? 【中洲先生】 例えば、10年もの国債を発行したとするだろう。で、10年経ったらその国債を償還しなければいけない。ところが、財政事情もそんなに改善していないから、もう一度というか、何度も借り換えをしなければいけない。そのために発行する国債が借換債だよ。 【佳子】 研一君がサラ金からお金を借りたとして、返すときにお金がなかったら、その分どこかから借りて返すみたいなもんかな。 【研一】 例えが悪い。 【中洲先生】 それに、国が借換債を発行すると言っても、今10年物の国債は1%台だから、サラ金とは訳が違う。 【佳子】 でも、償還期間があるのに、借り換えるのだから、先延ばしってことでしょ。 【中洲先生】 でもないんだよ。一般論だけど、もともと国債というのは、60年で償還すると言う考えがあるんだよ。だから、借換債を発行するのは当初から想定されていたことだし。 【佳子】 だったら、どうして、最初から60年物の国債を発行しないのかな? 【中洲先生】 佳子ちゃんは、60年物の国債を買うかな? 【佳子】 60年か。佳子、かわいいおばあちゃんになっているかな。 【研一】 かわいいかどうかは分んないけど、おばあちゃんだよね。 【佳子】 やっぱ、買わないな。長くて10年とかだよね。 【中洲先生】 で、国も10年物などの国債を発行し、何回も借り換えるようにしているんだよ。 【佳子】 先生、何で、その償還の分散化を考えるんでしたっけ? 【研一】 一時期に沢山の国債を発行することになると、金利が急騰しちゃうからね。聞いてなかった? 【佳子】 でも、それって、ちょっと変じゃない? 【研一】 どういうことかな? 【佳子】 だって、沢山国債を発行すると言っても、沢山償還されるからなんでしょ。沢山償還されるんだから、資金需要が急にタイトになることはないんじゃないの。 【中洲先生】 佳子ちゃん、鋭い! 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 国際収支の発展段階 ★★★★★★★★★ 国際収支の発展段階について、簡単に解説します。 先ず、国家の経済成長に応じて、次のように変化成長するものと考える学説があります。 (1) 未成熟債務国 (2) 成熟債務国 (3) 債務返済国 (4) 未成熟債権国 (5) 成熟債権国 (6) 債権取り崩し国 国家は、その経済的発展(工業国化)に応じて、貿易が黒字化していくと考えられますが、所得収支は、タイムラグがあると考えます。これは、貿易で稼いだ資金を海外に投資し、その利子や配当がタイムラグを伴ってその国に流入してくると考えられるからです。 そして、国家は、成熟期を迎えると競争力が落ち、それまでに蓄えた対外債権の取り崩しで生活するようになると考える訳です。 自然人が、年をとって、年金や預貯金で生活するのと同じように考える訳です。 |
| ======== 銀行の不良債権 ======== 【研一】 決済用預金は全額保護されるんですか?それって、いいことなんですかね? 【佳子】 先生だって「決済用預金の全額保護というおまけまで付いた」と言っていたでしょ。おまけだよ。おまけは、いいことだよ。 【研一】 そうかな。 【佳子】 銀行が破綻しても、決済用預金に預けておけば、全額払い戻してくれるから、預金者は心配する必要がないもの。 【研一】 だけど、破綻したときに払い戻してくれるといっても、その負担は誰が負うのかな? 【佳子】 それは、銀行が普段から預金保険料を、どことかに納めているから問題ないんじゃない。預金保険機構だっけ? 【研一】 だけど、預金保険機構も赤字で、大変じゃないのかな。 【佳子】 でも、最悪国が面倒見てくれんでしょ。 【研一】 国が面倒見るということは、結局税金で負担されるということじゃないの? 【佳子】 あっ、そうか。なかなか旨く行かないんだ。 先生、そもそも決済用預金って何ですか? 【中洲先生】 なんだ、佳子ちゃん、決済用預金を知らないんだね。 【佳子】 だって、あまり聞かないもの。 【中洲先生】 決済用預金は、利子が付かない、決済サービスを提供する、要求払いに応じる、の3つの条件を満たしている預金のことだよ。 【研一】 それって、当座預金の定義みたいですね。 【中洲先生】 当座預金も該当するよ。 【佳子】 決済に使われるとか、要求払いだとか言えば、普通預金にも似ているね。 【中洲先生】 そうそう。だから、利息の付かない普通預金と考えればいい。 【佳子】 利息の付かない普通預金と言ったって、普通預金の金利は0.001%とかじゃなかったっけ? そもそも、いつから決済預金なんて登場したのですか? 【中洲先生】 2,002年の夏ごろかな。 【研一】 柳沢大臣から竹中大臣に替わる頃かな。 【中洲先生】 そうだよ。今では、金融不安も鎮静化しているけど、当時はまだ、ペイオフの全面解禁を延期すべきだとの意見も強かった。 【佳子】 だけど、ペイオフを延期する意見が強かったなら、どうして延期しなかったのかしら? 【中洲先生】 ペイオフの全面解禁は、小泉首相の構造改革の柱だったからね。止めたとは言えなかった。 【佳子】 だけど、決済用預金を導入し、全額保護することにしたんでしょ。 【研一】 あれっ、佳子ちゃんは、決済用預金の全額保護に賛成じゃなかったんだっけ? 【佳子】 それとこれは話が違うの。決済用預金を全額保護するということは、ペイオフの全面解禁とは相矛盾することでしょ。 それに、決済用預金の全額保護なんて、他の国には例がないと聞いたけど。 【中洲先生】 先進国では例がないね。それに預金保険の限度も大体1000万円以下だ。 以下、次回へ続く |
| ====== 編集後記 ====== ニッポン放送の株も下がってきて、ホリエモンの人気も下がり気味のような感じがしないでもないです。 それに、村上ファンドとかと聞いて、凄みのある元通産官僚を勝手に想像していましたが、テレビで見ると優しそうなお兄さんと言う感じです。 北朝鮮の親分の誕生日とかでお祝いをしているところが報道されていましたが、親分だけではなく、北朝鮮の一人ひとりにもそれ相応の責任があるのではないかと感じる今日この頃です。 今日は、原稿を書いた後、消えてしまい、発行時刻が遅くなってしまいました。御免なさい。 バックアップはこまめにとりましょう。 では、また次回まで |
| 経済ニュースゼミ(第33号、2005,2,18) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 本日も、マガジン発行の時間が遅くなっています。 早速、「経済ニュースゼミ」を開始しましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.グリーンスパン議長の証言 3.シリーズ「銀行の不良債権」 4.編集後記 |
=========== 気になる経済ニュース =========== ■小幅利上げ継続表明 米FRB(日経新聞、2月17日) グリーンスパン議長は、16日上院で証言し、米経済の動向について「妥当なペースの成長が続き、物価の上昇も抑えられている」との判断を示した。 ■住宅ローン 証券化市場が急拡大 5兆円規模へ(日経新聞、2月17日) 住宅ローン債券を集めて証券化する住宅ローン担保証券が市場が拡大している。 2005年度の市場規模は5兆円に迫る見通し。 ■京都議定書発効(日経新聞、2月17日) 先進国に温暖化ガスの削減を義務付けた京都議定書が16日に発効した。 ■景気「年央上向く」優勢(日経新聞、2月17日) 内閣府が16日発表した昨年10−12月期の実質経済成長率は前期比年率でマイナス0.5%となり、景気が依然として踊り場にあることを示した。民間エコノミストの間では「年央までには再び上向く」との見方が多い。 ■決済用預金 口座管理手数料2100円(日経新聞、2月17日) 大垣共立銀行は16日、決済用預金に年21百円の口座管理手数料を設定すると発表。決済用預金は、銀行が預金保険機構に払う保険料率が通常より高く、銀行にとってコスト増につながる。このため預金者に料率上昇分の一部負担を求める。 ■日銀当座預金残高 市場関係者の見方 「目標割れ 夏に容認も」(日経新聞、2月18日) ■ 三井トラスト 内外で1600億円 公的資金2000億円返済(日経新聞、2月18日) 三井トラスト・ホールディングスは中央三井信託銀行が米ドル建て永久劣後債8億5千万ドルを発効すると発表。国内発行分と合わせた調達額は、約1600億円と当初計画の1.6倍に増えた。公的資金2千億円を今年度内に返済する方向。 ■「債券市場の動き 謎」FRB議長(朝日新聞、2月18日) 「債券市場の動きは今のところ謎だ」グリーンスパン議長は16日、FRBが利上げをしているにもかかわらず、長期金利が低下を続けていることについてこう述べた。 【佳子】 今回の気になるニュースは、グリーンスパン議長で始まり、グリーンスパン議長で終わりですか? 【中洲先生】 上院の委員会で証言したことについての記事のようだね。 【研一】 債券市場の動きがおかしくなっているんですか? 【中洲先生】 アメリカでは、昨年の6月からフェデラルファンドレートを引き上げているよね。 【佳子】 先生、フェデラルファンドレートってなんでしたっけ? 【中洲先生】 アメリカの銀行も、準備預金制度の下で連銀にお金を預けているが、その過不足を融通しあう際の金利のことだよ。当然短期の金利だ。 【佳子】 ああ、思い出した。準備預金制度ね。 【研一】 コールレートみたいなものですか? 【中洲先生】 そうだね。 で、フェデラルファンドレートは、これまで何回も引き上げられ、1.5ポイントも引き上げられた。ところが、この間長期の金利、例えば、10年物の国債の金利などは、下がってきているというんだよ。 【佳子】 そういうことは珍しいんですか? 【中洲先生】 ごく一時的にだったらそうでもないかもしれないけど、もう半年以上続いているからね。 【佳子】 何でそういうことが起きているんですか? 【中洲先生】 いや、それが分からないから謎だと言っているんだよ。 【研一】 長期金利が下がるというのは、長期的には経済の成長が鈍るとでも思っているんでしょうかね? 【中洲先生】 そういう風に見ているエコノミストがいることは、グリーンスパンも認めているけど、それでは、説明がつかないと言っている。 【佳子】 決済用預金に口座管理手数料がかかるという記事がありましたけど。 【研一】 銀行も渋いですね。 【中洲先生】 決済用預金にかかる保険料率が高いため、実質的に預金者に負担してもらうためというようなことが言われているね。 【佳子】 金利がつかないだけでなく、口座管理手数料までとられるなら、決済用預金を選択したくはなくなりますね。 【中洲先生】 その銀行も手数料まで取るくらいだから、決済用預金の導入について、それほど前向きではなかったのかもしれないね。 【佳子】 普通預金に1千万円以上預けてもらっても、自分の銀行が破綻することはないので大丈夫だということをアッピールしているのかな? 【研一】 経営内容に不安があれば、金融機関の経営者は、決済用預金のことをあまり話題にしなくないだろうから、佳子ちゃんの言うとおりかも。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ グリーンスパン議長の証言 ★★★★★★★★★★★★ 2月16日のグリーンスパン議長の上院での証言を紹介しときます。 「債券市場の動きは謎」という部分(要旨)です。 長期金利はここ数ヶ月低下。連銀がフェデラルファンドレートを150ベーシスポイント上げたにもかかわらず。このことは、短期金利の上昇は長期金利の上昇を伴うという経験則と対照的。しかし、歴史的には、金融の引き締めとともに長期先物レートは上昇する傾向がある。 しかし、最近の経験では、短期のレートが上がっても長期先物のレートは下がるということだ。10年物は、昨年6月6.5%だったのが、今や5.25%。 アナリストの中には、昨年6月からの先物金利の低下は、市場参加者が、石油価格上昇によって経済成長率が低下すると予測していることを物語ると懸念する者がいる。しかし、この解釈は、株価上昇やクレジット・スプレッドの縮小と話が合わない。米国における資金需要の弱まりを強調する者もいる。特に、海外中央銀行による米国長期債の大量購入は債券価格を上昇させ、金利を引き下げる要因としてしばしば引き合いに出される。30年のモーゲッジレートは2003年に記録した最低水準に近いところまで落ちている。この結果、モーゲッジ証券のデュレイションはここ数ヶ月短くなっている。モーゲッジの投資家が、長期債を購入することによってデュレイションの短縮化を是正することが、さらなる長期債の金利の下げ圧力になっている。 しかし、国内の技術的な要素にのみ言及することによって長期金利の低下を説明しようとすることには注意が必要。何故ならイールド・スプレッドやリスク・スプレッドは世界的に縮まっているからである。例えば、ドイツの10年物は、昨年6月4.25%だったのが、現在3.5%となっている。さらに、新興経済諸国の債券のプレミアムも縮小。 金融マーケットの統合によって、資金が益々国境を越えて移動。財やサービスの取引が国際的になり、世界的にもインフレが落ち着いており、金融に余裕があることも物価の安定に貢献。しかし、これらは目新しいことではなく、過去9ヶ月間の長期金利の低下の理由にはならない。差し当たり、債券市場の予想し難い動きは、謎のままだろう。債券の価格の動向は、一時的な異常であるかもしれないが、この理由を解明できるまでには時間がかかるだろう。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆ 銀行の不良債権 ★★★★★★★★ 【佳子】 預金保険制度に関連することが「気になるニュース」でも出ていましたね。 【中洲先生】 決済用預金のことだね。 【研一】 決済用預金というのは、実際どの程度必要とされているのでしょうか? 【中洲先生】 それはむしろ私が聞きたいな。先ず金融機関側はどう思っているのかな? 【佳子】 経営内容がいいところは、決済用預金なんて必要ないと思っているんじゃないかな。 【研一】 どうして? 【佳子】 だって、自分のとこが破綻するなんて微塵も思っていないでしょ。むしろ、そんな決済用預金がない方が、危なそうな銀行から預金が移し変えられるからいいと思っているんじゃない。勿論、金融機関の破綻が続出するようだと迷惑するんでしょうけど。 【研一】 そうか。じゃあ、逆に危なそうなというか、危なそうだと思われている金融機関は、決済用預金はとても大切なんだ。全額保護の制度がなくなったら、預金者の選別の目が厳しくなるから。 【中洲先生】 そういうことだね。 【佳子】 ところで、決済用預金の管理手数料を取る理由は、預金保険料を実質預金者に負担してもらいたいと考えたからとあったけど、保険料というのは、経営内容のいい銀行とそうでない銀行で差があるんですか? 【研一】 どういうこと? 【佳子】 だって、生命保険だった、高齢になると保険料が高くなるじゃない。 【中洲先生】 いいところに気が付いたね。 以下次回に続く |
| ===== 編集後記 ===== 先日も書きましたが、ホリエモン様に対するマスコミ論調が厳しくなってきました。というか、本日はバッシングの様相です。 ただ、これはこれでちょっと頂けないのでは、との感があります。というのは、ホリエモンはルールを破っていないからです。ルールを破ったのならば悪くいわれても当然ですが、ルールを破っていないのです。 ルールを見直すと金融庁は言っていますが、それでは、そんないい加減なルールを今まで放置してきた不手際をお詫びするのが先決です。 だからと言ってホリエモンに特にシンパシーを感じている訳ではありませんので念のため。 ところで、いろいろこの件をフォローしていると、ホリエモンがリーマンブラザーズにいい様に食いものにされているようにも想像されます。だって、ホリエモンはリーマンから金を借り、ライブドアの株が下がればリーマンが儲かるようになっているからです。 フジとライブドアの対立の構図と見るべきではなく、リーマンにライブドアとフジが手玉に取られているとみるべきではないでしょうか。 ニッポン放送の社長が出ていました。昔オールナイトニッポンをやっていた人でしたね。なつかしい! では、また。 |
| 経済ニュースゼミ(第34号、2005,2,21) |
みなさん、こんにちは、Seijiです。 本日は、午前中から雪が降っています。寒いですね。 テレビでは、ホリエモンがしょっちゅう出ていると思ったら、ホリエモンのオヤジさんが、チチエモンとして登場しています。 早速、「経済ニュースゼミ」を開始しましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.シリーズ「銀行の不良債権」 3.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■日中などの米国債売却 米へ影響限定的 米FRB(日経夕刊、2月18日) グリーンスパン議長は、17日下院で証言し、日本や中国などが米国債の購入停止や売却に動いても、米経済に与える影響は小さいとの見方を示した。 ■大手行特別検査 今期も 対象は大幅限定(日経夕刊、2月18日) 金融庁は18日、大手行が経営不振の大口融資先を適正に評価しているかどうかを調べる「特別検査」を2005年3月期決算でも実施すると発表。検査の実施時期は3−4月。調べる対象となる融資先の数は前回から大幅に絞り込む見通し。 ■米、3.5%成長予測 (日経夕刊、2月18日) 米大統領経済諮問委員会(マンキュー委員長)は17日、2005年の経済報告を大統領に提出。「米経済は民間需要中心の自律的回復局面に入っている」と指摘。 ■「他人名義は相続対策」 コクド株 堤義明氏の弟が見解(朝日新聞、2月19日) 弟の堤康弘氏が記者会見を開き、堤家が相続税逃れの目的で、所有するコクド株を他人の名義にしてきたとする見解を明らかにした。 ■明治安田に業務停止命令へ 不振招く「二重基準」(日経新聞、2月19日) 同社は、保険加入者による重大な告知義務違反があった場合に契約を解除できる「詐欺無効」の規定を使い、1999年4月から2004年9月までに213件の死亡保険金の支払いを拒否した。しかし、このうち162件は本来は保険金を支払うべき契約だった。 ■イオン来春3300人採用 出店増・海外事業拡大で(日経新聞、2月19日) イオングループが2006年春に3300人の大量採用に踏み切る。正社員を新卒・中途採用を合わせて2800人採用するほかパート労働者500人も新たに確保する。 ■三菱UFJ6000人削減 最終利益1兆円超目指す(日経新聞、2月19日) 18日、新グループの統合計画を正式発表。グループ全体の人員46千人のうち2008年度までの6千人削減。統合比率は「1:0.62」で決着。 ■三共・第一製薬が統合 持ち株会社10月に(日経新聞、2月19日) 国内製薬第二の三共と同六位の才一製薬は持ち株会社を設立し経営統合することで 合意。売上高は合計で9千億円を超える。武田薬品、三共・第一連合、アステラス(山之内・藤沢)の3強時代に突入。 ■英財務相、中国にお願い行脚(朝日新聞、2月20日) 英国のブラウン財務相が21日から中国を訪問し、業績不振が続いている英自動車メーカー、MGローバーに対する経営支援を関係当局や中国の自動車大手、上海汽車に要請する。 ■時価総額が40兆円 米エクソン世界一(朝日新聞、2月20日) メジャー最大手の米エクソンモービルが18日、株式時価総額でGEを抜き上場企業の世界一となった。 ■野村證券 地銀に融資仲介(朝日新聞、2月20日) 全国の地域金融機関に対して不動産向け融資を中心とした仲介業務を始める。大手銀行の証券業本格参入に対し、銀行の主力分野のローン事業への逆参入と地銀とのネットワークで対抗する。 ■不動産投信 市場規模3兆円(日経新聞、2月20日) 不動産投資信託(REIT)の市場規模が2005年度にも3兆円に達する見込みだ。REITはファンドの集めた資金で賃貸ビルを購入、賃料や売却益を投資家に分配する金融商品。2001年9月から証券取引所で売買している。 ■東芝、半導体投資最高に 13%増額修正 計2千億円(日経新聞、2月21日) 東芝は2004年度の半導体投資額を従来計画比13%引き上げる。半導体需要は05年度下期以降は持ち直すと判断。 【佳子】 今日はいろんなニュースがありますね。 【研一】 英国の財務大臣が中国に出張する話がニュースになっていますけど。 【中洲先生】 少し驚きだね。 【佳子】 偉い人が、中国を訪問するのは珍しくないんじゃないのかな。 【研一】 だけど、イギリスの自動車メーカー、MGローバーに対する経営支援をお願いするためというから。 【佳子】 イギリス国内でも大変な問題になっているのかな。 【研一】 銀行の特別検査を今期も実施すると金融庁が発表したとかがニュースになってしましたが? 【佳子】 特別検査って、何なの?銀行が何か、悪いことでもしたの? 【研一】 そうじゃないんだけど、通常の検査は、銀行が決算を確定した後その中身をチェックするのが役目だけど、特別検査というのは、決算確定前に、銀行側がちゃんと融資先を査定しているか確認するのが狙いらしい。 【佳子】 へー、そんなことやってんの。確か、金融庁は「事後チェック型」に転換したと言っていたんじゃなかったんだっけ。 【中洲先生】 そうなんだけど、2002年3月、特定の企業を選んで、不良債権に分類しているかをチェックしたのが始まりらしい。 【佳子】 特別検査をするのがニュースになるものかしら? 【中洲先生】 「事後チェック型」の行政を標榜しているので、金融庁としても「特別検査」は異例の扱いしているようだ。だから、いつまでそうした「特別検査」を続けるのか注目を集めている。 【佳子】 そうなんですか。 【研一】 金融庁は、「今後は原則として全ての検査は事後検証方式で行なうことと考える」と言っているよ。 【佳子】 アメリカは、2005年の経済成長を3.5%と予測し、その後もずーっと3%以上の成長を見込んでいるらしいですね。 【中洲先生】 結構強気だね。米大統領経済諮問委員会の経済報告書で、「米経済は自律回復局面に入っている」と言っているらしい。 【研一】 そう言えば、グリーンスパン議長も先日の議会証言で、米経済は「拡大局面に入った」と言っていましたよね。 【中洲先生】 2005年や2006年の予想はともかく、それ以降の予測にどれほどの合理性があるかは疑問だね。これが本当の希望的観測というやつだろうか。 以上 |
| ======== 銀行の不良債権 ======== 【中洲先生】 預金保険料は、どこの金融機関にも同じ料率がかかっているんだよ。 【佳子】 幾らくらい払っているのですか? 【中洲先生】 一般の預金については、残高の0.08%で、決済用預金は残高の0.09%だそうだ。 【佳子】 それは高いのかな、それとも‥ 【研一】 普通預金の利子が0.001%だから、利子よりも保険料率の方が高いんですよね。 【佳子】 保険料率は昔から同じ水準なのかな? 【中洲先生】 そんなことはないよ。預金保険制度が発足した当時は、0.006%だったらしい。それが10年以上たった1982年から0.008%となった。そして、1986年に0.012%、そして1996年からは0.048%と‥ 【研一】 どんどん上がってきているんですね。 【佳子】 そうなんだよ。破綻が増えたからね。 【佳子】 保険料が上がって、金融機関は、文句は言わないのですか? 【中洲先生】 文句がないわけじゃないだろうけどね、特に経営内容がいい銀行は。 【佳子】 そうですよね、経営内容がいい銀行は、別に預金保険制度がなくてもびくともしないものね。 ところで、保険と言うのはね、普通事故が起きたときに困らないようにするための予防措置ですよね? 【中洲先生】 そうだよね。火災保険だって、火事が起きたときの損害を補填するためのものだし。 【佳子】 だから、事故が起こっても困らないように、予防と言うか、リスクをヘッジするた めに予め保険料を負担し、いざというときに保険金を受け取る仕組みなんですよね。 【研一】 当たり前じゃないの、そんなの。 【佳子】 預金が払い戻せない、つまり、銀行が破綻したときに預金を保護してもらいたいと思うのは、預金者一人ひとりじゃないの。銀行を守るためじゃないよね? 【研一】 何が言いたいのかな? 【佳子】 だからね、預金者を守るものでしょ、預金保険というのは。だったら、預金者が保険料を支払うのが筋じゃないの? 【研一】 そうか、そうか、そういうことが言いたかったのか。 【佳子】 分かった? 【研一】 ただね、普通預金の金利って0.001%しかないんだろう?そんなんで保険料まで支払ったら完全にマイナスになっちゃうよ。それだったら、銀行の預金をするのがバカバカしくなるね。 【佳子】 今の金利水準だとそうなるね。でも筋から言ったら、やっぱり預金者が負担すべきじゃないかな? 【研一】 佳子ちゃんは、保険料を払うことに文句はないの? 【佳子】 そりゃいきなり保険料を負担しろと言われたら文句は言うわよ。ただ、どうしてそんな制度になっているのかなと。 【研一】 だけど、預金保険はアメリカでも金融機関が保険料を負担しているよ。 次回へ続く |
| ===== 編集後記 ===== ホリエモン様だけでなく、今日は、オヤジさんのチチエモンまでテレビに登場。ホリエモンの子供の頃の様子が詳しく紹介されています。 ・子供の頃、おばあちゃんの家に電車で行ったとき、途中の駅の名前を1回で全部憶えた。 ・百科事典を子供の頃読破した。 ・おこずかいやお年玉はなかった。 ・お父さんが買ってあげたのは、百科事典と天体望遠鏡と自転車。 ・夢は、有人宇宙船を火星に飛ばすこと。 チチエモンの優しさが感じられましたけど、でも、30過ぎの子供のことですからね、親が登場するのもどんなものですかね。 尤も、テレビ局がしつこく頼み込んだのでしょうが‥。 まあ、お母さんが登場しなくてよかった。お母さんは、キャリアウーマンとかで飛び回っているとのことでした。 今後も正々堂々と乗っ取り合戦をやってもらいたいと思います。 それから、もう一つ。 ホリエモンが、競馬に目をつけた理由をテレビで喋っていましたが、とても説得力のあるものでした。要するに、ホリエモンが目に付けているのは、収益性が高いか、工夫次第で高収益が見込めるビジネスだということです。 ということは、銀行やラジオ、テレビも工夫が足らず、ホリエモンがかめば、ぐんと収益が上がると考えているということでしょうか。 では、次回まで |
| 経済ニュースゼミ(第35号、2005,2,23) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 本日は、原油価格の上昇やアメリカで株価が大幅に下落したことを受け、日経平均も大きく下がっています。 テレビは、相変わらずニッポン放送の株式争奪戦が中心です。 では、経済ニュースゼミを始めましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.敵対的買収の防衛策 3.シリーズ「銀行の不良債権」 4.編集後記 |
| ========== 気になる経済ニュース ========== ■株争奪へ両者前進 (日経新聞、2月22日) ライブドアは買い増しによる「40%超の議決権保有」を明らかにする一方、フジも株式公開買い付け目標の25%超に自信を示した。 ■買収防衛策 バランス重要(日経新聞、2月22日) 法務省が会社法案に盛り込む一連の買収防衛策は敵対的買収の増加に備えるものだが、使いようによっては過度の防衛になる恐れもある両刃の剣だ。 ■敵対的買収 米国並防衛策整備(日経新聞、2月22日) 法務省は、21日、経営陣等の同意を得ずに企業を買収する敵対的買収への防衛策を新設する方針を固めた。 ■人口増加率 最低0.05%(日経新聞、2月22日) 2004年10月1日現在の推計人口は、1億2768万7千人。前年比で67千人増加。増加率は戦後最低。男子だけでは、既に減少。 ■2月月例経済報告 基調判断は据え置き(日経新聞、2月23日) 景気の現状について、「一部に弱い動きが続いており、回復が緩やかになっている」とし、基調判断を2ヶ月連続で据え置き。 ■全国の信金の数 300割る(日経新聞、2月23日) 全国の信金数は299となり、300を下回った。5年前に比べ2割の減少。 ■鉄鋼、コスト1兆円増 鋼材、2−3割上げ提示(2月23日) 2005年度の鉄鉱石価格が決着したのを受け、鉄鋼各社は4月出荷分からの鋼材値上げ交渉を本格化する。 以上 |
| ========== 敵対的買収の防衛策 ========== 次の言葉の説明に合ったものを選んでください。 (1) ポイズンピル(毒薬) (2) ゴールデンパラシュート(黄金の落下傘) (3) ティンパラシュート(ブリキの落下傘) (4) スーパーマジョリティ規定 (5) ホワイトナイト(白馬の騎士) (6) スタッガードボード (7) 黄金株 A. 敵対的買収者の議決権保有割合が増加したときに備え、普通株式を、既存株主が時価を下回る価格で株式を取得できる新株予約権付きの株式に切り替える。 B. 株主総会の議決水準を極端に高めておく。 C. 好意的な会社に買収を頼む。 D. 解任される役員に多額の退職金を支払うことを取り決めておく。 E. 従業員に多額の退職金を支払うことを取り決めておく。 F. 取締役に任期を分散化させておく。 G. 一部の株主に拒否権を与える。 【佳子】 ゴールデンとか黄金とかの言葉が目立ちますが、難しい問題ですね。全然分かんない。 【中洲先生】 でも、選択肢が少ないから、多分当たると思うよ。 【佳子】 スタッガードボードとは何かな。ヒントはないんですか? 【研一】 そうだよね、ヒントが欲しいね。 【中洲先生】 Staggerは、「よろめく」とか、「交替交替にする」とかの意味。Staggered work hours で時差出勤。はい、ヒントは以上。 【研一】 ヒントはもういいですけど、買収防衛策を検討する上でのポイントは、何ですか。 【中洲先生】 ちょっと考えると分かってくると思うけど、買収防衛策は、株主平等の原則に抵触する恐れがあるということだよ。 【研一】 敵対的買収者を不利に扱うものだから、当然と言えば当然ですよね。 【佳子】 それに「敵対的」と言っても、主観的要素が大きいから難しい問題になりますよね。 【中洲先生】 更に、日本はコーポレートガバナンスが十分確立しているかどうか怪しいから、株主の利益というより、経営陣の保身のために利用されてしまうという恐れもあるね。 以上 では、シリーズ「銀行の不良債権」です。 |
| ======== 銀行の不良債権 ======== 【中洲先生】 最近みたいに銀行の破綻が続く経験があると、銀行の経営内容にも疑問を抱くようになるけど、そもそもは銀行は「固いところ」とか、「倒産なんて」と考えられていた。銀行が倒産するときは、それ以前に経済全体が壊滅しているから、心配しても仕方がないなどと勝手なことを言っていた。 【佳子】 普通であれば、銀行の預金に保険をつけるなんて考える必要がなかったということですか? 【中洲先生】 まあ、そういうことだよ。 【佳子】 そんなものかな。 【中洲先生】 Money in the bank という言葉を知っているかい? 【研一】 銀行にあるお金でしょ? 【中洲先生】 それはそうなんだけど。 じゃあね、これは? Hiring Jim Smith is money in the bank. これはどんな意味かな? 【研一】 ジム・スミス氏を雇うのは銀行のお金?変ですかね、やっぱり。 【佳子】 単語は難しくないけど、ぴったしこないな。ジム・スミスさんを雇うのは銀行のお金みたいなもんだ、ということかな。 【中洲先生】 近くなってきたね。あのね、これは、ジム・スミスさんを雇うのは絶対安全なことだ、という意味だよ。Money in the bankは、絶対安全、絶対確実なものという意味。 【佳子】 バブルがはじける前の時代だったらね。 【研一】 そうだね。で、先生が言いたいことはどういうことですか? 【中洲先生】 だからね、銀行というところは、それくらい信用があった。世の中で一番安全なところだと。場合によっては、国、政府自身より信用があった。銀行とか、銀行の前身の豪商が政府にお金を融通していたくらいだからね。 【佳子】 だから、預金者がいちいち銀行に預けたお金のことを心配するようなことはなかったってことか。だけど、じゃあ、どうして預金保険制度が始ったのかな。 【研一】 それは、やっぱり、銀行が時々破綻すると。それも希にそういうことが起きるならともかく、大恐慌のときのように取り付け騒ぎが相次ぎ、金融システム全体が不安に陥るときもあり得るからね。 【佳子】 実際に経営内容に問題がないような場合でも、噂が飛んで、銀行の支店に取り付けの列ができると、皆心配になって、列に並んじゃうもんね。 【研一】 そんなことが起きるとパニックですね。 【中洲先生】 そんなときに一番効果があるのが、銀行の支店に札束をドンと積むこと。 【佳子】 でも、札束をみたら掴み取ろうとしないかな? 【研一】 まあ、実際のお金を見せられれば安心だし、そうでなくても自分の預けたお金が安心だと納得できれば、列はなくなるね。 【佳子】 幾ら心配だと言っても、一旦銀行から引き出しても、大金をいつまでも家に置いておくのも危険だから、いずれまた銀行に預けようとするだろうしね。 【中洲先生】 結局、預金保険制度は実際の札束の代わりをするものなのだよ。預金者に安心感を与え、仮に取引先の金融機関が破綻しても預金が保護されることを公約することで、金融システムを揺るぎないものにすることに貢献したんだ。 【佳子】 それは、我が国の場合の話ですか? 【中洲先生】 大恐慌後のアメリカが特にそうさ。預金保険制度が金融システムの安定化に大きな貢献をしたとされている。 【佳子】 我が国の場合はどうなのですか? 【中洲先生】 わが国の場合には、1970年代に入ってからのことで、その頃は預金保険制度は、伝家の宝刀で、存在することに意味があると考えられていた。まあ、実際に大々的に発動されることなど想定していなかったということさ。 【研一】 その頃は借り手がいくらでもあり、預金さえ集めれば利益を挙げることが容易だったのですよね。 【中洲先生】 それに我が国の場合、銀行は儲けすぎているのではないかという不満が、バブル経済崩壊前までは、一般の人々の間にあったから、預金者に保険料を負担させるなんて言い出せなかったのかもしれない。 【研一】 それに、預金保険は、万が一のときのためのもので、預金保険のことがあまり注目されすぎると、そんなに銀行の経営は危ういのかと要らぬ心配をさせてしまう恐れもあったのですね。 【佳子】 「寝た子を起こすな」というやつ? 【研一】 そうそう。 以下、次回へ続く |
| ====== 編集後記 ====== ニッポン放送の問題が、随分ねじれているような気がします。 議論の焦点が、放送局への外資規制の方に向かっていますが、よく考えると、変なことにも気が付きます。 放送局→(公共的性格+国益尊重)→外資規制 というスタンスを尊重すると、「放送局」以上に「国」そのものへの外資も規制すべきではないでしょうか。 そうです。国が発行する国債のことです。しかし、政府は規制するどころか、欧米において国債のPRをしていますし、また、アジアでもPRをするそうです。 また、以上の問題以外にもここ数年海外からの投資を盛んに呼びかけてきた政府の立場とどのように調整をとるのでしょうか。 それから、少し話は跳びますが、フジ側のTOBは、市場価格より低い価格で行なうものですから、基本的には無理な話ではないでしょうか?それでも、応じると言うのは、何か見返りを約束されるというのでしょうか。 ライブドアに対抗したいのなら、ライブドアの転換社債を逆に買い占めたらどうでしょうか。今回のライブドアの買収劇は、自己資金で行なうものではないので、ラッキョウみたいな構図が見えてきます。 感情的になる必要はないと思います。政治家の先生方も、最近の言動は格好がよくないと思います。 では、次回まで。 |
| 経済ニュースゼミ(第36号、2005,2,25) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 テレビは、相変わらずニッポン放送の株争奪が中心ですね。 では、経済ニュースゼミを始めましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.ニッポン放送株争奪戦 3.シリーズ「銀行の不良債権」 4.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■米、今年3.6%成長 全米エコノミスト協会予測(日経新聞、2月24日) 全米企業エコノミスト協会は、22日最新の経済予測調査を発表、米国の実質経済成長率を2005年、06年とも0.6%と予測し、個人消費と設備投資を両輪とする底堅い成長が続くとの見通しを示した。 ■508メートル 世界最高層ビル入居 台湾証券交易所(日経新聞、2月24日) 台北市で昨年末に完成した高さ508メートルの世界最高層ビル「TAIPEI 101」に入居する契約を結んだ。 ■ペイオフ全面解禁まで1ヶ月 金融相「経営者は緊張感を」(日経新聞、2月24日) 金融相は、信用組合などの中小金融機関について「主要行などに比べて不良債権比率が高く、自己資本の向上など課題がある」と指摘。 ■銀行代理店 算入方式は「許可制」(日経新聞、2月24日) 金融庁は、「銀行代理店」業務をスーパーなど一般企業に解禁する制度について、参入方式を許可制とすることに決めた。 ■ドバイ原油、最高値更新 投資マネー再び商品に(日経新聞、2月24日) ドルがユーロや豪ドルなど資源国通貨に対して安くなっているのを見て、市場は「ドル資産離れ→商品高」のシナリオを描き始めた。 ■アルゼンチン債交換 明日締め切り 元本7割カット(日経新聞、2月24日) 債務不履行となったアルゼンチン国債を新債券と交換する手続きが25日に締め切られる。大口債権者は、元本が33.7%に削減され、償還期限は2033年。 ■インフレ目標 米で導入論議(日経新聞、2月25日) 米国の金融政策運営を巡り、物価安定の数値目標を明示する「インフレ目標」の導入議論が活発になってきた。個人の裁量に頼らない明確なルールを採用し、市場の信任が厚いグリーンスパンFRB議長の退任後に備える狙いだ。 ■当座預金残高目標下げ ペイオフ後に議論を(日経新聞、2月25日) 福間委員は24日、記者会見し、量的緩和策の誘導目標である当座預金残高の引下げ論について、「試金石はペイオフ全面解禁ではっきりすること」と述べた。 ■デル、HP 日本で躍進 パソコン昨年出荷(日経新聞、2月25日) 国内パソコン市場シェア 1位:NEC 2位:富士通 3位:デル 4位:東芝 5位:日本IBM 6位:日本HP 7位:ソニー ■百貨店売上高 11ヶ月ぶり増(日経新聞、2月25日) 1月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比0.9%増の6956億円。初売りや冬物セールが好調だった。 以上 |
| =========== ニッポン放送株争奪戦 =========== 1.関係者の発言(日経新聞、2月24日) 【フジテレビ日枝会長】 差し止め請求受けて経つ 【ニッポン放送亀渕社長】 ライブドアでは価値棄損 【ライブドア堀江社長】 株、今後も買い進める 2.社説 【日経、2月24日】 「法廷の争いになるニッポン放送買収戦」 この増資を前提にすると、TOBに応じなかった株主は持分を半分以下に希薄化され、株価下落などの損失を被ることがほぼ確実なため、TOBに応じるか、市場で売るかを迫られる。これはポイズンピルとは異なる。買収目的の株主の権利を希薄化する条項を事前に準備しておくポイズンピルに対し、今回の増資は事後的な対応であるばかりか、希薄化の対象が既存株主全体に及ぶ。 【朝日、2月24日】 「買収ルールつくる好機だ」 原則に照らせば、ニッポン放送が大量の新株引受権を渡したことには違和感がある。株数が急に増えると、1株あたりの価値は下がり、それまでの株主の発言権は一気に小さくなるからだ。 この手が通用するなら、外部から敵対的な買収を仕掛けられても経営者は恐くない。 (注)但し、両紙とも、ライブドアの時間外取引を利用した株取得にも批判的。 3.判例 (1)スーパーのいなげや、忠実屋が秀和の買収攻勢に対抗して、第三者割り当て増資を実施した事件 判決:新株発行をする正当な資金使途がないとして秀和の差し止め仮請求を認めた。 (2)ベルシステム24が実施した第三者割当増資について、筆頭株主のCSKが差し止めを求めた事件 判決:事業の合理性も認め、請求を却下。 以上 |
| ======== 銀行の不良債権 ======== 【研一】 昔は、銀行は儲けていたし‥。預金保険制度が大々的に発動されるなんてことは考えなかったから、諸外国と同じように、銀行が預金保険料を負担することにしたんですか? 【中洲先生】 まあ、そういうことだろうね。 【佳子】 ただ、それにしても、銀行間で全く保険料が同一と言うのはどういうものですか? 【中洲先生】 佳子ちゃんは、今の同一の料率は経済の論理に合わないということを言いたいんだろう。 【研一】 アメリカなんかは、どうなっているんですか? 【中洲先生】 最近アメリカは、金融機関の収益動向がよくて、破綻が少ないため、あまり保険料を納めなくても済んでいるらしいが、いずれにしても、経営状況に応じ保険料に格差を付ける仕組みになっている。 【佳子】 日本では、どうして経営内容に応じて、保険料に差をつけないのでしょうね。 【研一】 佳子ちゃんは、どうしてそんなにこだわるんだい? 【佳子】 だって、保険会社の立場だったら、そう考えるはずだよ。 【研一】 そうかな? 【佳子】 だって、病気がちな人と健康な人が同じ保険料だったらおかしいでしょ。健康な人は、長生きすると言う意味だよ。差をつけないと、保険会社の収支がバランスしなくなるよ。 【研一】 まあ、そう言われれば分からなくもないけど。でも、預金保険を、生命保険と一緒に考えるのもどうかな? 【佳子】 だけど、保険は保険でしょ。 【研一】 では、佳子ちゃんの言うように、銀行の経営内容に応じて保険料に格差を付けたらどういうことになるのかな? 【佳子】 経営内容の悪いところは、収益力が劣るということだから、保険料が高くなると、余計経営が苦しくなるのかな? 【研一】 それだけかな? 【中洲先生】 格差が付く、つまり、高い保険料を払わされる金融機関は、経営内容がよくないということを認定されたことになる。これは、なるだけ波風を立てたくないという当局の発想法にも反する。資金移動を当局自身が誘導するようなものになるかも知れない。 【佳子】 昔みたいに、ディスクロージャーが殆ど進んでいない時代だったら、変な憶測を呼ぶことがあったでしょうね。 【研一】 だから、どうなの? 【佳子】 だけど、今は、金融機関自身が格付けを受けて公表しているし、自己資本比率も公表されているでしょ。だから、例えば、自己資本比率に応じて機械的に保険料を決めるようにすれば、それほど心配することもないんじゃないかな。だって、保険料は、金融機関が負担するんであって、一般の預金者が払うんじゃないでしょ。 以下、次回へ続く |
| ===== 編集後記 ===== フジテレビの日枝会長は、以前編成局長時代に、「オレたちひょうきん族」の「ひょうきん懺悔室」に出て、反省が足りないと水をかけられたそうです。何の反省か知りませんが。 それはともかく、放送局の外資規制の関係で、放送局が公共性の強い機関だからと強調されています。それを否定するつもりはありませんが、「面白くなければテレビじゃない」と言っていたフジテレビ。そんなに立派なものですか?面白いのは認めますが。 それに放送局を海外の勢力から守っても、肝心の政府自身が、アメリカのコントロール下にあるような状態なので、あまり説得力がないような気もするんですが、残念! では、次回まで。 |
| 経済ニュースゼミ(第37号、2005,2,28) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 2月も今日まで。外に出ると柔らかい日差し感じます。 では、経済ニュースゼミを始めましょう。 本日は、「ニッポン放送株争奪特集号」です。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.またまたニッポン放送株争奪戦 3.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■ニッポン放送大株主 一部取引先TOB応募(日経新聞、2月26日) フジサンケイグループと取引関係の深い企業の一部でTOBに応じる動きが出てきた。 ■西武虚偽記載で本格捜査(日経新聞、2月26日) 西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載問題で、グループ中核会社コクドの前会長が報告書提出前の昨年5月、コクド保有の西武鉄道の名義偽装に絡み「このままでは西武鉄道の有価証券報告書が虚偽記載になる」と報告を受けていたことが明らかになった。 ■ペイオフ解禁まで1ヶ月 金融非常時から脱する準備はできたか(日経新聞、2月27日) ペイオフが4月1日に全面解禁になる。皆さんの準備は万全だろうか。(社説) ■立会外取引事前開示 金融庁方針 (日経新聞、2月27日) 金融庁は、立会外取引についても、上場企業などの株式を1/3を超えて取得する場合はTOB規制の対象とする方針を固めた。 ■2004年度「優れた会社」 キャノン初首位(日経新聞、2月28日) 日経新聞と日経リサーチが共同開発した多角的企業評価システム「PRISM(プリズム)」のランキング。 1位:キャノン 2位:日産自動車 3位:武田薬品 4位:KDDI 5位:日東電工 ■銀行の保険窓販 対象拡大は秋以降(日経新聞、2月28日) 保険窓販を巡る規制緩和が大幅に遅れそうだ。予定していた今春から10月以降にずれ込む方向。解禁される商品も医療・がん保険など成長分野の商品は見送られ、解禁は小幅にとどまる見通し。 ■市町村2000以下に減少 平成の大合併目標達成へ(日経新聞、2月28日) 全国の市町村数が2006年3月末で1920程度まで減る見通し。01年4月(3226)に比べ、5年で4割の大幅減となる。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ またまたニッポン放送株争奪戦 ★★★★★★★★★★★★★★★ 【佳子】 週末もニッポン放送株争奪の番組が目白押しでしたね。先生は、ライブドア対フジの戦いをどうみているのですか? 【中洲先生】 外部の感情的な議論が目立つね。ただ、いずれにしても、個人的に好きか嫌いかの議論は別として、論点をもっと整理した上で議論を進めるべきだと思うよ。 【研一】 フジのやっていることも商法違反の疑いがあるけど、ライブドアが最初に立会外取引で大量に取得したのが問題だというように説明されていますね。 【中洲先生】 そうだね、なんとなくマスコミは中立的にこの件を扱わなくてはとの思いで、そうした解説振りになっているね。 ここで、もう一度、そうした論点を整理してみよう。 (1)ライブドアが東証の立会外取引でニッポン放送株を大量に買い付けたことの 是非 (2)フジテレビが買い付け株数を下方修正したTOBの条件変更の是非 (3)ライブドアが新株予約権付き社債をリーマンブラザーズに発行したことは既存 株主の利益を損なう有利発行にならないか。 (4)ニッポン放送が新株予約権をフジテレビに発行すると決議したことは、商法違 反にならないか。 以上のとおり、大きく4つの問題が指摘されている。 【佳子】 ライブドアは、立会外取引でニッポン放送株を大量に取得されたと言われていますが、そもそも立会外取引とは何ですか? 【中洲先生】 通常株の取引は、証券会社を通じ、証券取引所で、9時から11時と12時半から15時までの間行なわれるよね。 【佳子】 そうなんですか。 【中洲先生】 立会外取引は、8時20分から9時までと、11時から12時半まで、それと15時から16時半までの間、電子取引ネットワークシステムを通して行なわれるんだよ。 【佳子】 取引の時間帯が違うということですか? 【中洲先生】 最大の違いは、通常の取引は、売りと買いがマーケットでぶつかりあい、自然と売買が成立する。従って、誰が売り手で、誰が買い手で、また、価格が幾らになり、取引量がいくらかは予め分からない。 【研一】 それはそうですよね。それがマーケットを通じた取引ですよね。 【中洲先生】 ところがね、立会外取引は、市場を通した取引との位置付けではあるけど、予め、売り手と買い手、それに価格、売買量が決まっているんだよ。 【研一】 じゃあ、実質は市場外での取引みたいなもんですね。 【中洲先生】 まあ、そうかもしれないが、市場関係者は、そういう取引も市場内取引にしておく方が都合がよかった。 【佳子】 先生、分かったわ。立会外取引は、マーケットのメカニズムで価格が決定するものではないから、けしからんという訳ね。だって、証券取引法では、経営権に関るような大量の株を取得するには、TOBによるべきで、市場外取引で取得することを禁止しているからなんでしょ? 【中洲先生】 今回の問題の発端は、2月8日に、立会外取引でニッポン放送の株を大量に取得したことだが、その記者発表の直後に、立会外取引による点を追及する論評が目立ったね。特に、金融庁などは、法律改正の必要性を早々と示唆した。 【研一】 やっぱり、ライブドアのやったことは汚い行為なんですか? 【中洲先生】 よく、法の抜け穴を突いた行為だと言われるけどね‥ でも、法の抜け穴というと、誰もそういう方法があることを気が付いていなかったかの印象を持つけど、およそ証券取引の関係者だったら、皆承知のことなのさ。 【佳子】 へー、そうなのですか。じゃ、政治家の先生たちはどうしてそんなことをいうのですか? 【中洲先生】 あまりにも技術的なことなので、政治家の先生は今でも事の本質に気が付いていないかもね。 【佳子】 また、基本的な質問になるかもしれませんが、どうして立会外取引なんてあるのですか? 【中洲先生】 市場を通じた株の取引しか認めないことにすると、自分の売りたい人に株を売ることが難しくなるよね。価格についても、取引量にしても、市場に晒さないと決まらない。しかし、世の中いろんな事情で、気心の知れた人に株を譲りたいとか、売った後直ぐ買い戻したいとか考える場合もある。そういうときのために立会外取引がある。 【佳子】 そんなもんですか。いずれにしても、先生は、法の抜け穴と考えるのは、株の素人とだと言うわけですね。 【中洲先生】 だってね、世の中の株式会社、特に銀行は、決算の度に株を売って利益を出し、目標の利益に近づけようとするけど、そうしたときに立会外取引を利用するのは常識みたいなもんだからね。 だから、そういう制度を誰も知らなかったみたいに言うのはこっけいに聞こえるね。 いずれにしても、立会外取引を利用したことを理由にライブドアを責めるのは理屈が立たない。もっとも、今後法律改正に生かすというのなら話は別だけど。 【研一】 フジがライブドアに対する対抗手段として、TOBの条件変更を行なったことはどうなんですか? 【佳子】 どんな風に条件を変更したの? 【研一】 1月18日にフジが発表したTOBの条件は、50%以上のニッポン放送の株を取得するというものだったのが、ライブドアが株を大量取得したとのニュースが入るや、25%以上の株の取得にすると変更したことだよ。 【佳子】 先生、買い付け株数を引き下げたことは、違法なんですか? (注) 証券取引法第27条の6 公開買付者は、公開買付にかかる買付条件等の変更を行なおうとする場合には、公開買付期間中に、内閣府例で定めるところにより、買付条件等の変更の内容その他内閣府例で定める事項を日刊新聞紙に掲載して広告を行なわなければならない。 (略) 第3項 買付け等の価格の引下げ、買付予定の株券等の数の減少、買付け等の期間の短縮その他政令で定める買付条件等の変更は、前2項の規定にかかわらず、行うことができない。 【中洲先生】 証券取引法に違反するかどうかは、非常に難しいね。ただ、日経新聞なんかは証取法に抵触すると書いているし、条文を読む限りにおいては、やっぱり違反するように読める。 【研一】 フジ側が法律に違反しないと言う論拠はなんですか? 【中洲先生】 最初は50%以上を目指していて、それを25%に引き下げたが、何も上限を変更したわけではない。TOBの応募があればどれだけでも買い取る、だから、株主には不利益はないはずだというものだよ。 【佳子】 じゃあ、それに反対の意見の論拠は? 【中洲先生】 もともとTOBというのは、応募があれば、買付予定数にかかわらず全部買い取るのが原則であって、上限とか下限を決めるのであれば、予めそれを明示しとかなくてはいけない。しかし、フジ側の当初のTOBは、上限を決めていたわけでもない。法でいう「買付予定の株券との数」というのは、TOBが成立する要件としての数だから、25%に引き下げたのはやはり法に抵触するのではないかということになる。 【佳子】 へー、そんなものですか。でも、25%に引き下げても、それに対して文句をいう株主はいないんじゃないですか? 【中洲先生】 特別の利害関係者、例えばライブドア等を除けば、文句を言う株主はいないだろうね。ただ、法律の機械的解釈をするとそうなるということだ。 【研一】 そもそも論なんですが、どうして25%に引き下げることを考えたのですか?25%の取得では、ライブドアに勝たないですよね? 【中洲先生】 この時点で、フジテレビは、理想的なニッポン放送の子会社化を諦めたんじゃないのかな。ただ、どうしてもライブドアの買占めには抵抗したい。そこで、商法の規定を思い出し、フジテレビ側がニッポン放送の株を25%取得し、ライブドアの議決権を無効にしようとしたんじゃないのかな。 【研一】 ライブドアがリーマンブラザーズに新株予約権つきの社債を引き受けさせたのは、既存株主の利益を損なう有利発行になるのでは、という点はどうですか。 【佳子】 有利発行とは、何のこと? 【研一】 ライブドアは、ニッポン放送の株を取得するために、資金が必要だったが、そのため社債を発行し、資金調達をした。その社債を引き受けたのがリーマンブラザーズだったけど、その社債には新株引受権がついていて、市場価格より1割安い価格で株に転換できる内容だったからだ。 【中洲先生】 確かに、その点だけみると、有利発行にも見えるけど‥ 【佳子】 けど、なんなのですか? 【中洲先生】 ただ、何の理由もなくそうした有利な条件の社債をリーマンに引き受けさせた訳ではない。そもそも社債の金利はゼロ。それに、800億円という大金をライブドアという発展途上の企業に提供するわけだから、それなりの見返りがあるのは当たり前。これが、何の理由もなく、リーマンにそうした特権を与えれば、株主公平の原則に反すると思うけど。 【研一】 そういうふうに考えるものですか? 【佳子】 ライブドアの株主からは文句は出ていないのですか? 【中洲先生】 有利発行になりけしからんという文句は、株主からは出ていないんじゃないのかな。ライブドアの株主からしたら、今回の買収が成功した方が、ライブドアの株価が上がり好ましいだろうから。 【佳子】 じゃあ、最後のニッポン放送がフジテレビに与えた新株予約権はどうですか。ポイズンピルに類似していると言われていますけど。 【研一】 ニッポン放送がフジグループの一員で居続けることで、企業価値を維持することができるからということが論点になっているみたいですね。 【佳子】 そうみたいね。ホリエモンも、その上で、ニッポン放送がフジテレビの一員でいても企業価値の上昇には繋がらないと言っているみたいですね。 【研一】 ホリエモンさんは、なんで企業価値の上昇に繋がらないと言っているんだっけ? 【佳子】 だって、ニッポン放送の株価を要因分析すると、最も大きいのはフジテレビの親会社であることと、あとは、保有する有形資産によるもので、ニッポン放送の事業が生み出している価値は殆どないと「市場」が評価していると言っていたわ。 【研一】 あー、そのことか。思い出した。あれは少しきつい感じがしたね。フジテレビの会長も怒っていた。 【佳子】 先生はどう思いますか。 【中洲先生】 企業価値がどうなるかは、ちょっと分かんないけど、私の場合、論点はそのことよりも、株主平等の原則に反するかどうかだと思う。そもそもアメリカのポイズンピルだって、事前にそう宣言しておく必要がある。しかし、今回の措置は事後的なものだ。後からルールを作って適用している。 【佳子】 ポイズンピルとは事前に表明しとかなければ駄目なんですか? 【中洲先生】 幾ら敵対的買収を阻止するためとはいえ、ルールは明確にしとく必要がある。そうじゃないとフェアと言えないと考えるのだろうね。 それに、今回、フジテレビに新株予約権を与えることで、ライブドア以外にも影響が及ぶ。株数の増加による株価の低下の影響は皆等しく被ることになるからだ。他方、時価より安い価格で株を取得するフジテレビは得をすることになるからね。 【研一】 このニッポン放送がフジテレビに新株予約権を与える決議をしたのは、相当問題ですか? 【中洲先生】 これは、相当問題だと思うよ。裁判所の判断を待つまでもないと思うね。 【佳子】 他に、何か感想ありますか、先生? 【中洲先生】 今回の騒動で感じているのは、ライブドアの行なった行為についてのみ法律改正の必要があるのではないかと、金融庁を始め政府が騒いでいるようだけど、フジテレビの行為については、金融庁等が何も言っていないのはバランスを欠く気がするね。 【研一】 何で、政治家の先生は、フジテレビ側よりなのですかね? 【中洲先生】 想像だけど、いろいろ夜討ち朝駆けなんかで、記者と政治家は付き合いがあるからね。 【佳子】 取締役が株主を選ぶような構図になっていることも問題だという論調もありますよね。 【中洲先生】 それを言うなら、政治家を選ぶ選挙で一票の格差があることも同様に問題だよね。しかし、一向に改まらない。 以上 |
| ====== 編集後記 ====== 明日からはもう3月ですね。 Spring is just around the corner.です。 何となく気持ちが明るくなりますよね。本日お昼に街に出ました。 気になったラーメン屋さんがあったからで、自転車に乗って食べにいきました。札幌ラーメンで、味はまあまあでしたが、店員さんが愛想よすぎというか、声が大きすぎて、ちょっとうるさかったです。しかし、おねえさんがかわいかったので許しちゃいます。 帰り際、日差しが暖かなのを感じました。 では、また次回まで。 |
| 経済ニュースゼミ(第38号、2005,3,2) |
みなさん、こんにちは、Seijiです。 3月を迎え少し温かくなったかなと思ったら、また雪が降りそうです。今年は少し雪が多い気がします。 お昼のワイドショーを見ていたら、芸能人の病気の体験談を取材してきましたというので、また、奈美悦子さまの登場かと思ったら、木の葉のこ様の登場でした。そういえば長い間テレビに出ていないなと思って見ていたら、何と20年以上も前に拒食症と過食症にかかった話をしていました。 何でそんな昔の話を今頃と思いましたが、非常になつかしかったです、と言っても、若い人は知らないかもしれませんね。 では、経済ニュースゼミを始めましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.利益のV字回復 3.シリーズ「ペイオフの全面解禁」 4.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■米百貨店最大手フェデレーテッド 2位メイを買収(日経夕刊、2月28日) 最大手のフェデレーテッド・デパートメント・ストアーズは、2位のメイ・デパートメント・ストアーズを買収することで合意した。買収金額約110億ドルで、売上高の合計は3百億ドルになる。 ■鉱工業生産2.1%増 1月自動車回復、化学も好調(日経夕刊、2月28日) 1月の鉱工業生産指数は前月比2.1%上昇の102.1 上昇は2ヶ月ぶりで、2000年12月以来の高い水準。 ■三井住友赤字発表 迫られた過剰債務処理(日経新聞、3月1日) 三井住友フィナンシャルグループは金融庁から不良債権処理の大幅な積み増しを迫られ、最終赤字に転落した。 ■「量的緩和 行き過ぎ注意」 日銀総裁、副作用に警戒感(日経新聞、3月1日) 日銀総裁は、28日の講演で「異例の緩和政策の下では、行き過ぎが生じていないかに注意が怠れない」と導入から4年になる量的緩和策の副作用に強い警戒感を示した。 ■ 1月景気一致指数 2ヶ月ぶり50%超確実(日経新聞、3月1日) 9日に公表する景気動向指数で景気の現状を判断する一致指数が2ヶ月ぶりに50%超になることが確実に。 ■英大手3行最高益 HSBCなど (日経夕刊3月1日) HSBCが28日、04年12月期の決算を発表。純利益が前年比35%増の118億ドルとなり、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、バークレイズを加えた大手3行そろって最高益を更新した。 ■失業率横ばい4.5%(日経夕刊、3月1日) 1日発表した1月の完全失業率は4.5%と横ばい。男性が前月比0.2ポイント上昇し4.8%、女性は0.1ポイント低下の4.1%で男女格差が拡大した。 ■円借款終了を提案 政府、中国側に「5年以内」(朝日新聞、3月2日) 今年度から段階的に減らし、5年以内をメドに新規案件をゼロにするとの提案を中側に伝えていたことが明らかに。 ■株式百分割を問う 需給ゆがみ投機資金流入 (日経新聞、3月2日) 1株を百株に分割。従来の常識を超える大幅分割が新興企業を中心に相次ぎ登場、株価急騰を誘発した。 ■ダイエー支援、丸紅連合に(日経新聞、3月2日) 産業再生機構は1日、ダイエー再建の支援企業に丸紅と投資ファンドのアドバンテッジパートナーズの企業連合を内定。 ■提携住宅ローン 民間、公庫上回る(日経新聞、3月2日) 民間金融機関が融資し、その債権を住宅金融公庫が買い取って証券化する長期固定の提携住宅ローンが急拡大している。 ■踊り場景気薄明かり (日経新聞、3月2日) 国内景気の先行きに薄明かりが見えてきた。「踊り場」の主因だった企業の生産が再び上向いてきたほか、家計部門でも年明けから個人消費が持ち直している。 【佳子】 景気が上向いてきているんですか? 【中洲先生】 そういう内容の記事だね。 【研一】 鉱工業生産指数もプラスになっていますし、1月の景気一致指数が50%を超すのが確実ということですから。それに思い出しましたけど、百貨店の売り上げも久しぶりに1月はプラスだったんですよね。 【佳子】 日銀の総裁が、量的緩和策の副作用に警戒する必要があると言ったのも、景気回復を意識してのことですか? 【中洲先生】 そこのところは想像の域を出ないけど、当座預金の残高目標を維持するのも大変だから、そのための布石との見方もあるよね。 【佳子】 株式の百分割って何ですか。何かモザイクのゲームみたいなものですか? 【研一】 佳子ちゃん、冗談上手い。 【中洲先生】 今をときめくホリエモン様の錬金術だよ。 【佳子】 錬金術っていうと、お金を増やせるんですか? 【中洲先生】 そのとおり。 【佳子】 どうやるのですか? 【中洲先生】 例えばね、今まで1株だったものを100株にするんだよ。株主に対し、保有株1株に対し、99株を交付するんだ。 【研一】 それだけですか? 【中洲先生】 それだけ。 【研一】 それでどうしてお金が増やせるんですか? 【中洲先生】 先生には分かんないんだよ。でも、実際に株価が急騰したと言う。 【佳子】 普通、会社の資産内容とか利益動向に変更がないとしたら、1株が100株になれば、株価は100分の1に下がるのが道理ではないのですか? 【中洲先生】 先生も、そう思う。 【佳子】 先生は、本当は知っているんでしょ。教えてくださいよ。 【中洲先生】 100分割とまでは行かないけど、昔から無償増資というのはあった。増配する代わりに株を無償で交付するのだよ。その場合、株数は増えるよね。でも株価は下がるどころか上がることが多かった。 【佳子】 へー、そんなもんですか。やっぱり素人は株に手を出すと危ないな。 【研一】 でも、どうして、株価は上がったんでしょうね? 【中洲先生】 増配に代えて株を無償で交付する。要するにそれだけ収益力が付いたのだから株価は上がってしかるべきだと言う考えが一つ。それに無償交付で株数が増えると、それだけその銘柄の流動性が高くなり、取引しやすくなるから株価は上がるんだという説明がなされていたね。 【研一】 先生もその考えには賛成だったのですか? 【中洲先生】 いや、納得いかないね。収益力が上がって株価が上がると言うのであれば、無償交付をしようとしまいと上がらないとおかしいもんね。 【佳子】 100分割で株価が上がることについては、どのように説明されているのですかね? 【中洲先生】 一つは従来の考え方と同様だが、株が細かく分割されるので、少額の資金で株が買いやすくなるので、株の価格が上がるというもの。それと、新聞報道では、100分割する場合、新しく株券を印刷するなどの作業が必要で、そのため1ヶ月半から2ヶ月かかるらしい。で、その間は、買い手に比べ、売り手が極端に少なくなるので、株価が上昇すると解説されているよ。 【佳子】 じゃあ、株券が刷り上ったら、また、売り手が多くなって、株価は下がるんですか? 【中洲先生】 まあ、そういうことになるのかな。先生もよく分かんない。 【佳子】 しつこいようですけど、もう一つ質問。株価は、将来のことを織り込んで値段が決まるんでしょ。1−2ヵ月後に株券が刷り上るのが分かってて、どうしてそんなことで株価が上がったり下がったりするんですか? 【中洲先生】 「100分割は絶対ブームになりますよ」というホリエモン様に聞いて下さい。但し、高いセミナー料をとられるよ。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 利益のV字回復 ★★★★★★★★★ よく銀行が赤字を出したときに、「来期はV字回復を目指します」と言い、また、赤字を出した翌期に「V字回復できました」と胸を張ることがある。 しかし、このV字回復は曲者だ。 何故か? それは、銀行業の決算の特殊性があるからだ。 例えば、銀行との対比で、自動車産業とか電気機器産業を考えてみる。 V字回復のためには、売り上げが飛躍的に伸びるようなことが必要である。そのためには開発した新製品が大ヒットするようなことが必要になる。 ところが、これまでの銀行業界の商品に自分の銀行しか売り出していないような大ヒット商品があったであろうか。 例えば、最も代表的な銀行の商品である融資は、金利、期間、担保、或いは審査期間に僅かの差があったとしても、結局はお金を貸すことだ。お金に個性はない。従って、どんなに頑張っても、急に大ヒット商品が生まれることは考えにくい。 一方、銀行が黒字になったり赤字になったりする最も大きな要因は、不良債権をどれだけ処理するかにかかっている。そして、不良債権をいつ処理するかを決めるのは銀行の裁量によるところが大きい。 そうなると、不良債権を積極的に処理をすれば(かつ含み資産が乏しければ)赤字になり、逆に、不良債権の処理を見送れば(或いは処理すべき不良債権が少なければ)黒字になるのは当然のことである。 こうしたことから、考えれば、来期V字回復を目指すといっても、それほど胸を張れる様なことではない。単に、「今期思い切って不良債権を処理をしたので、暫くの間は処理を急ぐ不良債権はありませんよ」位のメッセージにしか聞こえない。 金融機関の経営者の方々には、以上のことをよく承知の上で「V字回復」という言葉を使って頂きたい。 以上 |
| シリーズ「銀行の不良債権」と題してお届けしていましたが、内容に応じて、「ペイオフ全面解禁」にタイトル名を変えたいと思います。 ☆☆☆☆☆☆☆☆ ペイオフ全面解禁 ★★★★★★★★ 【研一】 預金保険制度についてずーっと考えてきましたけど、考えれば考えるほど、いろいろな問題をはらんでいるような気がしますね。 【佳子】 とても完成した姿とは言えないような気もしますが。 【中洲先生】 では、少しまとめをしてみようか。 そもそも預金保険はあった方がいいかどうか? 【研一】 現状では、ないととんでもないようなことが起こる気がしますけど。 【中洲先生】 誰が一番困る? 【佳子】 経営内容がよくない金融機関だと思いますが。 【研一】 どうして? 困るのは預金者じゃないの? 【佳子】 預金保険がなくなると、預金者はお金を預ける先を真剣に考えるようになるよね。そうなると、なるだけ大きな、しっかりした銀行に預けかえると思うの。その結果、経営内容がよくない金融機関や、小さな金融機関は預金が流失したり、預金を集めるのが難しくなる。そうなると破綻ね。 【中洲先生】 そうすると、経営内容がいい銀行や、大きな銀行は逆に商売がやりやすくなるということだね。 預金者の方は、どうなるのかな? 【佳子】 自分の住んでいる地域に銀行が沢山あり、選択の余地がある場合にはいいと思うけど、田舎の方だったら、選択の余地がない場合もなりますから、そういう地域の預金者は不安になってしまうと思うのですけど。 【佳子】 そう言われるとそうだね。田舎には銀行がない地域すらあるしね。 【研一】 それから、いくら大きくて大丈夫だと思っていても、絶対破綻はないとも言い切れないから、大きな銀行を選んだ預金者も心配なんじゃないかと思います。 【中洲先生】 結局、預金保険は、預金者を守るという側面と金融機関を守ると言う側面があることが分かるね。そのことについてはどう思う。 【研一】 預金を青天井で保護すべきかどうかは分かりませんが、ある程度は保護することが預金者にとって必要かなと思いますけど。 金融機関を保護するということについては、どのように考えるべきかは難しい問題ですね。 【佳子】 預金保険制度があるから経営内容のよくない金融機関が保護される、つまり、破綻せずに済むというのは、良いような悪いような、やっぱり難しい問題ですね。 【中洲先生】 何も無理やり破綻させる必要もないけど、預金保険制度を維持するには誰かが資金を負担する必要がある。結局、そうした資金の負担をしてまで、経営内容の悪い金融機関を温存させることが適当かどうかということになる。 【佳子】 少なくとも、現状では、経営内容のいい銀行も悪い銀行も同じ保険料率になっているし、また、公的な資金も入っているので、経営内容のよくない金融機関が第三者のお陰で生き延びている面があるんですね。 【中洲先生】 そういうふうにも理解できるね。 【研一】 預金保険制度があるお陰で、預金者がどこにお金を預けるべきか真剣に考える必要がなくなる。結局金利が高いところに預金する。そうすると、経営内容のよくないところは、高い金利をつけて沢山預金を集めて、どんどん貸し出しを増やそうとする。これで旨くいけばいいけど、破綻しても、預金保険制度があるので、預金者には迷惑をかけないとなると、経営者のモラルハザードが起こるということでしたよね。 【佳子】 モラルハザードって一体何ですか? 【中洲先生】 典型的なのは、火災保険に入って、家にこっそり放火し、保険金をせしめるというような行為だね。まあ、そんな極端な例は別としても、保険に入っていないときと比べると火の始末がおろそかになる。自賠責保険に入ると、車の運転がおろそかになるかもしれない。配偶者に生命保険をかけると、病気で死んでも保険金が下りるから何とかなるかと考えるようになる。要するに、保険に入ることによって、リスクを回避しようとするインセンティブが弱くなるということだよ。 【佳子】 インセンティブですか? 【中洲先生】 真剣さが薄くなるということさ。気の緩みといってもいいかもね。 【研一】 そういう風に言われると、預金者にもモラルハザードは発生しているかも知れませんね。 【佳子】 だけど、全部自己責任だというのもね。緊張にしっぱなしで生活していけないような気もする。 【中洲先生】 生命保険に入るかどうか、火災保険に入るかどうか、これは個人の判断に任されているね。ところが、預金保険は‥ 【研一】 預金保険は、個人の意思とは関係ないですね。 【佳子】 皆一律に保護されている。これっていいことなのかな? 【中洲先生】 良いようにもみえるけど、保護しすぎの面もあるね。 |
| ===== 編集後記 ===== テレビで、木の葉のこ様を見て懐かしかったです。彼女ももう50歳の手前になってしまいました。でも、昔の面影が残っていますね。 昨日、これまでの発行分をチェックしていました。「経済ニュースゼミ」のページに各号のキーワードを付記するためです。 その際、いろいろ誤字脱字をみつけました。ごめんなさい。 1月26日発行のマガジンで、 I feel like my brain is out lunch right now.「 私の頭はぼーっとしているようです」 という英文を紹介しましたが、out lunch ではなく out to lunch です。 訂正してお詫びいたします。 自分で読んでいて何となく変だなあと思ったのですが、やっぱり変でした。 本当に頭がぼーっとしていたのですね。 ぼーっとしているからではないのですが、3月4日(金)は休刊にします。 では、次回まで |
| 経済ニュースゼミ(第39号、2005,3,7) |
| みなさん、こんにちは、Seijiです。 今日はぽかぽかした陽気です。啓蟄も過ぎ、Spring has sprung.です。 では、経済ニュースゼミを始めましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.株式大幅分割と新株予約権付転換社債 3.シリーズ「ペイオフの全面解禁」 4.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■FRB議長 早期の歳出削減要請(日経新聞、3月3日) 2日、下院予算委員会で証言。「本格的な対策を講じない限り、財政赤字は今後数年間にわたって縮小しない」 ■重み増す地方財務局、育たぬ人材(日経新聞、3月3日) ペイオフ解禁を前に、地域金融機関の見張り役である地方財務局の重みが増している。だが、その能力を不安視する声も多い。 ■ドバイ原油続伸43ドル台(日経新聞、3月3日) 中東産ドバイ原油が3日午前、東京原油スポット市場で大幅続伸し、過去最高値を更新。 ■堤前会長 逮捕(日経夕刊、3月3日) 西武株虚偽記載とインサイダー容疑で前会長を逮捕した。 ■三菱東京・メリル、合弁証券(日経新聞、3月4日) 三菱東京フィナンシャル・グループと米メリルリンチは3日、05年度中にも合弁で日本に証券会社を設立する方向で最終調整に入った。 ■人手不足感 採用に波及(日経新聞、3月4日) 2月の労働経済動向調査によると、「過不足判断指数(DI)」はプラス13となり、前回の11月調査から2ポイント上昇。不足超過幅は3期連続の拡大で、新卒者に内定を出した企業も、全学歴で前年同期を上回り、不足感が実際の採用に結びついてきた。 ■日銀、異例の即日資金供給(日経新聞、3月4日) 日銀は3日、即日の資金供給という異例の資金供給という異例の手段で、金融機関の手元資金量を示す日銀当座預金残高の30兆円割れを防いだ。量的緩和目標の堅持に強い意志を示した。 ■みずほFG 2,499億円返済 (日経新聞、3月4日) 注入された公的資金のうち2,499億円を7日に買入消却する形で返済すると発表。 ■転換社債 5000億円 今年度8倍に (日経新聞、3月6日) ライブドアがニッポン放送株の購入資金調達で注目を集めた、証券会社が全額引き受ける形での転換社債型新株予約権付社債の発行が急増している。04年度の発行額は5日時点で5150億円となり、前年度の8.3倍。 ■ソニー経営陣刷新(日経新聞、3月8日) 会長と社長が退任。ハワード・ストリンガー副会長が出井氏の後任に。中鉢福社長が社長に。 ■コクド幹部「監査役辞めさせろ」(朝日新聞、3月7日) 西武鉄道株事件で、04年8月の同社取締役会で監査役が名義偽装株の存在を指摘し、コクド側に調査を申し入れた直後、当時のコクドの幹部が「監査役を辞めさせろ。取締役も全員辞任しろ」と西武鉄道側に迫ったことが分かった。 ■東証 大幅株式分割に指針(日経新聞、3月7日) 東証は、株式取引の透明度向上のために市場運営策を見直す。大幅な株式分割に伴う異常な高騰を避けるために指針を設け、転換社債型新株予約権付社債を発行後間もない企業には分割の自粛を求める。 【研一】 グリーンスパン議長が、アメリカの財政赤字について警鐘をならしていますね。 【中洲先生】 そうだね。 【佳子】 「本格的な対策を講じない限り、財政赤字は今後数年間にわたって縮小しない」と議会で証言したと報道されていますね。 【中洲先生】 そうだね。グリーンスパン議長の英語は時々わざと分かりにくく話しているように聞こえる時もあるけど、その部分は明快だよ。 Our budget position is unlikely to improve substantially in the coming years unless major deficit-reducing actions are taken. ねっ、割と分かりやすいだろう? 【研一】 受験英語にもよく出てくるunless構文ですね。 【佳子】 ところで、ペイオフ解禁が迫り、地方財務局の役割が増す割りに人材が育っていないという記事がありましたけど、先生、何か言いたいことあるんじゃないですか? 【中洲先生】 この記事の言いたいことがよく分からないんだよ。以前もこの種の記事が報道されたことがあったけど。 【佳子】 いつ頃の話ですか? 【中洲先生】 金融監督庁が出来た頃だから、平成10年頃かな。当時、資産内容を厳格にチェックするために、全国の銀行を一斉に検査することになった。とは言っても、金融監督庁も人手不足だったので日銀にも協力を仰いだが、それだけは当然足りず、全国の財務局からの暫くの期間東京に検査官を派遣し、一斉検査を実行することになった。また、地方銀行の検査については、金融監督庁が行なうものと財務局が行なうものがあった。 【研一】 財務局の検査は評判がよくなかったのですか? 【中洲先生】 むしろ財務局から金融監督庁へ応援に行った検査官たちは、自分たちの方がしっかり貢献したと胸を張っていた人もいたけどね。 ただ、今回、ある地銀の幹部が「財務局はアマチュアだ」と言ったそうだが、当時も地銀関係者がそのような発言をしていた。 【研一】 アマチュアだというのは、検査が温いということですか?もっと厳しく検査して欲しいと言っているんですかね? 【中洲先生】 そんなことはないだろうけど、専門知識が乏しい検査官もいて、的確な指摘がなされないとでも言いたいんだろう。 【研一】 やっぱり、金融庁の検査部門は大きいし、人材もそろっているから、それに比べると財務局は見劣りするのですか? 【中洲先生】 そうとも言えない。というのは、そもそも金融庁で検査官をやっている人の多くは財務局の出身者であるからだ。それに、これまで、見習いの意味で1−2年間検査官をやること等を除けば、所謂キャリアで、検査官になったものはいない。だから、頭の出来に差があるとは思えない。 【佳子】 でも、金融庁は公認会計士さんや、デリバティブの専門家なども中途採用で雇っていると聞きましたけど。 【中洲先生】 それは否定しない。そういう意味では、金融当局の検査能力も近年相当レベルアップしているはずだ。だけど、それは財務局でも同じで、財務局でも公認会計士を採用しているところもある。 それに、金融検査官の能力を云々するなら、彼らを動かしている財務局長やその下の中間管理職の能力が云々されないと気の毒だ。財務局のトップの専門知識の有無については相当のバラつきがある。本当に財務局の専門性を問題にするなら、トップ人事のあり方から始めないと変わらないと思うよ。 【佳子】 この前、「100分割」の話がありましたが、東証が、大幅株主分割について指針を示すそうですね? 【中洲先生】 そうそう。でも、その件は次のコーナーで。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 株式大幅分割と転換社債の発行 ★★★★★★★★★★★★★★★★ 株式の大幅分割が注目を集めている。といってもいい話ではない。 株式の分割と言えば、かつては1株が1.1株になったり、1.2株になったりすることが想定されていた。配当を増やす代わりに、既存株主に対し株式を無償で交付していた。 現在注目を集めているのは、「100分割」と言う言葉でも分かるように、株数が桁違いになってしまう。100分割を2回行なうと、1万分割である。 (注)株式大幅分割の例(累積倍率) ライブドア 10000倍 グレース 6000倍 東急建設 1000倍 ニューディール 1000倍 昔のこじんまりした分割でも100分割でも同じであるが、理論的には、分割によって会社の価値が変化する訳ではないので、株価は増加した分低下するはずである。即ち100分割であれば、1/100にならないとおかしい。 ところが、最近の大幅分割では、株数の変化を加味した実質価格が急騰するケースが多い。それは、大幅株式分割と新株予約権付転換社債を同時に発行することによって実現されているという。 仕組みはこうだ。 株式の分割が行なわれると、新株の印刷・発行に時間がかかるため、暫くは新株が取引できないが、新株予約権を予め行使しておくと新株が入手でき、従って、新株予約権が行使された新株のみが暫くは取引されるが、取引量が限られているため、高値を呼ぶというものである。 この結果、株価が高騰するとともに、新株予約権を実行したものには、大きな利益がもたらされる。 但し、その後大量の新株が流通すると、売り手が増える結果、株価が暴落するような事態も生じることがあるとされている。 こうした現象が起こる日本の株式市場を、外国の投資家はあきれているとされる。いくら特定の期間、売り手が限られるからといって株価が上昇するというのは合理的な理由が付かないからだ。 しかし、それでも、日本ではこうした特殊な現象が起こる。それは、日本の株式市場を構成する投資家の思考、行動様式に問題があることが最大の理由だ。 ただ、そうは言って、そうした歪んだ市場を食いものにする輩がいることは決して市場の健全な発展に寄与するところではなく、適切な注意喚起が必要である。 以上 |
| 次は、シリーズ「ペイオフ全面解禁」です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ペイオフの全面解禁 ★★★★★★★★★★ 【佳子】 でも、預金保険制度がなかったら、やっぱりいつも心配しとかなくちゃいけないので大変だわ。 【研一】 特に、田舎の方では、選択の余地がないこともあるからね。 【中洲先生】 ということは、預金者を保護すると言う意味で預金保険は必要ということだね。ではどの程度保護すべきか? 【佳子】 預金保険が、生命保険や火災保険と同じように、個人の意思と負担で加入するものなら、別に好きにしてもらってもいいのだけど、今の制度の下で考えると言うことになると‥。 【研一】 なると、どうなの? 【佳子】 銀行が保険料を払うとか、万一のときは税金で面倒を見ることを考えたら‥。 【研一】 考えたら? 【佳子】 今の1千万円程度でも良いのではないかな‥ 【中洲先生】 佳子ちゃんにしては、割と普通の考え方だね。 【佳子】 保護してもらう立場に立てば、限度なく保護してもらえばあり難いけど、そうなると、誰かがその保険料を負担することになるんでしょ。 【研一】 それにそんなことをすると、さっき言ったモラルハザードが酷くなる。どこに預けるべきか預金者が真面目に考えなくなり、いい加減な金融機関が温存される結果になってしまう。 【佳子】 それにお金持ちの預金者はいろんな情報を得ているし、運用先も分散していますからね。 【研一】 1千万円以上のお金がある人でも、預け先を分散しとけば、とりあえずは安心できるし。 【佳子】 先生、ちょっと疑問が湧いて来たのですが、大抵の預金者は預け先を分散するなどして、ペイオフ解禁の対策はできているんですよね。なのに、どうして、ここ何年も、ペイオフ解禁を延期してきたのかな。 【中洲先生】 実は、預金保険の対象額が1千万円までに制限されることで、一番反対の声を挙げていたのは、地方公共団体だよ。 【佳子】 どういうことですか? 【中洲先生】 市町村は、いろいろ公金を預金という形で管理しているから心配になるらしい。 【研一】 公共団体だから一般の個人より預金を持っているのは分かるんですけど‥ 【佳子】 だけど、地方公共団体だから地域にある金融機関がどのような経営状態にあるか位わかんないものですか? 【中洲先生】 地方公共団体の全てがそうだというわけではないけど。 【佳子】 だったら、地方公共団体のために特別な預金保険制度作ったらどうですか?勿論、地方公共団体が保険料を払う前提ですが。 【研一】 どういうことかな? 【佳子】 情けない話だけど、地方公共団体のなかには、預金がパーになってしまうリスクに耐えられませんと正直に言っているところがあるのよね。 【研一】 そうだよね。だけど、そこまで保護してしまうとモラルハザードの問題が出てくる。 【佳子】 だからね、公共団体の預金に損害保険を掛けさせるのよ。保険料は地方公共団体自身が払うの。もちろん、加入してもいいし、しなくてもいい。 【研一】 そうなると、地域住民は、自分が住んでいる公共団体が特別な預金保険に加入しているかどうかが分かるね。 【佳子】 そうそう、そこがミソ。 以下、次回へ続く |
| ===== 編集後記 ===== すっかり春らしくなって来ましたが、でもまた雪が降りそうとの予想もあります。 西武のニュースも頂点に達しています。本日は兄弟の争いについても放送されていましたね。 ニッポン放送の株争奪戦は、鹿内家の参入で少し流れが変わりそうな感じがしています。フジテレビの経営陣も、ライブドアとの関係では受けて立つ方ですが、かつてはクーデターで鹿内一族を追い出したとされています。 最後の切り札は鹿内家の株「しかない」なんて言っちゃって、ちゃんちゃんと。 ところで、話は変わりますが、シュークリームと聞いて、何を想像しますか? 何をバカなことを言ってんだ!シュークリームはシュークリームだろうという声が聞こえそうです。 しかし、外国人の人は、靴クリームを思い浮かべるそうです。 では、次回まで。 |
| 経済ニュースゼミ(第40号、2005,3,9) |
みなさん、こんにちは、Seijiです。 気候がよくなると同時に花粉の飛散が気になってきます。というか、朝、急にくしゃみをしたので、部屋の中にも花粉が飛んできているのだと感じました。 みなさんは如何でしょうか。 では、経済ニュースゼミを始めましょう。 <本日のメニュー> 1.気になる経済ニュース 2.景気ウォッチャー調査 3.シリーズ「ペイオフの全面解禁」 4.編集後記 |
| =========== 気になる経済ニュース =========== ■設備投資 伸び率鈍化 10−12月期 3.5%(日経夕刊、3月7日) 7日発表の昨年10−12月期の法人企業統計によると、全産業の設備投資は11兆402億円で、前年同期比3.5%増。7期連続で前年水準を上回ったものの、7−9月期まで3期続いた2桁増の勢いは鈍化。台風の関係で工場建設が遅れたことや、IT分野での在庫・生産調整などが響いた。 ■トヨタ、採用3000人超す 06年春、14年ぶり高水準(日経新聞、3月8日) トヨタ自動車は、7日、06年春の採用人員を05年春に比べ14%増の3065人とすると発表。生産現場の人員不足に対応するため、習熟度の高い機関従業員を積極的に登用する。 一方、日産自動車は、06年春の新卒者の採用数を6割減の約200人減らす。 ■ 1株→100株など「市場に混乱」 極端な分割、東証が自粛要請(日経新聞、3月8日) 東京証券取引所は、7日、極端に大幅な株式分割を自粛するよう、全上場企業に要請した。 ■ダイエー支援先 正式発表(日経新聞、3月8日) 産業再生機構のもとで再生を目指すダイエーは7日、丸紅と投資ファンドのアドバンテージパートナーズが支援企業に決まったと正式発表。 ■ニッポン放送株 上場廃止の可能性(日経新聞、3月8日) フジテレビジョンによるニッポン放送株式の公開買付が成功したことで、上場廃止基準に抵触し上場廃止となる可能性が出てきた。今年7月か来年7月に上場廃止となる見込み。 ■正社員7年4ヶ月ぶり増(日経夕刊、3月8日) 8日発表の1月の毎月勤労統計調査によると、従業員5人以上の企業で働く一般労働者数は、月間平均で32,105千人となり、前年同月比0.8%増。正社員に当る一般労働者数の増加は1997年9月以来7年4ヶ月ぶり。 ■株式分割 新株売買、翌日に(日経新聞、3月9日) 証券各社は証券保管振替機構と組み、企業が分割した後の新株を、分割翌日から売買できるようにすることで基本合意した。年内にも実施。 ■日通・三菱商事 中国全域に物流網(日経新聞、3月9日) 日本通運は三菱商事と中国の物流事業を統合する。6月を目処に日本に共同出資の持ち株会社を設立する。 ■豪英系BHPビリトン ウラン最大鉱山買収へ(日経新聞、3月9日) 豪英系BHPビリトンは8日、世界最大のウラン鉱山を有する豪大手WMCリソーシズに買収を提案。 ■街角景気、改善続く(日経新聞、3月9日) 8日発表の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は45.6で1月を0.6ポイント上回った。 以上 |
| ★★★★★★★★★★★ 景気ウォッチャー調査 ★★★★★★★★★★★ 先月、内閣府が実施している「景気ウォッチャー調査」の見方についてコメントしましたが、今回も、日経新聞の見出しが気になったので取り上げたいと思います。 1.日経新聞の見出し 「街角景気、改善続く」 2.記事内容 「2月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は45.6で1月を0.6ポイント上回った」 「調査は景気動向に敏感なタクシー運転手ら約2千人を対象に実施。現状判断指数は3ヶ月前と比べた景気の評価を「良い」から「悪い」まで5段階で答えてもらい、50を境に判断の良しあしを示すように指数化した」 3.内閣府の発表文 「1.景気の現状判断DI 3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、45.6となった。家計動向関連のDIが低下したものの、企業動向関連、雇用関連のDIが上昇したことから、前月を0.6ポイント上回り、2か月連続の上昇となった。また、横ばいを示す50を6か月連続で下回った。」 なお、図表2というのがあり、「良くなっている」、「やや良くなっている」、「変わらない」、「やや悪くなっている」、「悪くなっている」との区分で構成比が示されている。 4.問題点の提起 読者の皆さん、内閣府が実施した調査結果を踏まえた場合、「街角景気、改善続く」という見出しをつけることが適当かどうか考えてみて下さい。 また、どうしてそのような見出しになったか理由についても想像をめぐらせて下さい。 以上 |
| ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ペイオフの全面解禁 ★★★★★★★★★ 【研一】 保険料は、加入する地方公共団体が払うの? 【佳子】 そうだよ。 【研一】 保険料は高いの? 【佳子】 保険料は、預け先の金融機関の経営の健全度合いに応じて決定する。 【中洲先生】 なんか、そうなると随分保険料率が高いケースも生じそうだね。 【佳子】 そうなると、「何でそんな預金保険料を支払う必要があるんだ」と住民から文句が出るでしょ。そうなると公共団体も真剣に金融機関の情報を入手するようになる。ねっ、そうなるとモラルハザードも防げるでしょ。 【研一】 それに、そういう制度ができると、どうしても心配という公共団体のニーズに応えることも出来る、但し、保険料は自己負担になるけど、という訳だね。 【中洲先生】 金融機関を保護することについては考慮しなくてもいいのかな? 【佳子】 預金保険の保険対象上限が大きくなればなるだけ、預金者は金融機関の選択について無頓着になるんですよね。 【研一】 預金者自身が保険料を支払わなければならないと、少しは事情が違ってくるんですけどね。 【佳子】 そりゃそうだよ。保険上限が大きいほどいいけど、そうなると保険料が高くなるので敬遠されちゃうもんね。 【中洲先生】 いずれにしても、何らかの預金保険制度の下で、預金者が金融機関の選択について無頓着になると、結果的に経営内容の悪い金融機関が温存される。言葉を替えると保護される。 【研一】 金融機関は破綻しない方が良いとは思いますけど、だからといって、経営内容のよくないような金融機関が生きながらえるのもどうなんですかね。 【佳子】 だから、預金保険制度のお陰で生きながらえたいと思うなら、さっきの地方公共団体の預金保険と同じように、特別バージョンを作るべきなのよ。 【研一】 特別に、個々の金融機関がその意思に応じて加入するような預金保険かい? 【佳子】 そうそう。 【研一】 理屈はそうかもしれないけど、そんな保険実際に機能するのかな? 【中洲先生】 経営内容が凄く悪い金融機関の保険料は、凄く高いものになりそうだね。 【佳子】 そりゃそうだね。重病の人が生命保険を申し込むみたいなものだよね。 【研一】 やっぱり、そんなことが分かると預金は忽ち流出するよね。 【佳子】 そうじゃないのよ。預金が流出しないように、特別な保険に入って預金者に安心してもらうのよ。 【研一】 そこまで言う?じゃ、その代わり、保険料がやっぱりとてつもなく高いものになる、そういう結果になる。それを払えるかだ。 【中洲先生】 そうなると、当面、その金融機関の収益力は落ちるね。 【佳子】 いずれにしても、預金保険制度というのは、小額の預金者を保護することを目的とし、極めて限定的に運用すべしということになるのかな? 以下、次回に続く |
| ====== 編集後記 ====== 春を迎えるのはいいのですが、花粉症は嫌ですね。 ところで、NHKの英語リスニング入門が3年間続きましたが、4月からは模様替えになるとのことです。 本日の放送で、On top of Old Smokyの歌が流れていました。これは、リスニング入門が始る前の英会話入門でも流れていた記憶があるので、講師の遠山先生がお気に入りの歌かなと想像しました。 で、その歌詞ですが On top of Old Smoky, All covered with snow. I lost my true lover from courting too slow. というのがありましたが、聞いていて意味が分かりませんでした。テキストを見て分かりましたが。 Courting too slow というのは求婚が遅すぎてと言う意味です。 いい歌です。 では、次回まで |