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経済ニュースゼミバックナンバー(その2)

「銀行の合併、不良債権問題」編

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ナンバー 主要項目
経済ニュースゼミ(第14号、2004,12,21) 合併、預金金利、貸出金利
経済ニュースゼミ(第15号、2004,12,24) 預貸金利鞘、経費率
経済ニュースゼミ(第16号、2004,12,27) 1人当り預金量、預金原価率、(2004年経済ニューストップ10)
経済ニュースゼミ(第17号、2005,1,5) 効率化、止むに止まれぬ合併
経済ニュースゼミ(第18号、2005,1,7) 預金金利の自由化、店舗の認可、公的資金、(インド洋大津波緊急首脳会議)
経済ニュースゼミ(第19号、2005,1,12) 普通銀行一斉転換、前向きの合併、(国債の海外への売り込み)
経済ニュースゼミ(第20号、2005,1,14) 不良債権問題、金融再生法、リスク管理債権、不良債権比率、金融再生プログラム、(銀行の新評価法)
経済ニュースゼミ(第21号、2005,1,17) 情報開示、二つの信用組合、住専問題、分類率、(機械受注統計)
経済ニュースゼミ(第22号、2005,1,19) 債務者区分、不良債権の処理、貸倒引当金、直接償却、間接償却
経済ニュースゼミ(第23号、2005,1,21) 借金の棒引き、再建計画、不良債権の半減目標
経済ニュースゼミ(第24号、2005,1,24) 自己資本比率、繰延税金資産、BIS規制
経済ニュースゼミ(第25号、2005,1,26) 主幹事、腹切りスワップ、通貨スワップ、(金融改革プログラム)
経済ニュースゼミ(第26号、2005,1,28) 自己資本比率、リスクアセット、基本的項目、補完的項目、有価証券の含み益、土地の再評価益、(対中円借款)
経済ニュースゼミ(第27号、2005,1,31) 増資、分子対策、分母対策、(信金中金方針転換)
経済ニュースゼミ(第28号、2005,2,2) 繰延税金資産、税効果会計、税務会計、有税償却、無税償却、(日銀の資金供給)
経済ニュースゼミ(第29号、2005,2,7) 繰延税金資産、無税償却、課税所得、(自治体のペイオフ対策)
経済ニュースゼミ(第14号、2004,12,21)
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 皆さんこんにちは、本日は冬至。昼間の時間が一番短いそうですが、もう今年も後10日余りとなってしまいました。皆さんは、森尾由美ちゃんのCMではありませんが、「今年の汚れ、今年のうちに!」というタイプですか、それとも「明日できることは明日やろう!」というタイプですか。

 さて、年末恒例の予算シーズンになって、財務省原案が内示されました。一般会計の予算は、82兆1,800億円ほど。この数字、この後復活折衝を経て、政府案に変身していきます。そして国会へ提出され、審議されます。

 今回から、銀行の合併、銀行の収益構造、ペイオフ等について取り組んでいきますが、その前に予算の話を少し。
☆★☆★☆★☆
予算査定と編成
★☆★☆★☆★



【佳子】
 先生、予算はいつも毎年今頃作られるみたいですが、もっと早くなったり、遅くなったりはしないのですか。
【中洲先生】
 予算は年間スケジュールが大体決まっている。財務省原案が内示されるのは、大体今頃だよ。
 研一君は、スケジュールを知っているかね?
【研一】
 えーと、8月末に、各省庁が概算要求というのを財務省に提出して、その後、9月から100日以上かけて査定し、そして毎年12月下旬に財務省原案が出来上がるんですよね。で、その後は、何かちょっと政府内で調整して、国会に提出しているんじゃないですか。


【中洲先生】
 大体そんなところだけど、財務省原案が各省に内示され、それに対し各省は、復活折衝というのをやる。
【佳子】
 復活折衝って?
【研一】
 財務省原案で認められなかった予算を、もう一度各省が付けてくれとお願いするんですよね、先生。
【中洲先生】
 そうそう。その後政府案が閣議決定され、国会に提出され、年明けから始まる通常国会で審議されることになる。予算は、新年度に間に合わせないと行けないから、優先的に審議されることになる。大体2月中には衆議院を通過するんだよ。で、そうなると政府関係者は安心できるんだ。


【佳子】
 先生、だけど、参議院も通過しなければいけないんでしょ。
【中洲先生】
 そりゃそうだけど、予算は、法律と違い、衆議院を通過すれば、参議院で審議されなくても、30日経てば自動的に成立することになっている。だから、とりあえず衆議院を通過すれば一安心というのが本音だ。
【佳子】
 話を聞いていると、1年間のスケジュールがびしっと決まっていて、それに従ってやっているという感じね。
 ところで、予算の査定と言うのは、がんがん削っちゃうんですか。


【研一】
 そうでもないみたいだよ。あんまり削りすぎると予算が小さくなりすぎるので、財務省自身も困ってしまう。
【佳子】
 そこんとこがよく分かんないですね。査定すると言いながら、落としどころというか、着地点は想定しているのよね。何か不純じゃない。
【中洲先生】
 予算はとても規模が大きく、国の経済全体に与える影響が大きい。不況の時には、予算規模を大きくし景気を刺激し、逆に好況の時には予算を抑え、景気を冷やすことが一応基本だからね。だから、予算規模は、前年に対し何パーセントの伸びか、或いは減かというのが当初から大体想定されているんだよ。


【佳子】
 確かに、マクロ経済に影響を与えるということから考えると、予算規模を幾らにするかというのは大切ですよね。でも、最初から、規模が想定されいるんだったら、3ヶ月も4ヶ月も必要ないんじゃないのかな。
【研一】
 でも、一応規模がある程度決まっているとしても中身が立派じゃないと税金が生きないから、時間をかけて査定しているんじゃないかな。


【中洲先生】
 研一君の言うこともそのとおりだし、佳子君の指摘も鋭いね。ただ、誤解を恐れずに言うとね、予算というのはお金の取り合いという側面がある。そうすると、誰かが一人勝ちすると、日本のような社会ではもたないんだね。みんなの顔が立つように配慮しているんだよ。査定に長い時間をかけるのも、仮に予算が認められなかったとしても、3ヶ月も殆ど夜も寝ないような状態で頑張ったとすれば、諦めもつく。だけど、概算要求を提出して1週間も経たないうちに、予算は認めませんと結論が出てしまうと、格好がつかないし、悔しくもある。だから時間をかけている面もあるんだよ。もっとも、本当にお互い議論を尽くすために時間がかかるのもあるけど。

【佳子】
 復活折衝というのも、そうすると一つの工夫ですか?
【研一】
 最後に、各省庁の偉い人や大臣が登場して予算が認められれば有難味があるし、偉い人たちの格好も付く。仮に認められなかったとしても最善をつくしたからと諦めもつくということですか?
【中洲先生】
 二人とも大人だね。




では、銀行の合併について、始めます。


☆★☆★☆★
銀行の合併
☆★☆★☆★


【佳子】
 先生、銀行の合併がよく報道されてますね。
【中洲先生】
 そうだね。
【研一】
 銀行が合併するのは何故なんですか。
【佳子】
 やっぱり規模が大きい方がいいんですか? 小さな銀行だと競争に負けてしまうのかな。
【中洲先生】
 一言でいうのは難しいな。


【佳子】
 新聞でよく報道されるのは、経営状況がよくない銀行や信用金庫の合併だと思いますけど。
【中洲先生】
 現実には、そういうケースが多いよね。
【佳子】
 経営内容がよくない銀行同士が合併したって、経営が改善されるんですか?弱いもの同士が集まったって、強くはなれない気もしますが。
【研一】
 だから、普通、合併は弱い銀行を強い銀行が吸収するような形で行なわれるんじゃないのかな。


【佳子】
 でもね、強い銀行が弱い銀行を吸収するメリットって何かあるの?
【研一】
 そう改まって聞かれると困るけど、例えば、合併することによって、資金規模が1兆円を超えたとか3兆円を超えたとかいうと、凄いという気がするけど。
【佳子】
 確かに、規模が大きいということは、支店の数も多いし、職員数だって多いから、大企業って感じがしてくるよね。でもね、大きい銀行の方が儲かるものなの?
【研一】
 そりゃ、規模のでかい銀行の方が、給料だって段違いに高いよ。給料が高いということは、それだけ儲かっているということなのさ。
【佳子】
 だけど、バブル崩壊以降破綻した銀行には、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、北海道拓殖銀行のように大銀行といわれた銀行があるよね。信用組合なんかの中にも破綻したのはあったけど、大銀行だから大丈夫というわけでもなかったんじゃないの。
【研一】
 そう言われりゃ、そうだね。


【佳子】
 それに、財閥系の銀行が沢山合併し、昔のままの名前の銀行は珍しいくらいになっちゃったけど、地方銀行なんかの多くは、昔のままの名前で残っているよね。
【研一】
 大手銀行と地方銀行、それに第二地方銀行、或いは信用金庫なんかでは、経営をとりまく環境が随分違うのかな。
【佳子】
 先生、どうなんですか?
【中洲先生】
 じゃ、規模の大小と収益力の関係から考えてみようね。
 研一君、銀行はどうやって儲けているのかな。
【研一】
 先生、嫌だな。もう少し難しい質問にして下さいよ。銀行は、皆からお金を預金として集め、その集めたお金を企業や個人に貸付け、利息を貰う。ところが、銀行が払う預金利息より受け取る貸し出し利息の方が高いので儲けているんでしょ。


【佳子】
 他にも、送金をしたりしてあげて為替手数料を稼ぐようなこともあるよね。それに、国債や株でも運用しているんじゃないかな。それから、証券の仲介業を始めたとかいうこともニュースになっていたし、保険の仕事も近いうちに始まりそうなんじゃないのかな。
【中洲先生】
 そうだね。銀行の仕事って単純そうに見えて、近年その内容が拡大してきているんだよね。だけど、そうは言っても、柱となっているのは、お金を集めて貸し出しをすることだ。研一君のいうとおり。
 では、貸出業務について考えてみようね。
 今度は佳子君、貸出をするのに、大きな銀行と小さな銀行で有利な点とか不利な点が出てくるかな?


【佳子】
 銀行が預金者に支払う利息というのは、今は普通預金だったら0.001%、1年ものの定期でも0.03%位じゃなかったかな。で、預金金利って、どこの銀行でも殆ど同じですよね。ということは、預金利息だけ考えると規模の大小は関係ないことになりますね。
【中洲先生】
 本当に低いね。仮に1000万円預金を持っていたとして、1年定期に預けていた場合の金利は幾らになるのか、直ぐ分かるかな。
【研一】
 簡単ですよ。1,000万円掛ける0.03%ですよね、はい、3000円ですね。仮に1%の金利なら、1,000万円の1/100で10万円、0.1%なら1/1,000で1万円、0.01%なら1/10,000だから1,000円。間違いないでしょ。
ちなみに普通預金だったら、0.001%で、1/100,000ということだから、100円ということになりますね。1回現金自動支払機を利用するとすっ飛んじゃう計算だ。


【中洲先生】
 貸出金利はどうかな、研一君。
【研一】
 貸出にも、事業者に対する貸出と私たちみたいな個人に対するローンがありますよね。普通の事業者向けの貸出だと、幾らぐらいなんですかね、2-3%程度なんですかね。
いずれにしても随分下がっていますよね。
【中洲先生】
 銀行の規模と貸出金利の水準に何か関係があると思う?
【研一】
 大銀行が融資している先は、大企業が多いし、信用金庫などの融資先は中小企業が多そうだから、大銀行の貸出金利が低いのでしょうか。
【中洲先生】
 大体そのとおりだね。細かな数字を見てみようね。
 2004年9月時点での貸出金利だけど、次のようになっているよ。


<新規分>
都市銀行      1.507%
地方銀行      1.723%
第二地方銀行   2.290%
信用金庫      2.464%


【研一】
 随分差がありますね。
【佳子】
 先生、そうすると金融機関は払うべき預金利息は殆どゼロに等しいようなものなのに、貸出金利は結構取っているんですね。しかも、規模によって相当貸出金利に幅がありますね。
 あれ、変ですね。第二地方銀行や信用金庫は2%を超える貸出金利をとっているということは、規模の小さい銀行や信用金庫の方が儲けているということですか。
【研一】
 あれっ、変だな。そうしたら大銀行は儲からなくなっちゃうね。
【中洲先生】
 二人とも忘れていることがあるよ。


次回に続く。


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経済ニュースゼミ(第15号、2004,12,24)
 みなさん、こんにちは Seijiです。
 アメリカ、日本とも、株式市場は、クリスマスシーズンで閑散な状況かと思っていたら、逆に活況を呈しています。日本の株は出遅れ感があるからということで買いが入っているらしいですが、株価の動きを予想するのは本当に難しいものです。後から理屈を付けるのであれば、どれだけでももっともらしく説明するのは可能ですが。

 では、「銀行の合併」について、前回の続きを行ないます。


☆☆☆☆☆
銀行の合併
★★★★★


【佳子】
 先生、忘れていることって?
【中洲先生】
 研一君は、貸出金利から預金金利を引いたのが儲けだとさっき言いましたよね。それ本当?
 何か他にも差っぴくものがあるんじゃないの?
【佳子】
 銀行は、お金を集めたり融資をするために沢山の行員さんを雇っているので、その人たちにお給料を払っていますが、その分も差し引くと言うことですか?
【研一】
 それなら、人件費以外に物件費も差し引く必要がありますよね。銀行の店舗を賃借しているとか、その他通信費、輸送費、コンピュータの維持費、沢山ありますね。
【中洲先生】
 そうそう。それらも考慮しないといけないね。


【研一】
 引き算をするというと、貸出金利息収入から預金利息支払い額を引いて、さらに経費を引くということですか?
【中洲先生】
 まあ、そういうことになるね。
【研一】
 そうすると実額で計算するということですね。利鞘では表されないのですか。
【中洲先生】
 もちろんできるよ。

【佳子】
 研一君、何を知りたいの?
【研一】
 貸出金利回りから預金利回りを引いたのが、収益力を示す一つの材料になりえるよね。単純にその鞘の大小で、収益力が推測できる。だけど、そこには人件費や物件費が含まれていなかった。ところが、そうした人件費や物件費は実額で示されるのだろう。利息収入から支払い利息と経費を足したものを引いても、結局実額で示されるだけで、収益力が大きいのかどうか分かりにくい。だから、経費も含めて利鞘が示されると、簡単に比較が可能になるかと思ったんだよ。
【佳子】
 凄い、凄い!


【研一】
 先生、どうやったら、利鞘の計算が可能になるんですか?
【中洲先生】
 先ずは、預貸金利鞘だけどね。
 貸出金利回り−(預金利回り+経費率)となるんだよ。
 で、経費率だけど、(人件費+物件費)を預金総額で除した数値となるんだよ。
【研一】
 経費率は、預金1単位に対する人件費と物件費の比率の事ですね。
【中洲先生】
 そうそう、呑み込みが早いね。


【佳子】
 銀行からすれば、利息も人件費も物件費も、支払う必要のある費用と言う意味では同じだから、同列に扱う訳ということなのかな。
【中洲先生】
 まあ、そういうことですね。
【佳子】
 で、結局その預貸金利鞘の状況は、銀行の規模と何か関係してくるんですか?
【研一】
 ちょっと、待って!
 僕に答えさせて。
【佳子】
 研一君、答えわかんの?
【研一】
 いや、分かっているわけじゃないけど、大規模な銀行の方が収益力があるはずだから、預貸金利鞘は、規模に比例する傾向にあるんじゃないかと思うんだ。


【佳子】
 ちょっと待ってね。ということは、貸出金利は、規模が小さいほど高かったのに、預貸金利鞘は、規模の大きい銀行が大きいということは、結局、大規模な銀行は、経費率が格段に低いっていうこと?
【中洲先生】
 二人ともいいセンスをしているね。
 だけど、結論を急がず少しずつ進めようね。
 預貸金利鞘の大きさは、あまり銀行の規模とは関係ないと考えた方がよさそうだよ。むしろ、目標となる利鞘を想定して、貸出金の金利を幾らにするかというのを逆算して定めているというのが実態に近いのじゃないかと思うけど。いずれにしても、利鞘がマイナスだと、大変なことになるので、マイナスにならないように皆努力しているね。
【佳子】
 先生、仮に大規模な銀行と小規模な銀行の預貸金利鞘がともに0.5%の水準としたらですね、やっぱり、大規模の銀行の経費率は、小規模銀行の経費率よりも相当低いということですよね。
【中洲先生】
 卓球!
【研一】
 あっ、ピンポンですね。佳子ちゃん、正解らしいよ。
【佳子】
 えっへん。


以下、次回に続く。
■お勧め
 この経済ニュースゼミは、1回ごとの内容はそれほど多くないため、時々全体の話の動きがつかみにくくなることがあるかも知れません。そういう場合には、最初からもう一度通して読み直してみて下さい。きっと新たな発見があるかと思います。
 疑問があって、どうしても理解しづらい部分がありましたら、質問のメールでもお寄せ下さい。
 メールの宛先は、cute@columnist-seiji.com です。


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 今のところ応募者ゼロです。

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経済ニュースゼミ(第16号、2004,12,27)
みなさん、こんにちは、Seijiです。
 今年の発行は、本日で最後になりますが、いつもご愛読ありがとうございます。

 ところで、津波の被害のニュースが入ってきて、世界中が驚愕しているようです。なにしろマグニチュードが9.0とかで被害者が多数に上っています。
 なくなられた方のご冥福をお祈りしたいと思います。

 それにしても、CNNなどのニュースでも、外国人の発音する「ツナミ」の言葉だけがくっきりと聞こえ、「tsunami」が英語になっていたことを再認識させられます。

 さて、今年の最後なので、本題に入る前に、今年の経済ニュースで印象に残っているものを上げておきます。


<2004年経済ニュースベスト10>

1.  ダイエーの産業再生機構行き
2.  UFJと東京三菱銀行との合併騒動
3.  UFJの検査忌避に対する刑事告訴
4.  原油の高騰
5.  ドル安の進行
6.  不良債権問題が山を越す
7.  鋼材の不足(日産等が操業休止)
8.  企業業績の回復
9.  世界的な株価の上昇
10. 量的緩和政策の維持


 皆さんは、どんなニュースが一番印象に残っていますか。

 では、「銀行の合併」を続けましょう。
☆☆☆☆☆☆
銀行の合併
★★★★★★



【研一】
 だけど、どうして規模が大きくなると経費率が小さくなるのですか。やっぱり規模の大きい銀行はリストラが進んでいるからですか?
【中洲】
 アバウトな数字だけど、大規模な銀行の経費率は、1%前後、それが規模が小さくなるに従って、経費率は大きくなり、小規模な信用金庫などでは2%を超えるところも出てくる。
【佳子】
 そうすると、預金利回りは規模と関りなくほぼ同一水準。一方、貸出金利は大きい規模ほど金利が低く、大手銀行と信用金庫では、その乖離幅は1%程度もあるということですね。でも、経費率は、大規模な銀行ほど低い。大手銀行と信用金庫では、その乖離幅はこれも1%程度ということですね。


【研一】
 大規模な銀行も小さな信用金庫も収益力にあまり差がないということですか? だけど、どうして規模が大きい銀行の経費率は低いのですかね?
【中洲先生】
 それはね、大規模銀行は、大企業とかとお付き合いが多いでしょう。そうすると、お客さんが預金するにしても桁が違うんだよ。一方、零細企業とか個人がメインの信用金庫などは、お客さんがしてくれる一件当たりの預金が、比較的小額だ。結局、大規模銀行ほど効率的に預金を集めることができるんだ。


【佳子】
 1人当たりの預金でどの位の違いがあるんですか?
【中洲先生】
 アバウトな数字だけど、大手銀行だと一人当たり20億円程度、地銀クラスで、10億円を超える程度。信用金庫だと7億円位かな。


【研一】
 経費率は、預金1単位に対する経費の割合でしたよね。仮に大手銀行と信用金庫の給与水準が同じだとすると、大手銀行の人件費率は信用金庫の1/3位になる計算ですよね。ただ、大手銀行の給与水準は信用金庫に比べたら相当高いから、そこまで人件費率が開くことはないにしても、やっぱり大手銀行の経費率が低くなる訳だ。
【佳子】
 先生、質問。
【中洲先生】
 どうぞ、佳子君。


【佳子】
 結局、大手銀行の経費率が低いのは、1人当たり預金でみて、より多くの預金を集めることができるからでしょ。それなら、小さな信用金庫だって、超有名になって、お金持ちをどんどん見つけてきて、一人当たりの預金を沢山集めれば、信用金庫としての規模が大きくなくたって、収益力が上がるってことじゃないんですか?
【研一】
 佳子ちゃん、すごい!
【中洲先生】
 佳子ちゃんのいうとおり。ただ、問題はどうやって、効率的に預金を集めることができるかだ。財閥系の銀行は、グループの企業が黙っていても沢山預金をしてくれる。しかし、個人とか零細企業のウエイトの高い信用金庫がどれだけ頑張ってもという問題もある。


【佳子】
 一人で7億円位集めているのを、3倍頑張って、20億円位預金集めればいいんでしょ。信用金庫に美人ばっかりやとったらどうかな。
【研一】
 預金金利を上乗せしたらどうかな?
【佳子】
 預金金利を上乗せしたら、それによって預金が沢山集まれば、経費率は下がるでしょうけど、預金利回り自体が上がるから、結局、預金原価率を下げれないのじゃないかな。


【研一】
 どこの信用金庫も預金金利を上げるようになったら、競争になってしまい、預金を集める効果も限られるかもしれないけど、今は、1年定期預金でも0.03%という超低率だよね。これをね、1%まで上げのはやりすぎだとしても、例えば、0.5%の金利を付けてあげるとね、凄い宣伝効果になって、けっこうを預金が集まってきて、1人当たり20億円という大規模銀行並みになるのもそう難しくないはずだよ。
【中洲先生】
 するどいね。確かに、1人当たり20億円も預金を集めることができれば、経費率は1%を下回るのは確実だね。何故って、もともと人件費は大銀行より相当低い。その上で、大銀行と同じくらい一人当たり預金を集めることができるんだからね。


【研一】
 それに、預金利回りは引き上げ分は0.5%にとどまるから、預金原価率でみると、むしろ0.5ポイント以上の引下げが可能ということになるでしょう。そうすると、その0.5%分利鞘が拡大するということですよね。
【佳子】
 だけど、そんなにおいしい話だったら、もう皆やっているはずじゃないのかな。
【中洲先生】
 そういう行動に出ている金融機関は、あるにはあるけど、今のところ極めて少ない。その理由はいろいろあると思うけど‥。


【研一】
 横並び思考が強いから、皆と同じことしかやらないんでしょうか?
【中洲先生】
 それもあるだろうね。
【研一】
 今なかなか優良な企業がお金を借りようとしないので、折角預金を集めてきても、運用に困っている銀行や信用金庫が多いと聞きました。だから、そもそも預金をもっと集めようという発想がなくなっているんじゃないですか?
【中洲先生】
 私も最大の理由はそこにあると思うよ。特に小規模な金融機関はそうじゃないかと思う。


【佳子】
 大規模な銀行は少し違うことを考えているんですか。
【中洲先生】
 大規模な銀行はもともと経費率が低いので、預金をもっと集めることによって経費率を下げるという発想が弱いんじゃないかと思うよ。勿論リストラには積極的だから、経費の削減は至上命題だが、それは預金を増やすこととリンクしてはいない。それに、預金を集める方法として、金利を上乗せする方法ととると、結局銀行間の過当競争になるだけで、全体のパイが増えるわけではないので、効果が限られていると考えているんじゃないかな。



以下、次回に続く。


◆おまけの話
 来年の経済について、日経新聞がエコノミストにアンケートをとった結果を報告しています。それによると、2005年度の日本のGDPの実質成長率は、平均1.7%、来年11月末の日経平均は12,344円、同じく11月末の為替は、103円43銭となっています。

 この手の予想を過去何度か観察していますが、どうしても現状からの延長線上に将来の姿を予想する性癖があるらしく、大方の予想が全く外れることも珍しくありません。

 私自身は、今年前半の時点で、年末にかけての長期金利の上昇を予想していましたが、全く外れてしまいました。ただ、その根拠としては、景気回復を想定していたので
すが、そちらの方は、それほど外れなかったと解釈しています。

 さて、「経済ニュースゼミ」では来年3月末時点でも円相場を当てる、円相場予想コンテストをやっています。誰でも無料で参加できます。的中するか一番近かった人には図書券を差し上げます。興味があれば参加して下さい。

 今のところ応募者お一人です。

応募要領は、
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経済ニュースゼミ(第17号、2005,1,5)
 みなさん、明けましておめでとうございます。Seijiです。
 年末、年始どのようにお過ごしになられましたでしょうか。

 では、早速、経済ニュースゼミを再開したいと思います。



<本日のメニュー>
1.年末年始の気になる経済ニュース
2.主要トップ念頭挨拶
3.「銀行の合併」
4.編集後記


<年末年始の気になる経済ニュース>
・「日本経済2005年への視点(株価と経営)」(日経新聞、12月29日)

 信越化学工業の金川社長が、「米ドルの大幅下落がありうる」、「日本のゼロ金利政策がいつまでも続けられない」、「この割安感を手がかりに、来年は世界の資金が日本株に集中する気がする」と発言。

・「大機小機 なぜ急ぐ金融コングロマリット化」(日経新聞、12月29日)

 金融改革プログラムが発表されたが、その内容は「現下の金融界の動きを追認する総花的なものになっており、メリハリを欠く」、「銀行、証券、保険会社間での横断的な再編を促進し、金融機関の総合化をもくろむ新法制は、米国におけるシティグループの登場などに刺激を受けたのは明らかであり、世界に伍する強大な総合金融機関を日本にも誕生させたい、という役所の20世紀的発想が見え隠れする」と論評。

・「日本経済2005年への視点(米中景気)」(日経新聞、12月30日)

 L.マイヤー元FRB理事が、「(米国の経済について)実質成長率は4%近い水準になるだろう」、「来年中の利上げは、0.25%ずつ計5回で、FF金利は3.5%まで上昇すると予測している」、「(人民元の切り上げについて)2005年1−3月期に為替制度が変更されるとの観測が出ている」と発言。

・「大機小機 金融制度改革の夢は幻想か」(日経新聞、12月31日)

「銀行、証券、保険の金融事業はおろか、事業会社との兼営を認める何でもありの金融制度は世界に例を見ない」、「流通チャンネル論に偏した金融制度の改変はまともな歴史認識と健全な常識に合致しているとは思えない」と論評。

・「堤前会長違法性認識か 鉄道株「過少」報告前の昨年5月」(朝日新聞、1月1日)

・「市場過信は危機招く ポールクルーグマン」(朝日新聞、1月1日)

 ポールクルーグマンが、朝日とのインタビューで「世界は今歴史上でも経験したことのない巨大な不均衡のなかにある。その象徴が米国の巨額経常赤字だ」、「今世界で起きていることは1920年代の大恐慌前夜に似ている。そうした事態を起こさないための道を探していく必要がある」、「アジア域内の重心は徐々に変化していく。現在は日本と中国は対等の立場だが、10年後にはアジアの経済の中心は中国で、日本は格下のパートナーになるのではないか」と発言。

・「景気、株価 経営者・有識者40人に聞く」(日経新聞、1月3日)

「実質GDPは、平均で1.15%で、政府見通しの1.6%を下回った」、「為替は、現在の円高・ドル安傾向が続くとの見方が大勢。1年を通じて回答者が予測した相場のレンジは95円から115円までと広いが、ほぼ半数の回答者は100円程度まで上昇する可能性があるとみる」

・「国際経済を読む 成長持続 軟着陸探る」(日経新聞、1月3日)
「連邦準備理事会(FRB)は潜在成長力とされる3%台半ばの成長を目標に、緩やかな利上げを続ける構えだ」、「米エコノミストの実質成長率の予測平均値は昨年の4%台半ばに対し、今年は3%台半ば。経済が潜在成長力で拡大すればインフレの心配もない」

・「今年の経済を占うと‥ 攻めの統合加速 ドル安も焦点に」(日経新聞、1月4日)

1月20日、ブッシュ米大統領2期目就任式
1月30日、イラク国民議会選挙
2月上旬、7カ国財務相、中央銀行総裁会議
2月16日、温暖化防止のための京都議定書発効
3月、郵政民営化法案の国会提出、ダイエーのスポンサー決定
4月1日、ペイオフ全面解禁、減損会計の強制適用開始、日メキシコ経済連携協定が発効
 


・「世界システム再構築 米経済は間違った方向に P.サミュエルソン」(日経新聞、1月4日)

「米連邦準備理事会(FRB)は4−6%とみられる中立水準まで利上げを続けるだろう」、「ドル暴落の危機が2005年に起きるとは思わないが、ドル資産の保有を増やすのには限界があるという恐れは合理的に見える」、「ブッシュ大統領は財政赤字を半減させると強調するが、私は信用していない」と発言。

 

<主要トップの念頭あいさつ>
  キーワードは、「成長」、「人材」、「海外」のようです。

 ちなみに、小泉今日子さんのあいさつは、
「東京は、とっても良いお天気。元旦に相応しい晴れ晴れしさです。今日の天気のように、みんなの毎日が晴れ晴れしいものになりますように☆世界中に明るく楽しい出来事がたくさんありますように☆我が家の食いしん坊万歳「小雨嬢」がダイエット出来ますように☆願いは尽きません」


☆☆☆☆☆☆
銀行の合併
★★★★★★

【佳子】
 この前の話ですが‥
【中洲先生】
 何だったっけ?
【佳子】
 預金金利を上乗せして、預金を沢山集め、その結果経費率を落とし、そしてそれで預金原価率を落とし、そして最終的に利鞘を拡大するという話‥。
【中洲先生】
 はいはい。それがどうかしました?
【佳子】
 銀行業界全体でそういう動きに出ると、全体の預金量というパイが仮に一定だとすると、金利上乗せ分だけ預金原価率が上がるだけのことではないですか?
【中州先生】
そうだろうね。


【佳子】
 小さな規模の金融機関が、皆がそういう行動に出る前に、自分だけ金利を引き上げると、どんな結果になるのかな。
【中洲先生】
 金利上乗せの結果、高い金利を付けた信用金庫に預金が流れてくるとするよね。で、その資金の源は、同じ地域のよその金融機関だったとする。そうすると、よその金融機関の預金がその分減少し、その金融機関の経費率は上昇しちゃうよね。だから、地域全体としては、メリットだけではないね。ただ、努力したところが強くなり、何もしないところは弱くなるとは言えるね。
【佳子】
 やっぱり、何かをしなくてはいけないのね。
【研一】
 何かをしなくてはいけないので、合併ということも考えるんですか、先生?
【佳子】
 でも、利鞘から言えば、必ずしも銀行の規模とは比例関係にないということだったですよね。そうすると合併して大きくなる積極的理由はないんじゃないかしら。


【研一】
 でも、大きな銀行は経費率が低いというのは事実だからね。その分は確実に有利だ。
 仮に、どうしても取引をしたい優良企業があったとして、経費率が低ければ低いほど、安い貸出金利を提供できる。そこが最大の武器だ。
 だから、ブランドの問題以外に、経費率がネックとなるんだ。経費率の高い信用金庫は、もともと大銀行とは太刀打ちできないんだよ。
【中洲先生】
 まさにそのとおり。経費率が自然に低くなるところに大銀行の力がある。だから、生き残りを掛けるために、少しでも大きな規模になろうとする力が働くのだろうね。
【佳子】
 先生は、銀行の合併を推進するですか?
【中洲先生】
 推進するわけではないよ。ただ、大規模になると、預金を集める力が大きくなり、自然と経費率が低くなる傾向があると言っているんだよ。
 逆に言えば、合併しても、経費率が下がらないと何の意味もない。


【佳子】
 合併したら、規模が大きくなるんでしょ。で、規模が大きくなるにつれ、経費率が下がる傾向があったと先生言いましたよね。なのに、合併して経費率が下がらない場合とはどういうことですか?
【研一】
 先生、僕に答えさせて。
 それは、合併しても、支店の統廃合に手をつけず、また、行員さんもリストラしない場合じゃないかな。
 仮にどちらの銀行も一人当たりの預金量が10億円だったとするよね。で、合併して一銀行としての規模が大きくなったとする。しかし、何にも手をつけない訳だから、一人当たりの預金量は10億円のままだよね。
 ところが、似たような場所にある店を統廃合するなどして結果的に行員数を下げることが出来れば、その分一人当たりの預金量が増えるのでその意味で経費率が下がる。それに、お店を整理して経費削減ができれば、その意味でも経費率が下がるということだと思います。
【中洲先生】
 そのとおりだね。そういう努力が不可欠なんだよ。
【佳子】
 なるほどね。だんだん理解できてきた気がします。
 で、そういう努力を伴えば、合併の効果が表れるのね。じゃあ、やっぱり、金融機関は合併すべきなんじゃないかということになりますね。


【中洲先生】
 経営学の教科書流に考えれば、そういうことになりますよね。ところが、そういうオーソドックスな形での合併は意外と少ないんだよ。
【研一】
 すると止むに止まれぬ合併ですか?
【中洲先生】
 そうだね。大体、他に選択肢がなくなって、破綻を回避するために合併したようなケースが多いですね。
【佳子】
 さっきの話だと、合併して効率化を進めれば、収益力が増すのでしょ。どうして、そういう普通の合併が少ないのですか?
【中洲先生】
 市町村合併でももめるでしょ。
【佳子】
 うん、もめる、もめる。でも、あれは合併しても今までどおり市長さんでいたいとか、市役所を移されるのがいやだとか、そういう理由があるからでしょ。


【研一】
 銀行だって、頭取でいたいとか、重役のままでいたいとか、あるでしょ。
【中洲先生】
 それにね、大銀行は全国展開だから事情が違うけど、地方銀行とか信用金庫はね、その本拠地というか営業の基盤となる地域があるよね。だから、合併を考えるにしても、全国の遠く離れた銀行や信用金庫と一緒になることは普通はない。たいてい、同じ県内の金融機関か、隣接した金融機関同士での合併だ。ところが、そういう金融機関は‥
【佳子】
 分かった。言わせて!
 仲悪いのよね。凄く競争しあって、ライバル意識があるから。だから、合併というより、あそことだけは一緒になりたくはないというケースが多い。
【中洲先生】
 そのとおり。
【研一】
 それに、合併したら、頭取を退いたり、理事長を退いたりしなければいけなくなる。それに経営内容が悪いと、それまでの失敗がばれてしまうことも恐い。
【佳子】
 じゃあ、合併は普通はなかなか起こりえないんだ。
【中洲先生】
 普通はそうなんだ。


【佳子】
 でも、合併は起こっているんですよね。それはどういうことですか。
【研一】
 止むに止まれぬ合併。
【佳子】
 でも、ライバル意識が強くて、行員さんたちも合併に反対だし、トップだって、ポストを失うかもしれないので合併したくないんでしょ。
【研一】
 だから、止むに止まれぬっていうやつ。ラストリゾート。合併しないと、金融機関が持たないっていう場合。
【中洲先生】
 金融機関が破綻すると大変な騒ぎになるからね。最近の事例だと、りそな銀行や足利銀行でも大騒ぎだったしね。当局は、可能な限り破綻させたくない。それに、金融機関の方でも、破綻したら退職金がもらえないどころか、過去の不良債権問題などの処理や粉飾決算がらみで裁判沙汰になることさえありえる。ところが、合併すれば、そういう最悪な事態だけは避けられる。それに融資先にも迷惑を掛けずにすむ。
【佳子】
 先生、最初の日の話に戻ってきたような感じだよ。

以下、次回に続く。



=====
編集後記
=====
 昨日、街を歩いていたら、あいさつ回りと思われる黒塗りの車やサラリーマンのグループに遭遇しました。また、1年が動き始めましたね。
 ところで、普段の生活に戻るということは、お節料理から普通の食生活に戻ることを意味します。「お節もいいけどカレーライスもね!」とでもなるのでしょうか。
 私の場合は、昨日のお昼はラーメンでした。生煮えっぽい固めんが苦手な私ですが、ラーメンを注文して、ぼーっとしていたら、外人さんが一人がラーメン屋さんに入ってきました。
 ハワイやオーストラリアの観光地でも昔からラーメン屋さんがありますが、そういう店に外人が入っているのは今まで見たことがありません。日本のラーメン屋さんではなおさらです。そういうことで、珍しくもあり、その外人さんを観察していました。
 「ラーメンと餃子」と日本語で注文したみたいでした。へー、私の好みのメニューだと思いながら、見ていました。暫くして料理が運ばれてきて、食べ始めました。普通に箸を使っています。しかし、しばらくして麺が少なくなってくると、箸をグルグルとどんぶりの中で回し始めました。そして、麺を絡めています。「スパゲティじゃないぞ!」と言いたくなりましたが、ぐっとこらえて観ていました。
 私の隣のテーブルでは、2人の女子高校生がラーメンを食べていました。

 こうして私の日常が始まりました。

 皆さん、今年もよろしくお願いします。






経済ニュースゼミ(第18号、2005,1,7)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 正月気分はもうふっとびましたか。

 では、早速、経済ニュースゼミを再開したいと思います。

 <本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.インド洋大津波被災国支援緊急首脳会議
3.「銀行の合併」
4.編集後記
<気になる経済ニュース>
■インド洋大津波緊急首脳会議関係

・「救援の枠組み違い鮮明 米 6ヶ国主導提唱」(朝日新聞、1月6日)
 中核グループ構想は、地震・津波発生3日後の12月29日、ブッシュ米大統領が公表。米国が当初表明した支援額は1500万ドルであったが、批判が渦巻き、31日には、3億5千万ドルに増加。

・「資金援助 豪、最大の7.6億ドル」(日経新聞、1月6日)

   オーストラリア  7億65百万ドル(10億豪ドル)
   ドイツ      6億65百万ドル
   日本       5億ドル
   米国       3億5千万ドル
   世界銀行     2億5千万ドル
   ノルウェー    1億8190万ドル
   英国       数億ドル
   イタリア      95百万ドル
   スェーデン       80百万ドル
   デンマーク     7683万ドル
   スペイン        6802万ドル
   フランス      6638万ドル
   カナダ       6600万ドル
   中国        6042万ドル
   韓国        5000万ドル
   北朝鮮         15万ドル

・「寄付が殺到 募金を中止 国境なき医師団」
  緊急支援を支えるのに十分は4200万ユーロ(約59億円)があっという間に集まった。

・「債務削減は不適切 財務相会見 支払猶予で支援」(日経新聞、1月6日)

・「IMF、10億ドル緊急融資」(日経新聞、1月6日夕刊)
   IMFのラト専務理事は、被災地域に総額10億ドルの緊急融資を実施する意向を表明。自然災害緊急融資制度を活用。

・「支援50億ドル 国連主導 インド洋大津波首脳会議」(日経新聞、1月7日)
  国連が半年内に必要とした支援額 合計9億77百万ドル

・「支援外交 思惑が交錯」(日経新聞、1月7日)
  「参加国の意見が最も激しく対立したのは、国連が「特別基金」を設置し、復旧・復興を一元管理  する案」。結局パウエル国務長官がコアグループの解散を表明し、会議はなんとか国連主導の原則  でまとまった。

・「松井秀選手が5000万円寄付」(日経新聞、1月7日)





■「百貨店売上高 16年ぶり8兆円割れ」(日経新聞、1月5日)
 1988年以来16年ぶりに8兆円を割り込んだ。来年、コンビニに2位の座を奪われるかも。

■「米FOMC 12月の議事録発表 物価上昇リスク警戒」(日経新聞、1月5日)
 昨年12月14日に開いた公開市場委員会の議事録を公表。ドル相場の下落などによる物価上昇を警戒し、利上げを継続するべきだとの認識で一致していたことが判明。

■「日本車、海外で稼ぐ 米国シェア、昨年30%突破」(日経新聞、1月6日)
 日本車の米国での販売シェアが2004年、30.5%となり始めて30%を突破。一方米国のビッグスリーのシェアは、58.7%となり始めて6割を割り込んだ。

■「第3ビール攻防激化へ 今年夏までにアサヒが参入」(朝日新聞、1月7日)

■「貿易保険、民間に開放」(朝日新聞、1月7日)
 先進国向けで契約期間が2年未満の保険に限って開放する方針。


◆◆◆
インド洋大津波緊急首脳会議


【佳子】
 今回のインド洋大津波の被害は途方もないですね。
【研一】
 どんどん死者数が増えていったよね。それに伴い、先進国側の支援の姿勢にも大きな変化がみられたし。
【佳子】
 今回、小泉首相もジャカルタに行き会議に参加したようですが、何か特徴みたいなものがあるんですか。
【中洲先生】
 いくつもあるね。
【佳子】
 教えてください。
【研一】
 新聞読んできたので、僕に先ず答えさせて。
【佳子】
 いいよ。


【研一】
 各国から集まった支援金を誰が管理するかというので、もめたんですよね。アメリカは、国連が中心になるのではなく、アメリカ、日本、オーストラリア、インド等がコアグループを作って、主導権を握ろうとしたんでしょ。
【中洲先生】
 でも、最終的にパウエル国務長官がコアグループの解散を表明した。結果的に国連の顔を立てた。
【佳子】
 じゃあ、国連が各国から集まったお金の配分などを管理するのですか?
【中洲先生】
 そうでもない。特別基金を設置し国連が管理する案もあったが、直接二国間支援をしたいと言う国があって、結局基金設置は合意されなかった。


【佳子】
 へー、じゃ、玉虫色の決着だ。
 他には、何か特色はないんですか。
【研一】
 あるよ。オーストラリアが一番多額の資金援助を表明した。10億豪ドルというから、7.7億ドルだね。
【佳子】
 経済規模の小さなオーストラリアにしては頑張ったわよね。その次はどこなのかな。やっぱりアメリカ?
【研一】
 いや、アメリカは日本より少なかったと思う。確かドイツが2番で、次が日本。日本は5億ドルだ。
【佳子】
 世界で2位の経済規模の日本が、オーストラリアやドイツより少なくていいんですかね?
【中洲先生】
 金額は、確かにオーストラリアが7.7億ドルで日本が5億ドルだけど、日本の5億ドルは全て無償資金協力。全て差し上げるわけだ。それに対して、オーストラリアの資金援助は、融資も含まれている。それも今後5年間のトータルだ。
【佳子】
 じゃあ、断然日本の方が貢献しているんですね。
【中洲先生】
 昔の日本ならば、円借款を多額に供与したでしょうが、何か急に格好良くなった感じがするね。オーストラリアが昔の日本を真似したような格好だよ。


【佳子】
 ところで、経済がガンガン伸びている中国なんかはどうですか。
【中洲先生】
 中国も韓国も、それ相応に支援を表明しているよ。それに北朝鮮も少しだけど支援を表明した。少し驚きだね。
【研一】
 へー、そーなんですか。そんなところで仏心をだすのならば、拉致問題でも真摯な態度をとって欲しいですね。
【佳子】
 松井選手も寄付したんでしょ。5000万円だっけ。
【中洲先生】
 彼の人柄がしのばれますね。


【佳子】
 他になにかありますか。
【中洲先生】
 先生としては、IMFが支援を表明したのは少し驚きだった。しかも世界銀行の4倍の10億ドルだ。
【佳子】
 IMFが支援するとマズイのですか?
【中洲先生】
 マズイという訳じゃないけど、IMFは国際収支が悪化して外貨不足になった国を支援するのが中心的な役割だからね。復興支援といえば、やっぱり世界銀行の方が適して
いるようにも見えたんでね。
【研一】
 世界銀行は2.5億ドルしか支援しないんですか。
【中洲先生】
 支援表明額は2.5億ドルと聞いているけど、今後実際の復興事業が策定されるに従い支援額は増えていくと思うよ。それにアジア開発銀行だって支援すると思う。だって、それが彼らの大きな役割だからね。

以上




続いて、シリーズの「銀行の合併」です。
☆☆☆☆☆☆
銀行の合併
★★★★★★


【佳子】
 経営破たんしそうなところが、救済してもらうために合併する理由はよく分かります。でも、救済する側の理由が理解できないんです。
【中洲先生】
 私もよくわからないんだよ。昔は少し事情が違ったんだけどね。
【研一】
 どうだったんですか?
【中洲先生】
 そうだね、まだ預金金利の自由化が進む前の頃の話だけどね。昭和50年代頃までを想定して欲しい。銀行や信用金庫は、預金さえ集めてくれば、どれだけでも融資できたし、他の資金運用手段があった。だから、たやすく利益を上げることができたんだよ。
【佳子】
へー、そうだったんですか。


【中洲先生】
 日本経済が右肩上がりの成長を続けていたころだったから、お金の借り手の方が多かった。
【研一】
 じゃあ、預金さえ集めれば借りては幾らでもいたんですか?
【中洲先生】
 預金を集めることが最優先課題と言ってもよかった。そして、預金を集めるためにはその拠点となる店舗が必要だったんだけど、当時店舗の出店は認可制の時代。
【佳子】
 認可制というと、店を出店するのにお役所の認可が必用だったんですか。
【中洲先生】
 そうだよ。銀行は勝手に店を出せなかった。大蔵省の認可が必用だった。
【佳子】
 認可は直ぐもらえたのですか?
【中洲先生】
 とんでもない。どこの銀行でも店を沢山出したがった時代だから、大蔵省が各金融機関の利害調整をやっていたんだよ。
【佳子】
 じゃあ、支店の新設はなかなか認められなかったんですね。


【中洲先生】
 大体の目安があって、横並びで決められていた。ところが、合併となると、一遍に店の数が増えちゃうわけだ。
 少々痛んだ金融機関でも、吸収合併してしまえば、既存店舗を活用できるというメリットがあったし、その上、破綻しそうな金融機関を吸収合併してあげると、金融当局に感謝され、店舗認可で優遇してもらえるだろうと言う思惑もあったからね。


【佳子】
 へー、そんな時代があったんですか。
【研一】
 今や、店舗は閉鎖するのが当たり前みたいな時代になっちゃいましたよね。
【中洲先生】
 隔世の感があるね。昔は、銀行が駅前の一等地に店を出すのは当たり前で、銀行がどれだけでもお金を出して店舗用の土地を買いあさるんで、土地の値段が高騰すると言われたもんだ。
【研一】
 それが、合併効果を出すために、重複店舗を早く統廃合しなさいと言う時代になっちゃったんですよね。僕も、利用している銀行の店が廃止になって、不便になっちゃった。


【佳子】
 それはそうと。やっぱり、経営内容が悪化した金融機関を吸収する側には、積極的な理由はないんですか。
【中洲先生】
 さっきは、理由がわからないと言ったけど、一般論で言えば、相手方が極端に悪い内容でないという条件付での話だが、大きくなることへのあこがれみたいなもんかな。野望とでもいうような。
【研一】
 そういうもんですかね。
【中洲先生】
 あとはね、吸収する側も全く問題がない健全銀行という場合は少なく、大なり小なり問題があってだね、悪くなった銀行を吸収するに際して公的資金を投入してもらえるというような場合があるよね。実際はこのパターンが圧倒的に多いと思うけど。
【佳子】
 そういうもんですか。そう言われると理解しやすいな。


【中洲先生】
 地方銀行の中に、大手銀行よりも健全だと言われている銀行があるでしょ。そうした銀行は、近年合併などしていないよね。
【研一】
 地方でも、第二地銀は、合併の事例が多いですよね。あれは、やっぱり止むに止まれぬというケースですか。
【中洲先生】
 公的資金が入っているケースが多いから、そういうことでしょうね。


【佳子】
 大手銀行の合併はどうなんですか。UFJを巡って大騒ぎしましたよね。それに、今や昔の名前で出ている銀行は少なくなっていますけど。
【中洲先生】
 大手銀行も、不良債権の問題をかかえ、止むに止まれぬ事情があったのはそのとおり。幾つかの健全性が強いと言われている地銀のように、本当にびくともしなかったら少しは事情は違ったかもしれない。ただ、そうした事情に加え、世界的な傾向として銀行の統合が進んでいるので、国際的な競争力を保持するために先手を打つ必要があったという事情もあるよね。


【研一】
 信用金庫などはどうなんですか?
【中洲先生】
 信用金庫は、国際競争力は関係ないよね。
【佳子】
 やっぱり、止むに止まれぬってやつですか?
【中洲先生】
 信用金庫は、本当は違った視点で考えた方が理解しやすいだろうね。
【佳子】
 どういうことですか。
【研一】
 信用金庫は、株式会社ではなく、協同組織金融機関ということですか?


【中洲先生】
 そういうことだよ。そもそも銀行と信用金庫の違いというのを知っているかい。
【佳子】
 そう改まって聞かれると、よくわかんないわよね。あの遠藤久美子が宣伝している業界ですか?
【研一】
 あれは、信用組合じゃないのかな。しんくみと「えんくみ」とか言ったりして。
【佳子】
 信用金庫っていうと、入りやすいよね、お店に。本店に言っても、割と気さくな感じで話してくれるし。まあ、人柄はよさそうなんだけど、あんまりビジネスマンって感じはしないけどね。それに比べて、銀行の本店は、威厳があるよね。ちょっと近寄りがたいって感じ。悪く言うと慇懃無礼な感じもあるかなって。


【中洲先生】
 地方銀行と第二地方銀行はどうですか。
【佳子】
 どれが地方銀行で、どれが第二地方銀行か、分かんないとこもあるけど、昔相互銀行と言われてた銀行は、やっぱり、昔からの地方銀行とは雰囲気が違うという感じがしますね。相互銀行の方は、最近でこそ、預金集めに来なくなりましたけど、昔はもっと気さくな感じだったって、ママが言っていましたよ。



=====
編集後記
=====

 インド洋津波被災で、北朝鮮が支援を表明しているのを、我々日本人はどう評価していいのか迷いますよね。えっ、迷わないですか。
 それに、私としては、ワールドカップの予選で北朝鮮と試合をするのもどんなものかと思います。でも、試合を放棄するとワールドカップに行けないということになるので、サッカーファンの理解を得るのが難しいとは思いますが。

 インド洋津波被災に関しては、安保常任理事国の支援の額の少なさが気になりますよね。それにアメリカはやっぱりアメリカらしいスタンスだし。

 ところで、寒さも厳しくなるみたいですが、風のウイルスには気をつけて下さい。そしてコンピュータのウイルスにも気をつけて下さい。私、昨日今日と悪戦苦闘しました。

 では、また。

 高校サッカーを応援しましょう。来週10日は、休日に付き、このマガジンも休刊にします。





経済ニュースゼミ(第19号、2005,1,12)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 最近寒い日が続いています。日本海側では大雪の恐れがあるそうです。明日は冬型の気圧配置も少しは緩むみたいですが、風邪を引かないように注意して下さい。

 では、早速、経済ニュースゼミを再開したいと思います。

 <本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.国債の海外への売り込み
3.シリーズ「銀行の合併」
4.編集後記
<気になる経済ニュース>

■米雇用増15万7千人 12月 (日経新聞、1月8日)
 昨年12月に米雇用統計によると非農業部門の雇用者数は、前月より15万7千人増加。2004年の雇用者数の増加は、目標の260万人には及ばない223万1千人。
 「ブッシュ政権が発足した2001年1月から昨年末までの雇用者数は17万5千人減少。
 大統領の任期中の4年間に雇用者数が減ったのは、大恐慌時代のフーバー政権以来」とのこと。
 今年は雇用創出210万人を見込む。

■外銀、日銀離れじわり 当座預金維持に四苦八苦(日経新聞、1月8日)
 利息を受け取って円を調達できるマイナス金利が市場で発生しにくくなっていることが背景。

■定期性預金 5年で50兆円減(朝日新聞、1月9日)
 日銀の資金循環統計によると、昨年9月末の家計部門の金融資産残高は1411兆円。このうち定期性預金は533兆円で、前年比11兆円減。

■国債海外に売り込め 英米で説明会(朝日新聞、1月10日)
「財務省は、外国人に国債の保有を促す施策に本腰を入れる。今月に欧米で海外投資家向けの説明会を始めて開く」

<国債保有者の各国比較 海外保有分>
 日本:4.0% アメリカ:39.9% イギリス:12.2% ドイツ:40.3% フランス:26.2%

■米景気 成長持続へ正念場 3つのシナリオ(日経新聞、1月11日)

(1)3%台の安定成長(確率50%)
   雇用は昨年から緩やかに増え始め、消費も底堅く推移するとみる。
(2)3%を下回り急減速(確率30%)
   双子の赤字の懸念が高まり、ドル売りが加速し金利が上がる場合
(3)4%超の高成長(確率20%)
   原油価格が大きく下がる場合

■北米国際自動車ショー開幕(現地1月9日)
   GM 新燃料電池車を公開

■株式公開 2004年主幹事シェア(日経新聞、1月12日)
野村     37%
UBS      17%
日興シティ  13%
大和SMBC    9%

■景気一致指数 4ヶ月連続50%割れ(日経新聞、1月12日)

■ 個人の景況感 悪化 (日経新聞、1月12日)
 日銀が発表した2004年12月の「生活意識に関するアンケート調査」によると景況感指数はマイナス19.7前回調査に比べ9.3ポイント悪化。

 以上


 

<国債の海外への売り込み>

 朝日新聞の記事ですが、財務省が国債を売り込むために欧米で説明会を開催するとか。

 国債の発行残高が膨大になっており、借り換えのための国債の発行だけでも毎年相当な規模に上るため、いざと言うときに国債の消化に支障を来たさないような工夫をすることは望ましいと言えますが、海外の投資家が我が国の国債を多量に保有することには、重大な問題が潜んでいます。

 よく、国債を大量に発行することの弊害として、インフレが起こることとツケを子供や孫の世代に先送りするのかということが挙げられます。ただ、よく考えてみると、子や孫の世代は、借金を返済する債務を押し付けられると同時に、国債の利息や元本の償還を受ける債権も同時に引継ぎます。従って、プラスマイナスゼロとの考え方も成り立ちます。

 ところが、海外の投資家が多量の国債を保有するようになると事情が異なってきます。それは、将来の世代の借金返済の債務は小さくならないのに、国債の利息や元本の償還を受け取る債権は、小さくなってしまうからです。

 また、そうした問題以外に、海外の投資家が我が国の経済の命運を握ることにもつながってきます。

 海外の投資家に我が国の国債を売り込むことは、我が国の命運を売り込むことも意味するものだということを肝に銘じて欲しいものだと思います。


 



では、「銀行の合併」を再開します。
☆☆☆☆☆
銀行の合併
★★★★★


【研一】
 第二地方銀行は、昔は相互銀行だったんですね。
【中洲先生】
 そうそう。そして、その前は無尽会社。庶民が掛け金を積んで、必要なときに融資してもらうというシステムだったんだよ。だから、銀行からすれば、「格が違う」という感じだね。
【研一】
 先生は、そんなことを思っていたんですか?
 私が思うんじゃなく、銀行業界の方がそう思っていたんだよ。
【佳子】
 先生、その第二地銀ですけど、相互銀行から一斉に普通銀行に転換したって聞きましたけど。
【中洲先生】
 そうだよ。昭和63年に普通銀行に転換した。


【佳子】
 先生、地方銀行とか普通銀行とか、大手銀行とか都市銀行とかいろいろな呼び方があるんですね。
【中洲先生】
 もともと都市銀行とか地方銀行というのは、銀行法で言う普通銀行のことだけど、金融当局が、そのように使い分けしていたんだた。その方がなにかと便利だと言うことで。
【研一】
 どういうことですか?
【中洲先生】
 さっき、店舗の認可制度のことに少し触れたでしょ。店舗の認可に当たっても、都市銀行と地方銀行では活動のエリアが違うので、認可の基準も差を設けていたんだよ。ただ、法律上は、どちらも普通銀行。


【佳子】
 破綻しましたけど日本長期信用銀行とか日本債券銀行なんかも普通銀行だったんですか?
【中洲先生】
 あれはあれで長期信用銀行法というのがあって、法律上は別のものだ。普通銀行ではない。違いとしては、債券の発行が認められていた。
【佳子】
 ワリシンとかワリチョウとかいうやつですか?
【中洲先生】
 よく覚えているね。


【佳子】
 地銀と第二地銀という風に区別してますが、第二地銀は普通銀行なんですか?
【中洲先生】
 そうだよ。普通銀行。
【佳子】
 じゃ、どうして分けているんですか?
【中洲先生】
 第二地銀は、正式には第二地方銀行協会加盟行というのだよ。だけど、さっき言ったでしょ。地銀は、昔からのれっきとした銀行だっていう意識があるって。で、急に相互銀行が普通銀行になったからって、同じ仲間には入れなかったんだよ。だから、元相互銀行は、自分たちのことを第二地銀と呼ぶようになったんだよ。


【研一】
 そう言えば、信用金庫の合併について、話をしていたのじゃありませんでしたっけ、先生?
【中洲先生】
 そうだったね。
【佳子】
 信用金庫も、やっぱり止むに止まれる合併が多いのですか?
【中洲先生】
 まあ、そういうことだね。
【佳子】
 その結果かどうかは知りませんが、最近、1兆円を越える信用金庫も沢山誕生してますよね。
【中洲先生】
 そこなんだよね、気になるのは。
【研一】
 どういうことですか?
【中洲先生】
 佳子君がさっき言ったよね。大きな銀行の建物は威厳があると。本店なんかはそうだよね。
【佳子】
 それがどうかしたんですか?
【中洲先生】
 もともと協同組織の金融機関、つまり信用金庫と信用組合は、銀行からなかなか融資をしてもらえなかった事業者が自ら集まって、お金を出し合い、必要なときにそこから融資を受けるそういう仕組みなんだよ。言うなれば、銀行のアンチテーゼ。


【研一】
 銀行って、中小企業とか零細企業にはお金を貸さないのですか?
【中洲先生】
 今は、事業者の経営内容が悪くなければどんどん貸すと思うよ。だけど昔は違ったんだよ。特に、戦争後は日本は外貨がなかった。焼け野原になって、戦後復興の為にお金、特に外資が必要だったけれども、資金は限られていた。だから、重厚長大産業など、国として特に資金を供給すべき産業を定め、重点配分をしていた。だから、個人の事業者などはなかなか融資が受けれなかった。そこで、そういう個人事業者などが集まって、信用金庫や信用組合を作ったりした。


【研一】
そうすると、昔と今ではそういう面でも様変わりですね。
【佳子】
 昔は、今以上に銀行の地位が高かったんですね。
【中洲先生】
 そうだよ。だから、そういう銀行に対抗して、信用金庫ができたんだよ。まあ、国としても、そういう庶民の要請にこたえるために、信用金庫は、協同組織として設立することを認め、税制上も優遇措置を与えているんだよ。
 その信用金庫が、どんどん大きくなって、第二地方銀行よりも大きな信用金庫も沢山出来上がったけど、果たして、それで本来の信用金庫の役割が果たせるのかなと思うのだよ。
【佳子】
 でも先生、信用金庫も大きくなって、効率化を進めると、一人当たりの預金量が増え、その結果経費率が下がり、そして、預金原価率が下がり‥
【研一】
 そして、収益力が強まれば、組合員の事業者に安い金利でお金を融資する余裕も出てくるんでいいじゃないですか、と佳子ちゃんは言いたいんだろう?
【佳子】
 私が言うことを言っちゃった。


【中洲先生】
 そうだね、そういう風な前向きな合併だったら、それに規模が大きくなっても組合員のことを第一に考える経営をするのであれば、いいんだろうけどね。
【研一】
 規模が大きくなると、どうしても官僚的になりやすいということですか?
【中洲先生】
 それもあるね。資金量も1兆円を超すと、やっぱり自負心も出てくる。それに現実には、さっきから言っているように、やはり何らかの弱点を持ったところが合併するケースが多いから。
【研一】
 破綻する前に、合併を選ぶということですか。
【中洲先生】
 全く問題ない信用金庫同士の合併ならば別だが、多くの合併には、多かれ少なかれ経営上の問題を抱えた信用金庫が絡んでくる。そうした場合、合併すると、そうした問題の責任追及がなされないまま済んでしまうことが多い。そこに問題があるんだ
よ。


 

 次回に続く
=====
編集後記
=====

(さんまさんのテレビ番組から)
 タレントの西村知美さんは、小さい頃「柱のキズはおととしの五月五日の背競べ」との歌の文句が非常に気になっていたらしいです。
 何故昨年のキズではなく、おととしのものかと。
知美さんは、考えました。家の模様替えをして、柱の前に箪笥かなんかを置いたのかと。
 結局、この歌詞が気になり、その後の歌詞は覚えられなかったとか。

 答えは、「チマキ食べ食べ測ってくれた兄さんが、去年は東京から帰ってこなかったため」と推測されるとのことでした。

 高校サッカーは、国見高校が敗れました。鹿児島は強かったです。
 しかし、スペインに行った大久保選手は、ヘッディングで点をとりました。やっぱ
り、華がありますね。

 国見高校のサッカー部の監督(総監督ではありません)は、同級生です。でも、総監督の隣にコーチが2人ほど座って、その次が監督というベンチの席順になっています。多分サッカーとか得意じゃないのに監督をさせられて、あまり居心地のいいものじゃないと思っています。でも、中学生のときは生徒会長で人気者でした。





経済ニュースゼミ(第20号、2005,1,14)
みなさん、こんにちは Seijiです。
 寒い日が続きます。私少しのどがいがらっぽくなり、薬局で風邪薬を買って飲みました。みなさんも十分注意して下さい。そして、風邪を引いたら無理をしないで暖かくして休んでください。
 
 では、さっそく経済ニュースゼミを始めましょう。

 <本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.金融庁の新評価法
3.シリーズ「銀行の不良債権」
4.編集後記

<気になる経済ニュース>
■就職内定率 改善続く 大卒74.3%、高卒67.7%(日経新聞、1月13日)
 昨年12月1日時点での大卒と11月末時点での高卒の就職の内定率。大卒は、過去最低
だった昨年を0.8ポイント上回り、高卒も昨年を6.3ポイント上回った。因みに、最近のピーク時の平成9年度は、大卒は約85%、高卒も80%強の内定率だった。

■対内証券投資 昨年15兆円 「日本買い」過去最高(日経新聞夕刊、1月13日)
 財務省が13日発表した「対内・対外証券投資状況」によれば、2004年の外国人投資
家による日本への証券投資額は15兆26百億円程度の買い越しとなった。1981年の統計開始以来過去最大の買い越し額。

■鉄鉱石5割値上げ提示 豪大手 鋼材に波及必死(日経新聞、1月14日)
 日本向け鉄鉱石の最大供給元リオ・ディントは、新日本製鉄に対し、2005年度分の鉄鉱石価格交渉で過去最大となる約5割の値上げを提示した。

■倒産、10年で最少(日経新聞、1月14日)
 帝国データバンクによると、年間の企業倒産件数は、前年と比べ約15%減の14千件になる見込み。

■有価証券報告訂正の525社 証券監視委、調査へ(日経新聞、1月14日)
 法令違反の可能性があれば、経営陣の告発も睨んだ本格調査に切り替える。

■金融庁が新評価法 銀行、5−6項目で採点(日経新聞、1月14日)
 金融庁は銀行を独自の基準で格付けして検査などに役立てる新たな内部評価制度の概要を固めた。「資産内容」「リスク管理」「経営体制」などをチェック。近く有識者による研究会を設置。

■中国 鋼材の輸出急増(朝日新聞、1月14日)
 13年半ぶりに鋼材の輸出量が輸入を上回り、12月はさらにその差が拡大。日本は値崩れを懸念。

■量的緩和 9割「知らない」(朝日新聞、1月14日)
 日本銀行が、「生活意識に関するアンケート調査」で昨年12月無作為抽出の成人4千人を対象に実施。20の日銀用語の認識を聞いた。
      <知っている>
 量的緩和     10.8%
 日銀特融      5.4%
 日銀総裁     56.3%
 公定歩合     45.6%

■企業物価指数7年ぶり上昇(NHK、1月14日)
 2004年の企業物価指数は、96.1で、前年比1.3%上昇。年間でプラスとなったのは1997年以来7年ぶり。

以上
☆☆☆☆☆☆☆☆
金融庁の新評価法
☆☆☆☆☆☆☆☆

  金融庁は、銀行を独自の基準で格付けして検査などに役立てる新たな内部評価制度の概要を固めたとあります。

 「資産内容」「リスク管理」「経営体制」などをチェックし、5段階で評価するらしいので、中年以上の者にとっては、子供の頃を思い出させる通信簿のようにも見えます。

 近く有識者による研究会を設置し、内容を詰めたいとしていますが、採点の結果は風評リスクにつながるため非公開とするとしています。

 しかし、わざわざ有識者まで集めて研究会を開く位なら、評価結果を預金者に公表すべきではないかと思います。何故なら、4月1日からは、ペイオフが全面解禁され、我々は、自己責任を問われるからです。役所の持っている不確かな情報やプライバシーに関るようなことまで情報開示を求めるわけではありません。5段階評価といった極めて抽象的な情報です。それにその種の類の情報が風評リスクを招くと言うのであれば、そもそも格付け会社に格付けをしてもらうことも否定されなければいけないというおかしな結果になってしまいます。

 行政当局の評価結果を各金融機関が自由に公表してよいということになれば、格付け会社の格付けを必ずしも求められていない信用金庫などは、格付け費用の削減に役立ちとても経済的です。

 是非金融庁にも再考を求めたいですね。 


以上
 では、「銀行の合併」の続きですが、本日から内容に応じ名称を「銀行の不良債権」とします。



☆★☆★☆★☆★
銀行の不良債権
★☆★☆★☆★☆



【研一】
 先生、最近銀行の株価が上昇しているんですね。
【中洲先生】
 そうだね。
【佳子】
 そうなんだ。でも、どうしてなのかな?
【研一】
 やっぱり、不良債権問題に目処が付いたからじゃないのかな。
【中洲先生】
 銀行の破綻が続いていた時代からすると、随分落ち着いてきましたよね。
【佳子】
 不良債権問題が沈静化しているのは、なんとなく分かるんですが、そうはいっても銀行の貸出しは伸びないし‥。


【中洲先生】
 不良債権問題の目処が付いたとは、具体的にはどんなことを意味していると思う?
【研一】
 不良債権比率が、計画通り低下してきたことを指していると思うのですが。
【中洲先生】
 佳子君はどう思う?
【佳子】
 私は、正直よく分かりません。
 不良債権比率って何ですか?その前に不良債権というのが分かったような、分からないような。


【中洲先生】
 正確に言うと、金融再生法に基づく開示債権と銀行法に基づくリスク管理債権の二つがあるんだよ。
 金融再生法で定義しているのは、破産更生等債権、危険債権、要管理債権の3つだ。
銀行法でいうリスク管理債権は、破綻先債権、危険債権、3ヶ月以上延滞債権、貸出条件緩和債権の4つからなる。
【佳子】
 先生、難しくて頭がくらくらしてきた!
【研一】
 あのね、佳子ちゃんが何か商売をしているとするね。それで、お店を出すために銀行から融資を受けたとするよね。利息は4%。しかし、佳子ちゃんの商売がうまくいかなくなって、利息がなかなか払えなくなったとか、或いは最悪、倒産してしまって、利息も元本も払えなくなってしまったとする。それが不良債権だよ。
【佳子】
 私が商売して失敗するという例えが気に入らないけど、分かったよ。
でも、さっき先生は、破産債権とか、危険債権とか、延滞債権とか言っていたみたいな気がするけど。


【中洲先生】
 不良債権にも、その深刻度合いに応じていろいろな種類があるということだ。
 一番酷いのは、銀行からお金を借りた企業が倒産してしまった場合。これが、破産更生債権とか破綻先債権といわれるもの。
【佳子】
 なるほどね、それは分かりますよ。
【中洲先生】
 それから、倒産までには至っていないけど、債務超過状態になったり、先行きの見込みがないような場合が危険債権。
【研一】
 で、そこまでは深刻でないけど、利息の支払いが滞っているのが、延滞債権ということですか?
【中洲先生】
 そういうことだよ。


【佳子】
 条件緩和債権というのはどういうことなんですか?
【中洲先生】
 それは、お金を借りた企業の業績が悪くなってしまい、再建策をつくるなどして、企業努力をしている企業に、利息を下げてあげたり、支払いを延期してあげたりした債権のことだ。
【佳子】
 そうした債権を不良債権と呼んでいるのだよ。
【研一】
 そして、その不良債権が貸出金合計に占める割合が、不良債権比率ということですか?
【中洲先生】
 そうそう。
【佳子】
 だとすると、貸出金合計が5兆円の銀行が、不良債権比率が10%だとすると、5,000億円の貸出が、倒産した先に対する貸出だったり、利息の支払いがなされていない貸出ということですね。
【中洲先生】
 そういうこと。


【佳子】
 ところで、その不良債権の比率と言うのは、どの程度の水準にあるのですか。
【中洲先生】
 大手銀行の合計で、平成13年度末に、8.4%程度まで高まっていたのが、平成15年度末で5.2%まで下がって来ている。

・14年3月末
不良債権残高  26.8兆円
不良債権比率  8.4%

・15年3月末
不良債権残高  20.2兆円
不良債権比率  7.2%

・16年3月末
不良債権残高  13.6兆円
不良債権比率  5.2%

【研一】
 先生、竹中さんが金融庁の大臣になって金融再生プログラムを作りましたが、あのとき、不良債権比率を14年3月末の8.4%から、17年月末には半減させると目標を立てたのですよね?
【中洲先生】
 そうそう。そして、その目標は達成可能になってきた。


 以下次回に続く
=====
編集後記
=====

 寒いですが、皆さんお元気ですか。冒頭に書きましたように、風邪を引かないように注意して下さい。

 ところで、新聞等で発表される経済指標などは、いい材料と悪い材料が混在していますが、新卒者の就職内定率が改善したのはいいですね。それに倒産件数もぐんと減っています。オーストラリアが鉄鉱石の値段を上げようとしているのは、それだけ経済の動きが活発化しているからともいえますが、難しい問題ですね。

 新成人に日銀用語を知っているかどうかをアンケートしていましたね。「量的緩和政策」を知っているのが約1割。多いと見るべきか、少ないとみるべきか。このマガジンを最初から読んで下さっている人は、「知りすぎている」というところですよね。しかし、「公定歩合」を知っている人が約45%というのは、多いとみるか、少ないとみるか難しいですね。

 話は変わりますが、日経新聞を細かく見るようになって、「失楽園」を書いた渡辺淳さんが、今は「愛の流刑地」というのを書いているのに気が付きました。新聞の小説など滅多に読まないのですが、先日、挿絵が少しエッチぽかったんで、読んでしまいました。やっぱり、エッチでした。





経済ニュースゼミ(第21号、2005,1,17)

 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 神戸大震災から10年、早いものです。我々の記憶は、とっても風化しやすいと思いますが、被災の経験をいい方に生かさないといけないと思います。

 私、喉の調子がよくないので、今朝久しぶりにうがいをしました。カップにお湯と塩を入れてごろごろとやりました。

 では、経済ニュースゼミを始めましょう。


<本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.機械受注統計
3.シリーズ「銀行の不良債権」
4.編集後記



<気になる経済ニュース>

■貯蓄率の低下一服 2003年度7.7%、2年連続上昇(日経夕刊、1月14日)
 内閣府は2003年度の家計貯蓄率が7.7%になったと発表。2001年度に記録した過去最低の6.7%を底に、低下傾向が一服。

■円高進行 一時101円台 NY市場、5年ぶり水準(日経新聞、1月15日)
 2000年1月以来ほぼ5年ぶりの円高・ドル安水準となった。イッシング欧州中央銀行理事がユーロ高の行き過ぎについて、「本質的な問題は中国を中心とするアジアにある」との認識を示し、また、トリシェ総裁も「最近のドルに対するユーロの動きは好ましくない」と強調。 

■人民元に再び先高感 早期切り上げには懐疑的(日経新聞、1月15日)
 2月のG7を前に、人民元の先高感が再び高まっている。

■機械受注19.9% 4年ぶり高い伸び (日経新聞、1月15日)
 内閣府が発表した昨年11月の機械受注統計によると、「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)は、前月比19.9%の1兆791億円となり、3ヶ月振りに増加。2000年8月の20.5%増以来、4年ぶりの伸び率を記録した。

■12月の街角景気 5ヶ月連続悪化 (日経新聞、1月15日)
 内閣府が発表した12月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は44.2となり、前月を1.1ポイント下回った。低下は5ヶ月連続。

■中国、株式公開を再開(日経新聞、1月15日)
 昨年9月以来、中国本土の株式市場では新規株式公開(IPO)が停止する異例の事態が続いていたが、再開を発表。

■中国 資本流出規制を緩和(朝日新聞、1月16日)
 中国が資本の流出規制を徐々に緩和し始めた。切り上げ圧力の回避狙う。

■博報堂DYホールディングが東証上場(日経新聞、1月16日)
 広告業界国内2位の博報堂DYホールディングが2月中旬に東京証券取引所に上場する。

■ブッシュ2期目、課題は貯蓄率(日経新聞、1月16日)
 米国の貯蓄率は、昨年7−9月期に僅か0.5%の水準。海外からは「貯蓄率の向上を」と注文が付く。

■機構が見落とした「ダイエー病」 経営の視点(日経新聞、1月17日)
「今は消化試合。頑張るのは新体制から」 水準を落としておけば新体制時に改善度合いを強調できる読みがある。「ダイエー病」だ。


以上


☆☆☆☆☆☆
機械受注統計
☆☆☆☆☆☆

 機械受注統計が、久々に高い伸びを示しています。2000年8月以来の高い伸びです。2000年8月というと、シリーズ「日銀当座預金」でも触れましたが、速水総裁が、ゼロ金利政策を解除した頃です。
 企業関係者の方から当時ヒアリングをしたことを覚えていますが、確かに当時一時的に経済に明るさが戻ってきていた感じがありました。特に、設備投資の回復振りが印象的でした。

 そこで、機械受注についてのクイズを3つ。チャレンジして下さい。

(問1) 機械受注は、何の先行指標と言われますか?
  (A) 設備投資 (B)輸出 (C)消費

(問2) どの程度先行すると言われていますか?
  (A)1−2年 (B)6ヶ月から9ヶ月 (C)2−3ヶ月

(問3) 船舶・電力を除く民需とは何ですか?
  (A) 造船企業及び電力会社が発注した分を除く民間の機械需要
  (B) 造船企業及び電力会社に発注した分を除く民間の機械需要
  (C) 電力業以外の民間企業が発注した船舶を除く機械需要


 答えは、最後に掲載。


 では、「銀行の不良債権」を再開します。



★★★★★★★
銀行の不良債権
★★★★★★★


【研一】
 ところで、先生、なんで不良債権の定義はいくつもあるのですか?
【佳子】
 いくつもと言っても、金融再建法に基づく開示債権と銀行法に基づくリスク管理債権の2つでしょ。
【研一】
 それ以外にも、確か、自己査定に基づく不良債権があったと思うよ。
【中洲先生】
 そうだね、そのとおり。
 それに、そもそも不良債権の内容を開示すること自体が比較的新しい考え方だからね。
【佳子】
 へー、そうなんだ。
【中洲先生】
 不良債権の内容を開示しようという考え方が主張されるようになったのは、実はバブル経済が崩壊して以降のことだよ。


【研一】
 なにか経緯でもあるのですか?
【中洲先生】
 バブル経済が崩壊し、証券会社や銀行の経営が危ないのではないかとの声が少ずつ出だし、実際、小さな金融機関の破綻が発生し始めると、金融機関も不良債権の内容を投資家や預金者に説明すべきだと言う声が出てきたんだよ。そうすることによって、預金者の無用の不安を払拭できると。
【研一】
 銀行などは、その考え方に直ぐに乗ったのですか?
【中洲先生】
 そんなに簡単には行かなかったね。表向きは情報開示は時代の流れだから逆らえないと理解したものの、胸のうちでは、不良債権の水準が高いことが分かると不安を煽ってしまうのではないかと恐れていた。だから、独自に不良債権の情報を開示する銀行が出ないように、目を光らせていたのが実態だろうね。
 でも、そうこうするうちに、記憶にあるとおり、二つの信用組合の経営破綻を皮切りに不良債権時代が幕開けする。住専問題が起こり、6,850億円の公的資金を投入することがけしからんと。その後は、各地の銀行の破綻に続き、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の破綻が起こる。

 その間、1998年には金融再生法が施行される。そうして、結局、不良債権の開示なくして、不良債権問題に終止符を打つことが不可能なことを身を持って体験した訳だよ。


【佳子】
 ところで、資産査定に基づく不良債権というのはどんなものなのですか?
【中洲先生】
 昔はね、不良債権を公表するなんて、とても考えられなかった。秘密の扱いだった。大蔵省のなかでも、銀行局以外は何も分からない。いや、銀行局のなかでも、検査部門以外というか、検査に行って見てきた検査官以外は、極一部の幹部や関係者以外には、知らされない仕組みだった。それに、不良債権の規模も極めて限られていたから、個別の金融機関にしては、大きな問題であっても、マクロ的には大した問題ではなかったからだ。
 いずれにしても、昔は、不良債権比率というよりも、分類率などという言葉がよく使われていたんだよ。
【佳子】
 また、わかんなくなっちゃった。研一君は分かる?
【研一】
 いや、聞いたことない。


【中洲先生】
 二人に質問するけど、不良債権比率で、どういうことが分かる、或いは分からないと思う?
【研一】
 先生からそんな基本的なことを聞かれると却ってとまどっちゃうな。だって、不良債権比率が高いとそれだけ貸出の内容が痛んでいることを意味するので、銀行の経営上危険だということなんでしょ。違いますか?
【佳子】
 待って、私にも言わせて。
 研一君の言うことはそのとおりだけど、不良債権の中身は、破綻した先もあれば、返済条件を緩和してもらって債権に取り組んでいるようなところもあるので、比率自体を単純比較することが意味のないこともあると思います。
【中洲先生】


 二人の言うことは、そのとおりだけど、それら以外に何か気が付かないかな。
【佳子】
 うーん、難しい。何かヒントを下さい。
【中洲先生】
 日本は担保偏重だというようなことが言われるよね。それがヒント。
【研一】
 どんなに利息や元本が返って来なくても、土地を抵当に入れているので安心だというようなことですか?
【佳子】
 だけど、抵当に入れている土地が値下がりしているので大変なんでしょ。
【中洲先生】
 佳子君の言うとおりなんだけど、それでも全く担保をとっていない場合に比べたらましだよね。
 じゃあ、ちょっと設問を変えてと。倒産した先と、利息が滞っている先とどっちが銀行に与える影響は大きいと思う?
【佳子】
 そりゃ、倒産してしまった先でしょ。


【中洲先生】
 本当にそうかな?
【研一】
 あっそうか。どんなに倒産してしまっても、担保がしっかりしていたり、お金持ちに連帯保証人になってもらっていると取りはぐれがないですよね。
【中洲先生】
 ねえ、そうだろ。不良債権といっても、それは貸出先の経営状態に着目した分類の仕方であって、どれだけ債権回収が可能かといった観点は欠落しているんだ。
【研一】
 昔使っていた分類率では、債権の回収可能性に着目していたということですか?
【中洲先生】
 不良債権比率という概念が広がる以前は、分類率という概念が一般的だった。といっても専門家の内々の話だけど。
 債権、つまり貸出金を回収可能性の高い順に、T分類、U分類、V分類、W分類と分けていたんだよ。
 T分類は、確実に回収が見込まれる債権、例えば、優良な担保がついているような債権、U分類は完全な回収には少しリスクのある債権、例えば、担保はとっているけど、担保の価値が下がり完全にカバーできない恐れがあるもの。V分類は、完全には回収が見込めそうにないもの。貸出先が破綻に瀕していて、しかも担保が不足するような債権。W分類は最悪で、回収がまったく見込めないもの。貸出先が破綻し、担保等もとっていないもの。
【佳子】
 へー、それは便利な考え方ですね。分類率がどの位あるかということが分かると、ロスがどの程度発生するかを見込めるのですね。


【研一】
 分類率の定義はどうなっているのですか?
【中洲先生】
 分類率は、実はU分類とV分類とW分類の合計額が貸出金全体に占める比率を指すんだ。
【研一】
 そうすると、分類率事体も、回収可能性が比較的高い債権と全く回収可能性がない債権がごっちゃになっていますね。
【中洲先生】
 そうなんだよ。ちょっと使い勝手が悪い。ただ、いずれにしてもそうした分類率という概念が使われていた。それに、佳子君が言うとおり、V分類とW分類の債権額が分かると、ロス額が試算できるというメリットがあった。
【佳子】
 先生、ところで自己査定の債務者区分というのは何ですか。何度も聞いているんですけど。
【中洲先生】
 そうそう、それを説明する予定だったんだ。


以下、次回へ続く


=====
編集後記
=====

 まず、前述のクイズの答えから。
 問1は、(A) 問2は、(B) 問3は、(C)


 昨日、島田紳助さんがテレビに復帰していました。弁護士さんが4人出るあの番組です。異様にテンションが高かったですね。

 さて、再び円高の様相が強まっていますが、「経済ニュースゼミ」も「円相場予想コンテスト」をやっています。今月末が締め切りです。予想を立てることで、新聞の記事を読む場合でも、パッシブリーディングからアクティブリーディングに転換することができます。そうなると、記事の内容が簡単に記憶に残るようになります。

 読者の皆さんの中には、将棋や囲碁をする人がいるかも知れませんが、大方の人は、棋士が、一度打った手を始めからいとも簡単に並べる姿に驚いたことがおありだと思います。でも、棋士にとっては、打った手を並べ直すことは難しいことはありません。それは、一手一手に意味がこもっているからです。全ての手に必然性があるということです(プロの場合ですが)。

 そういうことなので、関心を持って新聞を読めば、記憶にも残りますが、ただ無目的にボーっと読んでいると、殆ど記憶には残らないものです。

 なお、私の場合には、50歳を過ぎたこともあり、直ぐ忘れますが。

 自分なりのシナリオを考えて、「円相場予想コンテスト」に参加してみて下さい。

http://www.columnist-seiji.com/sub71-2.html


 


経済ニュースゼミ(第22号、2005,1,19)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 寒い日が続きますが、お元気でしょうか。

 早速、経済ニュースゼミを開始しましょう。



<本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.シリーズ「銀行の不良債権」
3.編集後記


<気になる経済ニュース>

■株式投信27兆円突破(日経新聞、1月18日)
 2004年末の公募株式投信の残高は、27兆4352億円と前年末に比べ29%増えた。27兆円を超えるのは1992年2月以来。銀行の窓口を通じた販売の急拡大が寄与した。

■11月景気一致指数 4ヶ月ぶり50%超す (日経新聞、1月19日)
内閣府は18日、11月の景気動向指数の改定値を発表。一致指数は60.0%と速報値の44.4%から上方修正され、50%を4ヶ月ぶりに上回った。

■粗鋼生産1億1200万トン 過去3番目の水準(日経新聞、1月19日)
 前年比2.0%増の1億1267万トンとなった。過去最高は、1973年の1億1932万トン。自動車や造船向けが伸び、高い水準となった。

■パソコン1分で充電に道 ナノテク応用 新電極(日経新聞、1月19日)
 産業技術総合研究所は18日、リチウム二次電池の新しい電極を開発したと発表。ナノテクノロジーを応用した電極。理論上は充電時間が1−2分で済むようになると言う。

■造船受注量 昨年19%増(日経新聞、1月19日)
 日本造船工業会によると、日本の2004年の新造船受注量は1906万総トンと前年比19.3%増えた。

■世界最大旅客機 お披露目 エアバス(日経新聞、1月19日)
欧州エアバスは18日、世界初の総2階建て超大型機「A380」を公開した。


 それでは、「銀行の不良債権」を再開します。


☆☆☆☆☆☆☆
銀行の不良債権
★★★★★★★


【中洲先生】
 前回、債権をその回収可能性に着目して、1、2、3、4に分類すると言ったよね。でもそうするための前段階として、貸出先の経営状態を判定することが必要になる。
 経営内容に問題がない先が「正常先」、注意を要する先が「要注意先」、破綻が懸念される先が「破綻懸念先」、実質的に見て破綻していると判断される先が「実質破綻先」、破綻している先が「破綻先」。
 なお、要注意先のうち、より程度が劣るものを「要管理先」としている。

 これらの分類と金融再生法開示債権とリスク管理債権を比べると次のようになるよ。

<自己査定債務者区分> <金融再生法開示債権> <リスク管理債権>
破綻先、実質破綻先    破綻更生等債権    破綻先債権

破綻懸念先        危険債権       延滞債権

要注意先         要管理先債権     3ヶ月以上延滞債権
                        条件緩和債権

(正常先)        (正常先)



【佳子】
 なんとなく関係が分かってきたような気がしますが、何故そんなに不良債権の概念がいくつもあるのかな。特に、法律で二つの概念を作ったことが、却って必要以上に分かりにくくしている気がしますが。
【中洲先生】
 確かに、金融再生法の開示債権と銀行法のリスク管理債権は、個々の不良債権の呼び名こそ違え、殆ど中身は同じようなものだから、敢えて二つの概念が必要とは思えないね。それに、それらを合計した計数もそんなに大きな違いはないからね。
【佳子】
 なのに、なんで二つも概念ができてしまったんですか?
【中洲先生】
 金融再生法が成立したのは、大きな銀行がどんどん潰れていった時代だ。日本の不良債権の額がどれほど大きいのか、世界的に注目されてた。政治家がそのために熱心に法律を作った結果そうなってしまったとしかいいようがない。
 いずれにしても、金融庁は、不良債権の計数を発表する場合、金融再生法の開示債権ベースで発表しているよ。


【研一】
 先生、ところで、やっと不良債権比率も3年ほど前の水準から比べると半減したといえるところまで来たようですが、政府から尻を叩かれないと、不良債権の処理と言うものはできないものですか。
【佳子】
 研一君、ちょっとごめん。その「不良債権の処理」と言う言葉をよく聞くけど、具体的にはどういうこと?
【研一】
 いきなり聞かれると困っちゃうな。そういう難しい問題は前もって「質問するぞ」と通告してからにして欲しいけど。
【佳子】
 研一君が、当然のように「不良債権の処理」なんていうものだから。
【研一】
 じゃあ、しょうがない。答えるよ。
 「不良債権の処理」とは不良債権をなくすことだよ。ねえ、先生、そうですよね。
【中洲先生】
 まあ、正解かな。


【佳子】
 でも、どうやってなくすの。そこが分かんないのよね。
【中洲先生】
 貸出先の経営内容の悪化が判明し、損失が出そうだと判明したら銀行はあることをしなくてはいけないんだよ、不良債権に関して。それが不良債権処理の第一歩。さあ、何かな。
【佳子】
 貸出先が倒産しそうになったら、夜逃げしないように見張っておくとか、担保を追加で取るとかそういうことですか。
【中洲先生】
 何か街金みたいだな。佳子君、ナニワ金融道のファン?
 そういうことではなく、財務諸表を作成するに当たって考慮することだよ。経理上の作業だ。
【研一】
 難しいですね。
【佳子】
 先生、ヒントを下さい。
【中洲先生】
 貸倒引当金というのを聞いたことがあるかい。
【佳子】
 聞いたことはないけど。


【中洲先生】
 融資先が倒産しそうになったら、予め予想される損失額を損金として計上するんだ。例えば、ある会社に10億円融資していたが、その会社の社長が行方不明になり、会社経営の継続が困難になったとする。担保は会社の敷地を取っていて、価値は5億円。で、結局5億円程度は回収できそうだが、5億円はロスになるとする。そのとき財務諸表に「貸出金10億円」とだけ計上すると、銀行の資産負債の内容が正確に開示されたとは言えない。そのときに既に5億円の損失が見込まれるのなら、5億円分損金を計上しなければならない。つまり、銀行の利益が5億円少なくなる。
【佳子】
 そうすることによって、不良債権が少なくなるんですか?
【中洲先生】
 この場合には不良債権は少なくならないね。
【佳子】
 研一君! 不良債権はなくならないって。


【中洲先生】
 でも、さっきのケースで、完全に会社が倒産してしまって、担保を処分して5億円しか回収できなかったとすると、どうなる?
【研一】
 そうなると、資産の10億円がまるまる帳簿から落ちてしまいます。で、別途5億円の回収が計上される。結局5億円のロスが出る。
【中洲先生】
 この場合には、貸出債権10億円が帳簿から落ちてしまいます。
【佳子】
 その場合には、不良債権は減ったことになるの?
【中洲先生】
 そうだよ。このように、貸出金が帳簿から落とすことを直接償却と言い、一方、貸出金を帳簿から落とさず、相変わらず計上しながらも同時に損失見込みを引当金として計上することを間接償却と呼んでいるんだよ。
 で、不良債権の処理と言う場合、この直接償却と間接償却の二つのことを含んでいるんだよ。
【佳子】
 へー、じゃ、不良債権を処理しましたと言われても、よく中身を聞いてみないと、直接償却したのか、間接償却したのか分かんないんだ。
【中洲先生】
 そのとおりだよ。
【研一】
 そうだったんですか。
【佳子】
 研一君もやっぱり、知らなかったんだ。

 以下、次回へ続く
=====
編集後記
=====

 みなさんは、風邪は引いていませんか。私は、酷くはないんですが、喉が痛むんでまいっています。うがいはやっているんですが、よくならないので、「のどぬーる」を塗ってみました。

 それから、まだ締め切りまで日にちがありますが、「円相場予想コンテスト」に参加してみて下さい。仮に当った人が複数いた場合には、早く応募した人の勝ちになりますので。

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■お詫び
 前回、分類率の話で、1分類、2分類、3分類、4分類という数字が入るべきところが、「?」表示されてしまいました。訂正します。





経済ニュースゼミ(第23号、2005,1,21)
みなさん、こんにちは、Seijiです。
 アメリカでは、ブッシュ大統領が2期目の就任演説を行ないました。一方、我が国で
は、通常国会の開幕です。

さっそく、「経済ニュースゼミ」を始めましょう。



<本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.シリーズ「銀行の不良債権」
3.編集後記
<気になる経済ニュース>
■為替レートが1ドル90円の場合、GDPは0.7%ポイント減(朝日新聞、1月20日)
 大和総研は、19日、円高が経済成長率や企業収益に与える影響の試算を公表。97円を超える円高となれば産業界全体で減益に転じる。

■鋼材3年連続値上げへ(日経新聞、1月20日)
 資源価格の高騰を背景に、素材・エネルギー各社が一斉に値上げに動き始めた。新日鉄は鋼材価格の引き上げを表明。4月実施を目指し、主要取引先に要請する。値上げ幅は、10−20%。

■量的緩和解除に注文(日経新聞、1月21日)
OECDは、20日、日本の経済政策に対する提言をまとめた対日経済審査報告を発表。金融の量的緩和策を巡り、「日銀は解除の条件について、例えば物価上昇率を1%とするなど十分高く設定するように」注文を付けた。

■ヤフー あおぞら信託を買収(日経新聞、1月21日)
 ヤフーは、20日、あおぞら銀行の全額出資子会社、あおぞら信託銀行を事実上買収し、インターネットバンキングなどに参入すると正式発表。

■諮問会議「改革と展望」改訂(日経新聞、1月21日)
 基礎的財政収支2012年度に黒字化

■不振信組に資金支援 自己資本4%割れ対象(日経新聞、1月21日)
 全信組連は、経営が悪化した信組に対して資本注入する制度を導入する。対象は、4%を割って、業務改善命令を受けた信組。

■粗鋼生産 初の10億トン(日経新聞、1月21日)
 国際鉄鋼協会が20日発表した2004年度の世界の粗鋼生産量は、10億3549万トンで、前年比8.9%増えた。

■世界パソコン出荷 最多更新(日経新聞、1月21日)
 米調査会社ガートナーの日本法人は、20日、04年の世界パソコン出荷台数(速報値)が前年比12%増の1億8897万台と過去最多を記録したと発表。

■エチレン生産 過去3番目の高水準(日経新聞、1月21日)
 石油化学協会は、20日、エチレンの国内生産量が2004年に、前年比2.8%増の757万トンになったと発表。

■住宅地価 都区部で17年ぶり上昇(日経新聞、1月21日)
 住宅地の地価が東京都区部で2004年12月、17年ぶりに上昇した。ミサワエムアールディが20日発表。



以上
☆☆☆☆☆☆☆☆
銀行の不良債権
★★★★★★★★



【中洲先生】
 それじゃ、二人に理解度テストを出すよ。
 竹中大臣が金融庁の大臣に就任し、金融再生プログラムを作って、不良債権を半減すると目標を立てたのは、直接償却のことでしょうか、それとも間接償却のことでしょうか?
【佳子】
 不良債権という貸出を減らすんですよね?だから、直接償却かな。
【中洲先生】
 ハイ、正解。じゃあ、また質問。少し難しいよ。直接償却と間接償却はどう違うか?
【佳子】
 先生、それ、難しくないと思うけど。だって、直接償却は、貸出先が倒産したから、帳簿から債権を落とすんでしょ。まだ、倒産していないんだったら、幾ら回収見込みがないと思っても、とりあえず貸出金はそのまま計上しといて、同時に貸倒引当金を積んでおくんでしょ。


【中洲先生】
 佳子君、調子いいね。グーだよ。直接償却は、相手が倒産ないしそれに準じた状態になったら行なうんだよね。
 ところで、金融再生プログラムでは、不良債権の額を減らせと言った。で、減らせということは、直接償却をしろということだったよね。しかし、直接償却は、相手が倒産しないとできない。
【佳子】
 なるほど。相手が倒産するかどうか分からないのに、帳簿から落としてしまえと銀行に命令したわけだ。先生はそのことを言いたいのですか。
【研一】
 そうだったんですか。
 間接償却、すなわちロスが見込まれるのにそれを計上しないとは銀行は言えない、つまり銀行側は拒めないけど、直接償却を行なうかどうかは、銀行が一方的に決めることができるというわけではないんだ。
 だから、目標値を示して、銀行に直接償却を迫るというのは、乱暴なやり方なんですね。


【中洲先生】
 純理論的には、相当乱暴なやり方だろうね。経営権の侵害にも当たるんじゃないかな。いくら銀行の経営陣が不良債権の償却に熱心であっても、通常は、貸出先が倒産等に至らないと、直接償却はできないからね。
 例外的に、貸出債権を売却するなどして処理する方式もあるけど、そうした債権が簡単に大量にさばけるとも思えないからね。


【研一】
 でも、結果としては、不良債権を半減させるという目標は達成されそうだし、そのことへの世間の評価も高いんじゃないですか。
【佳子】
 それに、以前の「日銀当座預金」のシリーズのときの速水前日銀総裁だって不良債権のオフバランス化を主張していたんですよね。
【中洲先生】
 さっき、銀行に直接償却を一方的に求めるのは相当乱暴なやり方だと言ったよね。飽くまでも理論的な話としてはね。だって、繰り返しになるけど、相手方が倒産しないと直接償却は困難だからね。
 ただ、現実の姿を見ているとね、本当は倒産してもおかしくないと言うか、2度も3度も倒産したと同じような企業が、生き延びている現実があったんだよね。
【佳子】
 先生、どうしてそんなことが可能なんですか?
【研一】
 それは、銀行が破綻しかけた企業に対して借金の棒引きとかして、支援し続けたからかな。
【研一】
 研一君の言うとおり。
 ただ、再建が見込めない企業をいつまでも引きずっていても、景気回復が遅れるだけだと考える人が出てきたわけだ。速水前総裁もその一人だったということ。
【研一】
 だとすると、普通の状態では、銀行に直接償却を命令することなど乱暴極まりないけど、近年の日本の異常な状態においては仕方なかったということですか?
【中洲先生】
 そういうことだね。


【佳子】
 しかし、しぶちんの銀行が、よく借金の棒引きに何度も応じてあげましたよね。ちょっと信じられないのですが。銀行も業績不振で喘いでいる企業のことをかわいそうに思ったんですか?
【中洲先生】
佳子君、そう思うかい?
【佳子】
何か事情があるんじゃないかな。
【中洲先生】
 そのとおりだと思うけど。
【佳子】
 でも、どうしてかな?
【中洲先生】
 借金を棒引きしなかったらどうなる?
【佳子】
 借金を棒引きしてもらわなかったら、再建が難しいんですよね。
【研一】
 そうか、その企業は倒産するわけだ。
【中洲先生】
 倒産するとどうなる?
【佳子】
 倒産すると会社がなくなっちゃうよ。


【中洲先生】
 そうだろうけど、不良債権を処理をしなくてはいけないね。恐らく、何度も再建計画を作り直しても立ち直れずにいた企業だから資産らしきものは殆どない状態だ。そんな企業を倒産させると、貸出がほぼ全額ロスになる。一方、借金を棒引きし今後も再建を支援し続けると、ロスはとりあえず、棒引きしてあげた分程度で済む。そういうことが長い目でいいとは思わないにしても、取敢えず銀行自身が今期を乗り切るためにそういう手段を選ぶことが十分考えられる。
【佳子】
 ほぼ全額がロスになった場合どういうことになるのですか?
【中洲先生】
 それが巨大な企業だったら、融資額も相当な額に上っている筈だから、ロスも大きくなる。そうなると銀行自身赤字決算にもなるだろうし、そうなると、自己資本比率も、8%を下回って、最悪、債務超過の状態になることさえ懸念される。そうなると、破綻だ。経営陣総退陣。
【研一】
 なるほど。でも、そういうことも分かりつつ、不良債権の処理を迫ってきたわけですね。
 そうすると不良債権の処理促進というのは、見込みのない企業の処理と同時に見込みのない金融機関の処理でもあるということになりませんか?
【中洲先生】
 それ、先生が言いたかった台詞。
【佳子】
 厳しい世界ですね。

以下、次回へ続く
=====
編集後記
=====

 ブッシュ大統領の演説ですけど、自分の言葉で話しかけているという感じがしないんですよね。

 ただ、「圧制」と言うのか、tyrannyという単語が何度か出てきました。我が国の隣にもありますが、アメリカも核開発問題だけではなく拉致問題にももっと関心を持ってもらいたいですね。

 さて、今度の通常国会、一番の注目点は何でしょうか。「年金」のことが随分取り上げられていますが、それも含め見守って生きたいと思います。

 それから、まだ締め切りまで日にちがありますが、「円相場予想コンテスト」に参加してみて下さい。仮に当った人が複数いた場合には、早く応募した人の勝ちになりますので。

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経済ニュースゼミ(第24号、2005,1,24)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 本日は、寒さは厳しくありませんが、皆さんのところはどうですか。

 さっそく、「経済ニュースゼミ」を始めましょう。



<本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.シリーズ「銀行の不良債権」
3.編集後記


<気になる経済ニュース>

■不良債権、半年で10.5%減 (日経新聞、1月22日)
 金融庁が21日発表した2004年9月末時点の銀行の不良債権状況によると、全国の銀行の不良債権残高は合計23兆8千億円となり、半年間で10.5%減った。大手銀行の貸出に占める不良債権の比率は4.7%、第二地銀を含む地銀の不良債権比率は6.3%だった。

■ペイオフ全面解禁 68%が対策考えず(朝日新聞、1月22日)
 インターネット調査会社のマイボイスコムは、21日、ピイオフ全面解禁に関するアンケート調査結果を発表。ペイオフの内容を知っていると答えた人は59%、全面解禁に向け、特に対策を考えていないとの回答は68%。

■国債、国際化へ一歩 英米で初のIR(日経新聞、1月22日)
 財務省は18日にロンドン、20日にニューヨークで説明会を開催。今後、ドイツやアジア諸国でもIR活動を展開したい考えだ。

■実質無借金3社に1社 上場企業9月末(日経新聞、1月23日)
 対象は金融と新興市場を除く3月末本決算上場企業1687社。連結で実質無借金の企業は9月末に591社と3年前より70社程度増え全体の35%を占めた。

以上


☆☆☆☆☆☆☆☆
銀行の不良債権
★★★★★★★★


【佳子】
 先生、先日銀行が融資先の借金を棒引きする背景を説明してくれましたよね。
【中洲先生】
 そうだったね。
【佳子】
 銀行は、融資先のためというよりも、自らのために棒引きに応じてあげたのではとの話だったと思いますが。
【中洲先生】
 そういう要素もあるだろうということだけど。
【佳子】
 銀行が恐れたのは、支援先の企業が一遍に倒産したような場合、一度に大量のロスが発生し、自己資本比率が落ち込むんじゃないかということでしたよね。
【中洲先生】
 佳子君、よく理解しているね。感心するよ。


【佳子】
 先生、自己資本比率って、一体何ですか?
【中洲先生】
 およよ! 何だ、自己資本比率のこと知らなかったの。
【佳子】
 資本金が沢山あるかどうかということだと思うですが、違いますか?
【中洲先生】
 大雑把に言えばそんなものだと思うけど。研一君、どう思う?
【研一】
 銀行の自己資本比率は、広義の自己資本が貸出や保有有価証券などの総資産に占める割合のことだと思いますけど。
【中洲先生】
 分かりやすい説明ですね。合格。佳子君、分かった?


【佳子】
 広義の自己資本というのは何かな?
【研一】
 さっき佳子ちゃんも言ったけど、資本金に引当金などの内部資金を加えたものだよ。
【佳子】
 繰り延べ税金資産も含まれているのかな?
【研一】
 えっ、それはどうかな。どうでしたっけ、先生。
【中洲先生】
 また、そんな難しい言葉どこで覚えてきたの、佳子君?意味分かっているの?
【佳子】
 意味はよくわかんないんですけど、経済の専門誌を読んでいたら、「繰延税金資産」と言う言葉が何度も出ていたもんで。


【中洲先生】
 そういうことか。
 まあ、いいや。じゃあ、自己資本比率の話を基本から始めよう。
 BIS規制というのを聞いたことがある?
【佳子】
 ねば納豆
【研一】
 なにそれ?
【佳子】
 Never  聞いたことないよ。
【研一】
 国際なんとか銀行のことでしたっけ?スイスに本部があるやつ。
【中洲先生】
 国際決済銀行。スイスのバーゼルに本部があるよ。
 Bank for International Settlements の略でBIS。


【佳子】
 その銀行の規制が、BIS規制ですか?
【中洲先生】
 そうだよ。BISの加盟国が、国際的に活動する銀行は、自己資本比率が8%以上なければいけないと、合意しているんだよ。
【佳子】
 だけど、何でそんなことに各国が合意する必要があったんですか?
【中洲先生】
 研一君、分かる?
【研一】
 銀行が潰れると、その影響は大きいものがあるので、銀行が潰れないようにするための政策だと思います。例えば、ある銀行が融資している先が倒産したり、デフォルトを起こしたとして、自己資本が少ししかなければ、たちまち銀行自身も破綻してしまうでしょうけど、自己資本が沢山あれば、少々のことにはびくともしないからじゃないですか?
【中洲先生】
 パーフェクト!


【佳子】
 それは分かるわ。だけど、そんなこと各国の銀行当局が、個別に銀行を監督しとけば済む話じゃない?だって、そのBIS規制というのは、大昔からあるわけじゃないんでしょ?
【中洲先生】
 佳子ちゃん、鋭いね。
 そうだね、BIS規制に各国の中央銀行が合意したのは1988年だもんね。それほど昔と言うことでもない。
 1980年代に、途上国の債務問題に対処するためには、国際的な自己資本比率規制が必要だと、米国のボルカー議長が各国を説得したとされている。また、当時破綻したコンチネンタルイリノイ銀行などは、自己資本比率が低かったことが注目されていた。まあ、そうしたことが表向きの理由かな。
【研一】
 ということは、裏の事情もあるということですか?
【中洲先生】
 1988年前後というとどんな時代だと思う?
【研一】
 バブルの頃ですか。
【中洲先生】
 そうだね、日本の事業会社がスイスやユーロ市場で外債を発行し多量に資金調達を行なうようになったころだよ。企業の銀行離れが始まっていた。それと歩調を合わせるように、日本の証券会社や銀行が国際的に派手に活躍し始めた頃だ。


以下、次回へ続く


=====
編集後記
=====

 皆さん、お仕事或いは勉強の方の調子は如何ですか。
 私は、先週は風邪で調子が出ませんでした。寒いし、注目すべきニュースがないと執筆意欲が弱まります。
 ところで、シリーズ「銀行の不良債権」ももうそろそろ終わりに近づいています。
この後は、財政問題を扱いたく考えていますが、皆さん方、希望があったら教えて下さい。

 円相場予想コンテストは1月31日が締め切りです。

http://www.columnist-seiji.com/sub71-2.html





経済ニュースゼミ(第25号、2005,1,26)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。

 突然ですが、テレビでは「真珠夫人」とか「お水の花道」などの再放送があっています。別に見たいと思っているわけでもないのですが、テレビをつけたままにしていると、ついストーリーの進行が気になってしまいます。

 それにしても、「真珠夫人」の方は、悪役であるはずの大和田信也も憎めません。個人的には奈美悦子様が、子供の頃から好きだったのですが、最近は出番がありません。

 えっ、再放送の番組など関心がない、そうですか、では、「経済ニュースゼミ」を始めましょう。


<本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.金融改革プログラム
3.シリーズ「銀行の不良債権」
4.編集後記
<気になる経済ニュース>
■日銀当座預金 残高下げ論浮上(日経新聞、1月25日)
 昨年末の金融政策決定会合では複数の政策委員が残高下げに言及。2001年3月の量的
緩和以降、初めて具体的に議論された。

■「1円起業」で927社が設立(日経新聞、1月25日)
 経済産業省は24日、最低資本金規制の特例制度を利用して設立された会社が2万社を超えたと発表。このうち、実際に資本金が1円だったのは927社。制度導入から2年が経過。

■ライブドア・西京銀がネット銀(日経新聞、1月25日)
 山口県の西京銀行がライブドアとネット銀行の設立で合意。

■スーパー・百貨店 売上高8年連続減(日経新聞、1月25日)
 全国スーパーの2004年の売上高は14兆2532億円で前年比3.5%減。全国百貨店売上高は7兆8787億円で前年比2.8%減。

■再び強まる円高圧力 G7控え思惑(日経新聞、1月25日)
 G7を前に、米欧要人からアジア新興国・地域の通貨高を求める発言が相次いでいる。

■日銀本店手形買いオペ 2ヵ月半振り「札割れ」(日経新聞、1月25日)
 札割れは昨年11月10日以来、2ヵ月半振り。日銀は8千億円の資金を供給しようとしたが、4802億円しか応札がなかった。

■山一證券 破産手続き 今日終了(日経新聞、1月26日)
  99年6月に東京地裁から破産宣告を受けた山一證券は26日、破産手続きを終了する。日銀が実施した特別融資の回収不能額は最終的には約1111億円となる見込みで国民負担額が確定する。

■中国、実質9.5%成長(日経新聞、1月25日夕刊)

■外貨準備、ドル離れ進む 中銀の7割「ユーロ増」(日経新聞、1月26日)
 英調査会社セントラルバンキング・パブリケーションがまとめた調査。世界各国の中銀134行を対象。回答率は49%。最近2年間で7割の中央銀行がユーロ建て資産での運用を増やしたと回答。

■自動車主要6社 海外生産 昨年14%増(日経新聞、1月26日)
 自動車主要6社25日、2004年の生産、販売、輸出実績を発表。6社合計の国内生産は2%増。海外生産は14%増。

■「要注意先」債権 値付け みずほコーポ 銀行間売買を仲介(日経新聞、1月26日)
 みずほコーポレート銀行は、各銀行が保有する貸出債権のうち不良債権の「予備軍」と言われる問題企業向け債権の「値付け」や売買仲介に乗り出す。

■資金需要DI 企業向け最高 日銀調査(日経新聞、1月26日)
 日本銀行が25日発表した「主要銀行貸出動向アンケート」によると、過去3ヶ月の資金需要判断DIは、企業向けが04年10月の前回調査より4ポイント改善してプラス5となった。

■世界経済 3.25%成長に減速(日経新聞、1月26日)
 国連は25日発表した2005年の世界経済見通しで、世界の経済の成長率が昨年の4%から3.25%に減速すると予測した。米国の成長率が4.2%から3%へ。中国が9.2%から8.75%へ。日本も3.6%から1.75%へ。



以上


☆☆☆☆☆☆☆☆☆
金融改革プログラム
★★★★★★★★★

 昨年12月24日に金融改革プログラムが発表されました。
 私自身、当初は、金融改革プログラムについて、どういう内容になるのか関心もあったのですが、いざ中身が公表されると、関心は一遍に萎んでしまいました。

 理由は、金融コングリマリットを推進するとは言うものの、あまり具体的なイメージが湧いてこず、単にアメリカの金融の流れを追いかけているようににしか見えないからです。

 同時に、竹中大臣から伊藤大臣に交替し、金融庁の雰囲気が随分変化しているのではないかと、感じています。

 いい面も悪い面もあると思います。

 竹中大臣のときは、決め付けが強かったため、担当者が本音でモノをいうことが出来ず、政策目標が決まった後に理屈付けをしていた感が強くありました。
 今は、恐らく事務方の意見を聴いてくれるのでしょうが、そもそも事務方に使命感とか夢とかが欠如しているため、いざ大臣から率直な意見を求められても、建設的なことが言えない状態が出現しているのではないかと思います。

 1月25日の日経新聞に「「金融活力」具体論を欠く」という記事が掲載されていますが、「この取りまとめの舞台裏では金融庁の迷いが影を落とした。行政が民間をあるべき方向に誘導するのか、民間に任せるのか。軸は定まらず、プログラムを練り上げるこが目的化してしまった」「「2年間で実現政策はないですか」。ある大学教授を訪れた金融庁の若手幹部は繰り返した。プログラムの期間は2年で、内容より体裁を優先する姿勢がにじみ出た。「何をしたいのか。問題意識を失っている」と同教授は言う」とありました。

 それにしても、あれだけ大騒ぎしたリレーションシップバンキングも期限が過ぎたらお役御免ということでしょうか。

 リレバンの考え方に対しては、そもそも異論があるのですが、いろいろ目新しい政策目標を掲げるよりも、地道で基本に忠実な行政に徹して欲しいと思います。


以上



★★★★★★★★
銀行の不良債権
☆☆☆☆☆☆☆☆

【佳子】
 それとBIS規制とどんな関係があるのかな?
【中洲先生】
 例えば、日本の事業会社がスイスで起債するには、スイスの3大銀行が主幹事になるのが慣例だったけど、日本の証券会社や銀行の現地法人が主幹事の一角に喰いこむようになっていった。また、スイスやユーロ市場で日本勢が、主幹事になるために、「腹切りスワップ」なるものを提供し、お客さんをかっさらって行った。それが、海外の銀行等を激怒させた。
【佳子】
 腹切りスワップって、何か恐そうですが、何ですか?
【中洲先生】
 当時ね、通貨スワップが流行り始めていた。
【佳子】
 通貨スワップって何?
【研一】
 僕も分かんない。


【中洲先生】
 あのね、日本の一流企業がね、ユーロ市場でドル建てで起債する。金利は仮にX%。一方、海外の超一流企業が、円建てで起債するとする。金利はY%。
 ユーロ市場での本邦企業の資金調達が珍しく、また、その海外一流企業の我が国での資金調達も珍しいとすると、両方とも極めて有利な条件で起債が可能となる。
 ところが、その日本の企業は最終的には円貨が必要で、その海外の企業はドルが必要だとすると、それぞれが調達した通貨を交換したらどうかとなる。
 その際、金利の支払い債務も同時に交換してしまう。そのようなちょっと複雑なステップを踏むと、日本のその企業が直接国内で資金調達するより有利な条件を得ることができた。
 そういうことで、当時、そうしたスワップ取引をかませた資金調達が流行っていた。


【佳子】
 なんだか難しそうだけど、そんなことをやっていたんですか。でも、それをやりだしたのは外国の銀行や証券会社でしょ。
【中洲先生】
 そうなんだけどね、日本はマネが上手だから。
【研一】
 だけど先生、外国がやっていることを日本が真似したくらいで睨まれたんですか。
【中洲先生】
 いや、そのスワップ取引に際して、正に大サービスをしちゃうわけだ。
【研一】
 どういうことかな?
【中洲先生】
 例えば、一流企業が海外で起債をしたいと考えると、そのニュースを聞きつけて、世界中から銀行や証券会社が馳せ参じるわけだ。
【佳子】
 どうして馳せ参じるの?
【中洲先生】
 主幹事になると、幹事手数料ががっぽり入るからね。
【佳子】
 了解!


【中洲先生】
 で、各銀行や証券会社は売り込み先の企業に、起債の提案をする。例えば、海外の証券会社が1億ドルを5年間で、金利7%で調達できますと提案したとする。そして、円貨に交換すると、金利は5%になると。で、その企業にしてみたら、普通は、6%位の円貨の金利になるので、それでも極めて魅力的だ。
 ところが、そこに日本の銀行の証券現地法人がやってきて、1億ドルを5年間で金利7%、但し、円貨に交換すると金利は3%まで引き下げますとやる。
 こうなると、海外の銀行や証券会社は太刀打ちできない。結果日本勢の一人勝ち状態になる。
【研一】
 だけど、海外勢が提示できないような、そんな有利な条件をどうして日本勢が提示できたんですか?
【佳子】
 そうよね、主幹事になるのはがっぽりもうけるためなんでしょ。そんな甘い条件を提示したら儲けが吹っ飛んじゃうじゃないのかな。


【中洲先生】
 そのとおりなんだけどね。さっきも言ったとおり、当時、日本の企業の銀行離れが既に始まっていた。銀行は企業に融資をしたかったけど、日本の企業は、スイスやユーロ市場に赴き直接資金調達するような傾向が出てきた。
 超一流の企業がそういう行動にでるだけではない。日本でもそれほど有名でもないような企業がどんどん海外市場で資金調達をしだしたんだ。そうなると、日本の銀行は、生き抜くために工夫をしなければならない。それに、日本の銀行も、海外にどんどん進出して、活路を見出そうとしていたからね。
 それまで、証券会社以外では、東京銀行や日本興業銀行、それに日本長期信用銀行などが、そうした証券引受け業務のメジャープレイヤーだったけど、それに加えて、都銀勢が一斉になだれ込んできた。そして、彼らは、まず主幹事の実績を挙げることが先決とばかりに、損を覚悟で安い金利の起債を提案したんだよ。


【研一】
 海外勢は、どうしたんですか?真似できなかったんですか?
【中洲先生】
 彼らなりに努力はしたんだろうが、日本勢は羽振りがよすぎた。
【佳子】
 少しくらい赤字覚悟でサービスをするのは理解できるけど、どうしたそんなにはぶりがよかったんですか?
【中洲先生】
 だって、バブルに入っていく時代だから、株も土地もどんどん上がって、必ず儲かると錯覚していたんだね。
【佳子】
 海外勢は、金利面で日本とは競争できないので、頭にきたのかな?
で、日本勢を少しおとなしくさせろと!
【中洲先生】
 そういうこと。そうしたことがBIS規制の背景にあると言われている。自己資本比率8%という水準を求めることで、少しは日本の銀行勢も冷静になるんじゃないかと。
【研一】
 そんな動きがあったんですか。


次回へ続く



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編集後記
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 再放送で「お水の花道」があっていたかと思ったら、今度は「ショムニ」があっています。そう言えば、昨年は江角マキコさん絡みで政界も大変だったですよね。それもとうの昔のように思われます。
 
 英語の面白い表現があります。
 I'm sorry, I can't concentrate. I feel like my brain is out to lunch right now.

「すいません、集中できません。私の頭はぼーっとしているようです」という意味です。

 My brain is out to lunch. お昼ごはんを食べに外に出て行ったのですか?
へーって感じです。

 そう言えば、food for thought (思考の糧)という言い方もあるくらいだから、理屈はあっているのでしょうか。

 因みに、以上のイディオムは、アルクのパワーイディオムではレベル7に出てきますので、相当難易度は高い方だということです。





経済ニュースゼミ(第26号、2005,1,28)
 みなさん、こんにちは、Seijiです。
 テレビをつけていると、国会中継があっています。面白い質疑があれば、ご紹介し
たいと思います。

 では、「経済ニュースゼミ」を始めましょう。


<本日のメニュー>
1.気になる経済ニュース
2.対中円借款
3.シリーズ「銀行の不良債権」
4.編集後記
<気になる経済ニュース>

■OS特許 米サン、1600件無償開放(日経夕刊 1月26日)
 米サン・マイクロシステムズは25日、高性能コンピュータ用の基本ソフト(OS)関連特許16百件を無償公開すると発表した。
 サンは同OSの開発に5億ドルの費用と千人の従業員を投じた。巨額を投じた知的財産をあえて無償開放するのは目先のライセンス収入よりも、市場全体の活性化を通じて長期的な自社事業の拡大を狙うためだ。

■サービス価格7年連続下落(日経夕刊、1月26日)
 2004年の企業向けサービス価格指数は93.8となり、前の年に比べて0.4%下落した。

■三菱商事が損保事業 企業の保険料軽減支援(日経新聞、1月27日)
 三菱商事は米保険大手AIGグループと提携し企業向けの損害保険関連に事業に進出する。三菱商事の新サービスは使用料を徴収し、企業に再保険子会社を利用してもらうのが柱。

■花粉多 外出少 GDP成長率低(朝日新聞、1月27日)
 花粉の大量飛散が、今年1−3月期の実質国内総生産成長率を前年同期比で0.6%幅押し下げるとの試算を第一生命経済研究所が、24日発表。

■社長報酬 4割復活 UFJ方針、頭取らも(朝日新聞、1月27日)
 UFJホールディングスは26日、業績悪化で昨年10月から全額返上している社長らグループ首脳3人の報酬を、1月から4割程度まで復活する方針を決めた。

■生体認証ICカード 補償500万円まで会費無料(日経新聞、1月27日)
 東京三菱銀行は、26日、4月から手のひら静脈の形で本人確認するICキャッシュカードに、年会費が無料のタイプを追加すると発表。

■銀行格付けへ研究会発足 金融庁(日経新聞、1月27日)
 金融庁は、26日、銀行を独自の基準で格付けする内部評価制度の導入に向けた「評定制度研究会」を発足、初会合を開いた。6月末をメドに制度の中身を詰める。

■中小無担保融資を強化 中央三井信託(日経新聞、1月27日)
 今後3年間で700億円の融資残高を目指す。

■円建て輸出、4割突破(日経新聞、1月27日)
 2004年の輸出に占める通貨別比率は、円建てが初めて4割を突破。

■ネット版「手形取引」 金融庁検討(日経新聞、1月27日)
 金融庁は、売掛債権をインターネット上で売買する電子版手形取引ともいえる新たな市場を作る方針だ。2005年度からはじめる新行政指針「金融改革プログラム」の柱の一つに位置づける方向が固まった。

■米IT、4年ぶり最高益(日経新聞、1月28日)
 米IT主要80社の2004年の利益が、ITバブルの頂点だった2000年を上回り、4年ぶりに過去最高を更新した模様。2000年の純利益を100とすると04年は118。

■西武グループの経営改革案(日経新聞、1月28日)
 グループ中核会社のコクドを資産管理の旧会社とレジャー事業を手がける新会社に分離。西武鉄道と新コクドを合併。

■有価証券報告 589社が訂正(日経新聞、1月28日)
 金融庁が指示していた自主点検で、最終的に589社が訂正報告書を提出したことが分かった。

■2500億円増資 三菱東京発表(日経新聞、1月28日)
 三菱東京フィナンシャルグループは27日、2500億円の第三者割当増資を実施すると正式発表。

■対中円借款 2008年度停止(日経新聞、1月28日)
 政府は中国向けODAを大幅に減らす検討に入った。ODAの9割を占める円借款の供与額を段階的に削減し、2008年度にも新規供与を停止する案が有力になっている。

■BRICS勢ぞろい G7に招待(日経新聞、1月28日)
 2月4、5日にロンドンで開くG7に中国、インド、ブラジルのいわゆるBRICS4カ国に南アフリカを加えた新興5カ国の財務相が招かれることが決まった。


 以上


☆☆☆☆☆☆
対中円借款
★★★★★★

 1月28日の日経新聞によれば、「政府は中国向けの政府開発援助を大幅に減らす検討に入った。ODAの9割を占める円借款の供与額を段階的に削減し、2008年度にも新規供与を停止する案が有力となっている」とある。

 中国の2004年の実質GDP成長率が9.5%に及ぶなど近年高成長が続いていること、中国の2004年末の外貨準備高が6000億ドルを超えたこと、2004年の貿易総額が、日本を抜き、米国、ドイツに次ぐ1兆1500億ドル規模に達し3位となったことなどを考えれば、当然のことかなとも考える。

 日本が円借款の供与を停止させることに対し、中国側は反発しているようにも伝えられているが、今の中国の経済的な実力からすれば、実際には円借款を停止させてもその影響は微々たるものにとどまであろう。

 問題は、双方の顔を立てて、「卒業」へソフトランディングできるかという、極めて政治的なものとなる。

 ところで、中国へのODAの問題を考えるとき忘れることが出来ないのが、1989年6月に起こった天安門事件(第二次天安門事件)だ。既に16年以