経済ニュース解説
                            by コラムニストseiji



 コラムニストの小笠原誠治が、経済や金融について分かりやすく解説します。

 為替はどうなるのか。金利はどうなるのか。景気はどうなるのか。そうしたことを経済学の基礎知識を駆使し、しかし、経済学の常識に拘らずに探求したいと思います。

 このサイトを通じ、経済や世の中の出来事が本当に理解できるようになることを目指します。

 また、コラムニストseijiは、経済ニュース解説などを内容とするメルマガ「経済ニュースゼミ」を発行しています。

 これまでに、量的緩和政策、不良債権問題、ペイオフ全面解禁、預金保険制度、財政、開発援助(ODA)などをシリーズものとして扱ってきました。現在は、マクロ経済、ミクロ経済について庶民的感覚で取り組んでいます。

 このサイトとメルマガを読めば、貴方は、上司や友達からホーッと言われるようになるかもしれません。

 
次の問いにチャレンジして、皆さんの経済センスを試してみて下さい。

(問1)冷害や病害虫に強い品種の稲が発見されると農家の生活水準向上につながる。 

(問2)貧しい人に対する住居を確保するためには、家賃を規制することが有効な政策である。

(問3)金持ちの税金負担比率を高めるためには、高級車、自家用飛行機、宝石などに高い税金をかけることが有効である。

(問4)鯨や野生の生物を保護するには、それらに対する私的な所有権を認めることが効果的である。

(問5)法人税を増税しても、、法人が負担する実質的税負担がその分増大するとは限らない。
 
 如何ですか。簡単すぎますか。
 自信がないと仰るのであれば、経済ニュースゼミで一緒に考えてみましょう。

 相互リンク、相互紹介を歓迎します。但し、過激な内容は困ります。
                                                     
                        

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景気減速と株高
 NYダウが1万3千ドル台に乗りました。しかし、米国の景気は減速しているようです。07年1−3月期の実質GDP 成長率は、1.3%にとどまっています。
 では、どうして株価は上がっているのでしょう。(2007年4月)
  
           1月  3月

  
 (4月26日、28日、日経新聞より)
 NYダウ工業株30種平均は、2月の下旬まで均してみるとほぼ一本調子で上昇していたのが、2月の終わりの世界連鎖株安で一気に暴落し、しばらくぐずついていましたが、また、急上昇し、4月25日に1万3千ドル台に乗せました。

 一方、経済成長率の方は、やはり減速気味で、4月27日に発表になった1−3月期のGDP速報値では、前期比年率1.3%の低い成長率にとどまっています。
 GDPの伸びが低くなったのは、住宅投資が前期比年率で17%も減少したからですが、個人消費は、3.8%も増加しています。

 で、肝心の株高の理由ですが、最近発表になっている主要企業の決算内容が予想よりもいいからです。
 では、何故決算内容がよくなっているかといえば、ドルが歴史的な安さになっていて、その結果米国製品の海外での販売が好調だからといいます。

 ドルの主要通貨に対する実効為替レートは、1973年を100とする指数では、80を切っています。
スタグフレーション
 スタグフレーションとは、不況(stagnation)とインフレ(inflation)が同居する状態。元々は、不況になれば物価が下落し、逆に景気が過熱すればインフレになるという関係にあることから、不況とインフレが同時に起こることはあり得ないと考えられていたが、世界的に1970年台頃からスタグフレーションという状態が出現するようになった。(2007年4月)
 

 2007年に入って暫くの間アメリカ経済は、熱すぎることもなく、また、冷たすぎることもない理想的な状態にあると言われていました。これをゴールディロックスの経済と呼ぶ人もいます。

 ゴールディロックスとは、この絵本の女の子の名前ですが、この女の子はスープが熱すぎるとか冷たすぎるとか注文が多かったことから、ゴールディロックスは、理想的状態を意味するようになったと言われています。
 いずれにしても、2007年の1月頃は、米国の経済は軟着陸するどころか、着陸せず飛行を続けるという強気の見方さえ現れていました。

 ところが、2月末の世界的な連鎖株安やサブプライムローン市場の焦げ付き問題をきっかけとして、景気減速感が一気に強まりました。
 住宅市場の崩壊を受け、経済がリセッションに入るのではないかという見方が出てきたわですが、その一方で、インフレの懸念は衰えていません。

 アメリカの消費者物価指数の上昇率は、FRBの想定範囲である2%程度を上回っているのです。

 そして、ひょっとしたらアメリカ経済は、不況とインフレが同居するスタグフレーションに突入するのではないかとの悲観的な見方まで出てきているのです。

 CPIショック
 2006年8月下旬に消費者物価指数の基準年改定が行なわれた結果、7月の消費者物価指数は、前年同月比0.2ポイントの上昇にとどまった。これは、市場が予想していた0.5%の上昇という数字と大きく喰い違うものであった。(2006年10月)
<ショックの意味>

 市場の予想が少しくらい狂うことは日常茶飯事であるので、それほど驚くこともないと思うのですが、どうしてショックなのでしょうか。
 
 消費者物価指数の動向は、日銀の金融政策の大きく影響を与えるものであり、7月の消費者物価指数が僅か0.2%の上昇にとどまったことによって、日銀の利上げが遠のいたとの観測が強まり、長期金利が急落したということです。

 消費者物価指数が発表される前までは、10年ものの新発国債の利回りは約1.8%だったのが、1.6%程度まで低下してしまったのです。


<基準年の改訂>

 総務省が規準年を改訂したことは、予定通りの行為で、それまでの平成12年から平成17年を基準年とするようになるとともに、調査対象の品目のウェイトなどの見直しが行なわれました。

<改訂によって消費者物価指数が低めになった理由>

(1)価格下落の著しい移動電話通話料(携帯の通話料)のウェイトが、それまでの74/10,000から208/10,000へと3倍に増大した。
(2)基準改定で追加された薄型テレビの価格下落が著しかった。
(3)価格下落の著しいノート型パソコンの指数が約16と小さくなっていたのを100にリセットしたため、マイナスの寄与度が大きかった。

   ↓↓↓
 こうしたことが、マーケットには、事前には予想できなかったということです。

    ↑↑↑
 しかし、こうしたことが消費者物価指数が低めに出ている理由であるとすれば、不況が続いているから物価が下がっていると考える必要はないということになりす。



 戦後の大型景気
 2002年2月に始った今回の景気拡大は、10月で57ヶ月となり、戦後最長のいざなぎ景気と並びました。(2006年10月)
 戦後の好景気を探ってみましょう。

神武景気:1954年12月〜1957年6月 31ヶ月
       (昭和29年12月〜32年6月)

 日本初代の天皇である神武天皇即位(紀元前660年)以来の好景気という意味。

 朝鮮特需によって日本経済が活発化した。1956年の経済白書では、「もはや戦後ではない」と記述された。また、三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ)が登場。


岩戸景気:1958年7月〜1961年12月 42ヶ月
       (昭和33年7月〜36年12月)

 神武景気の31ヶ月の拡大期間を上まわる42ヶ月となり、神武天皇より遡り、天照大神が天の岩戸に隠れて以来の好景気という意味。

 スーパーストアーが出現し、流通革命と呼ばれた。1960年には、所得倍増計画が発表された。


いざなぎ景気:1965年11月〜70年7月 57ヶ月
       (昭和40年11月〜45年7月)

 神武景気や岩戸景気の拡大期間を上まわる57ヶ月となり、天つ神の命を受け日本列島を作った男神「いざなぎのみこと」からネーミングされた。いざなぎのみことは、天照大神の父神。

 車、クーラー、カラーテレビが出現し、3Cと呼ばれた。
バブル景気:1986年12月〜91年2月 51ヶ月
       (昭和61年12月〜平成3年2月)

 1985年9月のプラザ合意により急激に円高が進んだことから、不況回避のために金融が大幅に緩和され、株や土地などが高騰し、バブルが発生した。










いざなぎ景気の今回の景気の比較

         いざなぎ景気  今回の景気拡大
実質成長率(年率) 11.5%      2.4%
名目成長率(年率) 18.4%      1.0%
給料の伸び率    114.8%    △1.6%
消費者物価上昇率  27.4%     0.7%
労働力人口の増加数 351万人   △65万人
 ゼロ金利の解除の効果
 今週の13日、14日に日銀金融政策決定会合が開催されます。関心は、専らゼロ金利政策が解除されるかどうかです。(2006年7月)
 
ゼロ金利政策が解除されるとどんな影響があるのでしょうか。
 巷では、預金金利の引き上げが発表されていますが、といってもすずめの涙みたいなものですが。


 2006年度の経済財政白書が今月の末に発表される予定ですが、その白書で、金利が1%上がった場合のシミュレーションをしているとか。


 金利が1%上昇すると
   ↓↓↓
 家計部門で純利子所得が6.2兆円増。

 GDPの規模が約500兆円ですから、それから考えても6.2兆円の利子所得が増加することは、消費拡大に相当の影響を与えそうですね。ただ、内閣府の試算では、1.2兆円だとか。

 一方、企業部門では約3兆円の減益になるとか。


 家計部門は、住宅ローンなどの金利負担が約2.5兆円増加する反面、預金の利子所得が8.8兆円増え、差し引き6.2兆円の純利子所得の増加になるとか。

 銀行は、利鞘改善で資金収益が0.7兆円増大するが、国債評価損が大手銀行3項で2.2兆円、地方銀行64行で1.6兆円増加するとか。
 
 
 ところで、ゼロ金利政策が解除されると公定歩合はどうなるのでしょうか。

 当然上がる?

 この質問は、意外と難しいですね。

 ところで、現在の公定歩合は何パーセントでしょう。

 当然ゼロパーセント、否、0.001%位かなと答える人がいるかもしれません。

 何で分らないのでしょうか。それは、ゼロ金利政策という場合の対象となる金利が、コール市場の無担保金利翌日物を指し、公定歩合に関心が集まることがなくなっていたためです。

 ゼロ金利政策は、無担保コール翌日物の金利を概ねゼロパーセントに誘導する政策です。細かく言えば、長い間、0.001%だったのですが、日銀によれば、0.1%以下であれば、概ねゼロを意味するとしています。

 そして、仮にゼロ金利政策が解除されると、無担保コール翌日物は、0.25%まで引上げられるものと見られています。

 ところで、公定歩合は現在0.1%で、公定歩合の方が無担保コール翌日物よりも約0.1%上回る水準だということができます。

 では、ゼロ金利政策が解除されると、公定歩合は、0.25プラス0.1で0.35%に引上げられるのでしょうか。

 しかし、そもそも量的緩和政策という異例の政策を採用する以前は0.25%の差があったとされています。ということは、現在の公定歩合は異常に低く設定されているということです。そこで、公定歩合も含めて正常化させようとすると公定歩合は0.5%にしなければいけないとされています。

 しかし、そこまでするとゼロ金利政策解除の影響が大きすぎるので、実際はどうなるか不明です。

 

 リスク回避の停止
 今月末の金利引上げも既に織り込み済みで、FRBとマーケットの意思疎通に改善が見られていますが、それに伴いNYダウも反転しています。(2006年6月)

 5月1日から6月16日までの約1ヶ月半の株価を見てください。世界同時株安ということで、NYダウは、11,600ドル台から10,700ドル台にまで低下しました。

 株価の低下は、5月10日のFRBの金利引き上げ後に始りました。ただ、下げたといっても5月中は11,000ドル台は維持していました。

 下げが加速するのは、6月に入ってからです。
 6月2日に、米国の雇用者増加数が発表になったのですが、予想を下回るものであったので雇用減速感が一気に強まり、利上げは打ち止めだとの観測が強まりました。しかし、6月5日にバナンキ議長はインフレ警戒発言を行ない、すっかりマーケットを失望させてしまったためです。

 このためFRBとマーケットの不協和音が聞かれたのですが、暫くすると、マーケットも冷静になりました。また、14日発表の消費者物価指数が高い上昇率を示していたため、マーケットは金利引き上げを織り込み、FRBとマーケットは共通認識を形成するに至った模様です。

 そして、それを契機として、株価が反転し、金の相場も反転しているのです。
                  
   
 (日経新聞、6月19日)

 一時は、株や商品相場からマネーが逃避し、債券市場にマネーが流入していましたが、その動きも止まったようです。

 それにしても、株価と金先物の相場がこんなに似ていようとは、と思いますね。

 バナンキ議長と金利引き上げ観測 
 6月5日のインフレ警戒発言以来、マーケットは荒れていますが‥(2006年6月)
 6月5日、バーナンキ議長は、次のように述べました。

   

 「食料やエネルギーを除いたコアインフレ率は、過去3−6ヶ月間でみれば、許容限度を超える水準に達している」

 「消費者物価指数で計測したコアインフレ率は、過去3カ月で3.2%になり、また、過去6ヶ月間では2.8%となっている。さらに、個人消費支出ベースでみたコアインフレ率も3ヶ月間で3.0%、6ヶ月間で2.3%となっている」

 この発言を受け、マーケットは失望したとされます。なぜなら、その直前に発表されていた5月の雇用者増加数が予想を下回ったためで、景気減速から金利引上げは打ち止めになるだろうという観測が強まっていた矢先だったからです。


 そして、FRBのバナンキ議長に対しての批判が盛り上がったのでした。例えば、ウォールストリートジャーナルは、6月5日付けで、「言うことが変わりやすく、多くの投資家が彼を好ましく思っていない」と酷評しました。

 また、「インフレ懸念を和らげ、利上げ打ち止めを宣言するまで株価は下がり続ける」という意見も聞かれました。


 

 

 ところが、その後打って変わってFRBに好意的な意見が続出しています。

 例えば、ウォールストリートジャーナルは、6月10日、「1970年代の例はインフレ高進は、株価にとっても、利上げよりずっと害が大きいことを示している。FRB議長は強硬だが必要な姿勢を示している」と議長発言を評価する姿勢に転じています。

 何が起こったのでしょうね。

 FRBの姿勢に賛意を示したのはウォールストリートジャーナルだけではありません。

 時間的には前後しますが、米国のUSA TODAY も「ブッシュ政権は減税や財政支出拡大など依然として電気ショックに近いほど経済刺激策をとっている。インフレは懸念の一つであり、バナンキ議長がこの問題で日和見的な姿勢をとる理由はない」ともしています。

 さらに、英フィナンシャル・タイムズ紙も「議長が言うようにエネルギー価格上昇がインフレ高進に直結することを防ぐ最良の方法は一般の長期的インフレ見通しに歯止めをかけることだ」と述べています。



 6月14日、米国の5月の消費者物価指数が発表になりました。

 なんと前月比0.4%の上昇です。コア指数でみても、3ヶ月連続の前月比0.3%の上昇です。
 0.3%というと大したこともないように思われるかもしれませんが、年率に直すと3.66%の上昇です。

 この上昇率は、やはりバナンキ議長の指摘した許容範囲を超えた上昇率と言えそうです。


 これによって、マーケットでは、6月28〜29日のFOMCで、FFレートを5.25%に引上げることが確実視されたかのような雰囲気になっています。また、それだけでなく、5.50%までの引き上げがなされるという見方も出てきています。


 ゼロ金利政策の解除時期 
 5月23日、福井総裁の記者会見の模様が報道されていますが‥(2006年5月)

 日銀の福井総裁が、22日、日経新聞の記者と会見したとされ、その模様が詳しく報じられています。見出しは、「金利水準ゆっくり調整」とされています。

 いよいよゼロ金利政策の解除の時期を迎えたということでしょうか。しかし、よく読んでみると、具体的な解除時期については一切言及しなかったともされています。

 「しかし」です。今まではただ「解除の時期について予断は持っていない」とだけ答え、なるべく竹中大臣や自民党の政調会長などを刺激しないような発言に終始していたように思えたのに、今回の会見は、極めて派手に見えます。

 また、会見の要旨の全文を読んでも、やたらカタカナが出てきますし、それらの言葉の持つ意味をよく考えてみると、ゼロ金利の解除に反対する立場の人たちに挑戦状を叩きつけているようにも思えてきます。

 キーとなるカタカナの単語は、バックワードルッキング、ギアチェンジ、フォワードルッキング、ビハインドザカーブです。

 以上の言葉を使用して、福井総裁がどのような発言を行なったか分かる人は、相当に経済通ですね。


バックワードルッキング
 バックワードルッキングって、なんのことか分かりますか。直訳すると、後ろを向いているということですが、量的緩和政策では、消費者物価を軸に政策を縛り付けてきたが、消費者物価指数は、遅行指数であり、そうした消費者物価指数にだけ目を向けると、タイムリーな金融政策が展開できないと述べているのです。
 では、何に目を向けるかというと、需給ギャップと単位労働コストの下落が物価下落に与える影響の度合いを判断することが大切だとしています。

ギアチェンジ
 次が、ギアチェンジ。車を運転する人ならば、なんとなく雰囲気が伝わってきそうですね。上り坂から平坦な道になったのか、その逆かは分かりませんが、いずれにしても経済環境が大きく変化してきたので、それに合わせてギアを換える必要があると言っています。
 「長期停滞から脱出した経済が持続的な拡大を実現していくための金融政策として最も有効な対応という意味で、デフレ脱却への対応から大きくギアチェンジした発想で政策を運営していく必要がある」としています。


フォワードルッキング
 バックワードルッキングでは手遅れになり、ギアチェンジも必要。そして、フォワードルッキングに視点が大きく切り替わったとしています。
 狙いは長期的、安定的な拡大を続ける経済の実現だとした上で、フォワードルッキングな視点を欠いて短期的な視野で政策運営していけば、視野が狭くなり、却って先行きの景気の振幅を大きくするリスクがあるということです。


ビハインドザカーブ
 まとめの言葉は、ビハインドザカーブにならないようにしたいということです。分かりやすくいうと、後手を踏まないようにしたいと。


 確かに、日銀の最大の使命は、通貨価値の維持、即ちインフレの回避ですから、総裁の会見の内容は及第点だろうと思いますが、対する与党や財政当局は、まだ、デフレから脱出していないとの立場ですから、反発が当然予想されます。

 なお、福井総裁は、デフレは脱却したと考えているのかと訊かれ、デフレ脱却は人によって定義が違うので、それを論じても生産的ではないと答えているのもちょっと刺激的ですね。

 一つ気になる点は、日銀の需給ギャップの考え方ですが、日銀の需給ギャップは、現実の需給ギャップではなく、インフレが起きる可能性が高くなる水準を需給ギャップゼロと捉えているので、需給ギャップが解消されたからインフレになる可能性が出てきたというのはトートロジーになりはしないかということです。

FRBの金融政策 
 5月10日、米連邦公開市場委員会(FOMC)が会合を開き、金利の引上げを決めましたが‥(2006年5月)
 米連邦公開市場委員会が開かれ、予想どおり金利引上げが決定され、FFレートは、0.25%引上げられ、5.00%というきりのいい数字となりました。

 もっとも、この金利引上げは既に織り込み済みのことで、これで金利引上げ打ち止めとなるかに関心が集まっていました。

 今後金利引上げがまだ継続されるのか。それをFOMCのステートメントから読み取ってみましょう。

 ステートメントには、右のように書かれていますが、問題は次の文章です。


 The Committee judges that some further policy firming may yet be needed to address inflation risks but emphasizes that the extent and timing of any such firming will depend importantly on the evolution of the economic outlook as implied by incoming information.

 In any event, the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to support the attainment of its objectives.

 委員会は、インフレリスクに対応するため、さらなる引き締めがなお必要かもしれないと判断するとともに、そうした引き締め(金利引き上げ)の程度と時期は、経済データによって明らかにされる経済見通しの如何によるものであることを強調したい。

 委員会は、いかなる場合においても、その目標を達成すため、経済見通しの変化に対処する所存である。


 以上の文章を素直に読む限り、金利の引き上げは今後も続く可能性が強いと見られますが‥、ということになると打ち止め確定という訳にはいきませんが、今後1−2回の会合で金利引き上げが行なわれる可能性は低いとみるべきでしょうか。


The Federal Open Market Committee decided today to raise its target for the federal funds rate by 25 basis points to 5 percent.

Economic growth has been quite strong so far this year. The Committee sees growth as likely to moderate to a more sustainable pace, partly reflecting a gradual cooling of the housing market and the lagged effects of increases in interest rates and energy prices.

 委員会は、経済は今年に入りこれまでのところ高い成長を示しているが、今後は徐々に減速し、維持可能なペースに到達するとみている。これは、住宅市場の減速と金利上昇及びエネルギー価格の上昇の効果を反映してのことである。

As yet, the run-up in the prices of energy and other commodities appears to have had only a modest effect on core inflation, ongoing productivity gains have helped to hold the growth of unit labor costs in check, and inflation expectations remain contained. Still, possible increases in resource utilization, in combination with the elevated prices of energy and other commodities, have the potential to add to inflation pressures.

 エネルギー価格や他の一次産品の価格が上昇しているが、これまでのところコア物価指数には限られた影響しか与えていない。生産性の上昇が単位労働コストの抑制に役立っており、インフレ予想も押さえ込まれている。しかし、今後稼働率が上昇することになると、エネルギー価格や一次産品の価格の上昇とが相まって、インフレ圧力が加わる可能性がある。

The Committee judges that some further policy firming may yet be needed to address inflation risks but emphasizes that the extent and timing of any such firming will depend importantly on the evolution of the economic outlook as implied by incoming information. In any event, the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to support the attainment of its objectives.


  


            
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